WHNインドシナ公式訪問・ハイライト(下)
アンコール・アユタヤ編


 このページは、2003年夏に世界遺産ネットワーク(WHN)(現在、閉鎖中)の一員として行った、インドシナ公式訪問のハイライト(下)です。 ハイライトとは別に、訪れた全遺跡のリスト+小さな写真多数の公式訪問の記録のページもあります。

カンボジア:アンコール

 カボチャの語源となったカンボジア王国の大半を占めるクメール族は、5〜6世紀頃にこの地に達し、真臘(しんろう)と呼ばれる国を建てました。 9世紀に始まるアンコール王朝は12世紀、アンコール・ワットを建てたスールヤヴァルマン二世からアンコール・トムを建てたジャヤヴァルマン七世の時代に最盛期を迎えます。 しかしジャヤヴァルマン七世の死後、国力は急速に衰え、アンコールは15世紀にタイの攻撃を受けて陥落しました。
 アンコール周辺の地図は、アンコールの風アンコール地方の地図にあります(別ウィンドウで開きます)。

アンコール・ワット

西の聖池からアンコール・ワットを望む
 アンコール・ワットはクメール語で「まち(首都)の寺」を意味し、建造時はヒンドゥー教の寺院でしたが、やがて上座部仏教の寺院に変わっていきました。 中央の5基の塔はインドの宇宙観で世界の中心とされるメール山で、回廊はヒマラヤ山脈、環濠は世界を取り巻く大海を象徴しています。
 回廊のレリーフとしては乳海攪拌(下左)が有名ですが、他にも天国と地獄(下右)などがあり、こちらは手でなでられて黒光りしています。

バイヨン寺院

 バイヨン寺院はアンコール・トムの中央に位置し、至る所に彫られた顔は一般には観世音菩薩を表すとされます。 しかし、JSA(日本国政府アンコール遺跡救済チーム)>専門調査>美術史学によると、バイヨンの彫刻と同時代の彫刻作品とを比較したところ、バイヨン寺院の巨大な顔は、「シヴァ神、観音菩薩などの単一の尊格の顔ではなく、天上界を支配する様々な神々の総称としてのデーヴァ、デーヴァター、アスラの顔であり、宗教を超えたあらゆる神々によってバイヨン寺院が守護されていることをあらわそうとした」、とのことです(現在、Web上にこの記事はありません)。

タ・プローム

 アンコール・トムの東に位置するタ・プロームは仏教僧院の跡で、最盛期には5000人以上の僧侶が住んでいたと伝えられます。 ここは意図的に樹木の除去が行われていないので、遺跡と自然とのせめぎ合いが見られます。

その他

 「大きな町」を意味するアンコール・トムは1辺3kmの正方形で、かつては5万人もの人が住んでいたといいます。 王宮は木造だったため残っていませんが、その付近には王が閲兵を行った象のテラス(下の写真中の上左)などが残っています。
 スラ・スラン(上右)は「王の沐浴のための池」とされています。
 左下はプレ・ループというピラミッド式の寺院からの展望です。
 右下はプノン・バケンという高さ60mの丘で、頂上には10世紀はじめに建立された寺院があります。デヴァター(女神)と月が写っています。

 カンボジアでは1991年に内戦が終結してからも政情不安が続き、アンコールに多くの観光客が訪れるようになったのは、ここ数年のことです。 目立った産業や資源の無いカンボジアにとって、アンコールがほぼ唯一の外貨獲得のための観光資源になっています。 そこで現在、道路やホテルの建設ラッシュに沸いています。 アンコールの遺跡はバガンよりも、よく言えば整備されている、悪く言えば観光地化されていて、特にサンライズ、サンセットは日本人の好みなので、この時間帯は周囲を日本語が飛び交っています。

タイ:アユタヤ

 タイ族はもとは中国南西部に住んでいましたが、モンゴル軍の来襲などによって南下を続け、インドシナ半島に定着していきました。 13世紀にはスコータイ朝が成立し、やがてアユタヤ朝が取って代わり、その繁栄は400年間続きます。 18世紀の中頃、アユタヤ朝はビルマによって滅ぼされ、新たにバンコクを首都とするチャクリー朝が興ります。 チャクリー朝は列強による植民地化をまぬがれて、王室は現在まで続いています。


 
 
中央
バン・パイン離宮の植え込み
ワット・マハータート
左に同じ
ワット・ヤイ・チャイモンコン
ワット・プラ・シーサンペット
ワット・ロカヤスタ
 ワット・マハータート(上・中央と右)には、ビルマ軍がアユタヤを占領したときに首を切られた仏像があります。アユタヤの建造物は軟弱な地盤の上にレンガで建てられたので、自重で歪んだり崩壊したものが多いです。


WHNインドシナ公式訪問・ハイライト

(上)ミャンマー編
(下)アンコール・アユタヤ編(現在地)

WHNインドシナ公式訪問の記録
訪問した全遺跡のリスト+小さな写真多数

その1・ヤンゴン〜バガン編
その2・マンダレー編
その3・アンコール〜アユタヤ編

2003年10月4日 バージョン1.0
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