エッセイ/メイさんの独り言

◇どさくさに紛れて(09/1) ◇ボラバイト終了(09/7)
◆自民・民主大勝負スタート(09/8)
◇楽天今年はいきまっせ(09/3) ◇それぞれの覚悟が必要かも(09/9)
◆ナイトスクープ三昧(09/4) ◆鳩山内閣発足(09/10)
◇大盤振る舞いすぎ(09/5) ◇THIS IS「政治」(09/11)
◆極秘ミッション(09/6) ◆メッチャ可哀想(09/12)

★メッチャ可哀想

 岡山からお越しのS君、カムイ岬の先端に立ちたくてわざわざ積丹へのお越しは13日のことでした。
 HPで閉門の時間4時半を確認し、たどり着くと取り付け道路の門が閉まっていて駐車場にすら入れなかったとのこと。
 風も波もないし天気もええし時間もまだ3時半。
「どないなっとんや?」とぼやいても仕方がないので、あきらめて積丹岬を女郎子岩まで歩いてきたとのことでした。
「ほんまごめんね」と何度も頭を下げておきました。

 聞く方は毎度のことなので驚くべきことではありませんが、ちゃんと調べて積丹に来る方はこれではたまったもんではありません。役所仕事だからとかたずけられる問題でもなく、いくら私らが指摘してもなんも変わらんというのはほんま救いようがないです。
 門の開閉をしなくてはならない理由は分かりますが、少なくともそれをする人がホスピタリティを見せんと。人がいないからはよしめよでは、わざわざ来て頂く方々に失礼千万です。
 観光観光と町はゆうてますが、やってることはお粗末な限り。ありえないことの連発は、町民としてお恥ずかしいの一言です。

 たぶん観光協会や観光課で働く方々が実際に岬を歩くことはなく、問題意識を持てないことが最大の問題の一つだと思います。
 年に一回でも歩くと、日本語表示しかないと外人さんは困るやろなとか、西風の関係でここは砂がたまりやすいんやとか、先端にライブカメラがあったら色々楽しめるなとか、机の前では分からないことがたくさん分かるはずです。

 積丹町のHPには下記のような記述がありますが、立派な観光パンフレットにはこんな大事なことすら載せていません。
<神威岬入り口にはゲートがあります。下記の時間が開いています。
 4月 8:00〜18:00
 5月 8:00〜19:00
 6月 8:00〜19:30
 7月 8:00〜20:00
 8月〜10月 8:00〜19:00
 11月 8:00〜17:00
 12月〜3月 10:00〜15:30
 国道からの入口ゲートと岬の先端へ行く遊歩道の入口ゲートの時間については、天候や日没時間により変更になる場合もございますのでご了承願います。>

 この時間の決め方自体が「ありえへん」と思います。
 少なくとも来て頂く人たちのことを考えるなら、朝早く来る人のことも考えんといけませんし、夕日を見に行く人のことも考えんといけません。取り付け道路の開閉時間は天気の急変がない限り、日の出前30分日没後30分という具合にわかりやすく決めておかんとね。


★THIS IS「政治」

 前原国交大臣が羽田空港のハブ化をぶちあげ、各方面に大きな波紋を広げています。
 しかしこれこそが「政治」あるいは「国益」なんじゃないだろうか。

 現在アジアのハブ空港は主にチャンギとインチョン空港で、それぞれ43ヶ国120ほどの都市から乗り入れています。しかし成田への乗り入れは40ヶ国94都市にしか過ぎません。
 国の活力を維持するためにもハブ空港は必要なインフラで、その可能性が最も大きいのは羽田です。

 世界は航空自由化の時代を迎えていますが、日本は大きく取り残されています。
 日本の航空行政を振り返ってみると、長く続いた自民党政権下での「あっちもこっちも行政」の弊害ばかりが目につきます。
 古くは航空憲法により、日航は国際線と国内主要幹線、全日空は国内線と外国チャーター便、東亜国内航空は地方路線中心というふうに振り分けられ来ました。日航の長期低落はこういう施策にも影響を受けました。

 関西に新空港をつくるときにも候補地は淡路島・神戸沖・泉州沖の三つ。一番有力だったのは神戸沖でしたが、当時の宮崎神戸市長が公害の問題もあり神戸に空港はいらないと言い、淡路島は遠いから泉州沖にと決定しました。またそのときには伊丹の廃港が決まっていましたが、周辺市町村の陳情を受けいつのまにか存続が決まってしまいました。
 その後神戸にも空港がつくられ、関西の三つの空港のうちで一番不便な関空が廃れいくばかりです。つぎはぎだらけの航空行政は、関西の空港問題にも大きな影を落としています。

 たしかに成田を抱える森田知事の怒りはよく分かりますが、前原さんの発言こそが「国益」ではないのでしょうか。
 成田は成田で生き残る道を探せばいいのでは。
 たとえばこれを機に着陸料を一気に下げてもらい、格安航空会社と貨物に特化するのはどうだろうか。ナショナルフラッグは羽田、格安は成田という棲み分けは可能だと思います。

