| ■スパーク法とは 一言でいえば、スパーク発想法とは、視点を変えてアイデアを出す発想法である。略してスパーク法と言う。 通常われわれは、テーマから直接アイデアを出そうとする。しかし、なかなか出てこない。出ても常識程度のものが1つか2つである。 すぐに発想の壁にぶつかり、うんうん考え込むことになる。 では、どうすればアイデアが出るか。 ヒントがあれば出る。ニュートンがリンゴをヒントに閃いたように、あるいはワットがやかんを見て閃いたように、アイデアはヒントがあれば出る。 そのヒントは、視点を決めるか変えるかすれば得られる。ニュートンは、庭あるいはりんごの木に視点を変えることで、 りんごが落ちるというヒントを得た(そして閃いた)。 以上をまとめると、視点を変えることでヒントが得られアイデアが出る。
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| ■スパーク法の進め方(事例) ある講習会でのこと。参加者は全員はじめての参加で見知らぬ者同士。そのせいかどこか堅苦しい雰囲気が漂っている。 講師は、その堅苦しい雰囲気をやわらげようとさかんにジョークを飛ばすが、なかなか打ち解けない。 カラ振りのジョークがむなしくひびき、講師は冷や汗をかくばかり……。 このような場合、どうすればよいか。いいアイデアはないか。講師になったつもりで少し考えていただきたい。 テーマから直接(思いつきで)アイデアを出そうとしても、なかなか出てこない。そこでスパーク法である。 このケースの場合、うまく行かないのは講師がジョークを飛ばすことばかり考えているからである。講師は、自分のことや自分が何かすることしか考えていない。つまり、視点が固定している。では、どうすればよいか。 視転する(視点を変える)とよい。視点を自分つまり講師や話す方から、相手つまり参加者や聞く方に移せばよい。そして相手の立場に立って考える。 「相手視点」である。 参加者がどう思っているかを参加者になりきって考えてみる(イメージする)。 そうするとたとえば、「ジョークは面白いが、知らない人ばかりの中では笑いにくい」「隣の人はどこの人だろう」……となる。 こうして参加者の立場に立って考えると、「お互いが初顔であることが気になっている」ことがわかる。 これをヒントとして書く。 すると、「ならば、まず自己紹介しあえばよい」とアイデアが出てくる。人数が多い場合は、となり同士だけでも自己紹介しあう。 そうすれば、どのような人が参加しているかわかる。わかれば安心できる。 また、話すことで緊張もほぐれる。実際このアイデアでうまくいった。 以上をスパーク法の流れで示すと、次のようになる。 @ テ ー マ … 講習会の堅苦しい雰囲気をやわらげる A 視 点 … 相手視点。相手(参加者)の立場で考える B ヒ ン ト … お互いが初顔であることが気になっている C アイデア … まず、となり同士で自己紹介しあう スパーク法の流れを一般的に示すと、次のようになる。 @ テーマ … テーマ【目標・問題】を設定する。書く A 視 点 … 視点を決める、または変える B ヒント … イメージ(ヒント)が浮かぶ。書く C アイデア … ヒントをもとにアイデアを出す。書く ■スパーク法の視点 以上見てきたように、視点を決めるあるいは変えることでヒントが得られアイデアが出る。 上の例では視点を相手の立場(相手視点)に置いたが、別の視点に変えると、それに応じて違った(新しい)ヒントやアイデアが得られる。 こうして次々に視点を変えることにより、さまざまなアイデアを出すことができる。 実際に発想する場合は、テーマや状況に応じて必要な視点を選んで使う。 スパーク法の視点は6視点あり、大きく基本視点と広角視点に分けられる。次の通りである。 ●基本視点 … @状況視点 Aヒト視点 ●広角視点 … B理想視点 C変換視点 D客観視点 E他力視点 6視点を覚える場合、次のように手の指に対応させると覚えやすい。 @状況視点 親指 最も基本となる視点なので親指 Aヒト視点 人差し指 ヒトだから文字通り人差し指 B理想視点 中指 中指は一番高い指、高い理想を掲げる C変換視点 薬指 変換したことを薬(ヒント)にする D客観視点 小指 小指的存在(親しい人)の意見を聞く E他力視点 対応外 他の力を借りるので指に対応しない なお、前出の相手視点はヒト視点に含まれる。スパーク法の詳細は次の本をどうぞ。「1枚のシートでササッとアイデアが出る!技術」 |
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■スパーク法の特徴と留意点 ●視点を変え柔軟に発想する スパーク法の一番の特徴は、視点をさまざま変え柔軟に発想することである。 通常の発想(思いつきや知識の再生)では平凡で常識的なアイデアしか出ない。スパーク法は多面的に発想する、 つまり四方八方からテーマに光を当てることにより多種多様なアイデアが得られ、その中から優れたアイデアが出てくる。 また、多面的に発想することでテーマの全体像や本質が見えてくる。そして、全体の位置付けや相互の関係、優先度や重要度などもわかってくる。 また、重要なポイントや基本的な真理をえぐり出してくれることもよくある。 さらには、多面的に発想することで考えの抜けやチェック漏れを防ぐことができる。 あるいは、忘れていたアイデアや見落としていたポイントを発見することができる。 スパーク法はテーマや状況に応じて視点を自由に選択できるので、あらゆるテーマやケースに使える。また、手順化されているので誰でもどこでも使える。 ●ヒントもアイデアも書き出す 技術的なことで言えば、ヒントを書き出すことが、スパーク法の大きな特徴である。アイデアはヒントがあって出る。 アイデアが出るかどうかはヒントをいかに書き出すかで決まる。 見聞きしたこと、考えたこと・イメージしたことは、平凡でも、常識的でも、些細でも、分かりきっていても、すべてヒント欄に書き出す。 そのまま(素直に、ありのままに)書く。いわばイメージを直訳する。 頭の中を実況中継する。図やイラストなどを活用する。 ヒントと同様アイデアも、平凡でもバカげていても頭に浮かんだことはすべて書き出す。判断や選択は後からすればよい。 書き出さないと、その考えに囚われ頭の画面が切り替わらない(次のアイデアが出ない)。 また、愚案でも珍案でも書き出せば、それがヒントになり新しいアイデアが出る。手を動かすと頭の働きもよくなる。 45才の管理職の技術者は、はじめはただ腕を組み考え込んでいたのでアイデアがほとんど出なかった。 そこで、平凡でもいいからすべて書き出すようにアドバイスしたところ、せきを切ったようにヒントやアイデアが出はじめた。 その中には優れたアイデアも含まれていた。 ヒントやアイデアがなかったのではなく、書き出さなかっただけである。 なお、ヒントもアイデアも図などを入れできるだけ具体的に書く。具体的でないとイメージが広がらないしアイデアが出にくい。 抽象的な場合は、一つでも具体例や具体的方法を付加する。 書くにあたっては手書きがよい。イメージの流れを停滞させることなくすらすら書けるからである。パソコンはダメ。 画面の広さに制約があるし、図や矢印などが非常に書きにくく、イメージや発想が中断される。 |