赤鬼〜日本バージョン〜

2004/10/16 シアターコクーン 1階G列6番


 8年前の初演を今は無き近鉄アート館に観に行った、思い出深い作品です。

 今回、中央に舞台があるという設定なため、普段は舞台として使われている部分にも客席が作られてて、私はそちら側の一番後ろの席だったんですね。「コクーンの舞台そでってこういう風になっているのね」と舞台裏をのぞくことができて楽しかったです。ただ、そういった客席作りのせいか音が悪くて、役者さん達の声が聞こえにくかったのは残念。反対側の客席(普段から客席として使われている部分)だと大丈夫だったと思います。たぶん。

 初演を観て話を知っていたせいか、泣くほどまではこの話にのまれることはありませんでした。野田さんのお芝居って、最近「感動した〜」というより「芸術だな〜」と感じてしまうことが多くて、そういった意味で話にのめり込めない部分があるんですね。野田さんが作ったホンだからというのもあるかもしれませんが、野田さんが言っている台詞には胸を打つことが多々あったのですが、大倉さん、小西さんの台詞はそれほどまでではありませんでした。2人が悪いというわけではなく(むしろ2人の良さが充分に発揮されていたように思います)、野田さんが突出していただけだと思うんですけどね。
 この話は一見分かりやすくなっていますが、実際は非常に難しいですね。人間誰しも差別する心を持っているし、見た目が違うどころか、同じ人種同士でも差別しあう(例えば「日本人」というくくりは一緒なのに、同和問題があったりしますよね)。細かく言えば友達同士・兄弟同士でも差別が生まれる。私自身差別する心を持っている。いくら持たないようにと思ってもついやってしまう。もし、話のような状態なら私もきっと村人のように「赤鬼」には近寄らないようにすると思うし、「あの女」のようにはなれない。考えれば考えるほど難しい。
 野田さんが鬼をやった他のバージョンが観てみたいと思いました。テレビで放送するかな?
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