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星からきたボーイフレンド
(1989年5月5日初版発行)
ISBN4−06−190294−6
定価 370円
総ページ数 231P
メインキャラ 百武千晶(高1、16歳)、百武星男、坂本真希、小泉今日子
ストーリー
千晶が神社の境内で蹴飛ばした男の子・・・オレンジ色の髪。外国人?
必死で謝る千晶ですが、その男の子が家まで付いて来て、しかも上がり込んで来るではないか。
慌てる千晶を尻目に千晶のママは言います。
「あら、ホシオくんも、おかえりなさい。」
居付いてしまったホシオくん。
絶対、変。
ニューヨークにから来たイトコだと言うけど・・・。
ホシオくんあなたっていったい何者なの?
コメント
千晶とホシオの純愛物語のスタートと同時に津原先生デビュー作です。
厄介な居候から好きな異性に千晶の中でホシオくんが変化していく過程が描かれているこのお話しに、「エイリアン」シリーズのエッセンスが全て詰め込まれてる様な気がします。
名場面
「千晶」
ホシオだ。
すぐそばに、ホシオがいる。
ああ、あたし、出られたのね。
あの、鏡の迷宮から。
「千晶、大丈夫?」
あたし、目を開けた。
ホシオが、心配そうに、あたしの顔をのぞきこんでいる。
「ホシオ・・・・・・」
抱きついた。
力いっぱい、ホシオを抱きしめた。
恥ずかしさも、照れも感じなかった。
「子供みたい」
ホシオが、言った。
あたしも、そう思った。
(P188より)
地球に落ちてきたイトコ
(1989年6月5日初版発行)
ISBN4−06−190316−0
定価 390円
総ページ数 289P
メインキャラ 百武千晶(高2、16歳)星男、岡村五月、坂本真希、安藤数子、三京公英
ストーリー
千晶が見つけた一冊のノート。奇妙な事が書かれたそのノートに首をかしげる千晶。だって、同居してるイトコのホシオがエイリアンだなんて言う日記なんだもの。
そんなある日、学校の中庭で見知らぬ少女に投げ飛ばされた千晶。どうやら親友の真希と間違われたみたいだけど、落とし前をつけるべくホシオを連れて相手の家に乗り込みますが・・・それが大きな事件の発端だったのです。
コメント
前作のラストから続くこの作品、とてもパワフルな感じです。一度は千晶のイトコとして生きていく決心をしたホシオくん、ホシオくんが本当のイトコだと思ってた千晶。多分、平穏に暮して来た半年間、千晶はホシオくんの事をどう思ってたのでしょう?
単なるイトコ?それとも気になる異性?
全ての封印が破られた時、千晶は何を想ったのでしょう?
名場面
「いつか、帰れるわよ」
でも、その時のあたしに、その言葉は、とても、口に出来なかった。
今のあたしにだって、出来ないし、きっと、これからもずっと、出来ないと思う。
だって、ホシオが、帰ってしまうなんて。
あたしの前から、永久に消え去ってしまうなんて。
想像するのも、いやだ。
涙が、ホシオの手を伝って流れ、シャツの袖口を濡らした。
「泣かないでよ」
結局、あたしに言えたのは、その程度のことだった。
「泣かないでよ、もう」
そう言いながら、あたしの目にも、涙が込み上げて来た。
(P278〜P279より)
ボクの理科室へおいで
(1989年10月5日初版発行)
ISBN4−06−190372−1
定価 370円
総ページ数 217P
メインキャラ 百武千晶(高2、16歳)、星男、田中由香、坂本真希、山下森、リン・パートリッジ
ストーリー
千晶の高校に転校して来たリン・パートリッジくん。とびきりの美少年だったんだけど、彼が来た事である事件が起きます。「地球外生物学委員会」!?・・・もしかしてこれってホシオの正体ばれた?
コメント
活劇してますね。危機一髪、ホシオくんの正体が発覚するか?それとも?
とにかく、一気に読ませます。
名場面
(かわいい)
えっ?
何よ、今の。
「かわいい」って、もしかして・・・・・・あたし?
やーね、ホシオったら。
そんな、今さら。
ひとりで、なに考えてんのよ、もう。
(千晶なんかより、ずーっと)
目の中にメラメラ、炎が燃え上がったわ。
古いスポ根マンガの主人公みたいに。
千晶なんかより、ずーっとかわいいい!?
