2000年6月6日観ダンス
「Rambert Dance Company」 in Sadler's Wells
ダンスカンパニー解説はこちら

作品紹介:春恒例のロンドンツアーのプログラム2。トリプルビルで「Beach Birds」choreographed by Merce Cunningham,「Pierrot Lunaire」chorepgraphed by Glen Tetley,「Meeting Point」choreographed by Christopher Bruceの3本。

「Beach Birds」-マース・カニングハム振付-
(マース・カニングハムに関してはこちら)
モダンダンス界の巨匠マース・カニングハムが1991年に振付けた比較的新しい作品(彼は81歳なのです)
タイトルの「Beach Birds」のとおり、海岸で戯れる海鳥を描いている。しかし、カニングハムはこの作品で海鳥だけではなく、海岸にいる人間また海岸そのものも表すことを試みた。海鳥をイメージした衣装もおもしろい。内容も動きもよかった。特にカニングハム特有の複雑なフロワーパターンや高い能力を必要とする様様な動きにはやはり脱帽。また静と動の対象的となる動きの組み合わせ、また繋ぎもよかった。ダンサーの間に特有の空間というか雰囲気を見ることができた。導入部分に静の動きを入れすぎると観客が飽きやすくなるが、それも無く、非常にうまく次につなげていた。長きに渡ってダンス界を支えてきただけのことはある。しかし全体を通してみると、長すぎた感が拭えない。先に述べたように動きは素晴らしいし、フロワーパターンや空間の使い方は絶品なのにあまり心に残らないのはただ一点この点にある。もう少し短ければ好きな作品になったのだが、この長さは辛かった。

「Perrot Lunaire」−グレン・テレリー振付-
(グレン・テレリーに関してはこちら)
先日のプログラム1でも作品を上演したグレン・テレリーの代表作「Perrot Lunaire」である。実はこの作品には苦いというか辛い思い出がある。大学二年(※3年制)の「ダンス分析」の授業で取り扱った作品なのである。かなりテーマ性のある作品な上、ブラックな面が強いので大変だった。(英語だったし・・・)と私事は置いておいて作品についてみましょう。1962年の作品。ランベルトが初上演したのは1967年。ちょうどコンテンポラリーに本格的に移行し始めた時期である。この時主役のピエロを演じたのは現在芸術監督&振付家として活躍中のクリストファー・ブルースである。登場するのはたった3人(体?)のダンサーたち。ピエロ、バレリーナそして力強い男性(うまい表現が今見つからないので・・・すみません・・)イメージとしては有名なバレエリュッスの「ペトルーシュカ」の3体の人形だろうか。ピエロのソロから始まるこの舞台は、コンテンポラリーよりもバレエ色が強い。パントマイムも多様していてわかりやすいと言えばわかりやすい。しかし、根底にあるものを感じるのは難しいかもしれない。演劇要素も強いため、3人のダンサーたちにはバレエのテクニックだけでなく、表情表現も必要となってくる。この点に関しては非常にうまくみせてくれた。特にピエロが持つ悲哀はこちらが切なくなる程であった。道化としての”楽”や”喜”としての表現との対照が更にそれを増させた。バレリーナも最初の登場では無垢な存在というイメージを観客に持たせるにも関わらず、徐々に女としてのずる賢さ(これは女の性を使って、という意味)をもつ魔性の女といったものに変っていく。この変化をうまく表現していた。とにかくひとつひとつの動き、また表現がよかった。しかし全体を通してみるとやはり古い作品であるせいか、コンテンポラリーとバレエの中間にあるはっきりしない作品であると私は感じた。

