>0:00〜 (幼き日の約束)
「約束…だからね…?」
満員の列車の中から掛けられる、少女のか細い声。
「うん、きっと君を追いかける。…約束だ。」
プラットホームの賑わいの中、汽車が蒸気を噴いて発車の時を告げる。
金属のきしむ音をたて、汽車が動き出す。
列車の速度に合わせて、少女との距離を保とうと駆け出す。
しかし、懸命に追いかけても、次第に彼女との距離は離れていく。
「―――待ってるから!ずっと!」

それが、私の記憶の中での、最後の彼女の声。


>0:26〜 (旅立ち)
あの日と同じ時刻、あの日と同じ駅。
あの日の出来事を一つ一つ反芻しながら、汽車に乗り込む。

「いま、会いに行くよ―――レイラ。」


  ―― 約束の地へ ――


>1:03〜 (女性との会話)
「お一人で、ご旅行ですか?」
相席になっていた女性に尋ねられる。
「えぇ…お嬢さんも?」
「ハイ、私は里帰りですが――今の時期に東方への旅行だなんて、珍しいですね。」
「…人を、探していて。エデンに向かっているのです。」
「エデン!?"東の果て"、まだ未開の地ではないですか…それは大変ですね…」
「えぇ…でも、もう何年も待たせているもので。行かなくてはなりません。」
「汽車もエデンまでは通っていないでしょう?どのような道を…?」
「東端の駅で馬を買って、ひたすら東を目指します。」
やはり無謀な計画なのか、彼女は目を丸くして驚いていた。


>1:27〜 (順風満帆)
女性と雑談を交わしている内に、目的の駅に着いた。
空は雲一つない快晴。これは幸先が良い、と思う。
「無事にその方に会える事を祈ってますわ。」 彼女の言葉が、素直に嬉しかった。
街に出て予定通り馬を一頭買い、食料を買い込み、すぐさま東へ向けて走らせた。


>1:50〜 (雷雨)
今までの青空が嘘のように。
空は雲に覆われ、雨が視界を遮り、体力を奪っていく。
周りに雨宿りできそうな場所はない。
かと言って、今から街まで引き返すなんて時間の余裕は無い。
ただ、無我夢中で馬を走らせる。

彼女なら、今の私の姿を見てどう思うだろうか?
無茶をする私を、心配してくれるだろうか。
頬を膨らませて涙目で、思いっきり平手打ちをかましてくれるかもしれない。
妄想の中でありありと思い浮かぶ彼女の姿に、思わず気が緩む。

ふと我に返る。目の前には―――崖。
方向転換も間に合わない。勢い良く宙に放り出される。


>2:39〜 (遠い記憶)
「エデン?」
聞き慣れない単語に、私は首を傾げる。
「えぇ…。私のパパはそこで、新しい土地をかいたく・・・・するんですって。」
走馬灯のように巡る、記憶の彼方にある会話。

「だから…私も、行かなきゃならないの。」
「……え?」
「…もう、アルとは会えなくなっちゃう。」
「そんなの…いやだよ!レイラと会えなくなっちゃうなんていやだ!」
「……でも…しかた、ないもの」
「…でも、これでお別れなんていやだ。ぼくが大きくなったら、また会いに行くよ!約束だ!」

「――絶対に、また会おうね――」


>3:04〜 (あの頃のままの君)
目が覚めると、懐かしい微笑が目の前にあった。
あの日から、目に焼きついて離れない愛しい顔。

「レイラ!」
嬉しさの余り、思わず抱きつく。
彼女の温もりに包まれ、しばし我を忘れて泣きじゃくった。


>3:18〜 (再会〜約束の地へ)
「祖母は生前、あなたとの約束の事をとても生き生きと語っておりました。」
海に臨んだ丘の上、微風が心地いいその場所に、彼女レイラの墓はあった。
墓前にひざまずき、彼女にそっと口づけをする。

フッと力が抜け、その場に倒れ込む。
レイラに生き写しの彼女の孫が、駆け寄り、必死に言葉を投げかける。
しかし、その言葉はもう私の耳には届かなかった。


「いま、会いに行くよ―――レイラ。」




読みにくい文章をここまで読んで頂き、本当にありがとうございます。
本来は原曲を聞きながら読み進めて頂く事を前提としているのですが、
それだと、恐らく一巡しただけでは物語の概要が掴み難いと思いますので、
できることなら二度三度と読み返して頂けるととても嬉しいです。えぇ。
更に感想とか送って頂けたら、昇起がパソコン画面の前でガッツポーズします(えー)

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2005/05/07 昇起