透明人間の蒸気

2004/04/10 新国立劇場中劇場


 オイル以来の野田芝居です。今回、先行チケットがはずれまくって一般発売で取るという久しぶりにドキドキの気分を味わいました。なおさんのおかげでなんとか2階席をゲットすることができてホッとましたね。見えにくいかな〜と思いながら会場についたら、案外見やすいし、今回幅以上の長さのある奥行きを使った舞台設定だったため、舞台全体がくまなく観られるしで、楽しむことができました。欲をいうと前方からもう一度観ることができたら、役者の息吹を感じられてよかったのに、と考えてしまうのですが、あの空間に一度だけいられただけでもよしとしなきゃいけませんね。
 一昨年あったRUPのやつを観にいったため話そのものは知っていて、あれが本家野田バージョンではどう変わるかが楽しみでした。
 まずケラ。宮沢りえさんの透明さがきれいできれいで。本人もめっちゃ楽しそうにやっていて、「こんなに楽しそうなら私もやってみたい」と思わずやる気にさせてしまうその演技がよかったです。RUP版の小西さんもかわいくて、そしてどちらも純粋で。タイプは異なるけど、甲乙つけがたしといったところです。
 アキラ。これは席のせいかもしれないんですが、RUP版の筧さんに軍配が。筧さんのくどい(?)アキラを観た後だと、サダヲさんでもあっさりしているように見えて、それがちょっと物足りなかったです。なんか筧さんのは、下からはい上がってくるために詐欺をしているという感じなのですが、サダヲさんのは、もともとある一定のところにいて、半ばゲームのように楽しむために詐欺をやっているような感じがしたんですね。私の好みとしては前者かなと。後者は現代的っちゃあ現代的なんですが、20世紀を残すという
意味では前者がよりはまっている気がしました。
 華岡軍曹はこちらはどちらもありかなと。野田バージョンの手塚さんの、任務を受けて何十年もたった人間の狡猾さもよかったし、RUPの村上さんの任務を何十年も忠実に遂行するひたむきさもよかったです。
 サリババ先生は選ぶ余地がないでしょ。RUP版はがんばっているんだけど痛々しくて観ているのがつらいという状態でしたから。野田さんの役を他の人がやるのは相当勇気がいることだと改めて思い知らされました。
 刑事は・・・六平さんが濃かったからなんとも言えません。ちょっと飛び道具入ってましたし。どっちもよかったですよ。
 他の役はというと、RUP版なにも覚えてないので、比較しようがないです。大沢さんがもったいなかったかな〜とは思いました。「ぼくらの七日間戦争」のときから好きだったもので。って今気が付いたんですが、宮沢さんと大沢さんって久しぶりの共演だったんですね。あの映画結構好きだったのに忘れてました。あ〜なんかもったいない!
 舞台美術についてはもういうことがありません。とにかく綺麗!の一言につきます。あんなに迫力のあるきれいな舞台は初めてみました。これを観たら、「桜の森〜」もやっぱ観にいけばよかった〜と後悔してしまうくらいです。
 それにしてもサダヲさんに最後の台詞を言ってもらいたかったな〜。

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