気付きの仕組みが事業を活性化

 人が本気で動き出すのは気付きが発端になる。

 同じように見ていても気付く人とまったく気付かない人に別れる。

 頭で分っていても、行動しない人は、気付きに至っていないと解釈する事が重要。

 経営幹部が気付きに至るには次のような仕組みが基になる

 1.目的意識に基く行動

 2.変化の推移が判る仕組みを創ること 

 3.比較対照で差異が判る仕組みを創ること

 4.見える化が気付きを促進する

 5.体験が気づきの基になるために、体験の機会を持つ仕組みを創る

  6.主体者意識を持つ意識が気付きを促す

 

 一般社員が気付きに至るには次のような仕組みが基になる

 7.問題点を明らかにする

 8.その理由を理解させる

 9.必要な知的用具を理解させる

 10.問題点再発防止策を検討し何が必要か気づきに誘導

 11.実施結果の確認で成果を共有

 12.問題解決の経験が自己啓発に有用なことに気づく

  13.相手の立場で考える習慣

 

気付きの事例1

 1.目的意識に基く行動

 

漠然とした行動をするよりも目的意識を

明確に持って行動すると、目に写るもの全てが

目的に関連付けられて判断するようになり、

気付きに至る。目先の目的以上に自己を物心ともに

豊にしたいと考える野心があれば一層

多くの気付きが得られる。

 

自動改札機の開発で乗車券の向きを自動的に

整理する必要性が出てきた。

この開発担当者はその対策が頭から

離れないで解決策に悩んでいた。

ある日、川に木の葉が流れていて岩肌に

木の葉が接触して向きが変わるのを見た。

 これに気付きを得て開発の難関突破になった。

そのような事例がTVで報道されていたのを

見られた方は多くおられる

に違いない。

          

自然界では日常的に発生していることであるから

目的意識がなければ気付きに至らない

 

ところが目的を意識して行動する習慣は

簡単に身につくものではなさそうである。

多様な行動の中で目的意識が薄れ

当面取組んでいる方法に意識が注がれて

方法そのものが目的化している場合が

少なくない。

         

目的を強く意識する事は改善活動の場合に、

非常に重要である。

例えば、5S活動に際して、良く聞く言葉に

5Sを実施すると作業がやりにくくなる。

その内容を調べると、形式的な整理になっていて、

本来の目的であるムダ時間の再発防止のために

5S活動が行われていない。

ムダの防止を目的にして作業内容の観察を行えば気付きの

内容はコストダウンに沿うようになる。

この様な目的と方法を取り違えた活動が

行われている例は経営改善では非常に多い。

 

気付きの事例2

 

 2.変化の推移が判る仕組みを創ること

 

物事は単独で見ていても判断が難しい事は珍しくない。

利益率がどのように変化しているのか、

製品別に分類した売上高と利益率の推移

が分るような表が作られていると、

どの製品、どの取引先に力を入れ、または、

徹底の準備をしなければならないのか、

判断が容易になる。

 

例えば、

 

                   売上高の推移

営業利益率の推移

製品の種別、顧客別

18年度

19年度

20年度

18年度

19年度

20年度

  判   定

A 製品群

7千万円

6.6千万円

7.1千万円

10%

8.5%

5%

詳細な検討必要

B 製品群

5千万円

5.1千万円

5.3千万円

7%

8%

8%

伸ばすか、持続を

C 製品群

5千万円

5.1千万円

5.7千万円

11%

12%

12%

伸ばす必要あり

上記客先内訳  a社

4千万円

3.6

千万円

4.1

千万円

10%

8.5%

3%

代替品の開発を

上記客先内訳 b社

3千万円

3千万円

3千万円

10%

8.5%

5%

代替品の開発を

上記客先内訳 c社

5千万円

5.1千万円

5.3千万円

7%

8%

8%

新規開拓し伸ばす必要あり

上記客先内訳 d社

5千万円

5.1千万円

5.7千万円

11%

12%

12%

新規開拓し伸ばす必要あり   

    計

1億7千万円

1億6.8千万円

1億8.1千万円

8%

9.1%

8.3%

 

