最後の敵を倒した舞。
しかし本当の敵はまさに今姿を現していた。
???「くくく、その程度の敵を倒したくらいでいい気になるな・・・。」
舞「・・・何!?」
???「教えてやろう。最後の敵はこの俺だ。」
魔界の門から姿を現したのは男。その姿は・・・
舞「祐一!?どうして・・・。」
かつて共に闘った勇者、祐一だった。
祐一?「違うな・・・。今の俺は地獄より蘇りし最強の戦士。ダーク相沢だ!」


舞のダルメシアンブレード・最終章


舞「だって祐一は確かに私にこれを託して逝ったはず・・・。」
舞は右手に握ったそれを・・・、ダルメシアンブレードを見ながら疑問を投げる。
相沢「確かにな。あの時俺は地獄に落ちた。だが、貴様が奴を倒したときに俺は復活したのだ。貴様と闘うために。」
お互いに隙を見せず、会話は続く。
相沢「俺は魔族となった。貴様といたころの祐一ではない。」
舞「!」
自分でも驚愕しているのがわかった。
祐一が魔族?
私と闘う?
私といたころの祐一じゃない?
わからない。何がどうなっているのか。
相沢「ひとつ教えてやる。俺が人間だった頃、貴様はダルメシアンブレードと対をなす剣を持っていただろう?」
ダーク相沢が抑揚無く話し出す。
できるだけ表情を崩さないように舞は剣を構える。
相沢「これがその剣だ。」
ダーク相沢はおもむろに剣を取り出した。
舞「それは・・・!」
相沢「そうだ。これはお前が俺の亡骸に添えたお前の剣、ポメラニアンソードだ。まぁ、今はブラッディ・ポメラニアンソードだがな・・・。」
それは祐一の亡骸に添えたはずに自分の剣。
ポメラニアンソード。白銀の刀身が美しい剣だった。
だが今やその白銀は失われ、禍々しい血の色になっている。
相沢「もはや言葉は不要だ・・・。俺は貴様を倒す。いくぞっ!」



ダーク相沢が一気に踏み込み、そして剣を薙ぐ。
舞がすんでのところでかわす。見ると薙いだ先は地が裂け大きな傷跡を残している。
舞「祐一。本気なの?」
剣を構えなおして舞がたずねる。
相沢「くどいな。俺はダーク相沢。祐一という男は知らん。さぁ、無駄話をしている暇は無いぞ。」
ダーク相沢が一気に加速する。元が強いだけに魔族の血が加わった分人知を越えたスピードになっている。
舞「くっ。」



闘うしかないのか?
ダーク相沢の繰り出す無数の剣撃を交わしながら舞は思う。
いつだって一緒に闘ってくれた。
いつだって一緒にいてくれた。
いつだって一緒にいた。
いつだって一緒にいられると思った。
なのにどうして!?
彼は最後にこの剣を託した。
でも彼は今、私と闘っている。
わからない。
相沢「隙ありだっ!」
舞「しまった!」
剣と剣が打ち合わされる。
その刹那。
その場に舞を中心に光が満ち溢れた。



舞・・・
舞「誰?」
俺だ、祐一だ
舞「祐一?」
そうだ。俺は今ダルメシアンブレードに封じてあった俺の一部が舞としゃべってる
舞「あの魔物は何。」
あれも俺だ
舞「なぜあれが祐一なの。」
あれは俺の心の一部。弱い俺だ
舞「どうしてあんなのになったの。」
弱い心をつけこまれたんだ
舞「あれを倒したらどうなるの。」
俺も消える
舞「そんなのだめ!」
多分、かなわぬ願いだ
舞「・・・。」
舞が俺にできることはあれを浄化すること
舞「・・・。」
それが俺にとっても救いになる
舞「・・・。」
だから頼む
舞「・・・わかった。」
ありがとう
微力だが俺も力を貸す



光が消えゆく。
相沢「なんだったのだ、今の光は・・・!?」
ダーク相沢が光の根源、舞を見るといつのまにかダルメシアンブレードが変化していた。
相沢「な、なんだそれは!」
舞「カイザー・ダルメシアンブレード。」
相沢「ふん、少し剣がかわったくらいで力の差がうめられると・・・うおっ?」
カイザー・ダルメシアンブレードを振るい、舞が間合いをつめ連続斬撃を繰り出す。
舞のすばやい踏み込みと重い連続攻撃にダーク相沢はなす術もない。
相沢「ぐああっ。」
舞「ダーク相沢。あなたを浄化する!」



また光が満ちる。
ダーク相沢は光に飲まれ浄化されてゆく。
その光が消えると同時に、祐一もいなくなるはずだった。
だが、ブラッディ・ポメラニアンソードとカイザー・ダルメシアンブレードが共鳴していた。



舞「祐一・・・これでよかったの?」
舞はそこにいないはずの人の名を呼んだ。答えは返らない。そう思っていた。

祐一「あたりまえだ。あんなものがいたら世界平和どころじゃなくなるぞ。」

彼は
突然に
唐突に
私の前に戻ってきた。



舞「祐一・・・。」
祐一「心配かけたな、舞。」
二度と聞けることがないと思ったその声。
でも、目の前には彼がいる。
それだけで十分だ。もう会えないと思っていたのだから。
祐一「これで俺たちの戦いも終わりだ・・・。」
舞「うん。」
祐一「俺たちは前の生活に戻れるんだ。」
舞「もうどこにも行かないで。」
祐一「ああ、約束する。俺はずっと舞のそばにいるよ。」
舞「うん。でもそのまえに・・・。」
祐一「ああ、魔界の門を閉じる。」
二人はお互いの剣を握る。
舞が元に戻ったダルメシアンブレードを。
祐一が白銀のポメラニアンソードを。
祐一「二つの聖剣に宿りし、魔封の力よ・・・。」
舞「今こそ、魔界の門を閉じるため・・・。」
舞&祐一「「その力を解放せよ!!」」
剣から放出された魔封光が収束され魔界の門を浄化してゆく。それと共に剣も崩れていく。
舞「ありがとう。ポメラニアンソード。そしてダルメシアンブレード・・・。」
その呟きは誰にも、もちろん祐一にも知られることはなかった。



祐一「と、こんな話なんだがどう思う、舞?」
秋子「祐一さん。」
祐一「あ、秋子さん。舞はどうしました?」
秋子「もうとっくにお帰りになられました。それにもうこんな時間ですし・・・。」
え?どういうことだ?
はっと時計を見る。
9時。
祐一「と、言うことは・・・まさか・・・。」
秋子「はい、2時間喋りっぱなしでしたよ。」
祐一「そうですか・・・。」
秋子「でも、面白かったですよ。祐一さんのお話。」
祐一「そうですか・・・。」
秋子「でも、もうちょっと時間を気になさるとよろしいかと。」
言い返す言葉さえない。もともと、秋子さんに言い返せる人間など存在しないが。
秋子「それはそうと、何かお召し上がりになりますか?おなかすいてらっしゃるでしょう?」
祐一「あ。はい、お願いします・・・。」

その後、部屋で深く反省する祐一がいたとかいないとか






 管理人のコメント

 この作品を読ませていただいた後もう一度ラジオドラマを聞いてみましたけど、ラジオドラマでも祐一の独り言で終わっていましたね。
 その後の展開をうまくまとめていていい作品になっています。
 ちゃんとオチもついていますしね(笑
 はっしーさん、素晴らしい作品、ありがとうございます。