オイル

2003/04/12 シアターコクーン

半神以来のNODA MAP です。いや〜長かった。ようやく観られてうれしい!
「パンドラの鐘」が原爆を落とす時の作品なら今回は落とした後の話ということで、ちょっと期待しながら観ました。というのも、世代によっても異なりますが、おそらく広島・長崎・沖縄の3地域に生まれ育った人々は他地域の人たち以上に、反戦の教育をうけていると私は考えているんですね。沖縄の場合、教員組合みたいのが強くて、学校で君が代を習うことはなかったためにほとんどの人は歌えないし(曲を聴くのはスポーツの世界戦くらいだ!)、卒業式で日の丸が堂々と掲げられることもなければ、一応ある君が代斉唱も歌えないだから空々しいテープの声が体育館に響くだけという状態。学校での教育だけじゃなく、家でも祖父が兵隊へ祖母は地上戦でという風に、あの時代生きていた人はほとんど戦場にいたという状態なので、たまに聞くその話はかなりむごかったりします。そういう沖縄出身の私が長崎出身の野田さんに期待して観るのはごく自然の流れであって、しかもちょうどイラク戦争が始まった時期ということでいろいろと思ってしまったわけです。見終わったとき、野田さんのこの挑戦に拍手したくなりました。
 野田さんにしては、いつになくわかりやすい作品です。で、野田さんがいかにアメリカが嫌いかというのもわかる作品です。私もアメリカは嫌いなので、いろんなところで頷いたり、気づかされたりして非常に有意義な2時間を過ごすことができました。前日に新感線を観にいったのですが、初日2日目とは思えないくらい完成度が高い!!というか、新感線低すぎ(苦笑)。第三舞台も初日から仕上げてきたという話だったし(よく考えればこれが当然なんですがね。同じお金を払っているわけだから)。
 藤原竜也さん、初見なんですが彼にはまっているみなさんの気持ちがよ〜くわかりました(笑)。テレビや映画ではそんなにその良さがわからなかったのですが、生竜也を見ると、あの目力の強さ!実は私、今回はじゅんさん、小林さん、野田さんを中心に見ようと思って行ったのですが、つい目が追ってしまうのは藤原さんだったんですよね〜。自分でもびっくりするくらい。いや〜、目って正直ですね(笑)。彼にはずっと舞台を中心にやっていってほしいと思いました。
 松たかこさん、彼女も舞台のほうが栄える人でした。ちょうど前クールのドラマに主演していたのでたま〜に見ていたのですが、それよりこっちのほうが断然いい!舞台上で綺麗な涙を流すことができるっていうのもかなりポイント高し。歌舞伎役者の血が流れているんだな〜うらやましいぜ!と思いました。
 松さんの最後の長ゼリが考えさせられます。日本人はある種簡単に過去を捨ててしまえる人種なのかもしれない、と私は聞きながらそう感じていました。幕末のときもそう。戦後もそう。ただ、そういった人たちだけでなく、少数ですが、実際に憎しみを持ち続けている人ももちろん中にはいます。私は第二次世界大戦にしてもどんな戦争にしても、その国の人を憎むわけにはいかないと考えています。その国の人だって戦争したくてしている人だけじゃないですし、もし私の大切な人が殺されてしまったとしても、それはやらなければやられてしまうという双方の事情もあるから、憎むに憎みきれないと思うのです。ただ、原爆のように無条件に一般市民も巻き込むものはどうかと思います。
 転勤直後のあわただしい中上京して観にいったのですが、これを見逃していたら後悔していただろうなというくらい、私にとってはいい作品でした。いや〜〜、今年は当たり年だ。
 

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