My Trip Tips

旅行を計画する基準

 まず、できるだけまだ行ったことがない所を第一基準としている。通い慣れた所を何度も訪れるというのも悪くはないが、作品がワンパターンになりがちになってしまいレパートリーが増やせないので、遠出の旅行は未開の地を少なくとも一ヶ所でも入れるようにしている。これには、私の秘かな夢として、JR・私鉄全線走破というのがあるからである。詳しいことは後日、このコラムで述べようと思う。
 そして、もしそこに廃車又は廃止の恐れがある車両や列車、路線があればそこを優先する。単になくなってしまうからという理由だけではない。大概消えていく路線や車両は風情があり、鉄道の古きよき時代を今に伝えているから写真に残しておく価値があるからである。最近は不景気の影響か、バタバタと路線の廃止や車両の世代交代で、後者から撮影行きを計画している傾向が強いが…。
 行き先と目的が決まれば日程と予算と相談する。ここの部分はシビアなところで、金がなかったり空いている日がなかったために渋々旅行を取りやめたことが何度かある。
 さあ、予算と日程も決まったら後は実行するのみ、と言いたいところだが、何か忘れていませんか?そう、天気です。特に撮影を主体とする旅行は重要なポイントだ。あらかじめ週間天気予報をチェックし、直前でもスケジュールの変更ができるよう、いくつかのプランを用意しておくと安心である。

旅先での好意は素直に受けよう

 何回か地元の人の車に便乗させてもらったことがある。今は無き深名線の撮影での事である。その日私は、上幌加内から政和に向かって延々10km以上の道のりを歩いていた(車の免許はないし、列車の本数が少なく、効率良く撮影するには他にないからだ)。廃止間近であったが、山の中の国道を歩いているのは私だけ。そんな私の姿が珍しかったのか、地元の人が運転する車に呼び止められ、途中の撮影ポイントまで乗せてもらったことがある。このほかにも交番で道を聞いたついでにパトカーで送ってもらったこともある。これらは稀なケースかもしれないが、土産物屋でお土産を買ったときにおまけで何かを頂いたり、列車で向かい側の席の人からご馳走を頂いたというのは、みなさんもあるのではないか。これらの相手の善意・好意は、こちらから求めない限り素直に受け取ろう。こうした経験は旅ならではのものであり、貴重なことでもあるからだ。
 
だが、初対面の人から何かを頂いたり、便宜を図ってもらうのは気が引けるものである。でも相手は「よい旅行をして欲しい。よい思い出を作って欲しい」と思っているのが殆どである。断っては向こうに対して失礼ではないかと思う。もし断る際には、丁重に事情を説明して断ろう。決して横柄な態度はよくない。あくまでも謙虚かつ素直な態度で接しよう。代わりに有益な情報(近道やおいしい店の存在など)を教えてもらったりできるからだ。

座席夜行での連泊はなるべく避けよう

 大分本数が削減されてしまった夜行列車であるが、そのなかでも「ムーンライト」シリーズや急行「はまなす」、「だいせん」といった座席車を連結した列車は、移動と宿代を浮かせるとして学生の方を中心に根強い人気がある。
 私もこれらの夜行列車には随分お世話になっている。単に宿代を浮かせるために深夜、途中駅で反対方向の列車に乗り換え、折り返してくることも何度かあった。
 だが、座席夜行列車に乗った次の日というのは徹夜明けのように眠いものである。昼間の列車移動は殆ど眠ってしまい、ろくに車窓を見られないという、しかもその区間が未走破区間であるなら何のための旅行なのかわからなくなってしまう。
 だからといって夜行列車には乗らないほうがいいというわけではない。便利であるし、あの独特の風情は捨てがたいものがある。要は使いようである。
 まず座席夜行での連泊はなるべく避けよう。体力があってもなくても、旅の途中でぐっすりと睡眠を摂る機会がないかぎり、終始寝不足の状態が続き、せっかくの旅の思い出があやふやになってしまうことだろう。
 それでも予算やスケジュールの都合で連泊となってしまう場合は、一泊どちらかを寝台またはカーペット車両など、真横になって熟睡できるようにしたい。少々高くついても、体には大分楽になる。
 これも難しければ、リクライニングシートを向かい合わせにするかボックス席を丸々占領して、少しでも楽な体勢で寝られるようにしよう。ただしこれは閑散期など車内が空いているときしか使うことができないので、混んでる時期は難しいだろう。
 座席で連泊してまったら、温泉に入るなどして疲れを落とし、できたら休憩室で一、二時間睡眠を摂ることを勧める。
 また、旅行の行程の最後の方に連泊を組むのも一つの手段として有効である。旅も後半になると疲れと慣れと家に帰るという安堵感で結構ぐっすりと眠れるからだ。それに、夜行で帰宅すれば後は家の布団でぐっすりできるというのもある(昼間、仕事など用事を控えている場合はきついが)。初日に組んでしまうと旅慣れた人ではないかぎり、興奮で眠れないものなので、中盤以降にしよう。