ちょっと何よ、それ。
そりゃ確かに、いくらでもいるでしょうよ。
あたしより、ずーっとかわいいコくらい。
でも、だからって。
そのコがかわいいからって、わざわざあたしと比較して・・・・・・なによ、シミジミと。
だれなの?ホシオ。
いったい、どこのだれといっしょにいるのよ!
コソコソ、あたしに隠れて。
(P110〜P111より)
夢の中のダンス
(1990年1月5日初版発行)
ISBN4−06−190410−8
定価 370円
総ページ数 227P
メインキャラ 百武千晶(高2、17歳)、星男、坂本真希、岡村五月、小泉今日子
ストーリー
小泉今日子・・・本名リュリリルリリュライア。シジジシジシュ星人にして元ホシオくんの恋人。
その彼女がこともあろうに千晶の高校へ事務員としてやって来ました。大変、ホシオの事、思い出したらどうしよう?慌てる千晶ですが、もっと重大な障害に直面します。
楽しみにしてたクリスマスの晩のミュージカル・・・ホシオと観に行くはずだったのにホシオは五月と約束をしてしまい・・・・・・。
コメント
これぞ少女小説?と言うべきストーリー展開です。
千晶のライバルが二人揃って登場しますが、本来なら憎まれ役の二人が意外な働きをしてくれます。
五月(さつきが本名ですが千晶は「ごがつ」と呼ぶ)の登場ですが、好い味出してるキャラだと思いますね。
ホント、いいお話しでした。
名場面
「何?」
「ふたりとも本当に」
「いい人よ。それはわかってる。だからこそ、約束してもらってるの。それからね」
「まだあるの?」
「あるの。でも、今度のは簡単。つまり・・・・・・その」
「早く言ってよ」
「だから」
「言えないようなこと?」
「言えるわよ」
「じゃ、どうぞ」
「す・・・・・・好きだって言って、今」
「好きだ」
「ずるーい!」
「何が?」
「あたし、聞く準備してなかった」
「でも言った」
「お願い、もう1回」
「ダメだね」
(P206〜P207より)
パーフェクト・キッス
(1990年3月5日初版発行)
ISBN4−06−190438−8
定価 390円
総ページ数 242P
メインキャラ 百武千晶(高2、17歳)、星男、岡村五月、坂本真希、ジョナサン、小泉今日子
ストーリー
夜の渋谷で出会ったモヒカン頭のジョナサン・・・赤い髪の色・・・もしかしてこの人もエイリアン?そんな疑惑に取り付かれる千晶ですが、親友真希の彼氏との「完璧なキス」発言に考え込んでしまいます。気が付くとホシオを見つめてあれこれ想像してる自分に気が付き赤面する千晶・・・・・・。
コメント
エイリアンシリーズを彩るキャラクターが増えます。ジョナサン・・・いい人なんだか悪い人なんだか分らない変なところがいいんですけどね。
さて、今回は千晶とホシオのファーストキス物語です。
真希の言うところの「完璧なキス」を二人は成し遂げられたのでしょか?
名場面
ジョナサンが、そう叫ぶと同時に。
ホシオの両手が、あたしの首にまわされ。
ガクンと、ひざの力が抜けた。
「ホシオ・・・・・・?」
ホシオの体が、後ろに傾く。
あたしの首に、しっかりと手をまわしたままで。
あたし、ホシオを支えようとして、その背中に両腕をまわし。
支えきれないと判断した瞬間、手を首筋に移動させた。
その姿勢のまま、あたしとホシオは、いっしょに倒れて。
ところが、地面にぶつかる寸前。
ホシオが、あたしにキスした。
(P220より)
恋のペーパーチェイス
(1990年5月5日初版発行)
ISBN4−06−190462−0
定価 370円
総ページ数 215P
メインキャラ 百武千晶(高3、17歳)、星男、坂本真希、岡村五月、ジョナサン
ストーリー
五月が転校する事を知り、少し感傷的になる千晶ですが、自分が受験生である事に気が付き我に返ります。そしてとても重大な問題に直面します。
ホシオの学費・・・誰が払うの?居候にしてエイリアンのホシオの学費を出してくれる人なんていないじゃない。どうしよう?頭を抱える千晶はジョナサンにある提案を持ちかけますが・・・・・・。
コメント
この本は思い出深いですね。初めて手にした津原本ですから・・・。
書店に並んでいた新刊本の中の一冊。こちらを見る千晶と目が合ってしまい、気が付くと購入予定だった本に上乗せしてレジに向かっていました(笑)。
その結果どうなったかと言えば・・・このHP!