 東奔西走の前原国交大臣ですが、JAL問題でも問題の本質に踏み込む発言をしました。どうも前原さんは日本の航空行政が抱える問題をすべてさらけだし、一気に打開しようとの腹つもりです。
 JAL問題は内なる問題と外なる問題に分けられます。
 内なる問題は、年金・人員整備・赤字路線再編成などなどですが、これらの問題は新たに編成されたタスクフォースが協議を続けましたが、企業再生支援機構を活用することになりました。

 問題は外なる問題です。
 その昔国会議員の多くは自分の選挙区に鉄道をひこうと国鉄に圧力をかけました。「我田引水」ならぬ「我田引鉄」と呼ばれました。その結果、その不採算路線が国鉄の足を大きく引っ張り、莫大な借金を抱えてJRに生まれ変わる要因の一つになりました。空港も同じような構図です。どうみても不要な空港が全国各地につくられ(99もあります)、航空会社に路線開設を迫りました。着陸料や航空機燃料税などで運営される空港整備特別会計が族議員や国交省の温床で、5000億円以上の予算がやりくりされて、全国の空港整備にあてられています。
 前原さんは採算を度外視した空港整備にピリオドを打ち、公共交通体系を含めた空港のあり方を根本的に議論しようとしています。高い空港使用料が下がれば、航空会社にとっても利用者にとってもメリットがあります。使用料などをプールしてそれを全国の空港にばらまこうという発想が航空行政に暗雲をもたらせてきたのは疑いようがない事実です。ただ地方空港はすべて無駄というわけではありません。北九州空港のように深夜便を飛ばすことで、それなりに頑張ってる空港もあります。

 GM化したJALは6,7年前から同じ問題を抱えながら問題が先送りされて延命がはかられてきました。さてさて今回はうまくいくのでしょうか、残された時間は残りわずかです。


★鳩山内閣発足

 難航していた鳩山内閣の組閣がようやく完了しました。
 各ジャンルのスペシャリストを当てるのか、党内融和を優先するのか興味津々でした。そのうえ連立を組む社民党と国民新党のわがままにどう対応するのかも見所でした。
 紆余曲折がありましたが、改革に強い意志を持つ各ジャンルのスペシャリストをあて(二人例外はありますが)、官僚には負けないぞという姿勢は高く評価できます。

 しかし環境大臣をもとめた社民党と総務大臣をもとめた国民新党はあつかましすぎ。過半数割れの参議院で議席を持つとはいえ、7議席や3議席の少数政党に難問山積みの環境省や総務省をまかせることは出来ません。
 民主党は地球温暖化税の導入と、企業に削減目標を割り当てる「キャップアンドトレード」を導入する意向です。これらの制度導入にむけての力業が必要な環境省を他党に渡すわけにはいかんでしょ。
 亀井さんの郵政・金融担当には唖然としました。郵政担当は本来総務大臣ですが、折り合いをうまくつけていけるのでしょうか。また警察官僚だった経済に疎い亀井さんが、金融をうまくさばいていけるのでしょうか?

 個人的には、菅さんが官房長官をやるのか国家戦略局担当相になるのか、そして岡田さんが外務大臣になるのか財務大臣かで、そうとう内閣の方向性が変わるのかなと注目していました。
 国家戦略局は民主党政権の背骨になる組織で、国家戦略局担当相は予算の骨格などを策定する首相直属機関です。ここが機能しないと、官から民への移行は絵に描いた餅になりますが、鳩山さんは菅さんにまかせました。官僚と戦う一番の人が菅さんということなんでしょうね。
 また早々と決まった岡田外相は懸案の多い日米関係はもちろん、期限を1年と区切った北方領土問題に全力投球です。次の総理候補として、腕の見せ所かもしれません。

 今回一番うれしかったのは、平野官房長官がさんづけで閣僚名簿を読んだことと、組閣後の閣僚記者会見を廃止したことでした。今までは呼び込まれた閣僚が官僚の用意したペーパーを読むだけで、ほとんど意味がありませんでした。官僚依存からの脱却を目指す民主党らしくてええんとちゃいますか。
 ただ一つ疑問に思ったのは、野党時代につくっていたネクストキャビネット制度。この人たちはなんのためにそれぞれを担当したのか。いっそのことこれからは選挙前に大まかな内閣の布陣を発表する習慣をつけた方がいいかもしれません。

 組閣が終わって気になるのは、やはり小沢さんの幹事長就任による権力の二重構造です。
 14日の夜に小沢さんとの会議で同意取り付けの作業が必要だったように、鳩山内閣は小鳩内閣といっても過言ではありません。基本的には党務は小沢さんにまかせるから、政務には手をつっこまんといてねということでしょう。しかし細川内閣の時は党と内閣の権力の二重構造が福祉目的税問題を引き起こし内閣が瓦解しました。同じ轍を踏まないよう、細心の注意が必要です。党人事では国対委員長などが小沢氏一任となりました。国会人事でも、衆院議長をはじめ、各常任・特別委員長の人選も小沢氏に委ねられました。党は小沢さんにまかせきりで、ほんとうにうまくやっていけるでしょうか。
 また今までは三役懇談会が党の最高意志決定機関でしたが、今回から新五役での党首脳会議を設置しました。これが小沢流のくせもので、岡田さんがはずれ新たに山岡国対が加わりました。このシステムを見る限り、小沢さんの影響を無視しての政務はどうも不可能かなあと思わざるをえませんね。


