My Favorite 2:
MGC Springfield High-Capacity .38 Super
「私のお気に入り」コーナーは、これまでに紹介してきたモデルの中から特に気に入っている1丁を少し詳細に紹介しようというつもりで始めたページです。ジャンルごとにまとめて紹介したページではスペースの関係で紹介しきれなかった内容を写真と文字で解説していきます。
その第2弾は「MGC スプリングフィールド ハイ・キャパシティー .38スーパー」です。
なお、最初にこのページを立ち上げたときは再販品しかありませんでしたが、その後初版を手に入れたので、説明及び写真の一部を修正・追加してリバイズしてあります。
The second model of "My Favorites" corner is MGC's Springfield High-Capacity .38 Super.
This is the only Government modelgun that has a high-capacity magazine
of 15 cartridges. It was first released from MGC in July 1994, just before
MGC was about to stop making modelguns. It is a combined model with a Springfield
Armory's slide and a Caspean's wide frame. MGC's High-Capacity had already
been made as a gas gun, so its modelgun version had been expected by modelgun
fans for a long time. The main frame and slide are made from HW, so the
total weight goes up to 800g, which is the heaviest among all the Government
modelguns of MGC's. The MGC High-Capacity also has a very nice looking,
which makes itself look both "tough" and "elegant"
because of its thick grip frame, square-type trigger guard, chrom-colored
wide safety, etc.
In the late 90s, after MGC stopped making modelguns, the High-Capacity
modelgun was reproduced by Taito, one of the post MGC production group,
and since then, it has been reproduced irregularly, with parts which were
left at the factory.
In spite of these good points, however, the Taito late production model
has one crucial weak point; the slide easily goes off from the frame when
it is pulled back. It is said there are two main reasons; one is that the
subframe, which is made of zinc alloy, is separated into two parts. Then
it cannot hold the slide tightly. This is a kind of structual failure because
it was originally made as the part of the gas gun version. The other one
is the shape of the top of the slide. That of the late production is a
little different from that of the early production, which causes the strengh
of the slide of the late production weaker. Therefore you cannot enjoy
firing this modelgun if you worry about breaking it.
Although this page was introducing only the reproduction model when it
was up at the first time, it is now showing the first production model
as well, and comparing both of them.