さて、私がこのシリーズの虜になるきっかけを作った本だけあって良いお話でした。
迷惑をかけたくないと家を出て行こうとしたホシオ・・・。
ホシオの正体を知ってしまっても引き止めようとした千晶のパパ・・・。
本来なら助けてあげるいわれも無いのに気前よく手助けしてくれたジョナサン・・・。
そして、心よりホシオのことが好きで、かけがえのない人だと思い知らされた千晶・・・。
いい人達ばかりでした。ストーリーとキャラクターの魅力溢れる傑作ですね、この「恋のペーパーチェイス」は。
名場面
「待って!行かないで!」
ふたりはあたしたちに背を向け、ゲートに向かっていく。
あたし、サンダルばきのパパを残して、ひとりでダッシュした。
「ホシオ!行かなくていいの!うちにいていいの!」
ホシオの姿が近づく。
あと少しで追いつく。
「パパに話したの!何もかも!うちにいていいって!」
ゲートの直前で、ホシオが立ち止まる。
ゴガツがふり返って、ホシオに何か叫んだ。
ホシオは、ふたたびゲートへ。
「行くな!!」
必死の思いで、お腹の底から叫ぶ。
驚いて、動きの鈍ったホシオに、後ろから飛びついて。
その体に両手をまわす。
「行かないで、お願い」
あたし、ホシオを抱きしめた。
さっきパパを抱きしめたのと、同じくらいの強さで。
小さな子供みたいに。
「ずっと・・・・・・うちにいて」
ホシオをつかまえて安心したせいか、涙がこみあげはじめる。
(P179〜P180より)
おぼつき海岸の流れ星伝説
(1990年8月5日初版発行)
ISBN4−06−190508−2
定価 390円
総ページ数 245P
メインキャラ 百武千晶(高3、17歳)、星男、出雲マリア、森田幸、田中由香
ストーリー
ホシオと二人で別荘に来た千晶ですが、とあるハプニングから白水マンションの管理人の出雲さん宅に泊まる事になり、そこで不思議な伝説を聞きます。「月に向かって無数の星が降る」・・・その星って一体何なの?
コメント
陳腐な表現ですけれど、何か映画のストーリーの様でした。
名場面
「会えるよ」
ホシオの声に、顔をあげて。
「また千晶に会いにくるよ、もし帰ってしまったとしても」
空を見あげながら、ホシオは言った。
「約束する。たとえ帰っても、それが最後じゃない」
また嘘かもしれない。
この約束も嘘かもしれない、と思った。
そして、それでもかまわない、とも。
結果は結果だもの。
少なくとも今のひと言で、あたしは勇気づけられた。
あたしは、安心してホシオを好きでいられる。
約束ってそういうものだ。
あたし、ホシオの腕にすがりついた。
(P215より)
初恋のリフレイン
(1990年10月5日初版発行)
ISBN4−06−190530−9
定価 390円
総ページ数 259P
メインキャラ 百武千晶(高3,18歳)、星男、風祭慎児、岡村五月、坂本真希、田中由香
ストーリー
千晶の初恋の人・・・風祭さん。偶然、彼と再会した千晶はあの頃を恋心を思い出し懐かしく思います。でも、気が付くと彼とホシオを比べてしまい、勢い余って二人の採点表を作ってしまいます。そして、その採点表がホシオの目に触れてしまい、大喧嘩・・・。ホント、今回のケンカは深刻・・・どうしよう・・・窮地に立つ千晶です。
コメント
ケンカしてしまった二人ですが、かえって仲が深まったような気がするのは気のせいでしょうか?それにしてもホシオくんの意外な面を見れましたね。
名場面
何もかも、終わってしまった後だったけど---。
「ホシオ」
やがて、ようやく声の届きそうな場所まで来て。
あたしはけっきょく、自分のイトコの名前を先に呼んでしまってた。
「ホシオ・・・・・・勝っちゃたの?」
夕焼けに浮かぶホシオのシルエットが、ユラッとふり返る。
そして、ゆっくりと小さくうなずいた。
信じられない---。
「風祭さんは?」
続いて、あたしが尋ねると、
「生きてるよ」
と、倒れてるほうの人影が、弱々しく手をあげた。
(P222より)
身勝手なヒロイン
(1991年1月5日初版発行)
ISBN4−06−190582−1
定価 390円
総ページ数 257P
メインキャラ 百武千晶(高3,18歳)、星男、赤羽根菊子、坂本真希、岡村五月
ストーリー
ある日、忽然と千晶の前に現れた赤羽根菊子。美少女って言葉は彼女の為にあるのでは・・・。そんな人がホシオを好きになっちゃった。どうしよう?「ね、ホシオ。ホシオが好きなのは誰?・・・・・・まさか。」千晶とホシオの間に湧き上がる暗雲。どうなるのわたし達?