★それぞれの覚悟が必要かも

 注目の衆議院選挙が行われ、事前の予想通り民主党が圧勝しました。31日の朝に各党獲得議席を見たときに、新しい時代の幕開けを強く感じました。でも少々民主党に勝たせすぎたような気もしました。二大政党制による政権交代を長く夢見てきたものにとって喜んでばかりもいられません。間違った方向に行かんように、監視もしていかんといけません。

 今回の民主党の圧勝はまるで前回の郵政選挙の裏表のようでした。
 官僚中心の政治におさらばして国民中心の政治を行うと約束した鳩山さんを国民の多くが信じようと決断しました。
「とにかく一度民主党にやらせてみよう」と言う声が多く、あとは勝たせ方だけの問題でした。
 正直ちょっと勝たせすぎたかなという気がせんでもありません。これからしばらくは見守るしかありませんが、政権交代による政策の変更過程での混乱には目をつむるしかありません。でも未来にむけて辛抱して、みんなでいたわり合いましょう。

 今回の選挙で自民党は崩壊しました。
 小泉さんが自民党をぶっ壊すといったことが現実になってしまいました。しかし政治に対抗軸は必要です。体勢を立て直し、次期選挙に向けて民主党の監視にあたってもらいたいと思います。

 マニフェスト選挙といわれましたが、選挙前の自民党のマニフェストを見る限り、なんだかねえの一言でした。
 衆議院の本格的な定数削減は10年後とまるでやる気がないし、民主に引っ張られての政策変更のオンパレードでした。大学生への給付型奨学金は民主党の子供手当への対抗でした。ようやく打ち出しましたかと思う反面、どうして今まで出来なかったのか、不思議でなりませんでした。

 内需刺激の経済成長を目ざそうという民主党はマニフェストが人気でしたが、ブレも目立っていました。
 時間がなかったのでしょうが、政策の精査が少々荒かった面は否めませんでした。橋下さんらのつきあげで、地方分権に関する記述も当初より変更がありました。
 政権を獲得した以上はマニフェストに書いてあることの実行をぜひお願いしたいと思います。

 思うにこれからの国の政策の基本は、どの政党が政権を取っても「経済成長しない国づくり」でしょう。
 経済成長が2%だと年金がこうなるというようなまやかしはもう終わりにしましょう。プラス成長になれば税収が増えてラッキーくらいで、国政にあたってもらいましょう。そのためには国民の側には国にぶらさがらない覚悟が必要です。
 政権交代による政策の変更過程では痛みが伴うことも多々あるでしょうが、みんなでいたわっていきましょう。

 影響力の大きい首長の皆さんにもそれなりの覚悟をしてもらいましょう。国に威勢のいいことを言うばかりでなく、道州制や町村合併にも真剣に取り組んでもらいましょう。権限も税制も移す以上はそれなりの覚悟を決めて取り組んでもらわんとね。

 話は脱線しますが、選挙前に宿泊者の皆さんと民主党の子供手当の話しで盛り上がりました。
 子育てを社会全体で分かち合おうという考えにはみなさん大賛成でしたが、ばらまきには問題ありという結論でした。たとえば給食費の未納者の増加はちゃんと払っている人にも影響が甚大です。修学旅行費を工面できなくていけない生徒も各学校に何人かいるようです。 田舎では通う高校への通学のバス代もべらぼうな金額です。
 ならば公教育にかかる費用を無料にすることで公平性を保つ方が合理性があります。やはりばらまきはそのお金が本当にいかされる保証がない以上、少々問題だと思われます。でも政権を獲得した以上はすぐに配られることになるんでしょうね。無駄遣いにならないのを祈るばかりです。


★自民・民主大勝負スタート

 衆議院選挙が解散されました。
 一日でも長く総理というイスに座り続けたかった麻生さんですが、ついにそのイスを手放すときがやってきました。もちろん自民・公明で過半数をとれば再び組閣が待っていますが、その可能性は限りなく低いでしょう。
 しかし自民・民主のがっぷり四つの勝負の行方はゲタを履くまでわかりません。政治の世界は「一寸先は闇」と言ったものです。

 多くの国民は、選挙後に麻生でも小沢さんや鳩山さんでもない人に総理になって欲しいと思っている実にへんてこりんな選挙です。これから先、政党の離合集散や闇試合ドロ試合が展開される可能性もあり、賢明なる国民のみなさんはしっかり監視していく必要があります。
 まず民主主義の基本として第一党が政権を担当するということ。公認及び無所属推薦を含め一議席でも多く獲得した政党が政権を担うことを確認すべきです。

 自民・民主の議席が接近し、選挙後にキャスティングボードを握ろうとするあこぎな連中には次期選挙で強烈なしっぺ返しを見舞ってやりましょう。
 小選挙区制への選挙制度大改革を行ったときは、武村さんや鳩山さんらは選挙前に自民を出て新党さきがけを結成し国民の審判を仰ぎました。これが正しい道です。新党を結成したかったら選挙前にやらんとね。

 さてさて小選挙区12、比例区8の北海道。どのような色分けになっていくのでしょうか。
 前回の郵政選挙でも民主党は北海道では大善戦し小選挙区で8議席獲得しました。今回は武部・中川・町村の大物三人をけ落としての全勝をもくろんでいますが、なかなかそう簡単ではないでしょう。

