槍・穂高縦走
 2年生の10月、初めて単独で個人山行に行った。自分でテントも購入して、3泊の予定で出発。新宿を夜行で発ち、松本から松本電鉄・バスを乗り継いで翌朝、上高地着。天気は快晴。この日は一気に槍ヶ岳山荘まで行くつもりだった。

 しかし、初めての単独行でペースを上げ過ぎたのか、バテてしまってフラフラになった。(今から考えると高山病だったかもしれない)時間的にも遅くなり、槍ヶ岳殺生ヒュッテでテントを張ることになった。槍沢は紅葉の真っ盛りで青空とのコントラストはとてもきれいだった。

 翌日は元気になり、槍ヶ岳から一気に大キレットを越えて穂高岳山荘まで行った。大キレットも思ったより怖くはなく、北穂高も難なく越えた。天気は曇り。下り坂のようだ。体調もよくハイペースで進んだ。

槍ヶ岳山頂
 穂高岳山荘の天場は斜面に段々に付けられた非常に狭いスペースだった。テント設営してからだんだんと風が強くなり、ついには飛ばされそうになったので、必死でテントをたたみ、穂高岳山荘に逃げ込んだ。どうやら季節はずれの台風が接近していた。仕方ないので、この日は小屋に泊まることにした。

 翌日になっても天候は回復せず、どうやら台風が上陸したようだ。これでは下山できず、穂高岳山荘でもう1泊することにした。全日停滞である。穂高岳山荘には図書室もあり、ゆっくり過ごした。

 翌朝起きたら、台風は過ぎ去り、天気は回復したが、なんと外に出てみたら、真っ白だった。雪が降ったのである。10月に北アルプスで雪が降ることはめずらしいことではないが、2年生の自分にとっては予想外のことで驚いてしまった。もちろんピッケルもアイゼンも携帯していない。果たして下山出来るのか、不安になった。

 すでに食糧はなく、また予定日に下山しなければ、遭難と判断されてしまう。絶対に今日中に上高地まで降りなければならない。

 穂高岳山荘からはハシゴなど、急な岩場が続く。うっすら積もった雪は滑りやすかったが、なんとか奥穂高山頂に到着。その後は気温も上がり、雪はほとんど融けて、あとは順調に吊尾根を前穂高へ。そして岳沢を下って、上高地へと無事下山した。

 誰もが憧れる槍から穂高の縦走をひとりで歩いた達成感は非常に大きかった。またひとつ山登りに自信がついた山行となった。
奥穂高岳山頂・うっすらと雪が積もっている 前穂高山頂
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