コメント
いわゆる悪役的キャラ、赤羽根菊子の登場です(拍手)。登場して来た本人にしてみれば割の合わない役回りでしょうけど、一途な気持ちは伝わって来ましたね。
名場面
あたしは、ここへ来たかったのよ。
路地を走りぬけ、石段を上がった。
石段の半ばで、やっと涙が出てきた。
ああ、待っていた。
ほんとはずっと、涙を待ってたの。
泣きながら、石段を駆けあがっていく。
その神社の境内が、あたしとホシオの初めて出会った場所。
オレンジ色の髪した男の子が、境内に寝ころがってたの。
あたしは、彼を踏んずけてしまった。
それが出会いだった。
それから、あたしとホシオはずっといっしょ。
何千時間、何万時間。
ホシオ、ごめんね。
電車とバスの中で、悪口いっぱい言ってしまった。
百万回、謝るから。
お願いだから、これだけ信じて。
あたし、ほんとに、ずっと、心から、キミのこと好きだったのよ。
ホシオホシオホシオホシオ。
あたし、キミが大好きだった。
(P221〜P222より)
ふたりと美少年とエトセトラ
(1991年4月5日初版発行)
ISBN4−06−198522−1
定価 390円
総ページ数 257P
メインキャラ 百武千晶(高3,18歳)、星男、ジョナサン、リン・パートリッジ、山下森
ストーリー
ホシオの部屋から聞こえる話し声・・・誰?・・・・・・ジョナサン!何でジョナサンが?・・・えっ!MAC?・・・・・・電子手帳のNOZAWAの文字・・・尾行・・・美少年!・・・・・・リン・パートリッジ!?・・・・・・日本に来るって・・・・・・・・・ああ、もうどうなっちゃうのよ。
千晶とホシオの前に再び立ち塞がる大問題・・・もう千晶は大混乱です。
コメント
第3作の続編的なお話です。前作以上に活劇してます。
名場面
「やめて!」
と叫んで、リンくんの手をふりほどく。
「やめて・・・・・・あたしはホシオが好きなの。ホシオだけなの。さっきのセリフは訂正するわ。たとえキミがアラブの王様でも、あたし、結婚はしたくない。ホシオじゃなきゃいやなの。もう2年も好きなのよ。ずっと毎日、ホシオだけが好きなの」
「千晶サン」
「お願い。友達でいて、そしたらいつでも会えるじゃない。でもまたこんなことされたら、あたし、もう顔を合わせられなくなってしまう・・・・・・今日のことは、あたし、夢だと思って忘れるわ。だからキミも忘れて。告白したのも夢、抱きしめたのも夢」
「じゃあ、夢でフラれたことになる」
自嘲的につぶやいて、駅の方向に歩きはじめる。
「あ、待って。言い方が悪かったわ」
あたし、思わず彼を追った。
「ね・・・・・・こうしましょう。目を閉じて、じっとしてくれる?少しのあいだだけ」
リンくんは、訝しげな表情であたしの顔を眺め、それからため息をついて、静かに目を閉じた。
「これは夢よ」
と、その手を取る。
そして、囁いた。
「---大好きよ、リンくん。世界じゅうで一番、キミが好き。キミに会えて本当によかった。それだけでもあたし、生まれてきたかいがあったと思ってる---」
それから、そっと手を離して。
あたし、後ずさって言った。
「おしまい・・・・・・さあ、目をさまして」
(P186〜P187より)
五月物語
(1991年7月5日初版発行)
ISBN4−06−198556−6
定価 420円
総ページ数 278P
メインキャラ 岡村五月、百武千晶(高1,16歳)、星男、漆谷悟、長原祐子
ストーリー
ふとした日常生活の中に飛び込んで来た彼・・・ホシオくんって言うらしい。気が付けばハートマークが自分の周りを飛び交ってる五月がいました・・・・・・。
コメント
主役を千晶から五月に代えたお話で、「星からきたボーイフレンド」を五月視点で見ています。
私的には好きですね、同じ場面を違った角度から見るのって。
見方を変えると、不思議と五月に肩入れしたくなります。まあ、これは五月に感情移入して読む訳ですから当然の結果ですかね。
