第75話
鳥も竜である

みくにだより2012年1月号より転載

新年あけましておめでとうございます。
昨年は、東日本大震災が起こるなど、たいへんな年になりましたが、
今年は平穏な一年になりますようお祈り申し上げます。

 さて、今年の干支は辰ですね。ところが私は今年も年賀状には鳥の絵を描きました。
それがこのイラストのツメバケイです。



年賀状をもらった人は「あら、この人ったら干支を間違えているわ」と思ったに違いありません。
いえ、いえ、間違っているわけではなく、鳥は竜なので辰年の絵柄にしたのです。

鳥と竜が同じ?

いったいなんのこっちゃと思うかもしれません。
まったく似ていない二つですが、おおいに関係があるのです。

 じつは最新の学説では、恐竜の一部が鳥に進化して現在の姿になったと考えられており、
鳥は恐竜であると言い切る学者もいるほどです。
「ああ、空を飛ぶ恐竜もいたから、それが鳥になったのね」と思われるかもしれませんが、
空を飛ぶ翼竜は恐竜の仲間ではなく、
別の爬虫類で鳥とは関連がありません。

では、鳥になった恐竜はなにか。
それはあの最強として知られるティラノサウルスの仲間です。
 あの巨大なティラノサウルスとスズメが同じ仲間とは「ほんとなの?」と疑いたくなります。
しかし、鳥類最大の特徴である羽毛がティラノサウルスにもはえていたらしく、
昨年の国立科学博物館でおこなわれた恐竜展では、
羽毛がはえたティラノサウルスが描かれていました。

 じつは鳥が恐竜から進化したことがはっきりしたのは、それほど昔ではありません。
1996年に中国でシノサウロプテリクスという羽毛がはえている恐竜の化石が見つかってからです。
ちなみにシノサウロプテリクスの中国名は中華竜鳥といいます。
その発見以降、羽毛のはえてくる恐竜の化石が出てくる出てくる。
いろいろな発達段階の羽毛を持った恐竜の化石が見つかり、
鳥はまちがいなく恐竜から進化したと決定づけられたのです。

 恐竜と鳥が同じとわかっても、辰年にスズメの絵を年賀状に書くのもなんですから、
いちばん始祖鳥に似ているツメバケイにしました。
ツメバケイはアマゾン川沿いの森にすんでいる変な鳥で、翼に爪があります。
姿はまるで原始の鳥のようですが、じつはそれほど古い鳥ではなく、
始祖鳥の生き残りではありません。
でも、大昔、きっとこんな姿の鳥が飛んでいたのだと思います。
 今年もよろしくお願いします。




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2011.12.1

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