 この選挙は政権交代や景気対策が最大の焦点といわれていますが、21世紀の日本のポジションを決める重要な選挙でもあります。本来なら10年後20年後の日本の姿を語ってもらわんといかんのですが、残念ながら将来の設計図を書くことの出来る政治家は今の日本にはいません。
 でも外交で言うなら、アメリカの鞄持ちを続けるのか、国連中心の新しい秩序をつくっていくのかの選挙でもあります。
 親愛なるマイミクの皆さん、ぜひ投票所に足をお運び下さい。


★ついにボラバイト終了

 今月もウグイ釣りのお話しにおつきあい下さい。
 約一ヶ月続いたミサゴのダイビングの撮影は6/18で終了しました。
 よって、メイさんのウグイ釣りボラバイトも17日で終了となりました。本が一冊書けるのではないかと思えるほど通ったウグイ釣りでしたが、とうとう終焉を迎えました。
 いけすから逃げ出すウグイが多くて、その群れにミサゴがつっこむという笑えない状態に、ハラハラドキドキの日々を過ごしました。しかしついに入舸港につくったいけすにミサゴ君がつっこみ、がっつりとウグイをつかんで飛び上がりました。Tディレクターさんの執念が実って、今回はしっかり画像にもとれてバンザ〜〜イ。長いミッションでしたが、これでようやくウグイ釣りから開放されることになりほっと一安心ですが、なんだか一抹の寂しさも。

 5月中旬から宿の仕事をほったらかし、都合18回も通ったことになります。
 撮影隊で釣り上げたウグイは都合300匹弱、そのうち7割は一人でつったでしょうか。Tディレクターさんと一緒に通った終盤の一週間は連日の大漁でした。35センチの上物を中心にこれでもかというくらいにウグイを釣り上げました。
 ウグイを釣ることで色々と勉強にはなりました。
 口の小さなウグイは針が見えるとなかなかくいついてくれないこと。
 餌に食いついてもすぐにはき出すこと。逆に食いが入ると、食パンでもつれること。
 釣り上げたウグイをつかむとナマズのような声を出すこと。
 釣り上げたウグイは口の中から内容物をはき出し臭いこと。
 釣り上げたウグイは頻繁に水を換えないとすぐにSOS状態になること、などなど、もうすっかりウグイ博士です。

 例年ならこの時期は一年で一番いい季節です。
 岬に行って花を観たり、ミサゴの子育てを見に行ったり、カマイルカを探したり、畑いじりをしたり、ホッケを釣って開きを作ったりしています。しかし今年はウグイ釣り一色で、信じられないことにこの一ヶ月一度も岬に足を運べませんでしたし、解禁になったウニもなかなか口に入りませんでした。
 でも一連のボラバイトで一つ残念だったのは、宿泊者が一度も同行してくれなかったこと。連泊者にはご一緒にウグイ釣りどうですかと、何度もお誘いしましたが断られ続けました。ホッケならうれしいけど食べられないウグイではねえというのが正直なところでしょうか。

 撮影にご一緒することで撮影の苦労も少しばかり共有することも出来ました。
 NHKさんはADがいないのでTディレクターさんは色々たいへんでした。
 いけすの修理、撮影場所の選定、昼食の手配、ウグイの調達など一人で大車輪の活躍でした。ほんまお疲れ様でした。
 秋の放映が今からとても楽しみです。でも今にして思うと、私たちがウグイと格闘しているのを後ろからとっていた方が面白い番組が出来たかもね。たとえば、餌箱をくわえていくカラスを追っかけた瞬間に別のカラスが釣り上げたウグイをくわえていく連係プレイなんか、敵ながらあっぱれとしか言いようがないですわ。


★極秘ミッション

 昨年積丹の自然を一年間追いかけたNHKのTディレクターさんから電話がかかってきました。
「メイさんお元気?」
「ぼちぼちですわ」
「少しお願いがあるんやけど」
「なんでっか?」
「昨年追っかけたミサゴなんやけど、今度は水中からとりたいんやけど」(なんとなく『ダーウィンが来た』を想像するメイさん。ぴったしカンカンでしたが)
「ほんでなにを協力すればええんやろか?」
「いけすみたいなのをつくるから、そこにいれる魚を釣ってきてほしんやけど。もちろん生きたまま持ってきて欲しいし、長持ちする大型の魚がええんやけど」
「30センチ以上で生命力が強いんやったら、ウグイとアメマスですかねぇ。しかし両方ともそれだけをねらって釣るのはなかなか至難の業でっせ」
「撮影は18日からを予定してるので、それまでに仕込んでほしんやけど。釣ったら生かしておける簡易水槽とぶくぶくはこっちで用意するから」
「なかなか難しい注文ですが、ご協力させてもらいますわ」
「では月曜にお会いしましょう」

 なかなか難儀なミッションを拝命したメイさんでありました。ウグイはこれから水温が高くなると海に出てきてホッケ釣りやソイ釣りに混じりますが、ウグイだけをねらって釣るのは無理。アメマスはサーフで釣るのはほとんど終了で、岩場でのホッケ釣りに混じる程度。
 まずはいつもお世話になっている余市のプロショップかわぐちさんでウグイ用の仕掛けの相談からでした。