脇キャラの陰の暮しが見えて親近感が湧きました。これを読まなければ五月はホシオくんにチョッカイを出すお邪魔キャラ程度の認識で終わったかもしれません。
名場面
「いいよね、岡村さんは友だちが多くて」
「ホシオくん・・・・・・ホシオくん、わたし、ホシオくんに会いたい」
もうだめだ、限界だ。
いろんな感情が胸に込みあげてきて、とても冷静さを保てそうにない。
わたし、激しく呼吸しながら、受話器を強く握りしめた。
「今?今すぐ?」
溢れる涙に対処しきれず、とても返事どころじゃない。
わたし、しばらくひとりで泣いた。
そうよ、今日は泣いてもいいのよ。
いろんなことに対して、とりあえず涙を流しておこう。
私が生きていることの、これは証明なんだから。
ホシオくんは黙って、わたしが泣きやむのを、ずっと待っててくれた。
わたし、ゆっくりと深呼吸して、
「ごめん・・・・・・いいの。明日、学校で会えるし」
「本当にいいの?出かけっててもいいんだよ?あまり時間はないけど」
「いいの、もう落ちついたし。それに楽しみは、明日に残しておいたほうがいいわ」
「そうだね」
と、彼は笑った。
(P268〜P270より)
五月日記
(1991年10月5日初版発行)
ISBN4−06−198581−7
定価 420円
総ページ数 282P
メインキャラ 岡村五月、百武千晶(16歳〜26歳?)、星男
ストーリー
岡村五月、26歳・・・少女小説作家。
10年前の高校1年の冬、あれからいろんなことがあった。
ホシオくん・・・元気かな?わたしが好きになった男の子。
懐かしい・・・そうだ、あの頃のことを綴ってみよう。
ホシオくんの本当のことを思い出したからには・・・・・・。
コメント
エイリアンシリーズ中、異色の一作です。
これって、けっこう普段の路線を逸脱してますね。読後感が他とまったく違いますから。
読んでて、一瞬、思いました、岡村五月を借りて作者が自分の経験を語ってるのかと・・・。
これは読む年代によって、感じ方が変わる作品でしょう。果たしてメインの10代にうけたのでしょうか?
でも、この作品の存在がこのシリーズの評価を高くすることは間違いないと私は考えます。
名場面
思い出したのは、翌朝のこと。
翌朝、目がさめると、わたしはすべてを思い出していた。
すべてを、だった。
きっと、夢の中で思い出だしたんだろう。
母の手紙をきっかけに、すでに有効期限ぎりぎりだった”魔法”が、一挙にとけてしまったみたいだった。
10年前の、母の推理は正しかった。
少なくともホシオくん自身の告白とは、ピッタリと一致している。
ボクは地球人じゃない----。
そう、彼はわたしに言った。
封印されたまま、10年間、まったく手つかずだった思い出。
すべてが鮮明で、とてもそんな昔のこととは思えなかった。
まるで昨日の出来事だった。
わたしは目ざめたままの格好で、天井を見つめながら、懐かしさに泣いた。
ああ、何もかも過ぎてしまった。
あの頃のときめきも憧れも、今はすべて過去のもの---。
(P257〜P258より)
悲しみがいっぱい
(1992年8月5日初版発行)
ISBN4−06−198686−4
定価 390円
総ページ数 218P
メインキャラ 百武千晶(高3〜予備校生、18歳)、星男、赤羽根菊子、岡村五月
ストーリー
落ちた・・・橙林学院。
ホシオは合格したのに落ちてしまった千晶。
ホシオと同じ大学へ行くため、浪人を決意する千晶ですが、これが悲しみの始まりでした。
四六時中、そばに居たホシオと離れ離れ、おまけにホシオに迫る変なのも現れて、千晶の新生活スタートは多難です。
コメント
ヒロイン千晶の成長物語って感じです。
千晶自身の変容とホシオとの新たな関係・・・このシリーズの区切り的作品ではないでしょうか。
高校時代と大学時代(予備校時代)って同じシリーズでも微妙に違ってますよね。
前者が少女マンガ的ノリなのに対して後者は重みが感じられます。
名場面
「あたしはずっと、あたしだったのよ」
「夢の話さ」
そう言ってホシオは、あたしに抱きついてきた。
あたし、焦った。
