仙台近郊のアイスクライミングエリア

東北はアイスクライミングができるところが少ない。なぜかと言うと雪が多いのでせっかく滝が凍っても埋まってしまう、雪が多いので地表は保温され沢の水温は高めでなかなか凍らないなどが原因と思われる。また凍るとしてもアプローチの遠さや雪崩の危険などのデメリットもある。そんな中で下記の氷は仙台近郊の貴重なアイスクライミングエリアと言える。多少、アプローチの不便さや氷の質の悪さを我慢すれば近場で楽しいアイスクライミングができる。
※注意
・グレードはあくまで大まかな目安です。氷の発達状態やラインどりの違いによりかなり変化すると思います。
・東北の氷は氷質が悪いものが多いと思いますので充分注意してリードしてください。特に緩傾斜で雪がついているところは氷がグシャグシャだったり、標高の低いところは水が滴っている事があります。登った人の情報や天気予報(気温)を元に出かけた方が良いでしょう。
・アプローチ中や登攀終了点で雪崩に注意。

◎蔵王・濁川流域 不帰ノ滝右岸壁 Blue Fang
V+ 3p 110m  日本登山体系にも記載され過去、試登されている不帰ノ滝右岸の氷瀑を2003年2月23日、住吉和浩(仙台山岳会)、千葉英一(仙台RCC)、新妻重明(仙台一高山の会)で初登した。アプローチは,宮城蔵王・澄川スキー場の駐車場から冬期閉鎖のエコーラインを駒草平付近まで行き、山スキーをデポ。雪崩に注意しながら夏道沿いに濁川へ下り、川沿いに上流へ向かう。2時間30分。  1P目 45m,堆氷10mから垂直の氷20mを登ると傾斜が落ち。15mを登ってピッチを切る。垂直部に大きな亀裂があるが氷はしっかりしている。2P目 45m 75〜90°、段状の氷だが部分的に氷質が悪い。上部に行くほど傾斜が落ちる。3P目 20m 70〜80°段状の氷を登り灌木でビレイ。約3時間。すぐにこまくさ平に出てあとはスキーで下降。仙人沢と同様で氷質は良く快適に登れる。下部の氷柱は亀裂が入っていて落ち着きが悪そうなので注意が必要か。傾斜の落ちる上部は雪が積もる影響で部分的に氷質が悪かったが目茶苦茶悪いと言うものではなかった。氷瀑の抜け口の斜面が短いので雪崩の心配も少ないと思われる。標高が高い場所にあり毎年、凍ると思われるのでこれからはスタンダードなアイスクライミングエリアとして定着するだろう。

◎蔵王 澄川支流 三階滝(宮城)
言わずと知れた三階滝。水量が多く完全に凍ることはないが、端なら多少水を浴びながらでも登れる。アプローチは滝見台の手前の自然観察道をスキーで降りてワカンで取り付きまで行くほうが良いと思う。車は除雪して停める。滝見台から下る事もできるが近年、崩壊していて危ない。烏帽子スキー場から懸垂して、登った後スキー場に戻るのも楽で良い。
1P目35m、40度、V。左側のあまい氷を登り、立ち木でビレイ。2P目40〜50m、60度、W−。結氷が悪いと水の飛沫を浴びながら登る。ビレイ点によってはさらに1ピッチ10m。ここから150mほどラッセルし、上段の滝へ。25m、80度、W。上段の滝は結氷が悪く登れない時が多いようだ。1月中〜2月下旬。

◎えぼしスキー場手前の滝(小滝)
スキー場に向いペンション村を通り過ぎ、右に大きくカーブするところの奥にある(前烏帽子の登山道入り口)。カーブの右側が除雪されているので端に車を停め歩いて5分。高さ25m傾斜70〜90度、W+くらい。近年は中々凍らないのでスキーに行く人に下見してもらってから行った方が良いでしょう。日当たりが良くとけるので朝早くから午前中が良いでしょう。トップロープを掛ける時は右手の尾根から回り込めるが落ち口は足場が悪いので確保してもらったほうが良い。トップロープだと50mロープでも届かないのでかなり長めのスリングを使用するか2本連結。1月中〜2月中旬
三階滝 小滝左:三階滝1P目。右:小滝