◆ミッション初日(5/12)
 宿泊者の接待もほどほどに朝から余市のかわぐちさんで仕掛けなどのアドバイスを受けてきました。ぶくぶく用の単三電池も買って戻ろうとすると、なんと梅川トンネル内で事故で通行止め。あちゃ、仕方ないと諦め岩内経由で戻ってきました。しかしすぐで通行止めは解除になったようで、1時間ほど待てば通れたのはアンラッキーでした。
 仕掛けなどの準備を終え、2時頃から出かけようとすると雨でめげました、しかしせっかくなので雨中決戦に出かけてきました。まずは大物のアメマスねらいから。ウキ釣りとルアーで挑みましたが惨敗。かろうじて30センチオーバーのホッケを一匹ゲット。さっそく仮いけすに入れてきました。

◇ミッション二日目(5/13)
 今日のターゲットはご要望の強いウグイとウミタナゴでした。しかし波が高い上、風が強く、釣りには悪天候。おまけに断続的に雨が降ってきました。
 西風が強いので、まずは美国港へ。釣り人はたったの三人。全く釣れておらず、ウグイの陰もありません。そそくさと古平港へ移動。釣り人は全くいません。広い港を隅から隅まで見て歩きましたが、魚の陰は全くありません。波が高いので港外へ出てしまったのでしょうか?
 条件わるそうですが、仕方なく日司港へ。すごい波で魚の陰もありません。当然の如く隣の入舸港も全く釣り人も魚もいません。最後の望みで幌武意港へ。しかしなんと人気の釣り場に釣り人が一人もおらず、湾内には魚の陰もありません。このまま帰ろうかと思いましたが、最後のチャンスで波止の先端でウミタナゴをねらって竿を出しました。
 しかし、「信じる者は救われる」です。
 しばらくすると20センチ弱のウミタナゴが釣れました。しかしすぐに釣れなくなり、やがてどういうわけかホッケの群れがやってきました。1時間半ほどして、ホッケ8匹とウミタナゴ3匹の釣果で帰ろうとすると大ピンチ。ぶくぶくからほとんど空気が出ていません。電池は変えてきたので問題ないのですが、昨日は出ていた空気がほとんど出ておらず貴重なウミタナゴちゃんが二匹ご臨終でした。
 というわけで、本日はウミタナゴ1匹とホッケ8匹を仮いけすに入れてきました。

◆ミッション三日目(5/14)
 昨日以上の悪天候の中、最後に幌武意港で再チャレンジ。
 2時間近く粘りましたが、お待ちかねウグイを30センチを頭に6匹ゲット。ホッケもぱらぱら来ましたがぶくぶくの調子が悪く、4匹しか生きて仮いけすに納められませんでした。もう少し粘ればウグイの目標をクリア出来たかもしれません。しかし途中から波と雨がすごく退散しました。

◇ミッション四日目(5/15)
 Tさんからウグイさんが群れやすい川のマップが送られてきました。もとめられれば頑張るのが関西人。
 川釣りは久々でしたがウグイさんを探して、古平川と余市川に余市ダムと出かけてきました。しかし雪解け水が多くてほとんど釣りにならず空振りで帰ってきました。
 帰りにのぞいてきた仮いけすではホッケ・タナゴ・ウグイちゃんは元気に泳いでいました。最低目標の20匹は確保できてほっと一安心。ボラバイトまずは一件落着でありました。

 しかし18日から始まった撮影途中にTディレクターさんが訪ねてこられました。
「撮影には魚はいくらでも欲しいのよ」と、大量の追加注文が。
 撮影隊では早くも色々苦労が発生しているようです。せっかくメイさんが苦労して釣って仮いけすに入れていたお魚ちゃんたちはウミウに食べられたり、日曜から火曜にかけての大波でほとんどいなくなったそうです。とほほほほ。

 というわけで、仕事の合間にウグイをもとめてのボラバイトはまだまだ続いていきます。海水温が少しずつあがってきたようで、以前よりは少しいい条件になってきました。

◆ミッション七日目(5/24)
 ウグイをもとめて港をうろうろしていると、撮影中のTディレクターと遭遇。
 話を聞くと、決定的映像はまだとれていないけど、魚のストックがゼロで困っているとのこと。
「先日は古平川でウグイが群れていて撮影隊四人で30匹近く釣ったので、メイさんも一緒に釣りに行きましょう」と誘われました。
 さっそくご一緒に古平川へ。河口の橋の上から見ると速い流れの中、ウグイさんがなんぼか群れていました。流れ速いし大変かなと思いましたが、さっそく岸辺におりて釣りを開始。
 しかし餌に食いついてくるのは10〜15センチのヤマメばかり。すべてリリースで、餌をつけてはウグイをねらいますが、全くヒットしません。借りたウエダーを来て川に立ちこんでねらってみますが、小魚に餌をとられるばかり。Tディレクターは途中からドライスーツを着て川にもぐって群れに近づき泳がせ釣りにもチャレンジしますが、見事に空振り。3時間半ほど頑張りましたが、お目当ての大型のウグイは一匹も釣れませんでした。
「釣れないのも釣りでっせ」となぐさめましたが、
「三日前はがばがば釣れたんやけどね。遊びやったら笑ってすませられるけど仕事やからね」と泣き言が。
「明日からまたがんばりますわ」と、お別れしました。なかなか重要なミッションを拝命しているメイさん、ある意味責任重大です。