「ちょっと。ちょっとホシオ、クラブの人が見てる」
「きみが千晶でよかった」
ホシオは子供のように無造作に。
あたしを強く、抱きしめた。
「ホシオ・・・・・・ホシオ」
ものすごく恥ずかしくて。
ものすごく嬉しかった。
「見てる・・・・・・みんなが見てる」
(P198〜P200より)
アイドル誘拐プラン(上・下)
上巻 (1992年12月5日初版発行)
ISBN4−06−198712−7
定価 390円
下巻 (1993年1月5日初版発行)
ISBN4−06−198731−3
定価 390円
総ページ数 上巻195P、下巻212P(番外編、午前11時の魔法料理17Pを含む)、計407P
メインキャラ 百武千晶(高2〜予備校生、16歳〜18歳)、星男、坂本真希、有栖川ありす、谷口兄弟、川島兄妹
ストーリー
千晶によく似てると言うアイドル有栖川ありすがやって来るお祭りに出掛けたホシオくん御一行様。
ところが、そこで大事件が・・・。千晶が・・・千晶が誘拐されちゃった。ありすと間違われて。
残されたホシオの活躍が始まります。
コメント
本シリーズ最初にして最後の上下巻の分作で、語り手が章毎に千晶とホシオに代わります。
そして下巻には赤羽根菊子主演?の物語が収録されています。
それにしても意外なエピソードが隠れていたもんですね。
名場面
その番組がきっかけだ。
千晶は急に、2年前のあの事件のことを詳しく知りたがりはじめた。
「まあ・・・・・・もう2年も経ったことだし」
と、ボクは彼女に問われるまま、自分の体験の話すべき部分はすべて話した。
千晶はボクの話を、記憶の断片と重ねあわせては、
「あ、じゃああたしはその頃・・・・・・」
と、自分の体験を自分で推理して、ボクに話してくれた。
そんな調子でボクらは、夜を徹して交代に語りあった。
時には、悲しみや怒りを思いだしながら。
時には、頬を赤らめ、お互いの顔を見つめあいながら。
それがこの、長い物語だ。
(下巻 P191より)
注)本来なら下巻P160辺りが相応しいのですがネタばれ的要素が強いので載せませんでした。
恋愛国の恋愛姫
(1993年6月5日初版発行)
ISBN4−06−198774−7
定価 390円
総ページ数 225P
メインキャラ 百武千晶(予備校生、18歳)、星男、坂本真希、岡村五月、赤羽根菊子、ジョナサン、安藤数子、三京公英
ストーリー
ホシオが家出・・・じゃなかった。ひとり暮しを始めると言い出した。どうしちゃったの?ホシオ、あたしから離れないで・・・不安が募る千晶です。
コメント
キャラクター総動員してますね。そのせいか、ストーリーの焦点がぼやけてしまったような気がするのですが・・・どうでしょう?
見所的にはラストシーンの自主映画の撮影中ですね。現実と架空の世界で千晶とホシオが結ばれますね。
名場面
ハッピーエンドっていうのは・・・・・・映画の中だけ?
ふと不安になって、ホシオの顔を見あげる。
すると声もかけないのに、ホシオはチラッとあたしのほうを向いて。
そして黙ったまま、あたしの手を握ってきた。
以心伝心。
ふわっと、また素敵な気分になる。
それからふと、ホシオの耳が真っ赤なのに気が付いた。
「ひょっとして・・・・・・ものすごく照れてる?耳が赤いんだけど」
するとホシオ、わざとそっぽ向いて、
「千晶だって、首までピンクだ」
(P202〜P203より)
抱きしめてエンジェル
(1993年11月5日初版発行)
ISBN4−06−199218−X
定価 400円
総ページ数 227P
メインキャラ 百武千晶(予備校生、19歳)、星男、ジョナサン、田中由香、小泉今日子
ストーリー
ニューヨーク旅行、ペアでご招待・・・福引に当たって有頂天の千晶ですが、重大な問題が。ホシオのパスポート、どうやって手に入れるの?
それでも、ジョナサンの手助けを借りてなんとか出発しますが、二人だけで行くはずだった旅行に同行者がぞろぞろ現れ、いったいぜんたいどうなるのよ、この旅行・・・?
