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第4回 安藤美姫 (Update Feb.11 2003)
文藝春秋から「フィギュアスケートの魔力」(今川知子・梅田香子共著)という本を出すことが決まりましたから、勢力的に動いています。今川知子さんは2月7日から9日にかけて、新横浜で練習中の安藤美姫さんを取材してきてくれました。ともかくスケーターと学業の両立というのは大変なことですが、安藤さんといえば生活の基盤は名古屋で、週末は新横浜で佐藤コーチから指導を受けている身なので、忙しさは大変なもの。移動の新幹線で長時間インタビューに応じてくれたのです。小塚コーチにもご協力いただき、ありがとうございました。
4回転サルコワ成功の秘話、練習メニューなどは本のほうで生かさせていただくことにして、ここではぬいぐるみやボーイフレンド(?)など、14歳の素顔の部分を紹介します。
こんなにかわいく、ガンバリやのミキちゃんをドキドキハラハラしながら、今後も応援してきましょう!(梅田)
―全日本から四回転を入れる位置が変わった気がするのですが・・・。(全日本時は4番目、現在は2番目)
小塚コーチ:そうですね。全日本からは四回転を入れる場所を変えました。今は2番目に飛んでいます。もともとのプログラムは全然ちがって、はじめ5月くらいに作ったのですけどその時は四回転を入れる予定は全然なかったんです。でしばらくして9月くらいに4回転ジャンプが飛べるようになってきて佐藤久美子先生に作り直していただきました。飛べ始めたら確実に飛べるようになってきたので(笑)その時はトリプルアクセルの方が先に飛べるかなっていう感じだったので先にアクセルを重視して一発目にアクセルを入れて、でその次にルッツ、フリップも飛んでおきたいねって言ってサルコーを4番目に持っていったわけです。それで試合がつづいて順番を変える時間がなくてこの間全日本から帰ってきてからすぐに四回転を2番目に変えていただきました。随分確実になってきましたね。
安藤:(トリプル)アクセルどこに行っちゃったの〜って感じなんですが(笑)
―四回転ループやトリプルアクセルはいつ頃プログラムに入れたいと思っていますか?
安藤:トリプルアクセルは今シーズンやはりあと少ししかないので来シーズンから入れたいなと思っています。4回転ループの方はトリプルアクセルがもっと確実になってから入れたいです。
―美姫ちゃんといえばいつもくまのにぬいぐるみを持っているような気がするのだけどいつも一緒のくまを持っているのかな?それは何かがきっかけで持つようになったのかな?
安藤:はい、いつも一緒のくまで試合の時も持っていって一緒に寝ます。テレビや新聞でボーイフレンドからもらったものと話されているじゃないですか・・・。それは彼氏とかじゃなくて本当に仲がいい男友達がカナダに修学旅行かなんかで行って買ってきてくれたんです。それで「わざわざ(買ってきてくれて)ありがとう」っていう気持ちでずっと持っていました。NHK杯のエキジビション時に持ってたら四回転を降りられたので「ちょっと縁起いい!?」と思って力をもらえた感じがしたので持つようになりました(笑)これからもずっと持ち歩きます。
小塚コーチ:たまにはどこかに忘れたりしてきて大変な時もあるんですけどね。(笑)
―ぬいぐるみは好きなのかな?試合に行く時はトランクの半分くらいぬいぐるみが埋まっているというのを雑誌で読みましたが今もそうですか?
安藤:はい。スヌーピーが大好きです。今も海外試合に行く時はトランクの半分くらい埋まっています。前のクラブのときに「これ跳べるんじゃない」っていう感じのかわいいウサギがあったんです。それでそのウサギのぬいぐるみとスヌーピーとくまとあとはその時の気分にあわせて適当に選んで持っていっています。今はテロの事件以降、飛行機にはスケート靴を持ち込めなくてトランクに靴を入れていくのですが、そのぬいぐるみを詰めると靴のクッション代わりのもなるから便利でいいかなーと思います。それでホテルのお部屋にも一列に並べて飾っています。
―お母さんはスケートに協力してくれますか?
