●胃・十二指腸潰瘍は心身症

 この病気を心身症といったのは、精神的ストレスが大きな原因となっているからです。胃での消化活動に必要不可欠な胃液には、胃酸やベプシンなどが含まれています。これが胃壁自体を消化してしまわないように、粘膜などが防御しているのです。この攻撃困子と防御因子のバランスが崩れて、攻撃因子の作用が強まると粘膜を傷つけ、潰瘍が生じるのです。十二指腸でも同じような理由で潰瘍があらわれるので、この二つは同じ病気ととらえられています。いちばんの予防法は、体と心の休息です。生活習慣を見直して、自分なりのストレス解消法をみつけてください。

   
 

朝ご飯を食べて潰瘍をシャットアウト

 潰場予防には、少量頻回食が理想。これは少量ずつを1日4〜6回に分けて食べることですが、現実には難しいものです。せめて、必ず朝食をとることを心がけてください。胃がカラッポのまま午前中の仕事にのぞんだら、胃酸の影響を胃粘膜がモロに受けてしまいます。胃壁を保護するためにも、朝は何か食べておくことが大切なのです。忙しい、食欲がわかないというときは、牛乳を飲むことをおすすめします。牛乳はアルカリ性で胃酸を中和させるはたらきがあり、しかも栄養的にも理想的な食品です。また、ふだんの食事では、よくかんで胃の消化活動を少しでも軽減させてあげましよう。暴飲暴食、早食いは禁物です。空腹時の喫煙や飲酒、熱すぎるものや冷たいものは胃の粘膜を荒らすので、ひかえましょう。コーヒーや香辛料も同様です。一度、潰瘍を患った方は特に注意してください。

   
 

タール便が出たら要注意

 潰蕩から大量に出血があると、血液が便といっしょに排世されることがあります(下血)。血液は胃腸液などの作用を受けて変色し、黒っぽいタール状の便になります。嘔吐に血が混じることもあります。これも胃液の作用を受けているため黒っぽい色をしています(吐血)。空腹時痛、そして胸やけと下血・吐血が、胃・十二指腸潰蕩の三大症状といわれます。思いあたる症状があるときは、なるべく早く検査を受けてください。

   
 

治りやすく再発しやすい胃・十二指腸潰瘍

 現在、潰場の治療の主流は薬物療法です。よほどの場合でないと、手術は行われません。H2ブロッカーなどすぐれた潰瘍治療薬のおかげで、治りやすい病気になったのです。しかしその一方で、胃・十二指腸潰場は再発しやすい病気でもあるのです。再発をくり返していると治りにくくなったり、ときに大出血や穿孔(胃にあいた孔から内容物があふれて急性腹膜炎を起こす)、狭窄といった事態を招くことになりかねません。回復後は、慎重に生活することが大切です。半年に一度は検査を受け、医師の指導にしたがってください。

 


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