切符の購入やホテルの支払いはクレジットカードを活用しよう

 旅に出ると思ったよりもお金を使ってしまう。だからと言って多額の現金を持ち歩くのは、落としたときを考えると危険である。一番いいのは、銀行又は郵便貯金のカードを持ち、小出しで引きだすのが無難である。
 だが、現金が必要な時に限って近くにCD機がなかったり、営業時間外であったりする。こう言うときは、クレジットカードがあると心強い。あまりクレジットカードなどの借金はしたくない、という人もいるだろうが、ホテルの宿代や切符の購入など、旅行中比較的まとまったお金がかかる場合はカードを持つことによって余分な現金の使用を減らすことができる。宿代や切符代は必要経費であるから、用途を限定すればむだ遣いする心配はいらない。
 それにクレジットカードで支払えば、カード会社のポイントサービスが付き、景品が貰えるほか、場所によってはカードを提示することで割引サービスを受けるところもあるので損はないと思う。

カロリーメイトは必需品

 旅行中でも食事は三食しっかりと摂りたい、という人は飛ばしても構わない。
 早朝・深夜などの時間帯は食料を調達するのは結構難しい。最近は地方に行ってもコンビニがあるから昔ほど苦労はしなくはなったものの、車内販売がない列車に乗車中であったり、乗換え時間が僅かで買う暇が無いときはどうしようもない。そこで、カロリーメイトなどの携帯食品があるとかなりお腹にはたすかる。もちろん、パンやおにぎりをあらかじめ買っておくのも同じかもしれないが、少々かさばるし、しばらく鞄に入れておくと形が崩れていたりする。食べ物が傷みやすい夏場は特に心配だ。そしてなによりも値段が安いことと栄養のバランスがとれていることである。ドラッグストアなどでまとめ買いをして持っていっても、多少の荷物で済むし、ポケットなど余ったスペースに入れておけば邪魔にならない。

