「・・・よう嬢ちゃんよ、今夜どうだい、コレで?」
 「5万〜?冗談、ゼロがひとつ足りねぇよ。懐具合か男振り、せめてどっちかはまともにしてから出直して来い。」

 何度目の事か、下卑た誘いの声を軽く一蹴する、凛とした声が店内に響いた。女も音楽もない、ただ安酒を呷るだけの場末のバーには、いささか不似合いなほどに玲瓏たる声。私が手元のグラスから視線を上げるのと、男を席に追い返した声の主が苛立たしげに自分のグラスを手に取ったのは、まったく同時だった。

 「・・・ったく、誰が嬢ちゃんだってんだあの酔っ払いが!」

 美貌にそぐわぬ口調で吐き捨てると、麗人はグラスに半分ほど残っていた琥珀色の液体を、一気に飲み干した。容姿とは裏腹な見事な飲みっぷりに、周囲からどよめきが起きたが、彼はそれを道端の小石より無造作に黙殺した。濡れた唇を、親指の腹でぐいと拭う仕草が、また男たちの視線を釘付けにする。

 ・・・繰り返すが、『彼』だ。『彼女』ではない。
 髪が長く、全体的に細身で、繊細な造りの美貌ではあったが、彼は紛れもない男性であった。だが、男ならば男の性欲の対象にはならないと言い切れるほど、ここの連中の性の垣根は頑丈ではない。彼は、両手で余るくらいの回数はこの店を訪れているが、その都度周囲の男たちの粘っこい視線を浴びている。それでも神経質になるでもなく、不味い酒を悠然と楽しんでいるその余裕からして、彼にとってこの程度の色目を使われるのは日常茶飯事であるらしい事が窺い知れた。

 「・・・甲斐、ハーフロック。」

 カラン、とグラスに残った氷を鳴らして、彼が言った。『甲斐』というのが、この店の雇われ店長兼バーテンダーである、私の名だ。

 「今夜はペースが速いのでは?」
 「平気さ、自分の限度は解ってる。第一、安心して前後不覚になれる状況じゃねぇしな。」

 軽く肩を竦める彼の横顔を、くすんだ灯りが照らし出している。黒曜の瞳が艶を帯びて輝くのを、私は失礼に当たらぬ範囲で見つめていた。
 あまり自慢できる事ではないが、この店は酒場としてのランクは高くない。扱う酒も質より量を重視したものだし、集まる客のレベルも言わずもがなである。そんな中に、時折ふらりと紛れ込んでくるこの美貌の少年は、あらゆる意味でこの店には不似合いな客なのだ。若すぎる年齢も、鋭気に満ちた雰囲気も、倦み澱んだ酒場の雰囲気には全くそぐわない。同じ酒を飲むにしても、せめてもう少し小奇麗なバーの方が似合うのではないかと、私がバーテンの分を越えた心配をしてしまうくらいには、彼は変わった客であった。

 (癖のある客に、目をつけられなければいいのだが・・・。)

 ただ見目良いだけなら、それほど心配はしない。だが、彼は・・・・おそらく、男を知っているから。

 彼の周囲に淡く香る、極上の媚薬の如き色香は、ただ顔立ちが整っているというだけで醸し出せるものではない。男に求められ、一度ならずその身を開いた事がなければ、この艶やかさを身につけることは絶対に出来まい。酒場に集まる男たちは、甘い蜜のようなその色香に吸い寄せられて、彼に近寄っていくのである。・・・本人が無意識だから、余計に厄介だ。

 しかし、単なる男娼と彼の間には、なにか決定的な違いがあった。それは、鋭くはあっても決して荒んではいない、彼の瞳のせいかもしれない。私は商売柄、その手の男たちを何人も見て来たが、歪な快楽の虜となった男たちは、揃いも揃ってどろんと濁った眼をしていた。それはまるで、熟しきって枝から落ち、そのままぐずぐずと腐りゆく果実のような、濃密でありながら退廃の匂いを感じさせる眼。ただ肉欲だけに囚われ、やがては襤褸切れのように自分をすり減らして破滅していく人間の姿を、私は何度も見送ってきた。そんな荒れた気配が、彼からは感じられない。