◎仙人沢アイスガーデン、山形蔵王坊平(ライザスキー場)
仙人沢、糸滝周辺の懸岩にできる氷暴。1982年山形クライミングクラフトによって登られた。年により発達の仕方はマチマチだが標高が高く気温が低いため東北では最高に結氷状態が良い(安定している)。初心者向けの氷やリード練習に最適なバーチカルな氷柱があり楽しめ、東北のアイスクライミング道場と言えるだろう。アプローチはリフトを利用するので楽だし、歩きも30分くらいと短い。
ライザスキー場のリフトを2本のり(リフト始動は8時から?)、200mほど刈田方面へ登ると平らになる。左に曲がり樹木の無い雪原を150mほど横断、仙人沢刈田俣(右俣)の糸滝の下流を目指して樹林の顕著な尾根を降りて行く。右に寄りすぎると糸滝の横の崖の上に出てしまうので注意。非常に気象の変化が激しく雪原はガスるとホワイトアウトするし、トレースも降雪ですぐわからなくなり迷うので注意が必要(初めての人は赤布、地図、コンパス必携)。蔵王名物の樹氷ができるくらい風の強いところなので防寒対策も怠らずに。前夜泊の場合はスキー場の駐車場が良い。入山前、監視小屋で登山届けを書く事。1月中〜3月上旬。資料岩と雪106号、CJ11号 。

仙人沢地図


@ミニ氷柱。25m、70〜90度、X。リード、トップロープ共に快適なアイスクライミングが楽しめる。陽が当たるので変化しやすい。
A右ナメコース。20m、30〜70度、V+。中間の釜に落ちないよう注意。
B初心者コース。15m、30〜40度、V−。凍ってない事が多い。トップロープを掛けに行く時のアプローチに。
Cアイスボルダー左。20m。60〜85度、W+。柱状の氷から登る。左側の木で支点が取れる。中央。20m。W+。上部は薄い氷。右。X−。出だし足は岩に掛けてハング気味の氷を乗越える。途中で中央に合流。
D大氷柱。35m、90度、Y。アイスガーデンのメインアイス。リードすれば大満足。回り込んでトップロープもかけられる。早い時期は氷が下まで届いていない。
Eツララ状氷柱(仮称)。35m、90度以上、Y以上?。いくつものツララの段差を越えていくので結果的には前傾した氷柱。東北最難の氷柱か?下までつながらない年もある。。
F糸滝。35m、45〜70度、W−。中級者の練習に最適。取り付きの釜に注意。上のブッシュで下降できる。糸滝上流にも傾斜の緩い3つの滝があり登れるのでそのままスキー場に戻るのも良い(時期が遅いと雪に埋まってしまうが)。下流の観音滝、不動滝も登られている。
G糸滝上の氷柱。40m、90°以上、Y。糸滝上の岩壁に掛かる氷柱。3mの氷柱を登り、脆い岩のバンドをドライツーリングで左にトラバース、25mの氷を登る。あまり発達しない年もある。
Hプチ氷柱。20m、90°〜70°、X。仙人沢アイスガーデンの200m下流に10mの滝があり、その右岸側に氷柱がある。氷柱上部の樹林から懸垂下降して取り付く。2002年に登った時、氷柱に亀裂が入ったので注意。
大氷柱ミニ氷柱
左写真は大氷柱(左)とツララ状氷柱を登る仙台山岳会パーティー 2000/2/27 右写真はミニ氷柱

