My Favorite 4:
Tanaka U.S. M1897 Trench Gun
「私のお気に入り」コーナーは、これまでに紹介してきたモデルの中から特に気に入っている1挺を少し詳細に紹介しようというつもりで始めたページです。ジャンルごとにまとめて紹介したページではスペースの関係で紹介しきれなかった内容を写真と文字で解説していきます。
その第4弾は「タナカ M1897 トレンチ・ガン」です。ずっとあこがれていたモデルだけに、手に入れられた嬉しさから気合いを入れて作りました!
The fourth model of "My Favorites" corner is Tanaka U.S. M1897 Trench Gun (HW).
The first shotgun modelgun was MGC's Remington M31-RS, which was made
in the mid 1970s, of blued zinc alloy, and MGC also released Winchester
M97 of blued zinc alloy. These two modelguns became popular among modelgun
fans who found it interesting to enjoy pump actions of them. But they were
forced to disappear after the notorious 1977 revision of the Guns and Swords
Restriction Law because they could not be produced unless the barrel and
the frame should be separated. In 1979, however, MGC released an ABS version
of M31-RS. Modelgun fans went mad with joy. Many of them rushed to the
opening sale held at the hall of Tokyo Tower Bowl. But MGC wouldn't make
that of M1897.
Then in 1992 Tanaka Works, who had already produced some rifle and machine gun modelguns made of zinc alloy, released a M1897 Trench Gun modelgun of ABS with a lot more precise mechanism than the MGC shotguns,
which were criticised that they had far different mechanism from the real
guns. Modelgun fans were very happy and excited to hear the news. Later
Tanaka also released its police version called Riot Gun. Then Tanaka also started making its heavy
weight version and its 'full set' version,
which consisted of a bayonet, a sling, a
belt stock shell holder. However, most of
its owners, even though they paid a lot of
money for it, had to face the trouble that
some parts of the receiver or barrel broke
easily, just like those of Tanaka P226.
The Tanaka M1897 is a well-made modelgun which has a nice looking and
a precise mechanism. If you actually hold one, you will feel like you have
become a military soldier or a police officer.
Tanaka reproduced the ABS Trench Gun type in 2006, so, at the moment
of early 2009, you can still get a new one or a good-conditioned secondhand
relatively easily if you look in the internet auction or web shops.
| ☆概略☆ | 実銃におけるショットガンの歴史は意外に古く、本品の名前からもわかるように、すでに19世紀末にはポンプ・アクション版が登場していた。M1897にはトレンチ・ガン(ミリタリー・モデル)とライアット・ガン(ポリス・モデル)が存在するが、ここで紹介するものは前者をモデル化したものである。実銃は、マイナー・チェンジされたものが第一次世界大戦(1914−17)でM1917の名称で用いられ、塹壕戦などでは威力を発揮したそうである。そうした実戦での信頼性から、生産は1935年に終了したにもかかわらず、正式銃として第二次世界大戦まで使われた。一方、ライアット・ガンは犯罪抑止や犯罪そのもの(?)に長い間使われていた。その様子は、1930年代頃のことを描いたマフィア映画(例えば「アンタッチャブル」)でよく見ることができる。 