コメント
多数決小説です。読者から募集した要望を元に書かれた作品です。
真希のミニチュア真実ちゃんが楽しかったですね。
ラストの日影夫妻の話も良かったなあ・・・と思います。
名場面
「ホシオももっとたびたび、帰ってくればいいのよ。うちはちゃんと、こっちにもあるんだから」
奥さんがホシオに言う。
まるで本当のお母さんみたいに。
少し叱るような口調で。
「はい・・・・・・はい・・・・・・わかってますって」
ホシオはうつむいて、黙々とお肉を食べていたけど。
ちょっと泣きそうになっているのが、あたしにはわかった。
「いいなあ、千晶。こんな素敵な伯父さんと伯母さんが、しかもニューヨークにいるなんて」
由香がため息をつく。
あたしは誇らしかった。
そんなのぜんぶ嘘なのに。
でもなぜだかとても、誇らしかった。
(P199〜P200より)
素顔にKISSして
(1994年4月5日初版発行)
ISBN4−06−199251−1
定価 390円
総ページ数 209P
メインキャラ 百武千晶(予備校生〜橙林合格、19歳)、星男、赤羽根菊子、坂本真希
ストーリー
迫り来る橙林学院の受験日・・・。ささいなことで情緒不安定になる千晶。
ホシオと同じ学校に行く為に一年間がんばったんだもん。
でもこれで落ちたら・・・首を振る千晶。
そして迎える受験当日・・・・・・。
コメント
表エイリアンとも言うべき「千晶のエイリアン」シリーズ最終話です。
基本的に千晶とホシオの純愛物語はこの本のラストシーンで終わります。(正確には続きがありますけどね。)神社の暗がりで蹴飛ばしたあの時からここまでいろんなことがありました。
そして、このラストでホントに強い絆で結ばれたふたりの姿を見ることが出来ます。
おめでとう千晶、そしてホシオくん・・・・・・・・・。
名場面
大好きなエイリアンの顔を、あたしは見あげた。
「ありがとう。あたし、キミに会えてよかった」
ホシオの手が、あたしの肩にのびる。
「ボクも千晶に会えてよかった。あ、でもせめて目は閉じてて・・・・・・」
(P200より)

ポケットに星をつめて
(1995年2月5日初版発行)
ISBN4−06−199356−9
定価 390円
総ページ数 195P
メインキャラ 川野和流(かわの せせらぎ、高1)、望月玄之丞(もちづき げんのじょう)、百武千晶(高2)、百武星男
ストーリー
川野和流、都立黄島高校1年生、両親の離婚でもっかひとり暮し。
あたしは今、猛烈に驚いてる。何故って?誰も居ないはずのあたしの部屋のあたしのベッドの中に半裸の男の子が寝ているんだもの。
彼は望月玄之丞と名乗った。そしてもうひとつ名前は「デ」で始まるひどく覚え難いものだった。200年後の未来からやって来たと言うけどホントかしら?
とりあえず、彼の言うことを信じてみよう・・・・・・彼のご先祖様を守るため・・・・・・・・・。
コメント
裏エイリアン、またの名を「あたしのエイリアンEX」シリーズ、「和流のエイリアン」の第一作目です。
既存のエイリアンシリーズの続行が困難になった為に新シリーズがスタートした様です。
基本的には「千晶のエイリアン」の設定を利用しつつ完全に独立したストーリー展開になっています。
しかし、千晶ってばよく○○されますね。何回○んだんだろう?(笑)
名場面
「せせらぎ!せせらぎ!」
彼はいった。
「キスしよう」
「・・・・・・はい」
とこたえて、あたしは彼のまえに立った。
彼のくちびるは冷たかった。
ほおに触れた鼻さきは、もっと冷たかった。
くちびるを離すと、彼はあたしに時間をきいた。
腕時計を見ると、すでに六限が始まっている時刻だった。
「せせらぎは帰れ。おれは星男さんのところにいく」
そういうと、玄之丞はあたしの返事も待たずに、駆けだした。
そんな唐突に別れの瞬間がくるとは思わなかったので、あたしは立ちすくむばかりだった。
雪のなかに消えかけた玄之丞が、こちらをむいて叫んだ。
「せせらぎ!せせらぎ!祈っててくれ!」
こたえたかったが、声がでなかった。
ただポケットのなかで、彼の鎖をにぎりしめていた。
(P158〜P159より)
ユニコーンがいた朝
(1995年7月5日初版発行)
ISBN4−06−199−397−6
定価 390円
総ページ数 177P
メインキャラ 川野和流(高1)、望月玄之丞、早見裕次郎
ストーリー
ユニコーン?あのおとぎ話しとかに出てくる一角獣のこと?それがどうしたの?え・・・・・・!?
