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柔軟に視点を変え創造的アイデアを生み出す
スパーク


スパーク法とは

 一言でいえば、スパーク法とは、
視点を変えてアイデアを出す発想法である。

 通常われわれは、テーマから直接アイデアを出そうとする。しかし、なかなか出て
 こない。出ても常識程度で、すぐに発想の壁にぶつかり、うんうん考え込むことに
 なる。

 では、どうすればアイデアが出るか。

 ヒントがあれば出る。ニュートンがリンゴをヒントに閃いたように、あるいはワ
 ットがやかんを見て閃いたように、アイデアはヒントがあれば出る。

 そのヒントは、視点を決めるか変えるかすれば得られる。ニュートンは、庭あるい
 はりんごの木に視点を変えることで、りんごが落ちるというヒントを得た(そして
 閃いた)。

 以上をまとめると、視点を変えることによりヒントが得られアイデアが出る
 つまり、テーマを設定したなら、視点を決めるか変えるかする。すると、ヒントが
 得られアイデアが出る。アイデアが出る仕組みは、たったこれだけのことである。

 この流れをまとめると、「テーマ→視点→ヒント→アイデア」となる。この流れが
 下に示したスパーク発想法(略称スパーク法)の基本形(4つのステップ)である。

 
スパーク法の進め方(事例)


 ある講習会でのこと。参加者は全員はじめての参加で見知らぬ者同士。そのせいか
 どこか堅苦しい雰囲気が漂っている。講師は、その堅苦しい雰囲気をやわらげよう
 とさかんにジョークを飛ばすが、なかなか打ち解けない。カラ振りのジョークがむ
 なしくひびき、講師は冷や汗をかくばかり……。

 このような場合、どうすればよいか。いいアイデアはないか。講師になったつもり
 で少し考えていただきたい。

 テーマから直接(思いつきで)アイデアを出そうとしても、なかなか出てこない。
 そこでスパーク法である。
 
 このケースの場合、うまく行かないのは講師がジョークを飛ばすことばかり考えて
 いるからである。講師は、自分のことや自分が何かすることしか考えていない。つ
 まり、視点が固定している。では、どうすればよいか。

 視転する(視点を変える)とよい。視点を自分つまり講師や話す方から、相手つま
 り参加者や聞く方に移せばよい。そして相手の立場に立って考える。「相手発想」
 である。参加者がどう思っているかを参加者になりきって考えてみる(イメージす
 る)。

 そうするとたとえば、「ジョークは面白いが、知らない人ばかりの中では笑いにく
 い」「隣の人はどこの人だろう」……となる。こうして参加者の立場に立って考え
 ると、「お互いが初顔であることが気になっている」ことがわかる。これがヒント
 になる。

 ならば、まず自己紹介しあえばよい。人数が多い場合は、となり同士だけでも自己
 紹介しあう。そうすれば、どのような人が参加しているかわかる。わかれば安心で
 きる。また、話すことで緊張もほぐれる。アイデアが出た。(実際このアイデアで
 うまくいった)。

 以上をスパーク法の流れで示すと、次のようになる。

   @ テ ー マ … 講習会の堅苦しい雰囲気をやわらげる
   A 視  点 … 相手発想。相手(参加者)の立場で考える  
   B ヒ ン ト … お互いが初顔であることが気になっている  
   C アイデア … まず、となり同士で自己紹介しあう

 スパーク法の流れを一般的に示すと、次のようになる。

   @ テーマ  … テーマ【目標・問題】を設定する
   A 視 点  … 視点を決めるまたは変える  
   B ヒント  … イメージ(ヒント)が浮かぶ   
   C アイデア … ヒントをもとにアイデアを出す

スパーク法の視点【技法】

 以上見てきたように、視点を決めるあるいは変えることでヒントが得られアイデア
 が出る。

 上の例では視点【技法】を相手の立場【相手発想】に置いたが、別の視点【技法】
 に変えると、それに応じて違った(新しい)ヒントやアイデアが得られる。こうし
 て次々に視点【技法】を変えることにより、さまざまなアイデアを出すことができ
 る。

 実際に発想する場合は、テーマや状況に応じて必要な視点【技法】を選んで使う。
 通常は10程度の視点【技法】で発想する。簡易的には5程度でよい。
 
 なお、視点【技法】という書き方をしているのは、スムースにアイデアを得るため
 に、「テーマ→視点→ヒント→アイデア」の過程で工夫やノウハウを加えている、
 つまり技法化しているからである。先の事例で言えば、「相手の立場」というとき
 は視点をさし、「相手発想」というときは技法(過程全体)をさす。

 スパーク法の視点【技法】は、大きく「基本の5指」と「サブ7」に分けられる。
 詳しくは、下方のスパーク法の視点【技法】一覧表を見ていただきたい。

 「基本の5指」とは、最も効果のある5つの視点【技法】である。この5つの視点
 【技法】
で必要とするアイデアの8割が得られる。したがって、最低限「基本の5
 指」
だけでも覚えるとよい。次のように、手の指に対応すると覚えやすい。

 基本の5指

   @状況把握   親指
   A相手発想  … 人差し指
   Bヒト変換   中指
   Cケース変換  薬指
   D自由発想  … 小指

 「サブ7」には、「楽々プラス」と「間々比全(かんかんひぜん)」がある。
 「楽々プラス」は、Eの「楽に」、Fの「楽しく」、Gの「プラス」から取ってい
 る。間々比全」は、Hの「間接」、Iの「三間」、Jの「比較」、Kの「全体」
 から取っている。

