ハルシオン・デイズ

2004/04/11 紀伊国屋ホール


 久しぶりの紀伊国屋ホールです。考えてみたらなんと97年に観て以来。なんだか妙な気分です。今回のこのお芝居、某サイトでは賛否両論わき起こっていて、ドキドキしながら観にいきました。
 観終わって最初に思ったことは「なんかあっさりしているな」ということでした。観ているその時々にはもちろん引き締める場面があり、また緩くしている場面ありと緩急つけていて飽きなかったのですが、終わってみるとさらりとした感触が残っていました。でもその感触は決して嫌なものではなくて、妙に心地いいんですよね。言葉に表すことは難しいんですけど。おもしろかったし、ぐさぐさくる(とはいっても第三舞台時代のような冷たい切り込まれかたではなく、優しく殴打(?)される感じってよくわかりませんね)ところももちろんあったし、好きな部類に入るお芝居でした。
 今回の観て思ったことは(一緒にいった臨床心理士の友人も言ってたのですが)、鴻上さんって精神科医とかカウンセラーに一種の幻想というか憧れを抱いているな、んで女性に対しても相変わらずだよな、ということでした。私自身病院で働いていたので多少はわかるのですが、医者は案外ビジネスライクに患者と接していて、あまり踏み込むことはしないものです。中には踏み込む人もいますが、ちょっとでも油断すると、今回のえみりさんではありませんが、引きずられてしまいますから、なかなかそこまではしません。まあ、物語だからこういうのもありだなと思いますけどね。
 自殺がテーマの一つになっていますが、実は私自身は自殺したいと思ったことは一度もありません。「車にひかれて1ヶ月ぐらい入院したら、とりあえずは逃げることができるのに」とは考えたことがありますけど、死ぬのはね〜正直怖いとしか考えられなくて (^^;;世の中から自分がいなくなるのってなんかとてつもなく悲しいことじゃないです?どうせ人間いつかは死ぬんだから、わざわざ自分からその選択しなくてもいいじゃんと思ってしまうんですよね。実は私の周りには自殺した人(らしい人含)が4人います。全員大学時代に知り合った人なのですが、このことで自殺にもいろいろと種類があるんだなと考えさせられました。これから先、深い悲しみに沈んだり、追いつめられて苦しんだりということがやってくると思います。そのときになんとかそう思わずにいられたらいいな〜と願わずにはいられません。とはいえ、鬱病の場合、ある意味自分の意志とは関係なくそうなってしまうときもあるので、難しいところではあるんですけどね。
 大高さんは珍しくホモの役なのですが、微妙に違和感が。松重さんのときは何も感じなかったんですけどね。なんででしょ?大高さんのセリフそのものにはぐっときました。さすがやの〜〜。
 高橋さん。舞台では初見なのですが、いや、かなりいい!最後の扱いがもったいないくらい!大高さんと村人やっているときのハモリもばっちしだし(このところは鴻上さんっぽいなと思いました)。これから先も使ってくれないかな〜、鴻上さん!
 北村さんは難しかっただろうなと。前のトランスの小須田さんの場合は普通の人から天皇という全く違う性格の人格だからまだよかったけど、今回は性格はほぼ一緒でただ置かれている環境が違う人格だったので、表現しにくかったのではと思います。でももう少し追いつめられ感があればさらによかったに違いない。
 そしてえみりさん。大学卒業して数年のカウンセラーというほんの少し仕事に慣れてきたけど、まだ自分の仕事の重さに気が付いてなかった、という役の感じが十分に表れていてよかったです。立ち姿もきれいだし。これからもっといい役者になってね。
 カーテンコールでは鴻上さんが鬼の格好して登場し、大入り袋ばらまきへ。大阪で観ていたときは結構ゲット率高かったんですが、今回はとれませんでした(^^;;とれた人によると、中身はチロルチョコだったらしいです。終演後、出口付近で鴻上さんを見かけたんですが、なんか難しそうな顔をしていたのが印象的でした。あまり評判よくなかったからか?
 私としてはこの作品、DVD化してほしいのですが無理かな〜。

ケ・イ・ジ へ  虚飾の町に別れのキスを へ

観劇記録 目次 へ

index へ