実在するって!!!
玄之丞の話では未来にはユニコーンがいるらしい。
でも、そのユニコーンはこつ然と消えてしまったと言う。
まあ、いいか今のあたしには関係ないことだし・・・・・・。
そんな和流はやがてとても不思議な体験をします。
コメント
エイリアンシリーズ中、最もふんわりした物語です。地味なんですけど妙に印象に残る・・・そんなストーリーでした。ページ数はシリーズ中最小ですが中身はしっかり詰まった高級菓子でした。ごちそうさま。
名場面
あたしにできるのは、ユニコーンを信じて、扉を開くことだけだった。
あたしは扉のまえにたった。
あたしの声で、扉は動く。
確信はあった。
あたしがここに送られてきたのは、あたしの声が奇跡をおこせるからだ。
これが、この夢での、あたしの役割。
できることをやるほかないのだ、だれもが。
たとえそれが後悔につながったとしても。
なにもしなかった後悔よりは小さいだろう。
あたしはユニコーンを見おろした。
その背にふれ、その美しい毛を指のあいだにすべらした。
それから声をあげた。
「開け」
・・・・・・扉が動きはじめる。
(P164〜P165より)
ふたりだけのウェディング
(1995年11月5日初版発行)
ISBN4−06−199431−X
定価 440円
総ページ数 219P
メインキャラ 川野和流(高1)、望月玄之丞、早見裕次郎、川野杜夫、山辺弥生子
ストーリー
帰宅した和流を待っていた者は・・・「お父さん・・・」。絶句する和流。
玄之丞を囲んでの三者会談は和やかな内に・・・済むはずが無い。
なんとか状況を誤魔化したものの、次に来たのは・・・「お母さん・・・」。
進退極まった和流と玄之丞・・・・・・二人がとった結論とは!?
コメント
なんて言ったらいいんでしょうね?シリーズ物なんですがこの一作だけ何故か独立した読みきりのような感じを受けました。
読後感も良かったし、とにかく密度の濃い物語です。
名場面
あたしは目をとじた。
玄之丞のくちびるを感じた。
脳裏にひろがったのは、一面の白い花の園。
夢みたい、と思った。
夢でもいいや。
(P213より)
エトランゼに花束
(1996年7月5日初版発行)
ISBN4−06−199488−3
総ページ数 189P
メインキャラ 川野和流(高1〜高2)、望月玄之丞、早見裕次郎、川野杜夫、山辺弥生子、百武千晶(高2〜?)、百武星男
ストーリー
バラバラだった家族・・・玄之丞の存在が壊れた積み木細工を組み立てる様に元に戻って行く。
でも、玄之丞の存在意義ってもう失われている。いつ消えてもおかしくないんだ。青ざめる和流・・・
もう時間が無い・・・玄之丞が薄れて行く。未来の・・・200年後の彼が夢から覚めようとしている。
そして夜の公園の管理事務所での忘れがたい体験・・・・・・。初めて明かされる事実。
玄之丞に会えて良かった・・・忘れない・・・彼のこと・・・和流の想いがあふれています。
コメント
両エイリアンシリーズの大団円です。
この巻で千晶のエイリアンのラストも語られています。それは・・・・・・内緒です。
本来ならもっときちんとした形で千晶のエイリアンも決着を付けて欲しかったのですが、読者の想像の翼を広げてもらう為、あえてこのような形をとった様です。
さて、和流の方ですが、こちらも切ないですね。
距離は縮められても時間は・・・。
名場面
「あたし、その恋人と二度別れてるの」
「とすりゃ三度あるな」
「・・・・・・また会えるのね」
「奇跡を買っただろ」
「二度とも、大切なひと言をいえなかった」
「つぎはいえるさ。だからその恋人のことはもう、奇跡に任せなって。現実に帰れよ」
現実?現実に、帰る?
あたしはうなずいた。
「けっこう楽しいぜ、現実ってのはさ」
いろんなことを考えた。
本当に、いろんなことだ。
それから、あたしはうなずいた。
さて、そろそろ現実に帰ろうか。
あたしの名前は川野せせらぎ。
(P179〜P180より)
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大好きだったエイリアンシリーズ全作品の紹介はこれで終了します。
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