Schwedenplatz なんやらな?ウィーン館

ウィーンの通り

この項目では、ウィーンの通りのなまえについて、すこし書いてみましょうか。

ウィーンの通りといえば、何といっても『リンク』です。ドナウ運河に面したユリウス・ラープ・プラッツよりオペラ座や市庁舎の前を通る半円を描いて、再びドナウ運河に面した場所(地下鉄ショッテンリンク駅がある所)へと通じています。『リンク』をドイツ語で書くと"Ring"。Ringとは『指輪』のことです。『指輪』という意味から『環状の通り』を指すようになったのでしょう。

実際は指輪のように完全な輪にはなっていません。ドナウ運河に沿った部分は『リンク』とは呼ばれてないからです。ドナウ川に沿った通りのなまえはフランツ・ヨーゼフス・カイFranz-Josefs-Kai。カイKaiとは『埠頭』『岸壁』という意味ですから、直訳すれば『フランツ・ヨーゼフの岸壁』となるでしょうか。よくよく考えてみれば妙な通りのなまえですね。

ウィーン一番の目抜き通りは、オペラ座の横からシュテファン大聖堂へと至るケルントナー・シュトラーセKaerntner Strasse。シュトラーセStrasseとは『道路』『通り』という意味で、英語streetと同語源の単語だそうです。このStrasseが付く通りは結構あります。

それよりも多いのが、ガッセGasseの付く通りです。ヘレンガッセHerrengasseやヴァイブルクガッセWeihburggasseなど、リンクの内側だけでも無数にあります。Gasseとは『路地』や『小路』などの意味ですが、オーストリアではStrasseの意味合いで使われているみたいです。実際に地図を見てみると、どうやら大きめの通りはStrasse、小さめの通りはGasseと使い分けているようで・・・。

リンクから1本か2本内側に入ったところに、バスタイBasteiの付く通りがあります(ドミニカーナー・バスタイDominikaner Bastei等)。Basteiとは『稜堡(りょうほ)』という意味で、城の突出部のこと。その吊が示すように、かつてはちょうどこのBasteiが付く通りの場所に城壁がありました。そのころのリンクは、城壁に近づいてくる敵を鉄砲で狙いやすくするために、遮蔽物のない平地でした。Basteiの付く通りがリンクとほぼ並行に走っているのは、昔の城塞都市ウィーンのなごりというわけです。

ツァイレZeileの付く通りもあります(リンケ・ヴィーンツァイレLinke Wienzeile等)。Zeileとは『(文章の)行』という意味ですが、この場合は『家並み』くらいの意味でしょうか。

何も付かない通りもあります。ウィーンの中心部にあるグラーベンGraben。日本で出版されているガイドブック等では、分かりやすいように『グラーベン通り』と『通り』を付けて訳してあるのもありますが、この通りのなまえはただの『グラーベン』です。Grabenとは『溝』等の意味があります。昔は『堀』でもあったのでしょうか?

市場(いちば)がそのまま通りのなまえになったような所もあります。日本にも支店があるカフェ、デーメルがある通りのなまえはコールマルクトKohlmarkt。マルクトMarktとは『市場』という意味で、英語のmarketと同語源だそうです。Kohlとは『キャベツ』の事でキャベツでも売っていたのだと思ってましたが、そうではないようで、ここではどうやらKohle=炭を扱っていたようです。カールスプラッツの西側にはゲトライデ・マルクトGetreidemarktという通りもあります。Getreide=穀物、Markt=市場ということで、こちらは穀物を扱う市場だったのでしょう。

最後にウィーン郊外のハイリゲンシュタットにある小径をとりあげておきましょう。その小径のなまえはベートホーフェン・ガングBeethovengang。Gangとはいろんな意味がありますが、意訳すれば『散歩道』くらいの意味でしょうか。あのベートーベンが散歩していた道なのだとか・・・。小川沿いの小さな道で、住宅こそ建ちならんでいますが、現在もとても静かな場所です。近くにはハイリゲンシュタット遺書の家やエロイカハウスなど、ベートーベンにまつわる建物がのこされています。


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2007年8月8日作成。

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