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熊野のヤタガラス
日本書紀や古事記の中で、神武天皇を導いたとされるのがヤタガラスというカラスだ。
そのゆかりの地、和歌山県熊野地方には、熊野大社(熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社)があり、
今でも大切に祀られている。
その昔、宮崎県の高千穂に住んでいた神武天皇は東征のために東に向かったが、
その先で地元の豪族の攻撃に遭い、なかなか思うように進むことが出来なかった。
そうしているうちに、ヤタガラスというカラスがあらわれ、導かれることによって大和に都を作ることが出来たという話である。
神武東征の話は、てつ&そまさん制作のホームページ「熊野の説話・神武東征、ヤタガラスの導き」に詳しいので、
参照されたい。

熊野那智大社
日本一の落差を誇る
那智の滝の近くにある。

ヤタガラスの銅像。
このクチバシは、ハシブトガラス。
脚は3本。

境内は、どこを見てもカラスがいる。
このカラスはハシボソか?

那智大社で頒布されている絵馬(正しくは絵烏?)。
脚が3本のヤタガラスである。


ヤタガラスはワタリガラス?
ヤタガラスは3本足

古事記に出てくるカラスは、どこにも脚が3本であるとは書いていないそうだ。
でも、今ではヤタガラスは脚が3本となっている。
これはどうやら、後に伝わった中国の伝説に登場するカラスと一緒になって
脚が3本であるとなったそうだ(カラスの大研究、国松俊英 2000年)。
ヤタガラスの正体は、ワタリガラスか?

ヤタガラスのヤタとは、漢字で書くと八咫烏。
咫とは親指と中指を広げた長さの単位。
八咫ガラスとは、咫が八個分の大きさのカラスという意味である。
ちなみに八咫は1咫を18センチにすると、144pにもなる。
自然界にはこんな大きなカラスはいないが、最大種のワタリガラスは、70pくらいあり大きい。
また、ワタリガラスは、世界各地で神格化されている。
そんな理由から、ヤタガラスは中国ではワタリガラスであった可能性が高い。
しかし、日本では、ワタリガラスは北海道に渡ってくる数少ない渡り鳥なので、本州の話である熊野地方でみられることはない。
そのため、山間部である熊野の八咫烏はハシブトガラスではないかという説もある。
しかし、伝説では、実在しないものでもキャラクターとしてあり得るので、
ヤタガラスの正体は、ワタリガラスであって、その話を中国から輸入し、日本の神話に融合されたと思われる。
午玉宝印

カラス文字で描かれている有名なお札、午玉宝印(ごおうほういん)。
これは熊野那智大社のもので、71羽のカラスで那智滝宝と書かれてある
(通説では75羽となっているが、数えたら71羽だった)。
本宮大社や速玉大社では書かれている文字が違い、カラスの数も違う。
那智大社の午玉宝印は、元旦に那智の滝から若水をくんできて墨をすり、6日まで札を作る。
そして7日に大滝の前で刷り上がったお札を柳の枝にはさむ神事が行われるという(国松2000)。

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06年02月26日 日曜日
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