遭難

2006/10/13 青山円形劇場  Aブロック34番 


 去年観に行ってちょっと気になったので、今回も行ってきました。松永さんだし。

 会場に入って最初に驚いたのは、銀髪おじさん率が異様に高いことです。ほとんどが評論家じゃないかと思うくらい。私の後ろにいた人もその系かうんちく大好き系おじさんだったらしく、偶然隣に座ったらしい知り合いの人にいろんなうんちくをしてました。本谷さんはおじさんに好かれそうな雰囲気だ(中身は知らないから実際は知りません)。あと私もですが、お一人様率も高かったです。私の両隣もそうでしたし。仲間ときゃっきゃいいながら行くような芝居じゃないのは確か。

 簡単なあらすじ。

 放課後の旧校舎。一人の先生が母親に無理難題言われている。実はその息子が自殺未遂をはかり今も意識不明。母親はそれを担任の責任だと言い張り、毎日学校に乗り込んでくるのだ。それをかばう同僚の教師だったが、人格者と評判の彼女こそ、誰にも知られてはならない秘密を隠していた。

 偶然にも今巷で流れているニュースとリンクしてしまっているのが怖いところです。  ここから先はネタバレを含みます。

 個人的にこれは演劇としてではなく、小説として読みたかった作品だなと思いました。演劇という媒体でやることでえぐみが増していや〜な感じに仕上がってます。

 自殺未遂をした生徒は書き損じた手紙を家に残してあり、母親はそれを見て「この手紙受け取ったのは担任のあんたでしょ」と担任(つぐみ)に嫌がらせをするために学校にきてます。しかし手紙を実際に受け取ったのはなぜか別クラスの担任の松永さんで、彼女はその手紙を読んでさっさとゴミ箱に捨てています。それを偶然隣の席の先生(吉本さん)が見てて、その手紙をゴミ箱から拾って保管し、手紙の受取人が松永さんであることを知っていますが、本人が自分からみんなに言うのを待ってます。手紙の内容は「先生がこなかったら自殺する」とかなんとかいうもの。
 吉本さんはいつまで経っても言わない松永さんに業を煮やし、二人きりのときにこのことを言いますが、それを知った松永さんは証拠隠滅を図ります。
 それに怒った吉本さんはみんなの前でぶちまけますが、なにせ人格者で通っている松永さん。最初は「ひがんでるからじゃないの?」と吉本さんが最初に悪く言われてしまいます。結局本物のコピーを家に残しておいてたため、松永さんが手紙を受け取ったということはばれてしまいます。が、それも上手く「トラウマ」のせいということにして、みんなを味方につける松永さん。そのうえ、みんながいないところでは、吉本さんを「協力しないと自殺するよ」と脅して、他の先生の弱みを握るべく共犯に仕立てたりして、もうすごい力技です。

 弱みを握るやり方もめちゃくちゃというかえぐい。
 最終的には「自殺の原因は1つじゃない」とそれぞれに何らかの責任があるような感じで進んでいるところで、生徒の目が覚めたという連絡があり、松永さん以外の全員が病院に向かって終わります。
 この最後がまたいや〜な感じで。
 松永さんのつきものが落ちたかのような空気でそのまま終わるのかと思いきや、暗転になる直前の数秒間、音と照明が神経に障るような感じになったんですね。あの数秒がなければ私は好きだったんですけど、あれでめちゃくちゃブルーな気持ちになりました。

 終演後、出口に向かって歩いているとなんと目の前を八嶋さんが!ヒール履いていた私より背が高かったので、小さいと言われてる割にはそうでもないんだな〜と。推定163cmくらい?
 ちなみに開演前には村岡希美さん、中山祐一朗さん、ヴィレッヂの細川さんなどなどを見かけました。客席のほうが豪華だったのかも。

 この作品、人に勧めるのはちょっとためらいます。賛否両論分かれそうなので。でも私は観に行ってよかったと思いました。いや〜な感じですが、嫌いな作風ではないんですよね。タイミングが合えばまた観に行きたいです。

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