「Meeting Point」−クリストファー・ブルース振付-
(クリストファー・ブルースに関してはこちら)
素晴らしい!感動!なんであんな振付できるんですか?どこから想像するんですか??あの動きは一体?!はー、素晴らしいわー。な作品であった。もう感動しまくりで、途中で泣くかと思いました。終わった後は放心状態。クリストファー・ブルース最高です。って先に感情のままに感想を書いてしまいました・・・。失礼。
1995年にサンフランシスコでプレミア上演された作品。上記に書いた「Perrot Lunaire」のような明確なストーリー性はないが、舞台は「舞踏会」である。といっても衣装が派手ということはない。最初は男も女もタキシード(正確には違いますが)着込み、気取っている。この衣装がまたよい。かっこよさとどことなくかわいらしさを観客に植え付けた。動きもフロワーパターンも本当に素晴らしい。特に複雑なフロワーパターンには脱帽。12人のダンサーが入れ替わり立ち代り踊るのだが、その人数を感じさせず、まただからといっても舞台が狭く見えることなど皆無だ。長さもほとんど感じられない。とにかく観ているものを楽しませてくれる作品。ブルース特有のコミカルな動きも健在だ。ビデオ等が出ていないのが本当に残念でならない。ブルースの作品としては「Swan Song 」に続く大好きな作品となった。本当に本当にクリストファー・ブルースの作品好きですわ〜。うっとり。このままじゃ一番好きなイリ・キリアンを抜かしてしまうかもっっ!


2000年6月3日観ダンス
「Rambert Dance Company」 in Sadler's Wells

ダンスカンパニー解説芸術監督兼振付家のクリストファー・ブルース率いるイギリスでもっとも有名で人気の高いコンテンポラリーダンスカンパニー。ロイヤルバレエとほぼ同じ時期に創立。1926年から1966年まではバレエカンパニーだったが1966年からコンテンポラリーカンパニーに移行。少数気鋭のダンサー達の技量はとてつもなく高い。日本には来日したことがないのが非常に残念である。ちなみにイギリスでは颯也の一番お気に入りのカンパニー。クリストファー・ブルース及びダンスカンパニーに関する詳細はこちら。

作品紹介:春恒例のロンドンツアー。3日に観たのは2つあるプログラムの一番目。トリプルビルである。作品は「Embrace Tiger and Return to Mountain」 choreographed by Glen Tetley, 「Four Scenes」 choreographed by Christopher Bruce, 「Chost Dances」 choreographed by Christopher Bruceの三本。

「Embrace Tiger and Return to Mountain」−グレン・テトリー振付
(グレン・テトリーについてはこちら)
1968年に振付られた作品。ちょうどランベルトダンスカンパニー(当時はランベルトバレエ)がコンテンポラリーに移行していた時期と重なる。太極拳の37の動きをモチーフに振付けられた作品である。これは面白い試みであったが、太極拳のシーンが長すぎた。あの空間を表す、そして自分で呼吸を感じるあの動きを舞台でやり、観客に飽きさせずみせるのはかなりの技量が必要だ。確かにグレン・テトリーも優れた振付家であるのだが、時間配分をもう少し考えるべきだったように思う。後半部分に動きが速くなったところはよかった。しかし、この要素をもっと全体に組み込んでみてもよかったと思う。早い動きとゆっくりな動きを完全に分けるのではなく、それを組み合わせることで更に両方の要素を更に際立たせることができたのではないだろうか?動きは太極拳とバレエをミックスしたようなものだった。まだまだバレエの要素がしっかり入っていた。まだ完全にバレエから抜け出ていないといったところ。コンテンポラリーとしては実験的な作品のように感じた。

「Four Scenes」−クリストファー・ブルース振付(クリストファー・ブルースに関してはこちら)
1998年秋に発表。ランベルトダンスカンパニーの芸術監督兼振付家のクリストファー・ブルースの比較的新しい作品である。題の「4シーン」には色々な意味が含まれているのだろう。しかし、最大の主題は「人の一生」である。子供時代から死に至るまでをテンポよく、時には笑わせながら見せてくれた。また、この作品では大きな布が使われている(最初ここから4人のダンサーが生まれる(起きる?)ところからはじまる)。これがまた非常に効果的に使われていた。時には子供の遊び道具として、時には死を象徴する道具として。下手をすると動き、更に悪く言えば作品自体を邪魔するものとして使われやすい小道具を見事に使いこなしていた。動きももちろんよかった。高い技量が必要となる動きを踊りだけでなく、高い演技力も加えてにみせてくれたダンサーたち、そして数々の素晴らしい動きを作り上げたクリストファー・ブルースには脱帽。フロワーパターンも絶妙であった。本当に彼の作品好きです。私。

