笑 顔

ー ヴァンフォーレ甲府練習見学どたばた記 ー

 

甲府駅についた時にはもう夜の9時半を回っていた。

開いているお店もファーストフードとコンビニ、飲み屋さんくらい。

簡単にご飯を食べて、徒歩7分(もっとあったよーな・・・)歩いてホテルにたどり着く。

雨はずーっと降っているし、激しくなる気配はあってもやむ気配はないし。

本当に会えるのかな、と不安になる。

電車の中でもずっとスミレさん

オグのことだから、

プロだし、甲府での自分の立場もわかりすぎるくらいわかってる人だから、

きっともう戻ってきているんじゃないか、と言いつつ、

でも、事情が事情なのでいなくてもしょうがないね、と覚悟しつつ、

甲府までやってきた。

会える(見れる、というべき?)かどうかわからないのに、

甲府まで来るって思えたのは逆にこういう時期だからで、

もし練習に出ているのなら、なんでもいいからなにか伝えたい気持ちもあった。

 

朝になって、多分、すでにちょっと舞い上がっていたのかも。

駅へ向かう道を間違えてスミレさんに迷惑をかける。

なにしろ小瀬スポーツ公園へのバスは日に片手くらいしかない。

9時開始の練習に間に合わせるにはどうしても乗らなければいけないバスに間に合わず、

いきなりタクシーを使うはめになる。

「小瀬の補助競技場までお願いします」

と言うと、なにしろ土砂降りの雨の中、運転手さんが怪訝な声で

「なんかあるんですか? この雨の中?」

「・・・練習があると思うんです」

昔サッカーやってたらしい運転手さんはまあそうヘンな顔もしなかったけど(笑)

 

小瀬スポーツ公園の補助競技場について、まずは車を探す。

オグの車、ない。。。

(私は知らないけど、スミレさんはコンサ時代によく見ているので)

それどころか人の姿が、ない。。。

練習見学の人数が少ないとは聞いていたけど、そしてこんな雨だけど、

選手も、スタッフの姿もなーんにも見当たらない。

さらにさらに不安になっていく私達(あえて、達 笑)

オグがいないだけじゃなく、練習も見れないのかー?! 甲府まで来て?!

9時になっても人っこ1人現れないので(それらしき人は)、

電話帳で調べてヴァンフォーレ甲府の事務所に電話してみる。

「今日の練習って小瀬補助ですよね?」

「あー変更になったんですよ、緑ヶ丘というところでやってます」

!!!!!

「それってどうやって行けばいいんですか?」

「駅からは一番近い練習場なんですが(今更意味ないっつーの!)

「今、小瀬補助なんです。。。タクシーしかないですか?」

「そうですねえ。(あっさり言うなぁ!)

スミレさんが横で ”オグさんは?”と言うので訊いてみる。

「あのー、小倉さんって、今日、練習出られてますか?」

「−−−連絡入ってないんでちょっとわかりませんねえ(おーい、スタッフぅ!)

どうする? と言う間もなく、ここまで来たらいくしかない!

と半分ヤケ? な私達。タクシーを呼んで緑ヶ丘とやらに急ぐ。

 

緑ヶ丘に到着して、またすぐに車を探す私達。

練習見に行けばすぐにわかりそうなもんだというのに(笑)

手前側の駐車場を見て−−−ない。。。

やっぱいないのかも、仕方ないよね、と思った時、

「あった! オグさんの車!!」

というスミレさんの声が頭の中に鳴り響く。

走って行って車確認して、どこから入るんだろ? とキョロキョロしてると、

おじさんが「ここから上がるの、10時までだってよ」

その時既に時間は9時半を回っていた。

階段を駆け上がり、ピッチを見回す。

 

いた〜!!!!!!

 

ほぼ同時にオグを一瞬のうちに見つけるスミレさんと私

「私達ってヘン? こんなすぐ見つけて?」

「すごいと言って」

とか言いつつオグがいたことでテンションはあがりっぱなし。(それは私だけか?)

(2人してあまりに早かったんで我ながら怖かった。笑っちゃいました)

それからはほとんどものも言わず、2人してピッチのオグを見る、撮る。

実はベンチの上らしいところに降りて更に見る、撮る。

土砂降りの雨のせいなのか、それとも今日という日だからなのか、

オグはずっと厳しい顔をしていた。

試合中も練習の時もチームメイトとの間で時に見られるような笑顔も、

他の選手に話しかけたり指示を出したりする姿も、

ほとんど見られなかった。

いつもとはちょっと違うオグ。

練習が終わって私達が立っている方に向かって戻ってくる時、

チームメイトとちょっと話をしたオグは一瞬、笑顔を見せた。

やっと、オグっぽい表情だった。

 

最初は車のところで待っていようとした私達。

が、なにしろ土砂降り。ふと見ると選手が出てくる出口のとこで待っている人が。。。

あそこなら屋根があるし、といきなり場所替え(笑)

オグを待つ。

何分くらいたったのか。

待っている間は他のサポさん達と話したりできていたのに、

なんと、いきなり誰より先にオグが現れる!