 「お、今日のコレ結構飲みやすいな。」
 「ありがとうございます。氷の削り方を少し変えてみたのですが、お気づきになられたのは貴方が最初です。」
 「あの酔っ払いたちなんぞ、消毒用アルコールで十分だ。どうせ気付きゃしないって。」

 そう言ってからからと笑う彼は、私の目から見ても非常に魅力的だった。健康な精神と匂い立つような艶という相反する要素が、絶妙なバランスで同居している。清艶(せいえん)、という表現が、ふと脳裏を過ぎった。
 どんなに質の良い原石も、乱暴に磨けば力に耐えかねて砕けてしまう。きっと彼を抱いている男は、さぞかし大切に大切に、慈しむように、夜毎この少年を愛しているのだろう。暴力か商売としての性が身近なこの店において、心を交えて丁寧に磨き上げられた彼のような存在は、宝石以上に稀有な存在と言って良かった。

 だが、それだけに、より一層心配が募る。この店にいる男たちの中には、目をつけた獲物は力尽くでものにしようとする、強引な輩も数多いのだから。
 漆黒のジャケットの上からでも見て取れる、彼のほっそりとした肩のラインを見やって、彼が帰るまで何も起こらぬように私が祈った、その時。

 ・・・その願いを一瞬でぶち壊す粗野な声が、店内に響いた。

 「お、なんだぁ?今日は随分なカワイコちゃんがいるじゃねぇかよ。甲斐、紹介しろや。」
 「!」

 仮面のように顔面に貼り付けている笑顔が、一瞬引き攣ってしまった。

 無精髭の浮いたごつい顔を真っ赤に染め、千鳥足でこちらに寄ってくる大柄な男。他の客と乱闘を起こしたり、見目良い客を強引に部屋に連れ込もうとしたりと、何かと問題を起こす札付きの客だ。厄介な男に目をつけられてしまった、と、内心で冷や汗をかく。

 よくよく考えれば、別にこの少年がどうなろうと私には関係ないのだ。この店には、身体を売る相手を探すその手の男女も数多くやって来るし、互いにその気になった行きずりの客同士がそのままホテルへと向かう事も少なくない。薄暗い照明の陰で客が何をしていようが一切関知しない、それが私の――ひいてはこの店の――スタイルだ。したがって、彼がこの男に捕まったところで、店内で暴れられたりしない限りは、私が口を出す筋合いではない。

 ・・・しかし、そういった理屈を承知してはいても、実際に彼がこの野蛮な男の手に陥ちると考えると、生理的な不愉快さを禁じえなかった。

 「この方は店員ではなくお客様です。どうぞ、他をお当たりになってください。」
 「へっ、こんな上玉放っておけってか?そりゃねぇだろ。第一、こんな店にいるって事は、大方ウリの相手でも探してんだろうが。」
 「・・・・・・・。」

 彼を辱めるような下劣な言葉と、しなやかな肢体をねっとりと這うその視線に、思わず眉間に皺が寄りそうになるのをどうにか堪える。が、好色な視線を浴びせられている当の本人はといえば、顔色一つ変えずにグラスの中の酒を舐めていた。視線すら向けず、完璧に無視を決め込むその態度に刺激されたか、男が岩のような手を伸ばして少年の肩を掴む。だが、次の瞬間。

 

 ――バシッ!

