●様々な病気に関わる動脈硬化

 心臓から送り出された血液を全身に届ける動脈は、丈夫で弾力性に富んでいます。この動脈の壁に脂肪がたまったりすると血管が厚く硬くなってくるのです。その結果、血管の内腔が狭くなったり血栓ができたりするのが動脈硬化です。高血圧や高脂血症、肥満、糖尿病、ストレスなどがあると、進行を早めることになります。大きな動脈に生する粥状(アテローム性)動脈硬化症、中等大の動脈に生じる中膜硬化症、細い血管に生じる細動脈硬化症があり、様々な成人病の誘因になります。

   
 

コレステロール値の高い人は要注意

 血液中の脂肪(血清脂質)が増えすぎた状態が高脂血症。血清脂質には、コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸などがありますが、その中で特にコレステロール値が高い状態を高コレステロール血症と呼んでいます。血中コレステロールの増加は動脈硬化の大きな原因になるのですが、もともとコレステロールはまったくの悪者ではないのです。善玉コレステロールと悪玉コレステロールがあるのをご存じですか? 善玉(HDL)は体内の余分なコレステロールを掃除してくれますが、悪玉(LDL)は、血管壁にたまって血液の通り道を狭めてしまいます。善玉が減って悪玉が増えることが問題。高カロリー・高脂肪食、そして運動不足などが誘因となりますので、日常生活上の注意で高コレステロールは回避できるのです。

   
 

魚介類を食べて血管をきれいに

 サバやイワシなど、背の青い魚の脂肪には、コレステロールを下げる作用があるので、積極的にとりたいものです。また、野菜や海藻類に多い食物繊維や、大豆油のような植物性脂肪にも同様の効果があります。ただし、カロリーオーバーには十分に注意をしてください。肥満はコレステロール値を上げてしまいます。また、かつては高コレステロール食品といわれていた貝類・エビ・イカ・タコなどにも、実はコレステロールを下げるはたらきがあることがわかりました。
霜降り肉、バターなどに含まれる動物性脂肪、レバー、イクラなどのコレステロールの多い食品はひかえめにするようにしましょう。ただし、高コレステロール食品の代表のようにいわれる卵は、栄養バランス満点なので1日1個は食べたいものです。

   
 

症状が現れてからではもう遅い

 動脈硬化それ自体が、何か自覚できる症状を招くわけではありません。動脈硬化が起きた部位に異常があらわれて、何かしらの症状があらわれるのです。
動脈硬化は、狭心症や心筋梗塞(冠状動脈硬化)、脳卒中(脳動脈硬化)、腎硬化症や腎不全(腎動脈硬化)、大動脈層など、ときには生命に関わる病気の大きな危険因子なのです。胸痛やめまい、血尿などの症状があらわれたときには、すでに動脈硬化によって病気が起こってしまっているケースが多いのです。検査で血中脂質が多いと指摘されたら、その日からふだんの生活を見直してください。その段階で注意をすれば、おそろしい病気を回避することができるのですから。

 


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