上記の様な時系列推移が示されると、A製品群、その取引先のa、b社については、更に内容を詳細に検討しなければならなくなる。

更に、早急に新製品開発に取組み、代替品を提案するような取組み方をしない限り利益率を向上させる事は出来ない状況が示されている。

計の数値だけを見ていると未だ余裕があると判断を誤る怖れがある。

 

気付きの事例3

 

3.比較対照で差異が判る仕組みを創ること

問題点を巡って一つの解決策について議論していても

どの様な障害が潜在しているのか、気付かないことは

珍しい事ではない。

二つ以上の解決策を起案し、その長所と欠点を

上げた表を作り、相互比較する事で

何れを選択すべきか、または、第三の方法を

考案する気付きの機会が得られる事は珍しい事ではない。

 

 設備の配置替えの検討表

 

段取時間の短縮

       (分)

所用面積 作業性 安全性 費用(万円) 総合評価

A案

 

 

 

 

 

 

B案

 

 

 

 

 

 

該当工程持続性の見通し  

 

図示したような検討表を作成し、優劣を比較出来る項目を選び出し表を埋めていき、検討を行う事で採否の判断がやり易くなる。

 総合評価に当っては、該当する生産工程の持続性について別途に情報を集めておく必要がある。短期間の生産で終了する 可能性が高い場合には、投入する単位費用当りの効果が高くても見送らなければならない場合もある。

 

近くこの続きを掲載します。

 

気付きの事例4

4. 見える化気付きを促進

 見える化では問題の所在が判るような表現の工夫がいる。数字や図を羅列するだけの見える化では意味がないだけでなく、見える化の作業そのものがムタ゛になっている場合もある。つまり、見える化で何を訴えるのか、その目的をしっかりと弁えた上で目的に沿った見える化が大切である

 見える化で配慮が必要な内容を次に示す

a.掲示されている対象事項の変化の推移を示す

b.掲示されている対象事項を幾つかに分類して比較が出来ること

c.保管品には現品票を添付し入出庫数と滞留量と期間が判ること

e.工程の流れが一目で判る配置になっていて、工程間の滞留状態の

  差異が一目で判る配置(ネック作業の有無の判定と仕掛品の滞留 

  状況の判定に利用)にする

               

f.対象事項の比較と、変化の推移の組合せが必要な場合もある。例え

  ば、品質不良の発生状態をパレート図で示すだけでは不十分であ

  る。目標値に近づきつつあるのか、離れていく傾向か、それが判る

  ような変化状態の見える化が必要になる。目標に達していなくても近

  づきつつある事が判れば、取り組みつつある改善策が適正であると

  判断できて励みになる

g.図表に示す場合、折れ線グラフよりも棒グラフに示すのが判りやす

  い。数値を表で示すのは判り難いから避ける

 

 

気付きの事例5

5.体験が気づきの基になるために、体験の機会を持つ仕組みを創る

自分が体験した問題に関することについては、

誰しも関心が強くなる。

 

この様な傾向があるため、体験を多く積む事は非常に

大切な事である。

ところが、失敗する事を恐れて開発や問題解決に

積極的に取組む事を避けたがる人がいる。

 

失敗しないで成功する人はいない

言い切っても間違いはない。

多くの開発や問題解決に取り組んだ

事例がそれを証明している。

 

失敗する事が良くないのでなく、

今後の活動で類似の失敗をしないように

失敗から教訓を学び取ることが重要である。

その事例について考えてみる。

          

@活動計画が粗すぎる場合

開発や問題解決に取組むに当たって活動計画を立てる

その計画の立て方が粗すぎると、

途中まで実施した後で、

振り出しに戻っている例が少なくない。

目的を達成させるために、

小さな問題についてもそれを抽出し、

取組む順序を決めて、中間目標(道標)として

活動計画に組み込む。

この計画立案の過程で現状調査が必要になるから、

それを怠りなく行う事も欠かせない。

これ等が不足していると、

計画を立てても計画通りに進まないから、

計画を立てることに力点を置く事は間違い。

また、失敗した教訓を導き出すのに、

今後注意しよう。

と抽象的な精神論で済ます事にもなる。

 