モデルガンのショットガンの登場は、70年代半ばに発売されたMGCのM31−RSライアット・ショットガンまで待つ必要があった。その後、MGCはウインチェスターM97もリリースしたが、77年の銃刀法改正により生産が不可能となり(金属モデルはフレームとバレルを一体化しないかぎり生産できなくなったから)、翌々年に登場したABS版M31−RSにその座を譲ることとなった。その後はしばらくどこからもポンプ・アクション式ショットガンのモデルガンは出されていなかったが、92年になってついにタナカが腰を上げたのである。 タナカはすでにそれまでに亜鉛合金製の長物を多数生産していたが(そのほとんどは旧CMCの金型を引き継いでのリバイバル生産であった)、ここでまったく新しい設計によるABS製のM1897を完成させた。最初はトレンチ・ガンのみであったが、その数ヶ月後にはライアット・ガンも発売し、95年頃にはHW版のトレンチ・ガン及びそのフル・セット・モデル(銃剣、スリング、ベルト・ストック・シェル・ホルダー付)を発売した。ただ、ABS版でも45,000円(ライアット・ガンは42,000円)、HW版はフル・セットで75,000円(ライアット・ガンは62,000円)と価格がかなり高かったこともあり、発売当時はそれほど数は売れなかったと思われる。 ここで紹介するのは、2000年頃に再販された(?)HW版フル・セット・モデルである。もともと高額なモデルであることに加えてオークションでは定価以上の高値がついていることから、以前はまったく購入する意志はなかったが、2004年5月に初めて立ち寄った地元のホビー・ショップに長期在庫品として飾られているのを発見したときから沸々と購入欲が沸いてしまい、自分への誕生日プレゼントという理由で手に入れたものである。ショップの人曰く、「もう4〜5年はここに飾られているかなあ。みんな関心はあるんだけどやっぱり高いから実際に買おうという人はいなかったんですよ。でも、そろそろ誰か大切にしてくれる人の手元に行ってもいい頃ですね。」値引き交渉の結果、定価(85,000円)の8割弱で買うことができたが、それでも”清水の舞台から飛び降りる”気持ちで購入を決心したのは言うまでもない。 なお、2006年にABS製のものが若干数再販されたのは少々ショックであった。 |
|||||||||||||||
| ☆スタイル☆ | スタイルはとにかく格好いい。まっすぐに流れるような全体のシルエットの中に荒々しいメカニズムを感じる部分が見事に調和している。MGCは当時の世相に配慮して(ベトナム戦争の後遺症があった。銃刀法改正が迫っていた)M97もライアット・ガンにしたと言われているが、タナカはあえて凄みのあるミリタリー・モデルとした。発売当時、久しぶりに登場するショットガンとして、トレンチ・ガンの荒々しい雰囲気はとてもインパクトのあるものであったようだ。 この銃を見たときに最初に目を引くのは、銃身の上につけられたハンド・ガードであろう。この部品は放熱効果と軽量化を両立させるために、全体に多数の丸い穴が開けられており、この部品がないライアット・ガンと比べると、これがこの銃の荒々しい雰囲気を作る最大の要因となっていることに気づく。この部品は先頭の方で亜鉛合金製のバイヨネット(銃剣)・ラグとつながっており、両方とも金属製なので重量増加に大きく貢献しているようだ。 次にフレーム部に目を向けてみると、発射準備状態でもカバーがかぶらずに機関部が見えるエジェクション・ポート部分が際だって見える。ポンプ・アクションをしたときに、各部品がどのように動くのかがよく見えて、モデルガンがモデルガンたる真骨頂を目の当たりにできるのがいい。このあたりは、カバーがかかってしまうM31−RSよりずっと楽しい。また、ハンマー部分は一見しただけではまさか大きなボルトが飛び出してくるようには見えないが、フォア・アームを引いたときに突然現れるボルトには新鮮な驚きと不思議さを感じる。 フォア・アームやバット・ストックといった木製品にはとても質の良いアメリカン・ウォールナットが使われており、見た目にも実際の感触としても満足できるレベルで、値段に見合ったものといえるだろう。なお、初期のABS製のものにはブナ材が使われており、色合いや質感は本品のものよりかなり落ちる。 プラスチックでできているのは、レシーバー、バレル、ボルトだけである。したがって、ABSモデルでも2.7sとけっこうな重さがある。ここで紹介しているのはHWモデルであるが、レシーバーのみがHWになっただけなので、重量増加はわずかである(取説に書いてないので詳細は不明である。おそらく100〜150g程度であろう)。なお、バレルはつや消しのABS、ボルトはテカテカのABSである。この2つがHWにならなかったのは、おそらく強度面の問題からであろう。 |
|||||||||||||||
| ☆刻印☆ | 刻印は、バレル上(写真上)とアクション・スライド左側(写真下)の計2カ所に入っている。ただ、残念ながら商標権の関係でWinchesterの記述はどこにもない。 なお、92年の初期モデル(Gun誌1992年9月号で紹介)にあったレシーバー左側の刻印 U.S. NO 002 が本モデルにはなく、バレル上刻印のフォントと大きさも変わっている。おそらく、HW化時もしくは再販時に文字入れの方法を変えたのであろう。 |
|||||||||||||||