 しかしこういう難儀な釣りでも、色々と声をかけてくれる人がいるのは心なごみます。
 なかでも、学校帰りの中学生や出稼ぎの中国娘さん(水産加工場で勤務中)はなかなか立ち去らずに、しばらく橋の上と下で会話が続きました。
「ダーウィンが来た(うまくとれれば秋に放映予定だそうです)の撮影準備してんねん」といってやろうかと思いましたが、やはり内緒にしておきました。後日のお楽しみと言うことで。

◇ミッション九日目(5/26)
 朝起きて朝食をつくっていると、Tディレクターさんから突然の電話が。
「今幌武意港にいるんだけど、ウグイが群れてるんだけど全く餌を食べないんですよ」
「撒き餌を多めにして、針を見せないように生餌をつけたら」と、アドバイス。
 どうも来て欲しそうだったので、「午後から身体空けて港に行きますわ」と電話を切りました。
 仕事を早めに切り上げて幌武意港に行ってみると、Tディレクターさんと助っ人のSさん、なかなか釣れなくて暇そうにしていました。他の場所に移動しても全く釣れないので、二人を残して私は古平港に移動。
 港をうろうろしていると偶然大型のウグイの陰を発見。撒き餌をまいて竿を出すといきなり大きなアタリが。なんとハリスをぶち切られしまいました。太めの仕掛けにかえて再チャレンジ。すぐに餌に食いついてきたのは40センチのまるまると太ったウグイでした。
 パチパチパチと一人で大拍手。さあそれからが大変。爆釣で次々と釣れるのですが、やがてぶくぶくがいっぱいいっぱいになって、せっかく釣ったウグイちゃんがSOS状態。そのうえちょっと目を離すと水槽から飛び出したウグイをネコがくわえていくわカモメがくわえていくわでメイさんは一人で大騒動。
 携帯がないのでヘルプの電話が出来なかったのですが、釣り場に遊びにきた方に強引に携帯を借りてTディレクターを呼び出しました。30分してTディレクターが到着したときには、釣り上げたウグイちゃんの半分がご臨終、それでもTさんは20匹近くを大切に運んで仮いけすに入れてもどってきました。
 ようやくお目当ての大型のウグイを大量に入手できて、少しは肩の荷が下りたメイさんもほっと一安心。しかしラインを歯で切ろうとしたときに前歯の詰め物が欠けてしまいました。ほんまなさけないヤワな歯ですわ。歯医者に行って4550円也、ウグイ釣りはほんま難儀な釣りですな。

 てんやわんやの秘密のミッションは、なんとなく6月中旬まで続いていきそうです。


★大盤振る舞いすぎ

 政府は景気の底割れを防ぐための追加景気対策を発表しました。
 しかし追加対策を見る限り、本当に支援が必要な方々に金がまわる保証はなく、金持ち優遇策も目につきます。
 一番力を入れないといけない雇用創出についてはたいした政策がなく、現状からの大転換はのぞむべくもありません。

 麻生さんが総理になって一年もたたないのに100兆円以上のお金が使われ、その半分近くが国債の発行でまかなわれます。人気とりのばらまき以外の何ものでもありません。
 経済危機対策という名の下に族議員たちが闊歩し、選挙を控え何でもありの状態になっています。政府は規模のみを優先し、内容の精査は後回しになっています。
 このような政策を行って需要ギャップを仮に埋めたとしても、そのあとにやってこんとこまる安定成長への道筋は全く見えてきません。家計に少しばかりゆとりが出来ても、先行き不安が消えないと消費拡大はとてものぞめません。

 今回は多額の赤字国債や財政投融資債も発行します。しかしこれを先取りして金利は上昇傾向です。真水での発行額は14兆円を越え、世界の借金王と言われた小淵元総理の2倍以上の莫大な金額です。ばらまいたツケは結局は消費税となって帰ってくるのでは国民はやってられません。民間や日銀の国債買い取りには限度があり、中国の買い占めという最悪のシナリオも考えておかねばなりません。
 みんなで痛みを分け合った将来を見据えた改革はどこに消えていってしまったのでしょうか。多くの国民が教えて欲しいのは年金を含む中長期の財政再建プログラムです。
 今回の政策を決めた方々は返済をしなければならない頃には鬼籍に入っているので将来のことは考えなくていいのでしょうが、子供達のことを考えるとかわいそうでなりません。


★ナイトスクープ三昧

 大阪朝日放送の人気番組『探偵!ナイトスクープ』が放送開始21年目にして初めてゴールデンタイムで特番として放送されました。
 初ゴールデン&初全国同時ネットということで、東京向けに変にいじられるのではと心配していましたが、ほぼ今まで通りの放映でほっと一安心。ただゲストはいらんかったかな。ゲストがいるので浪速のモーツアルト(キダタローさん)の毒舌がほとんど聞けませんでした。
 なんも番組構成をいじって東京のご機嫌をとる必要はありません。でもこうせんと全国放映はできんかったんやろうけど、東京の視聴率は6%ほどと大惨敗。普段放映してない番組はいくら関西のお化け番組でも視聴率はとれんのやろね。

