◎『離婚・再婚と子ども』(椎名麻紗枝・椎名規子共著)の目次
はじめに――離婚の森から脱出する
自分を責めない/離婚後の苦しい時期をまたとない自己再発見の機会とする/子とのつきあい
方/新しい関わりを求める/家族の人権を守るために、地域社会との連帯をもつ/本書のテーマ
第1章 子が親の離婚をのりこえるために
大人たちにもとめられる子への配慮
毎年20万人の子が親の離婚にであっている/離婚が子に与えるショック/離婚しても親子の
関係は続く/父親の責任が問い直されている/学校・地域の人々・企業・国にもとめられるも
の
[T]子は父母のいずれに引き取られるのが幸福か
(1)親権とはどんな権利?
親権は親が子を支配する権利ではない/親は子の成長に配慮する責任がある/親権者
と子どもの世話をする親とを分ける/離婚後の子の氏
(2)親権者はどう決める?
子の奪い合いは、子どもの心に深い傷を与える/親権者の決定は子の利益を中心に判
断される
(3)親権者は変更できるか
親権者の変更は子にとって必要な時だけ許される
(4)親権者の行き過ぎをどうチェックするか
養子縁組の際には、親権をもたない父母の意思も確認される/監護者の同意のない縁
組みは取り消すことができる/親権者へのチェックの権利
(5)共同監護
アメリカでは、離婚後も父・母と子が共同生活をおくる/父母が共に責任をもって子
について考える
[U]子にたいする経済的保障
(1)養育費とは
父親は子の養育の責任から逃げている/親は子と最後のひとつのパンも分かち合う義
務がある/離婚により子の可能性が閉ざされないように/母親は仕事と子の世話との
間であえいでいる/養育費の支払いを確保するには取り決めを交わすこと/養育費の
額/支払い方法は一括払いか、定期払いか/相手方にたいして養育費の増額を請求す
るには/養育費を今後一切請求しない旨の合意があったとき
(2)再婚すると養育費の支払いをまぬがれるか
前妻との子も、後妻との子も、親の子に対する扶養義務は平等/養育費の支払い確保
の制度/諸外国の履行確保制度
[V]子にたいする精神的援助(面接交渉権)
(1)面接交渉権とは?
面接交渉にからむ親の感情/面接交渉は子の福祉のためのもの/子が成長する上で、
親子の交流の持つ意味/親は子の立場に立った冷静な対応が求められている/面接交
渉権の法律的意味
(2)面接交渉を行う場合のルール
子のために協力できる関係を/子どもと別居していて子との面接交渉を希望する親に
守って欲しいルール/子どもと一緒に暮らしていて、面接交渉に応じる親が守るべき
ルールすら面接交渉の取り決め方
(3)面接交渉が子に害をもたらすばあい
面接交渉は両刃の剣/どのような時、面接交渉は害をもたらすか
[W]離婚後の家庭をめぐる生活の問題
(1)母が子を引き取っているばあい。
離婚による母子家庭が増えている/母子世帯の収入は一般世帯の半分以下/母子家庭
が自立できるような援助を/就職難が低所得を招く/母子家庭の母親の優先的な雇用
を/母子家庭の母親の問題は、子を持ち働く女性全部の問題である/母子世帯の居住
環境は最悪である/前近代的な母子寮/母子家庭・父子家庭に家賃の補助を
(2)父が子を引き取っているばあい
今までかえりみられなかった父子家庭/父親は慣れない家事に疲れている/父子家庭
にも援助の手を/父子家庭でも経済的問題は深刻である/父子家庭の問題もまた働く
母親の問題と共通する
(3)母子家庭・父子家庭を援助するための諸制度
児童扶養手当・児童育成手当/税の軽減/育英制度/医療費助成制度/身元保証制度
/母子福祉資金の貸し付け/ひとり親家事援助者の派遣/高等職業訓練校/住宅優遇
制度/その他制度
第2章 子どもの理解を得て再婚を
第二の人生
[T]子どものいる再婚
(1)再婚を子どもにどう話すか
再婚の効用/親の再婚を受け入れたくない子どもの心理
(2)複合家族における子どもの接し方
親の再婚による子の精神的緊張を軽減する
(3)親の再婚と子の法的立場
姻族一親等とは/養子縁組は子にとって有利?/養子縁組を取り消せるばあい/離縁
(4)再婚した相手に別れた子のいるばあい
前に結婚していた事実を受け入れる/夫が別れた子と会うことに嫌な顔をしない
(5)再婚と改姓
夫婦同氏の原則は男女平等に反する/前婚の姓を名乗っているばあいの再婚
(6)再婚家庭の住宅
住宅問題は、家族関係に重大な影響をもたらす
[U]高齢者の再婚
なぜ、増える高齢者の離婚/高齢者も再婚する
(1)再婚する相手方の子との関係をどう調整するか
子どもが親の再婚に反対する気持ちすら遺産問題でもめるのを避けるために/遺言書
の作成
(2)老齢再婚と老人の自立
老人は子と同居するのが幸福か/老人の自立と住宅問題
(3)再婚した相手が死んだあと、その子の扶養は受けたくないが
老人扶養の問題/老親の扶養/姻族関係終了届
(4)破綻した再婚
再婚に何を期待する/なぜ多い再婚者の離婚
第3章 離婚後婚姻届を出さずに共同生活をおくる
内縁の現代的意味
内縁とは/なぜ戦前は内縁が多かったのか/現代ではもう内縁を保護する意味はない
?
(1)高齢者の共同生活
土地の高騰は内縁を増大させている/内縁の夫婦こそ遺言制度の活用を/内縁の妻の
居住は保護される/内縁継続中の問題/内縁解消のばあい/退職金は内縁の配偶者に
も支払われる
(2)共同生活と子
婚姻届を出さないカップル/内縁関係から生まれた子は非嫡出子/不平等な非嫡出子
の相続分/試案に終わってしまった非嫡出子の相続分改正案/父親は非嫡出子にたい
しても嫡出子と同じ扶養義務を負う/非嫡出子と氏
(3)一方に法律上の妻または夫がいるばあい
重婚的内縁とは/法律上の夫または妻の利益との調和/重婚的内縁であっても財産分
与は認められる/重婚的内縁配偶者の特別法上の地位
第4章 家族それぞれの自立のために
[T]現代の家庭の問題状況
[U]家族の変化――家への従属から個人の自立へ
(1)「家」に従属させられた妻
(2)子どもの受難時代
(3)天皇制のもとに苛酷な人生を強いられた庶民
(4)新憲法のもとでの新しい家族像
[V]家族の自立を阻害するもの
(1)女性の自立
母子癒着すら母子心中、子の置き去り
(2)男性の自立
父親不在の食卓/育児・家事責任は父母平等に/企業からの自立
(3)子どもの自立
子どもは、親のものか/子どもは社会全体の責任で/子どもの人権の特質/子どもの
主体性の尊重を/親の権利と責任
[W]家族の人権の保障を求めて
(1)子と親の権利としての保育権
保育所の問題/子どもにとっての保育所/働く母親にとっての保育所
(2)マイホーム主義をのりこえ、家族の人権としての定住権の保障を
1:誰と一緒に暮らすか
夫婦と子ども/祖父母と孫/単身赴任――別居
2:どこで暮らすか
転居/遠距離通勤/社宅
3:どのように暮らすか
定住の思想を
4:家族の人権としての住居権