※この項は、解雇権乱用の問題には触れていませんのでご注意下さい。
以下の要件を満たせば、何でもかんでも解雇できるというわけではありません。
使用者が労働者を解雇する場合、原則として解雇する1カ月以上まえに
当該労働者に対して解雇予告を通知する義務があります。
しかし、使用者は平均賃金の30日分の予告手当を支払って、
使用者を即日解雇することもできます(労働基準法20条1項、2項)。
※10日前に予告して、20日分の手当を支払うというのも可。
この平均賃金とは、過去3カ月分間の賃金の総額を
総日数で割った一日あたり賃金のことです。
賃金の総額とは、基本給だけでなく、各種の手当や通勤交通費、
時間外を含めた超過勤務手当などを含みます。
なお、賞与は含まれません。
パートだからと言って、解雇予告手当を支払ってくれません。
この解雇予告義務または解雇手当の支給は
必ずしも正社員だけを対象としているわけではありません。
次のような場合にも対象となります(労働基準法21条)。
(1)日雇いであっても、1カ月を超えて継続雇用されている場合
(2)2カ月以内の有期契約雇用者が、期間終了後も継続して雇用された場合
(3)4カ月以内の有期契約の季節的労働者が、期間終了後も継続して雇用された場合
(4)試用期間中の者が14日を経過した場合
ですから、1年程度の雇用契約労働者(パート)や
期間を定めないで雇用されたアルバイト、
試用されて2週間を過ぎた見習いでも、当然に解雇予告手当の対象となります。
会社に損害をかけたとして、解雇予告手当を支払ってくれません。
解雇予告手当も、賃金の一種と言えるでしょう。
ですから、法令に別段の定めがない限り、
使用者に対して直接、全額を支払わなければなりません(労働基準法24条)。
給与や退職金、解雇予告手当について、
使用者側が損害賠償債権の存在を理由に予め相殺(控除)したり、
全く支払わないと言うことは、不法行為が理由であっても許されません。
また、懲戒処分としての減給する場合も、
(1)1回の出来事につき平均賃金の一日分の半額まで、
(2)1カ月の総額がその月の賃金総額の10%まで
となっています(労働基準法91条)。