|
|
2005/12/08 シアターコクーン F列9番
10年前、筧さん大竹さんでやった公演の再演です。初演をテレビでしか見ていないため、「龍馬と男勝りな女の人の話だったよな」というくらいの認識程度。なのであまり初演を意識しないで見ることができました。 今回観て改めて感じたのは、「野田さんのお芝居、私は分かりやすいのが好きだな」ということでした。遊眠社時代の台本の多くは言葉遊びを多用していることもあり、「芸術品」としての美しさきれいさを実感することができても、内容として訴えかけてくるものがあまり分からなかったんです(もちろん全部が全部というわけではないです)。今回のは分かりやすくいろいろとよかったかなと。 ここからはネタバレを含みます
中央に舞台設置。舞台自体はひし形でその辺に沿って階段とスロープが交互に組み立てられています。そのひし形状の舞台横(というか四方に)様々なタイプの椅子や小道具。役者がそれを舞台上に上げたり、また自身が出番を待って座っていたり。効果音もそこに座っている役者さんが行っていました。このお芝居を何度か観る人だとこういう細かいところを観る楽しみが多いかも。 古田さんは、いつもの古田さんから悪い部分を抜いた感じでした。古田さんって「熱血!」というイメージではないので、才谷(=龍馬)の役をどうやるのか楽しみでしたが、うまいとこ着地点を見つけていた感じがしました。それにしても古田さん、相変わらずデブいのになぜにあんなにかっこよく、そして色気があるんでしょ。映像だと伝わってこないのですが、舞台ではすごいです。あれぞフェロモン!なんでしょうね〜。 松さん。殺してからはセリフというか心がどこか浮いたような感じの話し方。剣の腕は立つけれども、人を実際に殺したことはなかった。思想のため、相反する思想の持ち主(特にその一派のトップだったりする人)を殺すのではなく、思想的には中立なただ人としてはどうかな?の金貸し婆を殺して金品を奪う。「思想を突き進むため」という目的は一緒かもしれないけど、やった本人にとって微妙な罪悪感が残るのは校舎ではないかと。特にここでは婆だけでなく、評判のいい婆の妹まで手にかけてしまうから罪悪感が何十倍にもふくれあがる。だからこそのああいうセリフ回しなのかな〜なんて思ったので、私はそれほど気にならず。ただ、もったいないのは、才谷と英との間には淡い恋心があると思うのにそれが全く感じられなかったこと。う〜ん、難しいところなんですけどね〜。 段田さん。非常に安心して観てられます。ぴったりすぎます。 右近さん。滑舌悪いのはいつものことだからな〜。吉原では「やせている!」と思っていたけれども、間近で観たらそうでもなかった(^^;;可もなく不可もなく。 村岡さん。色っぽい。飲み屋の女将ぴったりです。あの頭も妙に似合ってました。 中村さん。初見。オヤジ好きな私はけっこう彼に目がいってたのでした。次も観てみたい。 小松さん。透明人間の蒸気の役よりこっちの役が目にいってました。どちらかと言えば好みのタイプのはずなのになぜかときめかない。役のせい? 進藤さん。初見かと思いきや2回目。しかも前回オイルだし。今回も印象のある役という感じではありませんでした。こういう役を1人くらいと野田さんが求めているのか? マギーさん。ごめんなさい。今回ほとんど印象に残りませんでした。 美波さん。松さん演じる姉との対比がよく現れていてよかったです。 宇梶さん。威圧感ある役という意味ではぴったり。だけど、なぜか心に残らず。 野田さん。いつもより遊んでなかった気がします。 思想のために殺人を実行する英をはじめ、世界を変えたいと考えている登場人物たちはその目的のために人を殺そうとする人たちがほとんどです。ただ一人才谷だけは避けようとしているけれど。野田さんもインタビューでいっていますが、私たちが今の時代を生きているからこそ、思想のため人を殺すということが信じられないのかもしれません。が、この国でもほんの数十年前までは普通にありえた話です。今ではそういう殺人はあまりなく理由がない殺人が増えてきてるような気がします。どちらがいいとか悪いとかありませんが、ダメだよな〜とは思います。 すごい間近で観ることができてよかったです。
|