6 あじさい寺 

 あじさい寺といえば鎌倉の明月院が有名ですが、松戸市にある本土寺も良く知られています。この寺は建治3年(1277年)に建立されたという日蓮宗の名刹で、3万uの広い境内には本堂、書院、鐘楼、宝物殿などが建ち並び、かっての大寺の風格を漂わせています。ここに植えられたアジサイは25種、3万株もあるそうで、アジサイ寺の異名に相応しい趣のある景観を作りだしていました。更に境内には菖蒲田もあって、丁度この両方が楽しめる幸運に恵まれました。
                                (6月21日記) 

  

 拝観料を払って仁王門をくぐると五重塔と鐘楼がそびえ立ち、周り一体がアジサイの群生地になっていました。花色も多彩で、葉の新緑と共に伽藍の景色とうまく調和していました。
 五重塔に通じる階段の上から眺めたところです。この通路の両脇は特に赤紫色のアジサイが植えられていました。
 像師堂から細い路を下りると菖蒲池に出ます。この当たりはアジサイの他にもみじが沢山植えられており、秋の紅葉もきっと素晴らしいと思います。
 一茶の句碑が立っていました。「紫陽花の 末一色と なりにけり」。
丁度今と同じような時期に訪れたのでしょうね。

水蓮池には弁天堂が祭られている中島がありますが、その周りにもアジサイがきれいに植えられています。

 広い境内にはこのような散策路がずっとできていて、路の両側には多彩な色のアジサイが目を楽しませてくれます。

 それも路沿いだけでなく、アジサイの植え込みはかなり幅を持っているのには驚きました。その奥まで入るのは大変だと思うのに良く手入れされているのには感心させられます。

 本土寺の境内にはアジサイだけでなく菖蒲池があって、このようにショウブを楽しむことができます。しかし未だちょっと早くて花を付けている株は全体として少なく、これからという感じでした。これが満開となればさぞかし素晴らしいことでしょう。

 菖蒲の花を一心不乱に描いている初老の男性が居ました。後を通りながら覗くと、カラーペンシルで花びらの皺や葉脈の一本一本まで細かく描いていました。このような老後の過ごし方ができるて羨ましいなあと思いました。
 先ほどの男性が描いていたのがこの菖蒲です。改めて観察してみると、外花被の白から紫への変化がとても美しく、貴婦人のような優雅さを感じさせます。
 菖蒲はアヤメとも呼ばれます。一寸イタズラして上のアヤメの花を油絵風にアレンジしてみました。少し離れて見ると立体感が出ませんか。
 この赤紫色のアジサイはこの寺の特徴なのでしょうか、最初にも書いたように境内でとても多く見られました。まん丸いボンボリみたいな形で1本の木に十数個も付いているのは確かに見事です。

 やはり、アジサイの本家はこの色でしょう。特に雨に濡れた時の透き通るような輝きはうっとりさせられます。
鬱陶しい梅雨空もこのアジサイの花があることによってどれだけ慰められるでしょうか。