 

 「・・・気安く触んないでもらえる?」

 男の手を跳ね除けた右手をそのままに、少年が冷めた声で言った。それまでののんびりとした挙措が嘘のような、目にも止まらぬ鋭い一閃。酒が入っているにもかかわらず、とんでもない速さで繰り出されたそれに、私は一瞬呆気に取られた。
 もっとも、茫然としていたのは手を弾き飛ばされた男も同様だ。どう見ても荒事向きではない、美しい獲物が見せた抵抗に、男はぽかんと口を開けている。だが、何が起きたのかを理解すると、その赤ら顔が酔いではない紅潮で赤みを増した。

 「こっ、このガキ・・・・!!」
 「さっきから言ってるだろ、懐具合か男振りくらいはどうにかしてから来いって。安酒の匂いプンプンさせてるオッサンなんて、暇つぶしでも御免だね。
  ――こう見えても結構美食家なんだよ、俺。」

 艶やかな流し目で男を一瞥し、彼は色を帯びた微笑を唇に湛えた。誘うような目つきで、口にするのは拒絶の言葉。男のあしらいに慣れた娼婦のような手管を見せつけておいて、それでも彼の涼やかさは変わらない。
 完全に遊ばれている事に気づいた男の拳が、力余って微かに震えているのを見て、私は内心はらはらしていた。そんな私の不安は見事的中し、男が乱暴に少年の腕を掴む。咄嗟の制止は怒声にかき消され、男は力任せに少年の腕を引いた。

 「気取ってんじゃねぇ、このクソガキ!一人でこんな店にふらふら来てんだ、どうせ毎日男咥え込んでるんだろうが、ああ!?」
 「お止め下さい!店内で喧嘩は・・・」
 「引っ込んでろ甲斐!!」
 「っ!!」

 振り払われて背後の棚にぶつかりそうになり、危ういところで踏みとどまった。グラスが並ぶ棚に衝突でもしたら、破片の雨を浴びて大惨事になるのは間違いない。男が拳を叩きつけでもしたのか、カウンターの上でガラスが割れる華々しい音がした。
 だが、続いて彼の悲鳴が上がると思った私の予想は、今度は外れた。上がったのは、澄んだ恐怖の悲鳴ではなく、野太い男の驚愕の声だ。

 「・・・が、っ・・・・!?」
 「予想通りに反応してくれるのは見てて楽しいけど、甲斐を巻き込むなよ。荒事慣れしてないのに、可哀想だろうが。」
 「か、可哀想って・・・・。」

 思いもかけない言葉をかけられ、脱力しながら身を起こすと、そこには予想と正反対な光景が展開されていた。腕を捻り上げられ、カウンターに顔面を押し付ける格好で呻いているのは、さっきまで喚いていた男。そして、自分より一回り大柄な男を軽々と捻じ伏せている少年の手には、冷たく光るガラスの破片があった。おそらくは男に叩き割られたグラスの破片だろう。酒の雫を絡みつかせたそれは、ぴたりと男の首筋に押し当てられている。咄嗟に言葉が出ず、虚しく口を開閉していた私は、少年の嘲笑うような声で我に返った。

 「『毎日男咥え込んでる』?ま、否定はしねーけど、俺のセックスライフはあんたにゃ関係ねーだろ。」
 「けっ、淫売が気取ってんじゃねぇや・・・!」
 「人聞き悪い事言うな。淫乱ではあるが売ってはいねぇっつの。」
 「・・・・・・・。」

 そういう否定の仕方もどうなのだろう。
 少しばかり赤面してしまった私の前で、少年はすっと身を伏せた。まるで愛しいものにするような仕草で、男の耳元に唇を寄せる。頚動脈の真上から全く動かないガラスの刃とは裏腹に、ひどく穏やかな仕草。そのアンバランスさが、見ている方としてはかえって恐ろしい。

 「そりゃあ確かに、俺はやらしー事大好きだけどな?でも、わざわざその都度相手探さなくたって、満足させてくれるヤツはちゃんと捕まえてあるんだよ。見た目も中身も、ついでにテクも極上のをな。
  ――だから・・・・・」

 

 ――つう、と。

 