A理解でき難い問題への取組み方の違い

問題解決に取組んでいる時に、理解でき難いことに遭遇した場合、

時間がかかってもそれを徹底的に調べた上で

進める場合と、時間がないから、との理由で

いい加減な解釈で進める場合がある。

この取組み方の違いが成否に大きな影響を

もたらす事は少なくない。

理解出来るまで調べる事から逃げてはいけない。

             

 

B失敗は上司が責任を取るから思い切って遣れ

「思い切って遣れ」と指示される場合と」

「失敗するな」と指示される場合の

心理面の受け止め方の差異は大きい

失敗しないように用心している場合には、

発想が消極的になり、思い切った事は出来ない。

そのために、失敗し易くなる。

 

C成功例を多数知る

何故成功したのか、

多くの成功の事例を調べると、失敗を何回も繰返す

経過を辿っている。

失敗に挫けないで粘り強く問題解決に取組んでいる。

普通に考えると諦めるのが当然、

そのような状態に陥っていても、諦めていない。

諦めないで実施する価値があるのか、

その見極めは大切である。

成功例が表面的に語られている場合には、

失敗の経過を説明していない場合が多く見られている。

そのような場合には「苦心された事はないのか」

と質問すると失敗例が示される。

この説明には興味が一気に増すことになる。

不思議な事に、冷たい目で見ている社内の人たちも

成功すると急にちやほやと態度が変ってくる。

その様な経験をしている人も少なくない。

 

この様に経験から学ぶ行動様式

体得する事は気付きに大きな影響が出てくる。

 

気付きの事例6

6.主体者意識を持つ意識が気付きを促す

物事が進まない理由を他人の性にする意識がある限り、

本質的な気付きに至らない

例示すると次のようになる

 

  @指示したのにしない

   主体者意識がない発想:指示した時の返答はよかったのに、実行 

                 しないのは、やる気がないからである。

   主体者意識がある発想:指示したのに何故しないのか、指示の説

                  明が足りなかったに違いない。

  やる気がないから実施しない。と考えるとその場面から前に進める

  意識が出てこないが、指示の説明が足りなかったに違いない。と

  考えると、相手を意欲付けるにはどの様な説明の仕方をしなけれ

  ばならないのか、工夫することで説得力のある方法に気付く機会が

  得られて組織が活性化する。

  部下は故意に逆らって指示通りにしないのでなく、指示されたこと

  解釈がどこかで間違っているとして相手の立場になって考えてみる。

                 

 

  A指示してくれないから動けない(問題点に直面して)

   主体者意識がない発想:指示されないので放って置けばよい

   主体者意識がある発想:何故この様なことになったのか、調べて 

   みる必要がある。と考える。

  問題に直面しているのに指示されないから放って置く考えの中

  からは、何の気付きも得られないが、何故この様な事が起った

  のか、原因を調べて報告の上で対策を立てる必要がある。

  その様な問題意識を持つことで新しい気付きが得られ 、改善が進んでいく機会が得られるようになる。

  この様な発想は組織が活性化する 根源になる。

                

 

  B報告書を出す場合   

   主体者意識がない発想:提出期日直前に形式通りに記載する

   主体者意識がある発想:計画通りに実行出来なかった理由を調 

   べ、今後の活動に役立つような記載をする。

   報告書の提出期限が迫っているから一応形式通りに記載して

  提出するような事では、何の気付きも得られないが、報告書を

  記載する機会に計画通りに活動できなかった理由を調べて次回

  以降の活動計画を立てるときに役立てたい。と考えて活動内容を

  点検して今後の教訓を導き出すようにして報告書を記載すると、

  新しい気付きが得られ、それが自己の行動の質を高め、

  組織の活性化に寄与する様になる。

 

  気付きが全ての行動の根拠を作り出す。

 

                    一般社員が気付きに至るには

 

  (転載の場合は出所明記の事、無断転載禁止)

                                                 ご意見を歓迎します。  a-shinjo@nifty.com    新庄宛

                        電話の方が良い場合には指示(日時)ください                                 

                         eメ−ル相談に応じます                                        

  一面へ