安藤:はい、すごく。毎日のように練習も見に来てくれます。弟(中1、14歳)がいるのでやっぱり弟にも付いてあげないといけないこともあるのでたまには見にこれないときもありますが・・・。昔はかなり怒られたりしましたが今はそんなに言わなくて、悪い時だけ注意してくれます。
― スケート以外で一番興味があることは?
安藤:結構このごろトレーニングが好き。友達と行ってやったりしています。トレーニングの内容は秘密です(笑)あとはプリクラとかメールかな。プリクラは好きだけどやる時間がないです。
―学校での得意科目と苦手科目は?
安藤:得意科目は体育、苦手科目は五教科(数学、英語、国語、理科系、社会科系)です(笑)
―学校との両立は大変ですか?
安藤:いや、結構あまり大変ではないです。みんな応援とかもしてくれて学校も協力的なので・・・。
―学校の友達とは遊びに行ったりしますか?
安藤:試合が終わった次の日などは友達とプリクラとかしたりして遊びに行きます。
―オフの日はどのようにして過ごしていますか?
安藤:家でスケートのビデオを見たり、たいてい家にいてゆっくり過ごしています。
―初級をとってから今までどのように歩んできましたか?行きづまった時期や苦労したことはなかったですか?
安藤:行きづまったっていう時期はないですね。小学3年生のときにスケートをはじめて4年生になる前の春に初めて試合に出てシングルアクセルを降りました。最近ビデオを見ていてびっくりしたことがあって、4年生の時に2級で中部日本という試合に出たときにはもうダブルアクセルを降りていました。自分では普通と思っていたのですが、一緒にビデオを見ている人に「すごいね」びっくりされました。そして5年生の時に3トゥループとサルコーを降りて6年生のときにはどれくらいでいつマスターしたか覚えていないけどに5種類の3ジャンプを降りられるようになり、中学1年生の時には3−3のコンビネーションを飛べるようになりました。昨年中学2年生の時に今の小塚先生(名古屋オリオンクラブ)と佐藤先生(新横浜プリンス)に変わったのですが、大変だったのはスケーティング。変わった当初は毎日貸切でもほとんどスケーティングだけのレッスンをずっとしていました。その前の先生はジャンプ中心のレッスンであんまりスケーティングのレッスンなどがなかったんですけど、先生が変わってからスケーティングの姿勢やスピンのポジションなどジャンプ以外の細かい部分も注意されるようになり大変でした。
― スケートの中では何が一番好きですか?
安藤:やっぱりジャンプです。飛べるし、回れるし楽しいです。始めた頃はみんなと同じくらいしか飛べなかったんですけど大きいおねえさん達が飛んでクルクル回っていてそれに近づくにつれて「オォー!」と思ってうれしかった。
―目指している選手、憧れている選手は?
安藤:まずサーシャ・コーエン。あの体の柔らかさには惹かれるものがあります。あと、サラ・ヒューズ。あのソルトレーク五輪という大舞台にノーミスの素晴らしい演技を披露してすごく元気をもらえたような気がするんです。だから自分も誰かに元気を与える演技をしたいなーと思いました。そしてプルシェンコの失敗しないジャンプに惹かれます。
―何か試合前に必ずしていること、ジンクスなどはありますか?
安藤:まず縄跳びをかけ足で100回します。そしてキットカットを食べる。なぜキットカットを食べるかというと日本語で「きっと勝つ」という発音になるので(笑)あと名古屋の試合のときはカツカレー、海外では五目ご飯とワンタンを食べます。試合前日の夜には焼肉を食べます。焼肉大好きなんです(笑)試合の本番直前はコールされるまえに屈伸を3回します。先生が以前テレビか何かでみたそうなんですが屈伸は気持ちを落ち着ける役割があるそうで理にかなっているようです。―ウエイトコントロールなどはしていますか?
