6 浅草サンバ・カーニバル
 東京の夏のフィナーレを飾るイベントとして定着した浅草サンバ・カーニバルに行ってきました。
 どうせ行くのなら一番良い撮影ポイントに陣取って気に入った写真を撮りたいと思って朝から出かけ、何とか雷門前の通りに面した最前列の場所を確保することができました。

 強烈な響きのサンバのリズムはお伝えすることはできませんが、本場ブラジルからこのために来日した美女軍団の官能的な踊りなど、私が体感したサンバカーニバルの魅力の一端を皆様に画像でお伝えしたいと思います。           (8月26日記)

この画像の撮影時刻は午前10時、カーニバルパレードが始まる3時間半も前の状況です。
 しかし既にパレードが通過する雷門通りの歩道の縁石にはこのように見物客が座り込んでじっと待っています。
 通りの反対側も同様に見物客で一杯ですが、何とか雷門正面の横断歩道で見物客の並びが切れている所を見つけ、そこに割り込みました。
 幸い隣も同年輩のアマチュアカメラマンだったので、そのうち親しくなって雑談などで待ち時間を退屈せずに過すことができました。
 いよいよ浅草サンバカーニバルのパレードの始まりです。
 先陣を切ってやったきたのは台東区田原小学校のブラスバンドと鼓笛隊で、サンバ調のリズムにアレンジした軽快な曲で雰囲気を盛り上げてくれました。
 これからが本格的なサンバ・リーグのパレードといえます。
 この“サンバ・ド・ソル”というチームは参加回数15回という常連で、華麗な衣装のダンサーを先頭に艶やかな踊りを披露してくれました。

 最初にパレードの構成について簡単にご紹介しましょう。
先ず、パレードで先頭を務めるこれらのダンサーのパートは“コミッソン・ヂ・フレンチ”と呼ばれ、パレードの要所要所で楽しい踊りを見せてくれます。

 これは別のチームの“コミッソン・ヂ・フレンチ”ですが、このような官能的な衣装の美女達が繰り広げる躍動的な踊りは、一度見たら誰しも病みつきになりそうです。
 私が陣取ったこの雷門前の交差点は各チームが踊りを披露するスペシャルスポットになっていました。
 したがって、特にここに集まる見物客の凄いこと、後ろの人は背伸びしても見えず、人の頭の上にカメラだけ突き出して写真を撮っていました。
 道路に自由に出られるのは特別に許可された報道関係者と大会役員だけで、一般見学者はカメラマンも含めてロープが張られた観客席から一歩も前に出ることはできません。
 私の付近もこのような状況でしたが、幸い最前列に陣取っていたので、撮影には苦労はしませんでした。
 また別のチームのダンサーがやってきました。これからどのような踊りを見せてくれるのでしょうか。
 一段と歓声が上がり、本場のブラジルからこの日のためにやって来たダンサー、すなわち“コミッソン・ヂ・フレンチ”が近づいて来ました。
 しかし、何十人という報道カメラマン達が周りを取り囲み、観客席からなかなか彼女達を眺めることができません。
 これはやっと報道陣の隙間から1枚写すことができたものです。
 これは少女の“コミッソン・ヂ・フレンチ”です。相当に練習を積んでいるのでしょう。サンバのリズムに乗って大人顔負けの見事な踊りを見せてくれました。
 “コミッソン・ヂ・フレンチ”の次にやってくるのが“テーマアーラ”と呼ばれる一群で、全員がこのような華麗な衣装で揃えてチームのその年のテーマを表現することになっています。
 大人の“テーマアーラ”の後に子供の“テーマアーラ”が付いてきました。
 確か「火の鳥」がこのチームのテーマだったように思います。
 チアガールのようなフレッシュな“テーマアーラ”がやって来ました。 
皆な笑みを全面に浮かべ、カーニバルの雰囲気が楽しくてたまらないといった気持ちが伝わってきます。
 このチームは毎年和風歌舞伎を採り入れて注目を浴びているそうですが、今年は何と赤穂浪士の討ち入りの衣装を揃えたのには皆びっくり。
 先頭は勿論大石内蔵助で、その後が主税、小道具も揃えて立ち振る舞いもなかなか堂に入ったものでした。
 “テーマアーラ”のあとにいよいよ真打ち登場、いわゆる“パシスタ”と呼ばれる派手な衣装に飾られたチームの中核となる美女のお出ましです。
 丁度カメラを構えたところに向いてくれたので、うまい具合にカメラに収めることができました。
 チームの顔だけあって、どのチームも一際美女を“パシスタ”に選んでいます。
勿論スタイルや顔だけでなく、踊りも見事です。
 日本のサンバチームですが、“パシスタ”に選ばれたのは現地の人でしょうか。彫りの深い、エキゾチックな顔立ちはサンバカーニバルの主役にぴったりです。
 こちらは見事な肢体をそなえた金髪の“パシスタ”、陽気な声を上げながら皆なに手を振っていました。
 美女かどうかはさておいて、皆が注目するこのいでたち。


