心理技術研究所主催
システムズアプローチ研究会
2011年度(2011. 9〜2012. 8)プログラム
受講生の募集は終了しました。来期のご利用をお待ちしております。
基 礎 コ ー ス のご案内
「現実に生起する現象をシステムとしてとらえる」という「ものの見方」を基本とするシステムズアプローチは、心理臨床への適用において多大な有効性を発揮し、来談者とその家族、あるいは関係者にとってより負担が少なく効果の高い面接の実行を可能にします。ただしその実践に至る訓練プロセスは、マニュアル的な方法論を通じて習得するのではなく、コミュニケーションに関する特殊な認識が身につくまで、継続的なトレーニングを繰り返しおこなう必要があると考えられます。
当「基礎コース」は、システムズアプローチの実践にあたって必要な基礎的トレーニングを通じて、「コミュニケーションによって生ずる相互作用をより治療的に活用する」ための理解と実践力を養成する目的でおこなわれます。単に理論を理解することよりも、体験的に習得することを重視し、「システムズアプローチ的認識への切り替え」のための実習を徹底しておこないます。また、継続的なトレーニングの必要性から、原則として通年全12回のご参加を前提とし、参加者にはレポート提出などの自主学習が課せられます。予備的な知識は特に必要ありませんが、なによりも、治療者としての実践力の向上を目指す方のご参加をお待ちしております。
日 程:月1回、日曜日or祝日、11:00〜17:00開講。全12回の年単位プログラム
前期予定: 9/25 10/23 11/27 12/25
学習内容(予定):
第1回(9/25) 「複数人面接」を通じて「システム」を理解する
「個人面接」と「複数人面接(例えば家族面接)」とでは、治療者に求められる役割や配慮が異なります。「複数人面接」はいわば、治療者に否応なく「システム」の観点を要請する場面であるとも考えられます。
プログラム第1回目の今回は、システムズアプローチの概要紹介を兼ねて、「複数人面接場面」のロールプレイをおこない、「個人面接」との違いを踏まえながら「システム」の観点を学習します。
第2回(10/23) 「バターン」を把握する
「システム」の観点を持ちながら面接をおこなうためには、生じてくるコミュニケーションを「パターン」として捉えることが必要です。生じてくるコミュニケーションには自らのものも含まれるため、治療者には「メタポジションの確保」が要求されます。この、個人面接とは異なる感覚を身につけるための練習をおこないます。
第3回(11/27) 「パターン」という概念を理解する
「パターン」の概念自体は難しいものではありませんが、実用に堪えるためには、コミュニケーションを、相互作用の連鎖として捉える視点を育成する必要があります。そのための基礎練習をおこないます。
第4回(12/25) 「パターン」を肉付けする−「枠組み」という概念を理解する
「パターン」をシステムの動きそのものとすると、言語的・非言語的メッセージによって示される意味は、動きそのものを肉付けするものとして考えられます。システムズアプローチでは言葉ひとつひとつの意味を、その人の「枠組み」を表すものとして捉え、その把握はシステムへのジョイニングや介入に当たって欠かせないものとされます。今回はその基礎について学習します。
第5回 「枠組み階層図」を作成する
システムズアプローチの基礎的な認識方法である「枠組み」に焦点をあて、来談者の言語的・非言語的メッセージから「なにを」「どのような意味として」把握し、理解として組み立てていくのかによって、治療者の「見立て」や「発話」が全く異なってくることを「枠組み階層図」作成を通じて学習します。
第6回 治療システムにおける「バターン」と「枠組み」の把握
実際の複数人面接は、治療者の「メタポジション」が把握した治療システムのパターンと、治療者が把握した「枠組み階層図」の組み合わせで進行していきます。治療者の把握と、その結果としての振る舞いによって、システムが変化していくことを体験的に理解します。
第7回 治療システムにおける「Here&Now」での変更
治療システムのパターンと枠組みを把握し、活用しながら「今ここで」の変化を導入する体験学習をおこないます。
第8回
家族システムにおける「パターン」と「枠組み」把握とその変更
