01 航空産業のビジネスソフト                               

 

 その1 国際航空運賃改定作業

 

 ソニーのマイクロ・コンピユータSOBAX ICC-2700が発売されたのは昭和46年4月で、米国
貨物専門航空会社フライング・タイガーの要請で第九回東京国際見本市に於いて貨物輸送、空輸が
有利か、船便か、ソニーマイクロ・コンピユータを使い、5日間、デモを行ったことがある。(日刊
工業新聞46年4月30日)

 また6月15日、インターライン・カーゴ・セールス会議(会長・日本航空東京支店井上貨物部
長)の研究会がホテル椿山荘で開催され、各国の航空会社の課長クラスを集めて、ソニー機種10
台ほど使用して総流通コストからみた航空運賃の測定を実施、航空輸送が有利か、海上輸送が有利
かの自動判定のコンピユータの研究も行う。デモを私が担当した。(日刊航空速報46年6月7日
(月)第328号)

 航空会社は広報手段として、催しものがあるとき事前に同一文章を新聞社や業界紙に流されてい
る。これがプレス・レリーズと呼ばれているが、私がソニーのマイクロ・コンピユータの特約店に
なれたのは、航空会社の広報活動のお陰である。航空会社同志は販売面では競争しているが、航空
機の故障、その他で運行困難な場合は、競争相手に貨物の搭載を依頼しなければならず、またIATA
航空運賃の改定など、共同作業が発生する。インターライン・カーゴ・セールス会議とは、このよ
う組織であると理解している。

 航空会社で運賃が改定されるとき、一般的な見方をすると、大型コンピユータが設置されている
ので、すべて大型コンピユータで処理している思う人が多いがこのような作業は、従来は手作業で
あった。

 石油ショック以来、航空運賃の改定がしばしば行われたが、マイクロ・コンピユータが、この分
野にかなり使用された。国際線の運賃改定のポイントは次の通りである。基本運賃はすべて英ポン
ドで表示されており、小数点第3位の丸めは、

次のようになる。96.835→96.85、  96.845→96.85

        96.856→96.85、 96.867→96.85

        96.888→96.90 などのように、

0.000〜0.024は0.00に、0.025〜0.049は0.05

0.050〜0.074は0.05に、0.075〜0.099は0.10という丸めかたである。
 このため、英ポンド90.50の7%アップは、96.835であるが、96.85に丸められ
る。また、

 (2)英ボンドと米ドルは、換算レートが2.6057で、小数点3位を切り捨てをし、2位は
すべて切り上げることとなっている。96.85の2.6057倍は$252.362で、これを
$252.40と計算する。

(3)円貨は、英ボンドから換算し、換算レートは771.285で、小数点3位以下切り捨て
をし、50円単位で切り上げるため、英ボンド96.85は円貨で74,699.14で、50円
単位の切り上げとなると74,700円となる。下段第5表参照のこと。

この丸め方を人に教え、計算させると、必ずどこかで間違える。政府認可運賃であるため、計算
ミスは許されない。点検は厳重である。

 旧運賃の7%アップで、英ボンド90.50、90.51、90.52、90.53、 
90.54までの5種類を計算し、それぞれ新運賃で英ポンド、米ドルおよび円貨を計算する作業
は発生すると面倒な仕事となる。手計算ではこの5種類で10分以上かかり、点検でも10分ぐら
いかかる。これでもまだ不安が残る。マイクロ・コンピユータでは約30秒でOKであるので、約
40分の1に作業が短縮され、プログラムミスがなければ100%の信頼性がある。

 これらの航空会社同志の共同作業は、ナシヨナル・キャリヤーとして日本航空東京支店が窓口に
なったおり、私は機材とソフトを提供した。

 

 上記は、30年前にソニーのマイクロ・コンピユータで開発した航空運賃改定ソフト
 下記はスキャナーで、表の一部を、パソコンに取り込んだ。これをWindowsXPの
Excel を使用して、すべて手入力で作表したもの。 

 

 

Windows XPのEXCELの表計算のソフトを利用し、上記の計算を行い、これを表形式に表示
したものが下段の第1表航空運賃改定作業である。@〜G は、計算の順序を示している。

 

 

マイクロ・コンピユータを一般に紹介するには、操作が簡単、処理スピードが速いこと
が、事務計算には必要である。30年前には、この計算には約30秒で完了したが、現在では、
中身が精巧に出来過ぎているので、これを処理するにはかなりの知識が必要となってくる。
UKポンド90.50の7%UPは、@96.835で、下段のような端数処理を行い、Aを計算した。
この数値に英ボンド対ドルの換算率2.6057をかけると、

Bの252.36、これの端数処理がCの252.40である。D英ボンド96.85に、英ボンド対円
貨の換算率771.287を乗じたものが、Dの74699となる。円価は50円単位となているため、
Dの74699に49円をプラスしたものがE74748である。これを2倍すると149496となり100
で割り、円以下を切り捨てするとFの1494となる。これを100倍し、2で割るとGの74,700
となる。このような途中演算結果を説明のため、

右側に印刷した。

 

備考:UKポンド計算
 

 

その2 関税部分申告計算

 

 昭和46年7月1日より、ソニーマイクロ・コンピユータの販売特約店となった。

 ソニーより機械販売とソフトウエアの開発を紹介されたのが鞄通総合研究所の関税部分申告
計算であった。本社は秋葉原にあり、阪急在職中は、日本通運竃{社航空部門には、しばしば立

ち寄ったことがあった。

 航空と海上との総流通経費分析の研究をしており、その経費のなかに関税が含まれ工場渡しの
FOBか、あるいは運賃や保険料を含めたCIFを課税対象にするか?輸送コストが変化する。
輸出の場合はFOB,輸入の場合はCIFベースであった。

 私はソニー倉庫轄q空チームの嘱託を兼ねており、その関係でソニーから紹介された。 

 輸出入業務で、CIF価格の各々が判明し、FOB価格が合計で記載されているとき、各々の
CIF価格のFOB価格分と運賃並びに保険料の部分を分離し、これの円換算が発生する。
上段の第6表参照のこと。

 例えば、CIF価格がそれぞれ$61.04、$90.25、$176.57、$219.57
で、計$547.43なら、CIF価格に対するFOB価格の比は1対0.79381838で、
CIF価格が$61.04ならFOB価格は比例により$48.45になる。

 換算レートが1ドル298.87円であれば、FOB価格は、比例により14,480円となる。
比例計算のための比率は、小数点以下8桁とし、9桁目は4捨5入、FOB価格はセント以下切す
てという条件で計算したのが第6表である。 また、この逆のFOB価格がそれぞれ与えられ、
CIF価格が総合計で把握されるときの計算では、FOB価格をインプットしてCIFを求める計
算となる。

 

 

上記は、30年前にソニーのマイクロ・コンピユータで開発した関税部分申告計算

ソフトで、下段は今回、ノートパソコン Window XPのExcelで開発したもの。

 

 

以上

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