 あまりテレビは見ない方ですが、神戸時代から『探偵!ナイトスクープ』はお気に入りの番組の一つです。
 関西では金曜の11時過ぎから放映され、いまだに高い視聴率を誇っています。
 北海道では6,7週ほど遅れで、日曜に日付が変わってから放映されています。しかしこの週はどういう訳か、土曜・日曜と連ちゃんで深夜放映があり、おまけに日曜のゴールデンと二日で三回も見られるという奇跡が起こってしまいました。
 ファンにとっては涙涙でありました。

 お笑いとクイズ番組が幅をきかす昨今のテレビ番組からいうと、お爺ちゃんから子供まで一緒に楽しめる『探偵!ナイトスクープ』は大変貴重な番組です。
 わが家では録画して昼食時に家族で見るというのが10年ほど前から定着していますが、夫婦二人になってもこの習慣は続いています。
 探偵役は時代と共に変わってきましたが、徹底追及の姿勢は変わりません。初期の頃に比べて若干の質の低下はいかんともしがたいですが、テレビ業界で働きたい人には是非とも教材の一つにして欲しい番組です。
 スタッフの方々、これからもがんばれ〜〜。


★楽天今年はいきまっせ

 プロ野球がキャンプインし、オープン戦も始まりました。
 皆さんご存じのようにメイさんは阪神と楽天を(冷静に)応援していますが、今シーズンもこの2チームを中心にプロ野球を追っかけます。

 阪神は監督が代わって、どうも雲行きが怪しそうです。
 選手との信頼関係を重視する戦術がはまり長期政権の雰囲気が漂っていた岡田監督の退団は大きな痛手です。
 あれほどほしがっていた横浜の三浦がとれず、今度は一方的にロッテ清水にラブコールはロッテにとってええ迷惑でした。他球団から引っ張ってくるより杉山や上園をはじめ素質のある選手を育てる方が将来的にもいいでしょう。なんといってもわがまま巨人の二の舞は避けたいところです。一方一番手薄なキャッチャーでは野口がFAで横浜に出ていきました。フロント陣は何をやってたかという話しで、昔得意だった「お家騒動」の気配さえ漂います。

 一方楽天は好材料目白押しで、シーズンの始まりをワクワクしながら待っています。
 主軸にはノリをFAで獲得。打撃はもちろんですが、ザルだったフェルナンデスとは比べものにならないサードの安定感は投手陣の信頼を獲得することでしょう。
 最大の課題であるストッパーはヤンキースで5勝をあげた新外人ラズナーが担当するようです。見てみないとわかりませんが前評判は上々のようです。
 先発は岩隈・田中を両輪に片山・長谷部・朝井・永井らが脇を固め、昨年よりは相当の上積みがのぞめそうです。一年目は岩隈・二年目は一場・三年目は田中しか先発投手がいなかった一昨年までとはウソみたいな変わりようです。
 昨年はリリーフで落とした試合が10〜15試合はあり上位進出を逃しました。今年は球団も本腰を入れウイークポイントを補う補強を行い、上位チームに遜色ない戦力が整いました。
 一昨年5位の西武が昨年は優勝していますので、昨年5位の楽天は今年優勝という心強いデータもあります。みんなでノムさんを胴上げしてハッピーエンドといきたいものです。

 野球のお話しで欠かすことが出来ないのがWBCです。年末に日本代表第1次候補選手が発表され、イチローや松坂大輔ら34人が候補入りしました。その後1/20には9人の追加メンバーも登録されました。そして22日には最終メンバー28人が決定しました。当然選ばれると思っていたのに一次で落ちた西岡や松井稼をはじめ、選ばれると思っていて選出されなかった面々はがっくりだったことでしょう。

 一次選考を見て思ったのは主に三つ。左のシェアなバッターが多いこと。リリーフ専門のピッチャーの少なさ(他人事ながらペナントレースに悪影響がでなければいいのですが)。右で大きいのが打てるのが村田・栗原・中島の三人しかいないこと。

 そして発表された最終メンバーを見て、落選した5人には唖然としました。私が監督ならこの5人は連れて行きます。
 落とすべき選手を落とさず連れて行かんといかんメンバーが落とされているのはどうも納得いきません。
 最終メンバーを見て一番気になるのはやはりリリーフ陣。
 辞退やケガがなければ誰が選んでも藤川・馬原・斎藤・岩瀬で決まりでしょうが、斎藤と岩瀬が辞退したので当初のプランが大きく変わりました。なかでも気になるのが岡島を呼ばなかった左のリリーフ不足。新人賞を取ったとはいえ場数を踏んでいない山口では頼りにならんでしょ。和田や杉内で間に合わそうという作戦かと思いましたが和田を落としてしまいました。山口を連れて行くならコントロールのいい成瀬を連れて行くべきでしたね。いずれにしても岩瀬の不在が大きく響いています。

 先発は黒田が辞退したので第二ラウンドでは松阪・ダル・岩隈・渡辺(たぶん日本の秘密兵器になるかな)がつとめることになりそうです。投球数制限があるので第二先発を含め何人でも投手は欲しいところですが、選ばれた13人でなんとかまわしていかんと仕方ありません。
 ここでは日本シリーズでの岸のようなサプライズな投手の活躍を期待ですが、その岸も連れては行きません。なんで??