旅先での充電を考える

 旅行に限らず、外出の際にはウォークマンなどのポータブルプレーヤーを持ち歩く人が多いと思う。これに最近は携帯だ、なんだかんだと色々電化製品を持ち歩くようになった。いくらバッテリーの持ちが良くなったとは言え、三、四日の旅行になれば充電器は必須アイテムだ。
 でも、ACアダプタとセットの充電器を機器ごとに持っていくのはかなりの荷物になってしまう。音楽関係やデジタルカメラなどは、乾電池(単三)に対応したものに揃えよう。これにアルカリ電池とあまりかわらない、大容量のニッケル水素充電池と急速充電器をセットで持っていけば、荷物を減らすことができるし、経済的にも有利だ。
 だが何時、何処で充電を確保するかが問題となる。毎晩宿で泊まる人は、コンセントと充電時間には心配しないが、夜行で移動する人や、昼までも途中でバッテリー切れの恐れがある場合は、電源の確保に苦労する。これは私にとって十年来の苦労の種であり、ある種の楽しみでもある。
 まず列車内での場合。一見、車内にはコンセントなどないように見える。でも探せばあるのである。たとえば特急車両などにある洗面所がそうである。ここには髭剃り用として100ボルトのコンセントが一つある。普段はあまり使われることがないので、盗難に気をつければ十分に活用できる。車掌に一言伝えておけば混雑していないかぎりまず問題ない。
 ただしこれらは、電池だけの充電に対しての事であって、パソコンやビデオカメラなどの本体ごとの充電には向かない。洗面所での充電がどうしても心配な人や本体とは切り離せない物の充電には、まだ二つの方法がある。
 一つは車掌に頼んで、車掌室のコンセントで充電してもらうことである。人が居ないときは鍵をかけているので盗難の心配はまずない。
 もう一つは、客室内端にある清掃などに使う業務用のコンセントである。ただしこれは、特急・新幹線型車両とごく一部の新型通勤車両のみでの話であり、さらに国鉄時代の車両は電圧こそ100ボルトではあるが、コンセントの形が一般のものとは違うので使用には変換プラグが必要である。これならコンセントの前の席を確保できれば安心である。
 列車以外ではどうだろうか。考えられるのは、駅の待合室である。待合室には大抵、コンセントが二つ三つあるはずである。列車を待っている間、撮影又は観光している間に充電するという方法である。これも洗面所での場合と同様に、その場を離れる際は電池のみとし、駅員や売店の人に存在を伝え、充電の許可を貰ってからにしよう。
 このように、充電について二、三述べてみたが、これって盗電ではないのか、見つかったらやばいのではないか、と心配する人もいるだろう。確かにタダで電気を拝借するのは多少問題があるかもしれない。しかし、電池の充電だけなら、消費電力はわずかであり、他の電気機器に与える影響は殆ど無く、列車内や待合室などの公共の場に限定すれば、個人の責任で行う分には心配はあまりいらない。不安なら許可を貰ってほうが無難だ。まず問題なく使わせて貰えるだろう。もし、撤去を要求してきたらおとなしく速やかに従おう。

冬の北国へはヘッドフォンが有効

 冬、山や北国など寒い地方を旅行する人で、音楽を聴く人は耳当ての代わりにヘッドフォンをお勧めする。耳の地肌を冷たい北風にさらすのは、痛いほど寒い。耳を保護するだけでも寒さは大分和らげることができる。私の場合は、音質の追及と音漏れで周囲に迷惑をかけないよう、四季を通じて使っている。
 種類は色々あるが、耳をすっぽりと覆う密閉型をチョイスしよう。耳に当てるだけのものは、すきま風が入るし、音も意外に漏れやすいので注意しよう。サイズはポータブル用にコードが短く、コンパクトに折り畳めるのが数多く出回っているのでそれを選ぶとよい。

駅弁もいいけど・・・

 列車で移動中、食事はどうしているだろうか。おそらく多くの人が駅弁、又は駅そばと答えるだろう。私も時間がないときはそのようにしている。しかし、駅弁は量の割に値段が高い。駅そばはあったかいし、値段も安いので結構なのだが、栄養のバランスはあまり良いとは言えず、味も同じなので、そう何度も食べたいとは思わない。
 もし、列車の乗り継ぎや停車時間が10分位あったら、駅の外に出て(途中下車できるきっぷがあればの話だけど)コンビニを探して食料を調達することにしている。メニューは豊富だし、旅行中は不足になりがちな野菜(サラダ)も売っているし、食料以外のものも(当たり前だが)買えるのだ。時間が余ったら途中下車したついでに周辺を散策してみるのもいい。
 さらに、時間が30分以上あって駅前に大きいスーパーやデパート、ショッピングセンターがあれば、お総菜コーナーに直行だ。おかずの種類がコンビニより多く、白いご飯も売っている。閉店間際に行けばさらに、1、2割引きで買えるのだ。
 ま、以上の話は貧乏旅行向けであって、お金と時間のある人は、せっかく旅に出たのだからご当地のご馳走を食べるのが一番である。でも、コロッケや肉まんを齧りながら列車に揺られるというのもなかなか悪くないので、一回くらいは試してみる価値はある。