 「・・・別にアンタなんか相手にしなくても、飢えはしねーよ。」

 

 ――からかうように、嘲るように、肌の上を滑る破片。

 

 「お、お客様・・・!」
 「んー?」

 片眉だけを上げ、彼は薄い笑みを湛えて私を一瞥する。その瞳の奥に、氷のような冷たい光がちらついているのを見て取り、私の背筋に冷や汗が伝った。
 遊んでいるような言動ではあるが、彼は少なからず気分を損ねている。うっかりすると、手にした刃をそのまま引きかねない。と、一触即発の危うい気配に青ざめていた私に気づいたか、彼は不意にふっと笑って、男の腕を解放した。途端、男は弾かれたようにカウンターから跳ね起き、よろめきながら数歩距離をとる。獲物としか思っていなかった少年に逆にあっさりとあしらわれてしまった事に、ショックを受けたような顔をしているのが少々可笑しくて、私は緊張しながらも思わず失笑しそうになった。

 だが、その驚愕は、男の征服欲に完全に火をつけてしまったようだ。喧嘩慣れしているこの少年を力づくでねじ伏せ、その肢体を暴いてやりたいという欲求に、男の目は脂ぎった光を湛えている。先ほどまでの遊び半分な戯れとは違う、暴力をも辞さない本気の欲望をそこに見て取って、私は立ち竦んだ。今の一瞬の立ち回りを見れば、少年が見た目以上に荒事に慣れていることは解るが、筋骨隆々とした大柄な男と取っ組み合いをやって勝てるとは思えない。ボディーガードを雇う余裕もない貧乏バーの店長である事を、今日ほど悔やんだことはなかった。

 助け舟を出せない事に焦りつつ少年を見やると、彼は余裕の表情を崩さぬままに男を見ている。カウンターに軽く凭れ、微かに首を傾げて男を見つめていた少年は、形の良い唇におかしげな笑みを溜めた。

 「怖い目ぇしてんなー・・・そんなに、俺とヤリたいわけ?」
 「お前『と』、じゃねぇな。・・・・お前『を』、だ。」
 「おや残念。俺、一方的に鳴かされるのって、シュミじゃないんだよねぇ。」
 「お前のシュミなんぞ知ったことか。俺のものにする・・・・力尽くでもな。」

 獣のように唸った男が、少年に掴みかかろうとする。だが、その出鼻を挫くように、少年がすらりと何かを取り出した。武器の類かと思ったらしく、男がはっとしたように動きを止めた――が。

 「・・・コイン?」
 「その通り。」

 白い二本の指に挟まれているのは、にぶい金色に輝くコインだった。やや大きめのそれを、悪戯っぽい仕草で唇に当て、少年は瞳だけでゆるりと笑う。

 「別に、俺は喧嘩で勝負してもいいんだけど、店の中でこれ以上暴れっと甲斐に迷惑かかるしな。ひとつ、こいつで運試しといかないか?」
 「何?」

 ぴん、と。しなやかな指先が、澄んだ音を立ててコインを弾く。宙に舞った金色のコインを掌で受け止めて、彼は挑発するような流し目をくれた。

 「表が出たら、アンタは二度と俺の前に顔を出さない。ついでに、俺が飲んだ分の飲み代を支払う。どうだ?」
 「・・・裏が出たら?」
 「今夜一晩、俺をアンタの好きにしていいぜ。」
 「!!」

 私は呆気にとられた。二分の一の確率に自分の身の安全を賭けるなど、随分と危うい賭けである。しかも、彼は続けて、「公正を期して、コインは甲斐に投げてもらうって事でどうだ?」等と言い出し、私の心臓に多大なるダメージを与えてくれた。

 「ちょ、ちょっとお待ち下さい。私はそのような・・・・」
 「まぁ、いいからいいから。爪で弾いて手の甲で受け止めるだけだもん、簡単だろ?俺がやったんじゃ、イカサマしたんじゃないかっていちゃもんつけられそーだから。」
 「当然だ。本当に、裏が出たら俺のものになるんだな?」
 「言っとくが、一晩限定だぞ。・・・・・ただし・・・・。」