| ☆概略☆ Outline | 80年代末、実銃の世界ではすでに38スーパー弾を使ったレース・ガン仕様の多弾倉ガバメント・カスタムが人気を呼んでおり、キャスピアン等のワイド・フレームを使った「ハイ・キャパシティー」が登場していた。モデルガンの世界でも「ハイ・キャパシティー」の発売が期待されていたが、最初にモデル化されたのはガス・ガンであり、モデルガン・ファンはやきもきしたようである。しかし、1994年の7月についにモデルガンの「ハイ・キャパシティー」が登場した。 MGCは、70年代前半に今では「GM2」と呼ばれるプラスチック製のガバメントを登場させて以来、数々のガバメント・モデルを送り出してきた。その中でも決定版と呼ばれるのは80年代初頭に売り出された「GM5」と呼ばれるモデルで、ショート・リコイル、センター・ファイアーなどの機構を搭載し、ほぼ実銃どおりのメカニズムをもったものであった。本モデルガンも基本的にはGM5のバリエーションの1つである。 いわゆる「ハイ・キャパシティー」モデルには.45口径のものもあるが、MGCがモデル化したのは.38スーパー版であった。すでにベレッタM92F(M9)が発売されており、オートマチックであれば多弾倉モデルとしなければ、もはや人気モデルにはなりえない時代になっており、そのためにはこの口径サイズを採らなければならなかったためと思われる。また、ガバメント系モデルの新たな市場開拓という意味もあったのではないだろうか。 価格は、当初17,500円であったが、タイトーに移行した後の90年代後半に再販された時点では19,800円となった。その後は何度かニューMGC単独による特別販売があったのみで、量産はされていない。ここで紹介する2つのモデルは、旧MGC製初版は中古ショップで、タイトー製再販品はオークションで手に入れたものである。 このモデルの材質は、他のMGCガバメント・モデルがそうであるように、当時の主流であったブラックHWであった。したがって、太いグリップ部の体積アップのおかげで総重量は800gに達し、MGCのHW製ガバメント・モデルの中では最重量モデルとなった。なお、ボディーを横から見ると、フレームとスライドでは色合いがちがうことに気づくと思う。それは、フレームの方だけが細かい銀色の粒が入ったような仕上げになっており、SRHモデルのように渋い輝きをはなっているからである。「もしや、フレームはSRHか?」と思って磁石を近づけてみたが、残念ながら磁石はつかなかった。 |
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![]() (up) 1st production = Ex-MGC brand (down) 2nd production = Taito brand | ||
| ☆スタイル☆ Style | スタイル上の第1の特徴は、多弾倉マガジンの装着を可能にした、太く大きなグリップ部である。実銃では、このフレームはキャスピアンという会社の製品で、スプリングフィールド・アーモリー製ではない。スプリングフィールド・アーモリーは1993年に一端倒産してしまったが、その直前の92年にキャスピアンからワイド・フレームを供給してもらう契約を結んでいたので、本モデルの実銃も存在していたにちがいない。そういうこともあって、本モデルガンが発売された時は、雑誌に「キャスピアン・ハイ・キャパシティー」と紹介されたこともあった。 手の小さな日本人にとって元々やや大きめのガバメントのグリップがさらに大きくなったわけであるから、握りにくそうな印象を受けるが、実際に握ってみると意外にジャスト・フィットするのは形状の良さとセレーションのお陰であろう。そのグリップ部は、さらにダブル・カラム・マガジンの挿入を容易にするために下部が大きく開いており、一層のボリューム・アップ感を演出している。また、フレーム部がスライドに対して大きく出っ張った感じになっている部分は、グリップ・セーフティーが複雑な形をしてフレームに組み込まれているので、何やら未来のサイボーグのような印象を与える。さらに、マッチ・ガンとして有名なホーグ・カスタムと同様の角形トリガー・ガードが戦闘的なイメージを作り出している。 これらのことは単体の写真を見ただけではわかりにくいが、同じ.38スーパーのコマンダーと比較すると、そのボリューム感の大きさがわかるであろう(写真下右)。 その他、ステンレス・シルバーのアンビ・セイフティー、スライド・ストップ、リング・ハンマーなどが全体のイメージをスポーティーな感じに引き締めており、全体として落ち着きのある中にもセクシーささえ漂わせるスタイルとなっている。 |
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| ☆刻印☆ Markings | V10やエキスパート・カスタムなどもそうであるが、スプリング・フィールド製ガバメントの刻印はとてもにぎやかなものとなっている。実銃を見たことがないので正確なことは言えないが、おそらくMGCのモデルガンもそれらを忠実に再現しているものと思われる。また、それらの刻印はすべてとてもくっきりと彫られており、刻印を大切にするモデルガン・マニアも満足しているであろう。 モデルガンは銃口を左にして置くことが多いので、まず最初に目に飛び込んでくる刻印はスライド左側のものである(写真上左)。ハイ・キャパシティーでは、そこにこのモデルがM1911A1を元にしていることと、口径が.38スーパーであることが示されている。ただ、ミリタリー・モデルではないので、字体や大きさもより現代風ではっきりしたものである。 次に、銃を裏返してスライド右側に目を落とすと、大きく3カ所に刻印があることに気づく。中央にはメーカー名(写真上右)、後方にはメーカー・ロゴ(写真中左)、前方にはカスタム表示(写真中右)があって、とてもにぎやかである。 また、フレーム右側には6桁のシリアル・ナンバーがあるが、これは再販品にのみあるもので、初版にはない(写真下左)。 あと、初版・再販品ともにリア・サイトはウィチタ・タイプの上下左右調整付きのものが付いているが、これにもしっかりと Wichita の刻印が入れられている(写真下右)。 |
