国際結婚について
日本人が外国人の方と婚姻して一緒に日本に住む場合、日本人同士の婚姻とは異なるいくつかの手続きが必要になります。概略は以下のとおりです。
- 外国人の出生及び国籍の証明(日本人の戸籍に該当するものです)
- 日本で婚姻する場合には、外国人の婚姻要件具備証明書の取得
- 外国で婚姻する場合には、日本人の婚姻要件具備証明書の取得
- 外国で婚姻した場合、日本側への報告的婚姻の届出
- 外国人を日本に呼寄せる場合、「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書の交付と、特別査証(ビザ)取得による日本国入国
- 外国人が日本の居住者の場合、必要に応じて「日本人の配偶者等」への在留資格変更
- 外国人配偶者の外国人登録(日本人の住民登録に該当するものです)
外国人の出生、国籍及び婚姻要件具備を証明する書類は、国によって異なります。
日本人の婚姻要件具備を証明する書類は、日本の法務省又は日本の外国公館で発行されます。日本で発行された婚姻要件具備証明書を、外国で有効な公文書として通用させるためには、所定の手続きが必要になります。
日本で婚姻が成立し届出がなされても、外国での届出がされていない場合には跛行婚となり、後に問題となることがあります。しかし諸外国では、外国で婚姻した人達の本国での婚姻の届出に関し、その制度は様々です。該当する国の制度に従って、手続きを行う必要があります。
外国人の「日本人配偶者等」の在留資格は、手続き上婚姻が成立していれば自動的に認められるものではありません。形式的にも実質的にも、婚姻の要件を満たしていることが必要です。
我が国における婚姻の成立要件とは?
日本の多くの夫婦は、結婚記念日を尋ねると、披露宴の日を応えると思います。しかし民法では、婚姻の届出を「有効」要件と規定していて(739条)、通説では届出の受理によって婚姻が「成立」すると解されています。また婚姻には、以下のとおり実質的成立要件と形式的成立要件とがあります。
【実質的成立要件】
- 婚姻意思の合致があること(民法742条の1)
- 婚姻の意思とは、真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する意思をいい、他の目的を達する方便としてなされた婚姻はその効力を生じません。
- 他の目的実現のための偽装婚姻届や、他方に無断で行った婚姻届は無効です。
- 婚姻障碍のないこと
- 婚姻適齢・・・男は満18歳、女は満16歳
- 重婚禁止・・・配偶者のあるものは重ねて婚姻することができません
- 再婚禁止期間・・・女は前婚の解消から6ヶ月を経過しないと再婚できません
- 近親婚の制限・・・一定の親族間では婚姻できません
- 父母の同意・・・未成年者が婚姻するには父母の同意を得なければなりません
【形式的成立要件】
- 婚姻の届出
渉外婚姻(国際結婚)の成立要件
渉外婚姻(国際結婚)の場合、夫婦いずれか一方の国で婚姻が有効に成立すれば、実質的にはその時に婚姻が成立します。諸外国の婚姻の成立要件は、その国の法律、宗教、慣習などによって異なります。外国で婚姻が成立していれば、日本で婚姻届を提出することができます。
- 最初に日本で婚姻の届出した場合、この届出を「創設的婚姻届」と言い、後で日本で届出をした場合には「報告的婚姻届」と言われてます。
外国人配偶者の査証(ビザ)と在留資格
- 外国人配偶者を日本に呼び寄せるためには、日本の入国管理局から、「日本人配偶者等」の在留資格認定証明書の交付を受ける必要があります。この在留資格認定証明書交付申請の申請者は、外国人配偶者になります。実際には、日本人配偶者が申請者の代理人として、日本の地方入国管理局に申請します。
- また、入国管理業務に精通しているとして、地方入国管理局長に認められ承認された行政書士は、入国管理局への申請の取次を行うことができます。つまり申請者(外国人配偶者)及び申請者の代理人(日本人配偶者)は、入国管理局届出済行政書士に、在留資格認定証明書交付申請の業務を依頼することができます。業務を受託した行政書士は、相談、書類の作成・収集・翻訳・認証、地方入国管理局への申請書の提出代行等を行います。
なお、行政書士の業務内容や報酬額等は、それぞれの事務所によって異なりますので、ご相談される行政書士に直接ご確認ください。
在留資格認定証明書の交付を受けるための留意点
- 入国管理局では、二人が実質的に夫婦であり、外国人配偶者が日本で善良な市民として、継続的・安定的な夫婦としての同居生活が送れるか否かを審査し、在留資格認定証明書の交付・不交付の決定をします。各国の婚姻の要件や、二人が婚姻に至った経緯、日本での生活の基盤など、それぞれ異なりますので、各自の事情に合わせて書類の作成・収集をして、入国管理局に申請をすることが望まれます。立証責任は、申請者の側にありますので、その点は充分に留意する必要があります。
- 入国管理局による在留資格認定証明書交付申請に関する審査では、外国人配偶者の身分事項・日本への入国履歴、婚姻に至るプロセス、夫婦が使用する言語、日本での生活基盤などの確認及び調査が行われると思われます。公文書の偽造や公正証書原票不実の記載、偽装結婚など、現実的に起きている問題です。入国管理局の審査は、これらのことを踏まえて、慎重行われています。
- 申請書類の作成や立証資料の提出は、事実に基づき慎重に行うことが大切です。
入国管理局に認められるポイント
入国管理局に、婚姻が真実に基づくものであると認められるポイントしては、下記判例の引用をご参照ください。
(最高裁判所平成11(行ヒ)46)抜粋
・・・「日本人の配偶者等」の在留資格をもって本邦に在留するためには、単にその日本人配偶者との間に法律上の有効な婚姻関係があるだけでは足りず、当該外国人が本邦において行おうとする活動が日本人の配偶者の身分を有する者としての活動に該当することを要するものと解するのが妥当である。日本人の配偶者の身分を有する者としての活動を行おうとする外国人が「日本人の配偶者等」の在留資格を取得することができるものとされているのは、当該外国人が、日本人との間に、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真しな意思をもって共同生活を営むことを本質とする婚姻という特別な身分関係に基づくものと解される。・・・
外国人配偶者を日本に呼寄せ日本で居住するためには
婚姻が適法に成立すれば、外国人配偶者を日本に呼び寄せるため、日本の地方入国管理局に在留許可認定証明書交付申請をします。そして、「日本人の配偶者等」とういう在留資格の認定をしてもらい在留資格認定証明書を交付してもらいます。
在留資格認定証明書交付申請の申請者は外国人配偶者ですが、実際には、日本人配偶者が代理人として申請するか、地方入国管理局に届出をして届出済行政書士として承認された行政書士が、申請取次者として申請することになります。
在留資格認定証明書の交付を受けた外国人は、在外日本国公館で査証(ビザ)を取得し、空港での上陸審査を経て日本に上陸し、日本に居住することができます。在留資格の期間は、1年間か3年間のいずれかですが、最初は1年間になることがほとんどです。在留期間満了日の2ヶ月前から、在留期間の更新を申請することができます。
日本に居住する外国人は、日本に入国してから90日以内に、居住する市区町村役場で外人登録をしなければなりません。外国人登録をすると、外国人登録証明書が発行されます。登録事項に変更があった時は、所定の期間内に変更届を提出する必要がありますので、気をつけてください。
外国人配偶者が、婚姻後継続して3年以上日本に住んでいているか、結婚後3年以上経過し日本に引き続き1年以上住んでいるかのいずれかで、なお且つ最長期間(3年間)の「日本人配偶者等」の在留資格を持っていると、永住許可の申請をすることができます。
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