雨の日の図書室


知識ばかりの評論家にはなりたくないけれど、山では知識があれば避けられる危険も多いのは本当の事。山に行けない日には、記憶の山を再トレースしたり、これからの夢を膨らませるのもまた楽しいもの。頭のエクササイズのためのおすすめ本を紹介します。


書名 著者 出版社 価格 おすすめ度 内容 備考
技術書など
生と死の分岐点 ピットシューベルト 山と渓谷社 2678円 ☆☆☆ 数多くの事故を分析して安全なクライミングへの指針を示してくれる名著。ブーリン結びの危険性の指摘で有名。  
Self-Rescue David J.Fasulo CHOCKSTONE PRESS 2080円 ☆☆ アメリカの本。表題の通り、セルフレスキューのロープワーク、テクニックがわかり易く図解されている。英語が苦手な人でも絵だけを追って行けば理解できます。  かもしかで売ってます
岩登りの確保技術 日本勤労者山岳連盟 同左 1800円   確保技術の入門編と滑落停止の物理的な実験編がある。技術的には古いところもある。  
沢登り技術メモ わらじの仲間 同左 680円   沢登りに必要なロープワークなどのテクニックが図解されている。各種訓練のメニューなど参考になる資料も豊富。 1989年発行
アイスワールド ジェフ・ロウ 山と渓谷社 2800円 アイスミックスの概念を変えてしまった本。アイスクライミング、雪の技術解説も詳しい。  
最新雪崩学入門 北海道雪崩事故防止研究会 山と渓谷社 1854円 ☆☆ 弱層の成長のしかた、テストの方法、ビーコン、ゾンデの種類と使用方法など実践的な技術が詳しい。  
登山者のための最新気象学 飯田睦治郎 山と渓谷社 1900円 ☆☆ 観天望気などから始まり、やさしい印象を受けるが、応用編の冬の気象パターンと山の天気の解説は詳細で奥が深い。ひまわり画像の見方、高層天気図の利用などの一般解説も詳しい。 1999年発行
一般気象学 小倉義光 東京大学出版会 2884円   大学の教養課程の教科書。基本原理が壮大に語られている。難しいところもあるが、これをクリアすればあとは楽になるはず。  
ローカル気象学 浅井冨雄 東京大学出版会 3605円   これも大学のテキスト。日本の気象パターンを具体的に解説しているが、これもしっかり理系の本ではある。  
気象と気候 高橋浩一郎、宮沢清治 丸善 1648円 一般向けの本で、日本の気象パターンをやさしく教えてくれる。これなら誰でも途中であきらめることなく読破できるのでは?  
雷から身を守るには 日本大気電気学会 同左 750円
実費
  大阪大学工学部電気工学教室に事務局がある。金属を身につけていることには無関係であること、最短でも1分は間があること、電線の下は安全であることなど、ためになることがたくさん書いてある。 書店には無い
ファーストエイドとCPR 安永 周二訳 日本看護協会出版会 2800円   CPRとは心肺蘇生術のこと。米国の一般向けテキストで写真と図解が豊富。わかりやすく良い。とにかくとっつき易いのがなにより。怪我の写真もリアルでこれを見ておけば実物を見ても慌てないで済む(かもしれない)。 2000年7月発行
登山の医学 ウィルカーソン 東京新聞出版局 2000円   東大スキー山岳部OBの訳。山でおこりそうな病気、怪我を網羅している。処置の内容や薬の使い方がふつうの人には激し過ぎると思うが、一般向けでこれほど詳しい本は見たことがない。 1982年発行
登山の医学ハンドブック 日本登山医学研究会 杏林書院 2350円   守備範囲は広いが、解説は浅くそれぞれの手技まではたどり着かない。とりあえずの入門書だろう。水分栄養摂取、高所については面白い。    
読み物など
残された山靴 残された山靴 山と渓谷社 1500円 昭和時代のアルパインクライマーをテーマにしたした作品は幾つか有るが、それらに関連した遺稿をまとめたもの。佐瀬氏は病床にあって「小西政継の本を書くまでは死ねない」と言っていたがついにそれが叶えられることはなかった。本書の副題は「志半ばで逝った8人の登山家」とあるがその意味では佐瀬氏も同じ。佐瀬氏が書いた小西政継の本が読みたかったな、と思うのは私ひとりでしょうか。柴田(記)  
生と死のミニヤコンガ 阿部幹雄 山と渓谷社 1700円 ☆☆☆ 1981年北海道山岳連盟隊に参加した著者の体験を出発点とし著者のその後の人生とこの山の関わりを丁寧に記している。8名が北壁に滑落して行く前後の描写は真に迫る。柴田(記)  
小西さんちの家族登山 小西郁子 山と渓谷社 1600円 ☆☆ アルピニスト小西氏の自分では書かなかった面が読めてなかなか面白い。うちのカミさんにも一読を薦めたが無視されている。柴田(記)  
黒部へ 志水哲也 白山書房 2500円 すごい内容の山行が記されているとは思うのだが、自分が余りなじんでない地域のしかもかなり篤志家向きルート中心のせいか、今一つ読みながら一体になれなかった。2つ前の「大いなる山、大いなる谷」と「果てしなき山稜」の方が私には面白かった。柴田(記)  
私の山谷川岳 杉本光作 中公文庫 480円 ☆☆☆ 戦前に谷川で活躍した登歩渓流会を率いた著者の記録および回想。引越しで無くしてしまった時には古本屋を漁って何とか再度入手した。柴田(記)  
一期一会の渓 高桑信一 つり人社 1800円 ☆☆ 下田・河内や奥利根の沢旅を交え高桑氏の沢登りの思い・哲学が語られる。この本を読むと沢登りの会にいた頃を思い出す。あとから出た「道なき渓への招待」よりもこちらの方が私は好きです。柴田(記)  
日翳の山ひなたの山 上田哲農 中公文庫 320円 著者は第2次RCCに参加したバリバリのクライマー。でもこの画文集は山を通した心象風景をさりげなく表現して共感するところがとても多い。  
山とある日 上田哲農 中公文庫 280円 同上  
きのうの山きょうの山 上田哲農 中公文庫 300円 同上  
アルプスの空の下で 近藤等 中公文庫 400円 ヨーロッパアルプスのクラッシックルートの記録ではあるけれど、乾いた風の中であくまでも明るいクライミングを楽しんでいるのがその頃は新しかった。私のクライミング感を変えた本です。  
報告書など
1988年5月合宿遭難事故報告書 秀峰登高会   非売品   1988年5月牛首尾根、十字峡上で起きた大谷氏の事故報告 残無し
清水芳幸君遭難事故報告書 秀峰登高会   非売品   1990年3月幽ノ沢で起きた清水氏の事故報告 残無し
光芒のとき  光芒のとき編集委員会   非売品   1993年7月ソニチッシュで起きた高橋、小笹氏の事故報告と遺稿追悼集 残無し
五竜岳遭難事故報告書 慶應大学アルペンフェライン他       平松氏、石原氏の事故報告。
慶應大学アルペンフェライン、岳酔会、バックパッキングクラブOB会、秀峰登高会合同で作成された。
残無し
遭難事故報告書 秀峰登高会   非売品   1999年3月利尻山で起きた事故報告(無事救出された)  


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