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| ☆メカニズム☆ Mechanism | スライド部(バレルを含む)のメカニズムは、ナショナル・マッチのそれと同じと考えてよい。それはセレーションが斜めに切られていることや調整式リア・サイト等(写真上左)からも想像できることであるが、実際にフィールド・ストリッピングをしてみると、リコイル・スプリング・ガイドの構造(写真上右)などはまさにナショナル・マッチのメカと同じである。フレーム部内の基本的なメカニズムも基本的には他のMGCガバメントと同じであるが、ナショナル・マッチのようなチューンがされており、トリガーの切れ味やハンマーの動きなどはすこぶるよい。 一方、初版と再販品ではブッシングの形状と色が異なっている(写真2段目左が初版で右が再販品)。おそらく初版のものの方が実銃に近いものと思われるが、ブッシング・レンチがないとはずせないというメンテナンス性の悪さから、再販品では他の38スーパーに使っているものと同じものに替えられたのであろう。 また、スライド上部の形状も若干異なっている(写真3段目左)。パッと見ただけではセレーションの太さが違う(細い方が初版で、太い方が再販品)だけのように思われるが、実際には初版はこの部分がフラットになっていて、再販品はスライドの丸みがそのまま延長されている(写真2段目左参照)。そして、そのスライド上部の形状のちがいは、スライド内側上部の形状のちがいにつながっている(写真3段目右)。すなわち、初版のもの(左)はチェンバー部分だけを丸くけずったようになっているのに対して、再販品ののものは外側の形状に合わせてより大きな範囲で丸く削られている。 さて、実は再販品にはスライドの右側がフレームのレールからはずれて浮いてしまうという欠陥がある(写真4段目左)。この症状はこのモデル単体の問題ではなく、この時期に作られた本製品すべてに共通して見られる現象のようである。この問題に最初に気づいたのは、マガジンにフル・ロードしてセットした時で、スライドを引いて第1弾を装弾しようとしたところ、カートリッジがひっかかってこの状態(4段目左の写真参照)になってしまった。確認をしてみると、マガジンを入れていなくても、スライドを2センチほど引いて右側を持ちあげると同じ症状が起こることがわかった。 その最大の原因は、ダブル・カラム・マガジンの挿入を可能とするために、上部のところを2分割したサブ・フレームが設定されていることにありそうである(写真4段目右)。これによって、サブ・フレームのレール部分の絶対的長さが不足し、スライドがちょっとした圧力でわずかに開いただけでもはずれてしまうことを誘引していると想像される。そして、そのスライドの開きを招いているのがスライド上部外側の丸みと内側の凹み部分のようである。なぜかというと、この現象は初版には起こらないからである。 |
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| ↑(left) 1st production (right) 2nd production ↑↓ | ||
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| ☆カートリッジ&付属品☆ Cartridges & Mantenance Kit | カートリッジは、4ピース構造の.38スーパーCP−HWタイプである。9oルガーCP−HWに似ているが、こちらの方がやや全長が長い。本体購入時には1箱(8発)が附属しているが、15発装弾できるハイキャパシティーの魅力を味わうにはもう1箱欲しいところである。ただ、現在.38スーパーのモデルガンは1つも売られておらず、ショップでもあまり見かけないので、直接ニューMGCに問い合わせて在庫品を購入するか、オークションで手に入れるしかない。 なお、旧MGC時代の初期生産品では写真のような緑色の箱に入れられていたが、タイトー時代の再販品以降のカートリッジはビニール袋に入れられていているだけである。ただし、一応箱入りと同じ数の8発が付いている。 カートリッジ以外の付属品は、メンテナンス・キットとして、初版にはプラスチック製のブッシング・レンチ(実際にこれがないとブッシングを回してはずせない!)と六角レンチ大(グリップ・スクリュー用)、中(デトネーター用)、小(アンビ・セーフティー・スクリュー用)各1本、キャップ火薬装填用ビニール・チューブ、綿棒2本が付いており、再販版にはブッシング・レンチ以外のものが付いている。 |
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| ☆箱と取扱説明書☆ Package & Manual | 外箱は、生産時期によって大きく異なる。旧MGC製の初期生産品はオレンジ色の箱にゴシック体の文字が入れられたもので、当時併売されていたコンペティション・ピストル(緑色の箱)やロング・コンプ・カスタム(青色の箱)と共通のデザインのものであった。一方、タイトー製の再販時のものはやや濃いめの青色の箱であるが、これも専用デザインとなっていた。両者はデザイン・色共にかなり異なっているので、オリジナルであれば箱を見ると初期生産品か再販品かの見分けが簡単につく。 取り扱い説明書は、初期生産品ではほぼB5サイズの4枚折り(8ページ)の本モデル専用のものであったが、再販品では当時の他のタイトー製品に共通するA5サイズの冊子タイプのものであった(ただし、中身は専用のもの)。なお、その後に何度かスポット販売されたものには、他のガバメントと共通の2つ折りのものしか附属していなかった。 |
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旧MGC製初版のもの![]() |
タイトー製再販のもの |
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| ↑(left) 1st production (right) 2nd production | ||
| ☆オプション品☆ Options | 元々カスタム・パーツが満載されたモデルであるので、オプション品はほとんどない。もちろん、ニューMGCではガバメント用のカスタム・パーツをたくさん販売していたので、純正品と交換でそれらを装備することもできる。 ただ、写真にあるような木製グリップだけはMGC純正で本モデル専用品として売られていた。自分も都内の某ショップで新品未使用のものを手に入れて付けてみたが、オリジナルのHW製グリップとは色がかなりちがうこともあって、これだけでだいぶ異なった印象を与えるモデルに変身する。また、握った感触もHWグリップのつるつる感から木製グリップのしっとり感へと変えることができるが、重量感の点では木製グリップ(10g)はHWグリップ(30g)にはかなわない。 |
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