「Ghost Dance」−クリストファー・ブルース振付(クリストファー・ブルースに関してはこちら)
初めて見る人は、幕が上がった瞬間、骸骨のマスクを被った3人の不気味なゴーストたちに驚かされることだろう。南アメリカの音楽をふんだんに使っていることから分かるようにこの作品の舞台は南アメリカである。1981年に振付けられたこの作品についてブルースは「スペイン侵攻から長年虐げられてきた純粋な心を持つ南アメリカの人々を扱っている」と述べている。しかし、この作品からはスペイン侵攻と言うよりも当時の南アメリカ情勢批判を色濃く見ることができる。戦後のラテン・アメリカの人々は革命、軍事政権、独裁、アメリカの支配など様様な政治的圧迫を受けることを余儀なくさせられていた。特にチリでは数万人の市民に対する投獄、処刑も強行されていた。ブルースはこのような事実を辛辣に受け止め、そして作品を作りあげていったのである。
最初に述べた3人の骸骨以外に舞台に出るのは男女合わせて8人のゴーストたち。彼らは親子であったり、恋人であったり、普通の市民を象徴している。恋人たちが幸せに踊っているところに骸骨の手が伸び彼らはまた死体へと戻っていく。骸骨があらわすのは政府であり、圧制でありまた処刑なのであろう。楽しく手を取り合い踊り、しかしそれが徐々にスピードを増し、狂ったように踊りだす8人のゴーストたち。動きもフロワーパターンもまたダンサーの演技も素晴らしい。だからこそこの作品の深さが増しているのであろう。もう20年近く前に振付けられたとは到底信じられない。今も色あせず、たびたび公演されている、ランベルトダンスカンパニーそしてクリストファー・ブルースの最高傑作のひとつである。
繰り返すことになりますが、本当に好きだわ-。クリストファー・ブルース!しかもいつもはカーテンコールでも出てきてくれない彼が今晩に限って出てきてくれました!美形でかっこいいんですよ!幸せ。

今日は調子にのって買い物しすぎてしまいました・・・・。ランベルトのポスター(歴史付き)にフランクフルトバレエのポスター(まさか手に入るとは思っていなかったのでもの凄く嬉しい!ウィリアム・フォーサイス!!)そしてゴーストダンスのCD。買っちゃったよ。多分来週プログラム2を見る時Tシャツ買っちゃうんだろうなぁ・・・。お金ないのに・・・。


2000年5月29日観劇
「Millennium Show」 in Millennium Dome

作品解説2000年1月1日に一年間の期間限定でオープンした「ミレニアムドーム」の一番目玉のショウである。サーカスさながらの大掛かりな空中ショウだ。
ダンス、アクロバット、パントマイムまた、大掛かりな装置の数々で観客をこれでもかと楽しませてくれる。内容は「地球人と天空人の恋に二つの種族の戦いが加り、二人は引き離される。しかし最後はわかりあい、Happy!」という実に単純明快な物。(もっと深いテーマもありますが・・・)子供から大人まで十分に楽しめる。

観劇記
行ってきました!税金の無駄遣いと名高い「ミレニアムドーム」へ。特に行きたいとは思っていなかっただが、学校の卒業生で、同居人の友人がこのショウに出演しているということでそれを目当てに同居人+1人(彼も元同居人だ。ちなみに彼はウエストエンドのシカゴ出演中)とドームへと向かったのだった。思いのほかドームが大きく驚いた。内容も充実していたし、行って見る価値はありかな。ショウ以外は80年代に日本で数多く催された博覧会と似ている。はっきり言って日本の博覧会の方がレベルが上だなぁと感じた。それとも年を取ってきた事で感動が薄れたからだろうか?(それは嫌だなぁ・・・・)