安藤:特にはしていませんが、たまに太りすぎたりしたときはご飯を玄米にしたりと油をオリーブオイルとかにしたりしていますが量はあまり減らさずに動いて体重を減らすという感じにしています。
―今日本ではシニア、ジュニアの選手も世界で活躍しているがそのことに関してどう思う?また注目している選手は?どこに注目していますか?
安藤:みんなすごいと思います。やはり章枝さん(村主)さんには世界に通用するスケート、静香さん(荒川)には背も大きいし手足も長くスケート全てに魅力がある。自分もそれを見習ってそれ以上のものを目指したいと思っています。
―今までスケートをやってきた中でうれしかった事は?安藤:四回転などや3−3などの難度の高いジャンプを成功させて周りからもよい評価をいただいたときです
― トリノ五輪出場はもちろん目指していると思いますがその為には今から何をするべきと思う?今後の課題は?
安藤:以前の一番の課題はスケーティングだったのですけど、まだまだなのでこれからもっとよくしていくこと。あとバレエも続けて表現力ももっと強弱をつけたいです。そして先生のアドバイスもよく聞いてスピードをだして滑り、ジャンプの確実性も高めていくことだと思います。―今後の目標は?どんな滑りがしたいですか?
安藤:世界ジュニアではもちろん優勝したいです。あとは自分が楽しく滑れればいいです。先月行われた国体のフリーはで自分の気持ちがすごく表現できて楽しかったのでそういう滑りが今後の試合でもできればいいなと思います。―今は名古屋ですがいずれ大学生ぐらいになったら東京に行きたいと思いますか?
安藤:いえ、私はずーっと名古屋で生まれ育って今まで名古屋の方にお世話になって育ってきたのでずっと今のまま名古屋で練習するつもりで(東京に行きたいなど)考えたことないです。
―将来の夢は?
安藤:オリンピックに出て何色でもいいからメダルを取りたいです。もちろんできれば金メダルがいいですね。あと現役選手を辞めたあとはプロスケーターとなってショーで滑ったり、スケートのコーチになって自分の選手を育ててみたいです。
本当に「すごい!!」と思った。
午前6時からと朝早かったがとても楽しませてくれた練習であった。
美姫ちゃんのジャンプは朝早かろうがいつ見てもほんとにスパッと切れ味がよい。そして軸が真っ直ぐで流れがあり見ていて惚れ惚れする。
その日はもちろん4回転サルコワ、ループも練習していたがかなりの確率で成功。3アクセルももう少しでクリーンの着氷ができるところまで来ていた。飛ぶまでのアプローチをとても大切にしている印象を受けた。前日は調子が良くクリーンで降りていたそうだ。
また彼女のすごいところは、ずーっとガンガンと真剣に滑って飛ぶのではなく、楽しそうに笑いながら遊びで少しやってみようかなんて感じで3−3や3−3−3のコンビネーションといった難しいジャンプをやってのけるところである。もちろんジャンプの飛ぶ直前はモードを切り替えて集中してから飛んでいた。その集中力もすごいと言える。そして本人が苦手といっていたトゥループも3トゥループ―3トゥループ―3ループと言う3連続トリプルジャンプの難技を成功させていた。これでトゥループを苦手と言えるかー!ケタが違いすぎる!
美姫ちゃんであれば全種類の3−3のコンビネーションはもちろん、練習次第では4回転―3回転のコンビネーションも可能と思えてくる。それだけ本当に基本に忠実なジャンプなのである。またジャンプ以外でも部分的に滑っていたプログラムの振りも随分丁寧になってきたし、スピンも回転軸がとれて早く回れるようになってきていて、滑りもかなり改善されてきている。
これからは安藤美姫が世界フィギュア女子の時代、流れを変え、新しい「安藤美姫の時代」を築き上げていくであろうと確信し、改めて安藤美姫のすごさ、素晴らしさに脱帽した取材であった。3年後のトリノ五輪もますます楽しみになってきた。
(インタビュー・文 今川知子)
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第1回 高橋大輔
第2回 荒川静香
第3回 岡本治子コーチ
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