来談していない家族も含めたシステムである「家族システム」でのパターンを聴取するためには「円環的質問法」が役に立ちます。また、「家族システム」に介入するために有効な課題提示について、「介入ポイントの決定」「課題の考案」「課題のPR」などの手順を踏むことと、それぞれのプロセスにおいて「枠組み把握」が重要であることを体験的に学習します。
第9回 治療システムにおける「構造」の把握
治療システムの「構造」という観点を持つことは、飛行機のコックピットに座っているような感覚を身につけることとも言えます。治療者の振る舞いに応じて上下、左右、遠近が変化していく様子を学習し、その制御を実習します。
第10回 治療システムにおける「構造」の把握とその変更
治療システムの「構造」を把握し、その変化を導入する実習を通じ、構造変化のためには「パターン」と「枠組み」の把握が必須であることを学びます。システムズアプローチの基本的な動きを経験することになるでしょう。
第11回 家族システムにおける「構造」の把握とその変更
ジェノグラムを用いて家族システムの「構造」を推測し、その変更のための課題提示を実習します。「連合関係」「葛藤関係」「世代間境界」などの概念を学習し、活用します。
第12回 最初に何を話題とすべきか
―来談者の「ニーズ」を理解する
「来談者にとって治療的なシステム」を形成する責任は、治療者にあります。そのために治療者は、できるだけ早急に来談者の「ニーズ」を把握する必要があります。来談者の「ニーズ」は、言語的に表明されるだけではなく、来談経緯や来談状況、非言語的メッセージなどを通じて表明されます。これまで学習してきた「枠組み」「パターン」「構造」の観点を駆使して、来談者の「ニーズ」を把握し、活用する練習をおこないます。
* 基本的に参加者同士でのロールプレイ実習を中心とし、それを材料として適宜講義をおこないます。
* 学習内容は、各回のご参加人数や進捗状況により変更される場合があります。
* ご参加者は、各回の実習経験についてのレポートを、持ち回りで提出する必要があります。
* 提出されたレポートや今後の予定などを記載した「レポートレター」が毎月発行されます。
* 日程が変更される場合がありますので、「レポートレター」でのお知らせにご注意ください。
* 各回の実習について、自主学習課題を提示されることがあります。
* 参考文献:以下の文献熟読を要請される可能性がありますので、ご参加者各位にてご準備ください。
@「家族療法−システムズアプローチのものの見方」 吉川悟著 ミネルヴァ書房
A「セラピスト入門」 東豊著 日本評論社
B「セラピストの技法」 東豊著 日本評論社
参加資格:
1.システムズアプローチ、家族療法、ブリーフセラピーなどを実践することにご関心のある方
2.事例提示が可能で、事例に対する守秘義務を有する職業に就いている方(学生不可)
参加申し込み:以下の各項について記載していただき、下記申込先までFAXにてお送りください。
追って当方より、ご参加の可不可についてのご連絡をさせていただきます。
1.お名前
2.システムズアプローチ、家族療法、ブリーフセラピーなどについての学習歴
3.所属機関、職種
4.心理臨床系の資格
5.心理臨床系の所属学会
6.ご連絡先のご住所、FAX番号、メールアドレス
参 加
費:前期、中期、後期の3分割制です。ご参加可の方には当方より振込み口座と会場までの地図をご郵送
いたします。前期分のお振り込みをもってご参加の受領とさせていただきます。
前期(9月〜12月分) 50,000円 中期(1月〜4月分) 40,000円
後期(5月〜8月分) 50,000円
* お振り込みいただいた参加費は、原則として返金いたしません。
ただし、当方の日程変更のためにご参加できなくなった場合は、その日程分の参加費をお返しいた します。
会 場:心理技術研究所(下記)
講 師:高橋 規子(心理技術研究所所長。臨床心理士。日本ブリーフサイコセラピー学会元理事。
日本家族研究・家族療法学会評議員。サンタフェNLP/発達心理学協会認定プラクティショナー
トレーナー、マスターTトレーナー)
その他
開講人数:10名程度で開講とし、15名を定員とします。
9/10の段階で開講人数に達しなかった場合は中止、定員となった場合は締め切らせていただきますことをご了承ください。
また、当プログラムの性質上、今期途中からのご参加は原則的に不可ですので、ご了承ください。
会場・お申し込み・お問い合わせ先
心理技術研究所(東京都府中市押立町)
Fax/042−366−8252