前書きが長くなった。ショウは一日3回ある。私たちは2回目と3回目を見た。内容は一緒なのだが、ビジュアル的に昼と夜では全く違う!ご存知のとおりドームはテントだ。昼だと太陽光がしっかり入り、照明の効果が見られないのだ。かなり大掛かりでしっかりとしている照明なのにもったいない。なので、これから観にいく方は是非是非夜の部を見てください!遅くなっちゃうけど、その価値ありです。
踊りははっきり言って駄目。ファンキー系の踊りが多かったけど、ダンサーの実力もいまいちだったし、あんまりまとまっていなかった。振付もなんだかなぁである。しかし、アクロバット&空中ブランコ等の空中でのパフォーマンスが素晴らしかった。はるか上空で踊るデュエットにはうっとり。サーカスでよくある空中ブランコではなく、宙吊りになったまま、演じ踊るのだ。周りのアンサンブルもしっかりとトレーニングをしていて、「そこでそんなことしますか?あなたたち一体どんな体しているんですか?」と問いたくなってしまった。とにかく素晴らしかった。(ちなみに卒業生はこの空中アクロをやっている。いやー、凄かったよ。彼も。)しかし惜しまれるのはエンディングだ。実に中途半端な終わり方なのだ。出演者のお辞儀で「え?これがエンディングなんですか?」と気付かされる始末・・・。うーん、これさえクリアすれば100点近い点数上げられるんだけど・・・(あ、でもダンスがだめか・・・)。75点ぐらいかな・・・。照明、装置、衣装も目を見張るものがある。今年中にロンドンに遊びに行く人は是非行ってみてください。(ちょっと入場料高いけど・・・)

 


2000年5月25日観劇
「Buddy−バディ-」

作品解説: 50年代の伝記的ロックスター「バディ・ホリー」の伝記ミュージカル。1989年10月にウエストエンドのヴィクトリアパレス劇場にて開幕。現在11年目を迎えるロングランミュージカルである。詳細解説はこちら

観劇記
本当は「ママ・ミア」を観る予定だったのだが、チケットが完売で急遽こちらへ。バディは比較的チケットが取りやすく、また開演時間が他のミュージカルと違い少し遅いので、どのチケットも取れなかったらこのチケット獲得を試す価値はある。

バディを観るのはこれで二回目だ。といっても初めてみたのは4年前だったので新鮮な気持ちで楽しめた。(英語力も上達したことだし)伝記ミュージカルなのだが、ロックスターの伝記ということで全面に押し出されるのは音楽!歌!ロック!!なので英語が分からなくてもかなり楽しめる!音楽も曲名は知らずとも聞きなれた歌ばかりなので飽きることはない。特に私のお母さんの年代にはたまらないんじゃないだろうか。もちろん私たちでも十分に楽しめることは間違いない。
ただ残念だったのは席が二階席の中央だったことだ。なぜならこのミュージカルの醍醐味は最後のコンサートシーンで立ってクラブさながら踊りまくるということにあるからだ。(もちろんミュージカルそのものを楽しむけど)一階席だったら踊れたんだけど、二階席は立つことを禁止されていてできなかった・・・・。あーあ残念。なので、4年前に観た時ほど楽しくなかったのが本音である。4年前は一人で見ていたのにもかかわらず、踊ったんだけどなぁ。
あとちょっと気になったのが一幕での歌の数々。悪くは無いんだけど、声が小さいし、かすれていた。二幕では素晴らしかったので、マイクの調整をしっかりし直して、立ち直ったのだろうか?全体的には70点ってところかな。