 どうして落ちないのだろう。

 ヘアピンで止めているのかな?

 一流の“パシスタ”ともなると衣装一つとっても非常に工夫のあとが見られます。アップして写してみたので良く観察して下さい。
 各チームの“パシスタ”は皆雷門前でそれぞれ個性的な踊りを披露してくれます。
 この大きな飾りを付けてですから動作も大変だと思うのですが、彼女達の優雅な踊りは天女の舞いを見ているようでした。
 この悩殺的な肢体を惜しげもなく顕わにした美女、これでコンクールの票をぐっと引き寄せるのでしょうか。
 気の毒に彼女はブラジャーの肩紐が切れてしまったようです。
マネージャらしき付添いが一生懸命に直しているのですが、周囲の注目を一身に浴びてこの不安そうな顔立ち。
 この2人のパシスタのスタイルと踊りのポーズが特に均整がとれて美しいと思いませんか。
 この2人が肩から掛けているタスキ(ここでは左側の女性しか見えない)には“ハイニャー・ダ・バテリア”と書かれてあり、いわゆる「バテリアの女王」と称せられるサンバカーニバルのトップダンサーの証なのです。
 “パシスタ”の次に来るのが“バテリア”と呼ばれる打楽器隊で、これがそのチーム全体のリズムを担当します。
 演奏の主役はここに写っている“タンボリン”ですが、この他に独特の打楽器が組み合わさってサンバのエキサイティングなリズムを作り出しています。
 “バテリア”の次に来るのがチームのテーマに沿って装飾を施した華麗な山車で、“アレゴリア”と呼ばれます。
このチームの今年のテーマは楽園で、蝶に託してこの世の喜びを表現しているそうです。
 このチームの今年のテーマは「お正月」なので、“アレゴリア”に乗っているのは「七福神」。
日本古来の伝統とサンバとのコラボレーションをこのチームは目指しているそうです。
 外国人には理解が難しいかも知れませんが、日本人には大うけでした。
 「SAWDE(サウージ)」というこのチームの今年のテーマは「感性と本能のままに」だそうで、その象徴として「原始時代」を題材にテーマ表現しようとしていました。原始人の表情がユニークで、動作も面白く十分に楽しませてくれました。
 パレードの最後を飾るのが、チームの象徴である旗を観客に披露するこのペアダンサーで、“ポルタ・バンディラ&メストレ・サラ”と呼ばれます。
 なお、“ポルタ・バンディラ”というのは旗を持つ女性で、“メストレ・サラ”は男性でそれに付き添います。
 服装はこのようにきわめて派手なもので、パレードを締めくくる「しんがり」を果たしています。
 これは別のチームの“ポルタ・バンディラ&メストレ・サラ”で、テーマである「火の鳥」をイメージする真っ赤な衣装を着飾っていました。
 全てのカーニバルパレードが終了したのは午後5時半、夕闇が忍び寄る浅草の街を今日一日の余韻を噛み締めながら帰路につきました。
途中、走馬灯のように脳裏をめぐる数多くの美女ダンサーの中でなぜか忘れられないのがこの可憐な少女で、沢山の大人のダンサーに混じって全く物怖じせず、堂々と自信を持って自分の踊りを披露していました。
将来はきっと「バテリアの女王」にふさわしい踊りに一層磨きがかかることでしょう。今から楽しみです。
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