| ☆メカニズム☆ | MGCの2つのショットガンは生産性と安全性を両立させるために、あえて実銃とはかけ離れたメカニズム(例えばチェンバーがない)を採用したが、タナカのM1897のそれは実銃に限りなく近いものであった。しかも各部品のサイズもほぼ実銃どおりであり、メカにうるさいマニアをもうならせるものであった。 M1897のメカニズム上の最大の特徴は、機関部の給弾から排莢までの一連の動きであり、MGCのM97と比べるとはるかに複雑な動きをする。キャリアーを中心にしていろいろな部品が上手に連携してショット・シェルをチェンバーに送り込む様は見ていて本当に面白く、実銃のメカをほぼ正確に再現したというタナカの設計思想と技術力には拍手を送りたい。また、ポンプ・アクションをしたときに後ろに大きく突き出るボルトも実銃とまったく同じ構造になっている。安全性の問題から素材がABSとなっており、最も耐久性が心配な部品の1つであるが、センター・ファイアー機構、ファイアリング・ピン・セーフティー、ライブのエキストラクターも再現されており、思わず「お見事!」と叫んでしまいたくなるできである。なお、装弾から排莢までの一連の動きは以下のとおりである(写真@〜F参照)。
しかし、これらのリアリティーさと引き替えに、オーナーは1つの大きな問題点と向き合わなければならなかった。それは、タナカの設計思想においてはリアリティーが優先され、モデルガンという特殊な製造物の耐久性はあまり考慮されていないということからくるものであった。後に発売されたP226もそうであったが、実銃と同じ厚さしかないABSのボディーは衝撃に対する強度だけでなく、自然の劣化にも弱く、「ポンプ・アクションをしていたらボルトが割れた。」「ストックを留める部分のフレームが割れた。」「何もしていないのにバレルにひびが入った。」という事態が多発したのである。ただ、バレルについては後に改良されたようである。それは、クラックの原因となっていたインサートの入れ方でわかる。本モデルでは、バレル内に金属製の薄い筒状部品が入れられ、その内側に板状のインサートを組み込むタイプになっている(写真左下参照)。これならインサートの圧力がバレル内全体に分散され、ある部分だけが極端に強度不足になるということがなくなるので、割れにくいであろう。 |
|||||||||||||||
| 初期状態 |
@ |
|||||||||||||||
| A |
B |
|||||||||||||||
| C |
D |
|||||||||||||||
| E |
F |
|||||||||||||||
| ☆パッケージ・付属品☆ | 通常の場合、新品ならば写真のような外箱、ショット・シェル1箱(6発)、取扱説明書、愛用者カード(はがき)が附属している(箱の外下にある3つの物はフル・セット・モデルだけに入っている物)。 外箱は多くの長物モデルと同様に銃の名前とメーカー名だけが文字で入れられたシンプルなものである。 ショット・シェルは、ケース、インナー、アンピルの3ピース構造であり、確実な発火を可能にする”すぐれもの”である。火薬の込め方は、最初にケースにインナーを入れ、インナーの上にキャップ火薬2個を置く。アンピルを逆さにするとローダーになるので、それを利用してキャップを押し込み、最後にアンピルをはめるという具合である。そして、発火のメカニズムは、センター・ファイアー方式で押し出されたファイアリング・ピンがインナーを押し、キャップ火薬がアンピルに押し付けられて発火するという方式となっている。なお、アンピルはキャップを固定する役目も果たしているので、キャップがシェルから脱落してしまうということもない。なお、写真にはカートリッジの箱が計4箱写っているが、3箱は本体を購入する以前にとあるショップで購入しておいたもので、MGCイングラム用オープンタイプ2箱(計40発)とMGC M1カービン用CPタイプ3箱(計30発)と合わせて半額で手に入れることができた。それがフルセットの本体を購入したところで、役に立ったというわけである(下記の「オプション」の写真参照)。 取扱説明書は最低限の分解・組立の手順とパーツ・リストで構成されるシンプルなものである。 |
|||||||||||||||
| ☆オプション | タナカのM1897トレンチ・ガンにはいくつかのオプションが用意され、オーナーはそれを取り付けて楽しむことができるようになっている。そのオプションとは、バイヨネット(銃剣)、スリング、ベルト・ストック・シェル・ホルダーである。発売当初はバイヨネットとスリングが別売りで売られていたが、後にHW版が出たときにフル・セット・バージョンが発売された。 トレンチ・ガンの魅力をさらに引き立てる銃剣は、銃身の先にあるバイヨネット・ラグに取り付けるようになっている。刃部分の根元に「US1917」という刻印があるので、第一次世界大戦で使用されたものをモデル化したものと思われる。全長は51.5p(刃部分40p)、重量は430gである。銃剣本体は亜鉛合金製であるが、グリップには木製部品が取り付けられていて、高級感の漂う作りである。亜鉛合金製で刃も立っていないので、そのままではけっしてナイフのように切れたりしないが、現在ではこのような部品をつけて販売することはできないそうである。取り付け方は銃剣の握りの先端部にあるボタンを押しながらラグに差し込むというもので、はずす場合もボタンを押しながら前方へ引き抜くようにする。なお、単品価格は当時で12,000円であった。 スリングはしっかりとした硬質の革製である。幅は25oしかないが、重たい本体をしっかり支えてくれる。単品価格は3,800円であった。 バット・ストックに取り付けるストック・シェル・ホルダーはカーキ色の布製で、厚めの生地を使ってしっかりと作られている。シェルは5発はめ込めるようになっているが、装弾数の6発としなかったのは、幅が限界であったためであろうか。そして、それに附属する布製のベルトであるが、ここにも2カ所で計12発のショット・シェルをはめ込めるようになっている。これは写真のように腰に巻くガン・ベルトと考えられるが、発売当時のタナカの広告写真を見ると、スリングのように銃本体に付けることもできるようである。こうすると、装備されるショット・シェルの総数は、本体内7発(6+1)、ストック・ホルダー5発、ベルト12発の計24発となる。なお、この付属品は92年の発売当初には別売りもされていなかった。 |
|||||||||||||||
Click here to return to the menu page.