◎二口のアイスフォール
元々、登られていた氷だが、1998年から仙台山岳会の土方氏等と新たに開拓した。磐司岩近辺の岩壁にかかる氷で技術的には難しいが仙台市中心部より車で一時間もかからないで行ける身近で貴重なアイスエリア。二口は標高が低く気温が高いため質の良い氷は少なく、水が滴っている時もある。天気予報を良く見て寒気が入った時を狙って行けば楽しいアイスクライミングが待っている。近年、暖冬傾向でさらに結氷が悪いがドライトゥーリングを駆使したミクストクライミングなどまだまだ開拓の余地はあると思う。回り込んでトップロープをかける事はほとんどできないのでリード主体。ほとんどのルートの下降は木を使っての懸垂下降。適期1月下旬から3月上旬。
気温が上がると落氷や落雪の危険も多くなるので注意。車は本小屋近辺に停め山スキー、ワカンでアプローチ、2〜3時間。雪の少ない時は車で結構奥まで入る事ができる。資料 、岳人625号
二口概念図
・西磐司−林道から顕著な尾根をたどる。
@リューバ。1P目80度40m、W。2P目80−90度ツララの脇を20m、Y−。雪壁30m登り終了。
・磐司沢近辺−磐司岩の看板から磐司沢左岸の尾根をたどり岩小屋に向かって下降。ゴルジュ内は気温が上がったり陽がさすとすぐ落氷がおきるので注意。
Aバンバンジー。50m70−80度、W−。中級者向け。最後は右に抜けた方が良い。
B雄登。1P目10m、W。2P目40m90度、Y。二口最難の氷柱。南向きなのでなかなか凍らない。
C鏡月グリーン。40m80度、X−。氷質は良くない。
・日陰磐司−林道の橋手前から見上げると見える氷。橋を渡ったところから登り始め、左にトラバース気味に登り顕著な尾根をたどる
D日陰磐司左の氷。1P目80度15m、V〜W−。2P目左の氷。70度30m、V+、1P目が雪で埋まっていると1、2Pは続けて登れる。3P目70−90°全長50m、X+〜Y−。アルパイン気分満点で氷質Goodの三つ星ルート。高い位置にあり毎年凍る(いつも風が強くて寒い)。同ルート下降(懸垂、木とボルト)
日陰磐司右の氷。1P目同じ、2P目真っ直ぐ雪か氷のルンゼをつめる、U、45m。3P目80〜90°、30m。垂直部は8m、ツララの集合体。
・風の堂沢出合い上流の氷−カーブを4つ過ぎたところから川の対岸に見える。
Eキムチちゃん垂直10m、70−80度25m、全長55m。二口で一番始めに凍る。
風の堂エリア−林道途中右にブロック壁がありしばらく行くとカーブミラーがあるのでそのちょっと先で左に入り尾根をたどる。赤布あり。遅い時期が良い。
F萩の月。70〜80°40〜50m、初級者向きのスラブ状の氷、3本ラインがとれる。2月末くらいが一番発達する。
G独眼竜。80〜90°40m、緩い氷雪壁10m、とにかく長い、三つ星ルート。2月中くらいから登れる?
日陰磐司 西磐司 風の堂
左から@DE。

風の堂左 風の堂右
左からFG

・裏磐司(上流から順に)−大行沢に沿った登山道をたどり、梯子滝の下を通り、雪伝いに沢を渡り対岸へ。標準3時間。雨滝付近は落氷があり危険。
H裏磐司大氷柱右(仮称) 80-90度、35m上部の氷柱が落っこちそうで恐いテクニカルな氷。
I裏磐司大氷柱(仮称) 80-90度、40m。裏磐司の盟主。表面を水が流れている事が多い。
J裏磐司大氷柱左(仮称)70-90度、25m、上部に亀裂が入っている。
Kアイスボルダー、60-90度、8〜20m、氷のカーテン、下部は垂直。トップロープで練習用に。裏側は洞穴で快適。
Lシゲオ柱(仮称)70-90度、25m。結構、快適な氷。
Mシゲ柱(仮称)70-85度、25m。幅広な氷。
Nブリザード、60-90度、2ピッチ。条件の良い時でないと登れない。
Oモンキー・ブレイン・ブールバード、70−80度、30m。大洞穴の下流にあるアイスガリー。両足岩にステミング。
P無名、70-90度、35m。なかなかつながらない氷。
右がH、左の奇麗な氷柱がI


左からJ、K

京淵沢にある大東滝。
真ん中のラインは70〜80度、40m。1ピッチ目は真ん中を登り左側のブッシュでビレイ。2ピッチ目は傾斜の緩い氷2〜30m。アプローチ3時間半、スキー〜ワカン使用。アプローチでの雪崩注意。
大東滝京渕沢 大東滝

◎岩手、厳美渓−河崖にかかる氷。最近は凍っているのだろうか?岩と雪106号
◎十和田、奥入瀬渓流の氷暴。−国道112号線沿いに 20〜30mの氷が10数本あるそうです。岩と雪110号


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