 今夜中なら、何したっていいぜ。
 艶を帯びた瞳を揺らめかせて、彼が低く潜めた声でそう囁けば、男はぎらりと双眸を光らせる。優美な獣を思わせるしなやかな身体のラインを、欲望丸出しの舐めるような視線でじっくりと眺めると、男は「いいだろう」と頷いた。勝てば魅力的な景品が手に入るし、負けたところでこの少年の飲み代くらいなら大した損害にはならないだろうと踏んでいるのは明らかだ。分の良い賭けだ、と内心でにやついているのが一目で解る。

 「決まりだな。・・・・甲斐!」
 「わっ!」

 放物線を描いて飛んできたコインを、咄嗟に受け止める。ひやりと冷たいその感触に、私は小さく息を呑んだ。
 たかがコイン、されどコイン。こんなちっぽけな金属の塊に、今夜の彼の命運が託されている。そう思うと、とてもではないが気軽には投げられない。

 だが、マジシャンでもない私には、当然ながらコインの表裏を左右する技術などないのだから、気軽にだろうが気重にだろうが、結局は普通に投げるしかないのだ。彼に味方してはやれない事に一抹の申し訳なさを感じながら、私はためらいがちにコインを爪の上に乗せた。

 「・・・本当に、いいんですね?」
 「うだうだ言ってないで、さっさとやれ!」
 「いいよー。ぽーんと気軽にやっちゃって。」
 「・・・では。」

 ひとつ、深呼吸をする。
 思い切ってコインを弾き上げた瞬間、私は無意識のうちに目を閉じていた。

 

 ――ピンッ・・・・。

 

 澄んだ音を立てて、金色のコインが宙を舞う。
 重力に捉えられて上昇を止めた刹那、それはくすんだライトを受けて、不思議なほど綺麗に輝いた。 

 ・・・そして。

 

 ――パシッ。

 

 落ちてきたコインを、我ながら危なっかしい手つきで受け止めると、男は期待に満ちた顔でこちらを覗き込む。右の手の甲と左の掌の間に感じる硬い感触に、私はごくりと唾を飲んだ。

 「さぁ〜て、どっちかな?開けろよ、甲斐。」
 「・・・・・・・・。」

 どうか、表であって欲しい。
 信じてもいない神に祈りを捧げつつ、恐る恐る私が掌を外すと――そこには。

 「お、表!?」
 「はい、残念でしたー。」

 悔しそうに歯軋りする男に、少年が可笑しそうに言う。私の手の甲の上で輝くコインは、見間違いようもなく、はっきりと表を向いていて、私は思わず安堵のため息をついてしまった。神様ありがとう、と、この場限りの感謝の言葉を呟きそうになっていると、探るようにこちらを見ている少年とふと目が合う。皮肉っぽい風にでもなく、くすりと綺麗に笑った彼の表情からして、どうやら私の内心は見透かされていたようだ。バーテンダーの分を越えた思い入れを見て取られた事に少々照れくさい思いをしながら曖昧な微笑を向けると、彼は笑みを深めて「サンクス」と囁いた。透明なその視線が、するりと流される。

 「土壇場での運も引き寄せられないようじゃ、付き合ってやる価値もねーな。今夜の相手は、他を当たってくれや。
  ・・・っつーわけで甲斐ー、俺の分の請求書、コイツに回しといてなー♪」
 「は、はい。かしこまりました。」
 「・・・っの、待て!!」

 気が済むまで遊び終わった子供のような表情で、少年が踵を返す。その肩を、背後から手を伸ばした男が、往生際悪く再び掴もうとした、その時。

 

 ・・・突然傍らから伸びてきた手が、無遠慮なその腕を無造作に捻り上げた。

 

 

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