 これらの12の視点【技法】がスパーク法の中核をなすが、これらのほか、「休離
 の原理」と「その他の効果」がある。詳しくは、「画期的成果が上がった!」を参
 照されたし。



スパーク法 視点【技法】一覧表

■基本の5指

 @状況把握  状況を正確かつ具体的に調査・把握する。図解するとわかりやすい
 A相手発想  相手の立場に立ち、相手になりきってその状況や気持ちをつかむ
 Bヒト変換  他の人に置き換え、その考え方、言動、性格などから知恵を拝借する
 Cケース変換 テーマや対象に似たケースにたとえて(置き換えて)考える
 D自由発想 
    理想法  望ましい状態を具体的に考える。「どんな状態になればよいか」と問う
   型破り法 思い切り発想を飛ばす。常識や今までの考え方を破って考える

サブ7楽々プラス)


 E三楽方式  先楽 楽にできることや簡単にできるところから先に手をつける
        分楽 いくつかの部分に分ける。何回かに分ける。何人かに分担する
        減楽 状況や能力に応じて、分量や対象を減らす。気持ちも楽になる
 F面白発想  楽しくする。面白くする。趣向や演出を加える。ゲーム化する
 Gプラス転換 逆手に取る。マイナスをプラスに転換する。プラス面を見つけ活かす

サブ7(間々比全)


 H間接発想  直接ではなくワンクッション置く。間接的にやる。仲介する
 I三間拡大  空間 空間的に拡大する。地域を広げる。場所や会場を変える
        時間 時間的に拡大する。過去や将来に目を向ける。長期的に考える
        人間 人間的に拡大する。他の人に目を向ける。周囲の協力を得る
 J比較発想  似たもの同士、または対照的なもの同士を挙げ、比較して考える
 K体発想  その部分だけではなく全体を見る。森を見る。システム的に考える

■休離の原理

 休離の効果 居眠り効果 保留効果 一度待つの法則 二分法 一泊二日の発想
 やりかけ方式 Nの法則 二度目効果 突っ返し効果

■その他の効果

 参加効果 試し効果 視覚効果 おとり効果 接点着眼 シンプル化 かくれ福



スパーク法の特徴と留意点

スパーク法の第一の特徴は、視点【技法】をさまざま変え柔軟に発想することで
 ある。通常の発想(思いつきや知識の再生)では、平凡で常識的なアイデアしか
 出ない。スパーク法は多面的に発想する、つまり四方八方からテーマに光を当て
 ることにより多種多様なアイデアが得られ、その中から優れたアイデアが出てく
 る。

様々な視点【技法】で発想することで多様なヒントやアイデアが得られるが、そ
 れらのヒントやアイデアが互いに結びつき・組み合わさり、さらに優れたアイデ
 アが生まれる。帰納的に新しい概念を発見することも少なくない。

 また、多面的に発想することでテーマの全体像や本質が見えてくる。そして、全
 体の位置付けや相互の関係、優先度や重要度などもわかってくる。また、重要な
 ポイントや基本的な真理をえぐり出してくれることもよくある。
 
 さらには、多面的に発想することで考えの抜けやチェック漏れを防ぐことができ
 る。あるいは、忘れていたアイデアや見落としていたポイントを発見することが
 できる。

スパーク法は、テーマや状況に応じて視点【技法】を自由に選択できるので、あ
 らゆるテーマやケースに使える。また、手順化されているので誰でもどこでも使
 える。なお、スパーク法の視点【技法】は、10万件以上のアイデアの実例をベー
 スに、特に高い効果のあったものを厳選している。今後さらにバージョンアップ
 する。

従来の発想法は、一つの技法だけを示すか、一般的な心構えを示すに止まってい
 る。したがって、適用範囲や効果に限界がある。スパーク法は、こうしたことを
 克服すべく創造や発想の原点に立って開発し、実践を通して磨き上げたものであ
 る。スパーク法は、通常の発想方法に較べ優れたアイデアが4倍得られる

 (日本創造学会発表)。

技術的なことで言えば、ヒントを書き出すことが、スパーク法の大きな特徴で
 ある。アイデアはヒントがあって出る。アイデアが出るかどうかはヒントをいか
 に書き出すかで決まる。

 考えたことやイメージしたことは、平凡でも、常識的でも、些細でも、分かりき
 っていても、すべてヒント欄に書き出す。そのまま(素直に、ありのままに)書
 く。いわばイメージを直訳する。頭の中を実況中継する。図やイラストなどを活
 用する。

 ヒントと同様アイデアも、平凡でもバカげていても頭に浮かんだことはすべて書
 き出す。判断や選択は後からすればよい。書き出さないと、その考えに囚われ頭
 の画面が切り替わらない(次のアイデアが出ない)。
 
 また、愚案でも珍案でも書き出せば、それがヒントになり新しいアイデアが出
 る。手を動かすと頭の働きもよくなる。

 45才の管理職の技術者は、はじめはただ腕を組み考え込んでいたのでアイデアが
 ほとんど出なかったが、平凡でもいいからすべて書き出すようにアドバイスした
 とたん、せきを切ったようにヒントやアイデアが出はじめた。その中には優れた
 アイデアも含まれていた。ヒントやアイデアがなかったのではなく、書き出さな
 かっただけである。

 なお、ヒントもアイデアもできるだけ具体的に書く。具体的でないとイメージが
 広がらないしアイデアが出にくい。抽象的な場合は、一つでも具体例や具体的方
 法を付加する。

     
                   『アイデア発想の基本』より一部抜粋

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