 打つ方はなかなかいい打線になりそうでしたが、松中の不在はどうするんでしょうか?
 大砲が少ないなか、村田と松中は一発が欲しいここぞと言うときに頼りになる選手でした。巧打とスピーディさをウリにする選手が多いのですが絶対的な4番がいませんので、ベテランの松中は絶対に連れて行かんといかんでしょ。

 選手選考にはがっかりでしたが、前回優勝チームのプライドも含め、イチローを中心に選手は誇りを持ってのぞんでいます。ファンも早くも全開モードです。
 ドミニカ(メンバーだけを見れば最強)やアメリカ(やや小粒なメンバーですが)も今回は本気印とのこと。もちろんメジャーをぎゃふんと言わせたいキューバも虎視眈々と優勝をねらっています。
 4年ぶりの真剣勝負で日本のレベルの高さを世界に示してもらいたいものですが、選手選考が大きな影を落とさなければいいのですが。


★派遣労働について

 年末から話題になっている派遣切りなどの派遣労働問題については色々考えさせられました。例によりマスコミの報道は一方を悪者にして問題の片面を見せようとしていましたが、少し違和感を覚えながらニュースを聞いている毎日でした。経済ニュースが毎日のようにトップというのも異例ですが、マスコミの一方的報道も褒められたものではありません。

 そのもやもやは1/6の日経新聞の記事を読んで少しばかり解消されました。その日の25ページの経済教室に作家村上龍さんが「希望再興へビジョンを描け」と題する長文を寄せていました。
 その中で、中長期的には悪循環が始まっているシステムと考え方から離れ、新しい別のシステムを築く必要性を強く訴えていました。

 派遣切りを理由にした企業批判も一理はありますが、企業論理から言うといっそ海外にすべて移してしまえという極論が出てくるかもしれません。そうすると雇用どころの話しではありません。
 年末に読んだロバート・ライシュの「暴走する資本主義」では、民主主義と資本主義の再構築を述べていました。
 需要変動期に雇用調整をするのは経営側からすると当たり前のことで、経営者を悪者にすれば解決する問題ではありません。

 古くはマスキー法でアメリカビッグスリーがこんな排ガス規制はクリアーできないとギブアップしましたが、ホンダはCVCCエンジンでその基準をクリアしました。
 小売不況が著しい昨今ですが、ユニクロは一人勝ちです。なかでもヒートテックは品切れ続出の大ヒット商品となりました。中途採用のデザイナーが考え出した傑作ですが、彼女を責任者にすえた会社の決断が大ヒットを飛ばしました。

 困難といわれる中でもそれを乗り越えるだけの創造力と忍耐強さが日本企業のウリでしたが、残念ながらそれも過去のものとなりつつあります。
 新たなる閉塞打破が必要なときが来ているのは間違いありません。
 村上さん流に言うと、信頼を生むために希望を持ちうる将来的ビジョンが不可欠です。
 これを構築できるだけの余力がこの国に残っているのかは疑わしいところですが、利害対立の不信の連鎖が起きないのを祈るばかりです。


★どさくさに紛れて

 100年に一度の未曾有の経済危機だそうです。
 これでもかと言うくらいにニュースは経済不況のお話し一色です。
 政府は23兆円の景気浮揚策を実施しようとしていますが、中身のない未来へのつけ回しでは意味がありません。
 15年前、10年前を忘れるなかれ。
 100兆円近くのお金が景気対策という名の下に湯水の如く使われましたが、現在そのしっぺ返しを受けているような気がしてなりません。

 景気対策をするなら根本的な改革をせんと、一時しのぎではあきません。
 なんと言っても柱は「正規雇用」対策です。
 非正規雇用が1/3にもなってしまった社会のひずみは誰の目にも明かです。普通に汗水たらして働いて幸せになれない国が先進国といえるのでしょうか。
 多額の税金をつっこむなら、ここは雇用の構造改革をせんといけません。

 今の不況は、山一や拓銀が倒産した頃と比べて決定的な違いあります。
 当時は多くの企業が大幅赤字で配当さえ出来ない状態でした。
 銀行は取り付け騒ぎ寸前でした。
 いまはどうでしょうか。
 経常利益が大幅に落ちたとはいえ、多くの大企業は黒字決算予定ですし、配当を大幅に落とす企業はまれです。余裕がないといえばないのかもしれませんが、どさくさに紛れて何でもありの状態になっています。

 大企業はただ企業活動をすればいいのではなく、社会的責任があるはずです。
 こういうときこそトップは国益を考えるべきです。
 バブルの時に、いっさい財テクをせずに経済評論家から大バカ者呼ばわりされた経営者がいました。しかし特金を始め財テクに走った企業の多くは後処理に多くの時間と労力をさきました。
 バブルがはじけた後は掌を返したように、財テクに走らなかった経営者はよくぞ辛抱したと大絶賛を浴びました。
 企業トップはいまこそ企業人としての品格が問われているのだと思います。