What's the oil?

そもそも石油って何なの?(その1)

石油とは

石油は化石燃料の一種です。化石燃料とは読んで字のごとく、太古の昔の植物や動物の死骸が、気の遠くなるような長い年月をかけて地下の熱と圧力によって変質し、生成されたものです。私は化学的なことはさっぱり分かりませんが、化石のうち、植物性のものは石炭に、動物性のものは石油や天然ガスになったそうです。化石燃料は基本的に炭素と水素から出来ており、これが燃えることで熱と二酸化炭素と水に変化するというわけです。

石油の歴史

石油は19世紀半ば頃から「何か汚いけどよく燃える液体がある」ということで明かりを取るための燃料としてちらほら使われていたようです。それが本格的に商業ベースで生産され始めたのは19世紀の初頭のアメリカにおいてでした。それまで、人間が手に入れた最大の動力は石炭を燃料とする蒸気機関だったのですが、石油の利用が始まったことで内燃機の利用が盛んになり、自動車の本格利用が始まりました。また、アメリカ軍・イギリス軍は第一次世界大戦において石油を燃料とした艦船を導入し、ドイツ海軍に大勝しています。石油ビジネスは一部の企業に莫大な利益をもたらし、特にロックフェラー財閥はアメリカ中の石油ビジネスを独占し、巨万の富を手にしました。

そんなこんなで、石油が本格的に採掘され始めたのは1900年頃だと考えていいと思うのですが、ってことは人間が石油を利用し始めてからまだ100年ちょっとしか経過していないことになります。地球が太陽系に誕生してから46億年、人類が誕生してから500万年ということを考えあわせると、とんでもなく短い時間で人類は石油を使い切ろうかというところまで来たということになります。人類の歴史は地球の歴史の1/920、石油の歴史はそのさらに1/50000。ってことは石油の歴史は地球の歴史の4千600万分の1ということになります。地球が46億年もかけて蓄えてきた石油をその4千600万分の1の時間で使い切ろうってことですよ。例えるなら50年かけて蓄えた貯金を34.3秒で使い切るようなものです(計算が間違ってたら教えて下さいね)

石油がなかった世界、石油がある世界、石油を失った世界

1900年頃の世界はどんな感じだったのでしょう。電話や電灯は発明されていましたが、安定した電力供給源が無く、まだ一般家庭には届いていませんでした。自動車も実用化されていましたが、まだまだ庶民には手の届かない存在でした。ライト兄弟が初飛行に成功するのは1903年のことです。まあ、そんな感じです。

その後の100年で人類がどのような進歩を遂げたか・・・。現在の我々が暮らす世界と1900年頃の世界を比べると、同じ歴史上に存在する文明とは思えないような急激な進歩を遂げていることが分かります。もちろん、石油だけがそれに貢献してきたわけではありませんが、石油がもたらす燃料や化学製品は20世紀の文明の進歩に欠かせない役割を担ってきました(その2では石油製品の分類について紹介します)。

考えてもらいたいのは、我々の世代は「石油がある」という人類の歴史から見て極めて特殊な状況にあるということです前回の項を見て頂ければ分かるとおり、楽観的に見てもあと100年もすれば実質上石油は地球上から消えて無くなります。ということは家族の系譜で考えてもせいぜい5代くらいしか「石油時代」に生きられる世代はいないということになります。上に書いたとおり、50年という時間軸で見たら30秒かそこらだけ特別な時間を過ごしていることになります。人間の文明は様々なものの犠牲の上に成り立っていますが、未だかつて、ある資源を完全に使い切ってしまったことはありませんでした。木を全部切り倒す前に石炭が発見されましたし、石炭を掘り尽くす前に石油が見つかったからです。もちろん、石油を使い切る前に天然ガスが使えるようになりましたし、石油や天然ガスを使い切る前に何か代わりのものが見つかるかも知れません。ただ、その「代わりになる何か」はもう地下には埋まっていません。燃料としてだけでなく、石油製品として様々な形で我々の生活を支えている石油を失うということは、21世紀の人類文明に大きな変革、あるいは衰退を迫る転機だと言えます。

その2へ続く


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