心臓に悪いって!!

他の選手見て少しずつ慣れたかったのにぃ。

スミレさんが「最後にしよーね」とか言って(確か・・・記憶がこの辺りから次第に曖昧なんだもん)

他の人にサインしたりしてるの見てたのだけど、

既に目の前にオグがいるってのが信じられないっつーか、信じてないっつーか。

夢かな、とか思う。

で、そう思ってたからまだその時は多少は冷静で、逆にそれまでのドキドキがちと収まったり。

他の人のサインを終えてこっちに来たオグはやっぱり厳しい顔。

ボーッとしている私の横でスミレさんがテキパキと進める。

おみやげ渡して、プレゼント渡して、それぞれ説明つき。

私はといえば一応持ってきたものを渡すには渡したものの、なんて言ったか覚えてない(汗)

知内さまから戴いたうちわにサインいれてもらわなきゃ! てのだけは頭にあって

多分それはちゃんと頼めた(と、思う。手元にサイン入りのうちわがあるから 笑)

その最中、スミレさんが言った言葉。

 

「オグさん、去年のあの12月4日の、

50ゴールのお祝いしたメンバーなんですよ」

 

それまでなにを言っても「あ、はい」とかだったオグが、いきなり変わった。

うまく言えないけど、「ああっ!」っていう声もそれまでとはトーンが変わって、

それと同時に表情もパッと変わった。

ほんとにその言葉を聞いた一瞬で。

すごくすごく明るい優しい笑顔で笑ってくれた。

その時が一番ヤバかった、涙腺。

いろんなことがぐあーっと心に頭に押し寄せてきて。

去年のJリーグ最終戦が終わって、オグが自分からゼロ提示を申し出てたこと。

コンサドーレ札幌に残らないってことがわかって、

札幌での最終戦のゴールがオグの通算50ゴール目だとだいさんに教えて戴いて、

OGU面冠者さまに集うみんなでなんとかお祝いをしよう、って。

もっとも私はほとんどなにもできなかったけれど・・・

そうやってみんなが作ってくれた大切な大切な想い出が、

オグにとってもすごく大切な想い出だったんだって、思った。

札幌のサポーターが好き、とずっと言っていたオグだったけど、

その中でも一瞬で思い出してあんな顔を見せてくれる程、

いい想い出だったんだなって。

それが嬉しくて、そんな顔見れたのが嬉しくて、

そうしてそういう想い出オグに作ってくれた人達が嬉しくて。

スミレさんに写真撮るためのカメラ渡されなかったら、ほんとにまずかった(笑)

残念ながらその時の笑顔は写真に撮ることはできなかったけど、

50ゴールのお祝いをみなさんがしてくれた時のこの笑顔に、

2002.12.4 スミレさま撮影

 

負けずとも劣らない素敵な素敵な笑顔だった。

私とスミレさんの目にだけ焼き付けてしまってごめんなさい。

この笑顔が見れたのもスミレさんのおかげ。

そうして50ゴールのお祝いができたのは、

OGU面冠者というホームページをずっと運営してくれている知内さんと奥様のgamaさん、

札幌でいろいろとアレンジしてくれた花麻さん

そしてスミレさん、masaminさん、かんちさん、

50ゴールを教えてくれただいさん、

オグを応援してくれて受け入れてくれた札幌のサポーターのみなさん、

全部の人にお礼を言いたいです。

ありがとうございました。

 

そうして、写真も撮らせてもらって、車で帰っていくオグを見送って、

帰りのあずさの中ではうちわ抱きしめて、帰った。

 

翌日、試合のためにスタジアム入りしたオグは笑顔だったとgamaさんが教えてくれ、

知内さんが写真で見せてくれた。

スミレさんが運んできてくれたkimmyさんお手製のサッカーボールに書かれた

たくさんの札幌のサポーターの方からのメッセージ。

いまでも札幌のサポーターの方が応援してくれているということ、

それが少しでもオグに伝わる手伝いができたのならかなり嬉しい。

そしてきっとオグは笑顔で、プレーでその想いに答えてくれるはず!