(2003.8.5 開設)

刳り抜きホーン紹介


 「ホーンを自然石で作ってみたら、どうなるだろうか?」私は、ストーンテクノを立ち上げてから、ずっと、このことを考えてきました。しかし、硬質で粘りの少ない石材は木材や金属と違ってはるかに加工性が悪く、曲面を加工するのは容易ではありません。しかも、ホーンとなれば、内側にカーブを持たせて削るのですから尚更のことです。
この項では、石材による刳り抜きホーンの製作記を綴りたいと思います。と言っても、これを読まれた方が、追試や自作をする可能性は殆ど考えられませんので、どれほどの意味があるか解りませんが、私の悪戦苦闘ぶりをご覧下さい。

(2003.8.6 掲載)

刳り抜きホーン シリーズ

大理石製




縦250o横400o奥行き120oの方形
1.5吋スロート用 開口180o 
質量30s

 (2003.8.8記入)

 このホーンは、私が2004.3.7まで使用していた、SONY製木製ホーン+2吋ドライバーと換装するために試作したものです。
これまで、SUP−T11ドライバーは、1,250Hz〜5,000Hzを受け持ち、5,000Hz〜10,000Hzを1吋ドライバーのTD−2001に受け持たせてきましたが、この二つの帯域を、1.5吋ドライバー1本に担当させて単純化を図ろうというわけです。ホーンの外形が大きくなったのは、SONYの木製ホーンと同じサイズにしたためで、他に理由はありません。イタリア産の大理石、カララビァンコを使用したので質量が30sに増え、簡単にバッフルマウントできなくなりました。巧くいかない場合は、2吋スロート用のホーンに改造し、据え置き型として使用することになりそうです。

(2003.9.3 掲載 2004.3.13 加筆)

刳り抜きホーン シリーズ

糠目石製 フリースタンディング・タイプ




縦200o横300o奥行き120oの方形
 1.5吋スロート用 開口180o 質量17.5s

1本(フランジ付) ¥150,000

 このホーンは、上の大理石製ホーンと同じフレア、1.5吋スロート用ですが、外形寸法を黄金比に近づけながら軽量化を図ったものです。材質は白御影石(花崗岩)の仲間で、より石目の細かい糠目(ぬかめ)石です。

(2003.10.3 掲載)



左はJBL 435Beドライバーにフランジを付けたところ 右はホーンにマウントした様子

上のドライバーのフランジは専用に加工した物で、5o厚の真鍮削りだし、ニッケルメッキ製です。


バッフルマウント・タイプ


サイドビュー フロントビュー リアビュー

435Beをマウントしたリジッドホーン

これは、バッフルマウントを可能にした軽量タイプ。質量を3分の1程度に減らしました。

(2004.4.4 掲載)

リジッドホーン測定風景


データを採取中

マイクのセッティング

他のホーンも測定した
 ホーンは、メジャグランの稲田氏によって測定され、データが保存されています。上の写真は、カルロス氏が撮影したもので、準備の様子がわかると思います。この日は、リジッドホーンだけでなく、メーカー製のホーンも参考のために測定しました。右の写真、奧に転がっているのは「超ショートホーン」を取り付けたFOSTEXの1吋ドライバーです。特性表は、後日、機会を見て発表します。


上のホーンのテストリポート・試聴記は、「リジッドホーン テスト・リポート」のページに掲載してあります。


(2003.11.11 掲載)

大理石製 オーバルホーン開発に着手

1吋から2吋ドライバーまで対応


最初に円形、階段状に加工

ゲージを使ってオーバルに拡大

縦250o横400o奥行き120oの方形 開口230×310o 
質量 未定 茶色に見えているのは作図用のガムテープ

 このホーンは、前項に書いた円形1.5吋スロートホーンをベースにして、オーバルホーンへの変更を試みたもので、ホーン本体のスロート径は2吋です。
1/2吋変換スロート、1.5/2吋変換スロート、2吋用フランジを製作、1吋から2吋まで全てのホーンドライバーに対応させようとしています。
目標は、
「ホーン臭くないホーンの実現」で、音道を短くして指向性を拡げながら800Hz程度から使えるよう計画しています。「刳り抜き、削りだし」でオーバルホーンを作るのはとても難しく、容易でありませんが頑張って完成させたいと思いますので、変換スロートやフランジが出来るまで、しばらくお待ち下さい。

500Hz程度から使えるホーンのリクエストがありますが、こちらは質量の増加が問題になりますので、これをどのようにクリアーするか検討中です。

(2004.1.29 掲載 3.13 加筆)

大理石製 オーバルホーン完成

スロートアダプターの交換で1吋から2吋ドライバーまで対応 軽量化を図る



フロントビュー


オーバル・フレアー


サイドビュー


リアビュー

W400,H250,D120o ホーン・フランジ部は55o厚でバッフルマウントもOK
質量16Kg 前作の約1/2に軽量化 

1本(フランジ付) ¥250,000

 上の写真は、2003.11.11掲載分で予告したオーバルホーンです。ホーン本体のスロートは2吋で、スロート交換により、1吋や1.5吋ドライバーが使えるように工夫しました。2吋ドライバーは、厚板(6o)のフランジを介してマウントしますが、より小さなドライバーは、専用の口径変換スロートで対応(オプションパーツとして近日中に発表)します。
このホーンは、当初、JBL 435シリーズの1.5吋ドライバーやTADの1吋ドライバーを、中高域用として使うために開発したものですが、私は、贅沢に2吋ドライバーをマウントする計画を思いつきました。2吋ドライバーは、余り高いところまで使うと高域との音色差が気になるので、ストーンテクノの実験室では、5KHzでカット、それ以上を、1吋ドライバーに「超ショートホーン」を装着した高域用に任せ、更に超高域用として「プラス1ツィータシステム」を加えています。
  
メリットないしはセールスポイント

 このホーンは、トラディショナルな(音道が長くロードがきつい)ホーンに較べると、ホーン壁からの反射が少ないためメガホン的な癖がなくダイレクトで素直な音がします。そのうえ指向性がブロードですから、リスナーの聴取位置が拡がるのも長所の一つです。
ホーン本体のスロート部分はエクスポネンシャルカーブで、カットオフは300Hz程度。ショートカットホーンに拡がりの大きなフレアーを組み合わせたマルチフレア・ホーンを形成しており、コーン型の中低域とも音色的に上手く繋がります。
 このホーンはストーンテクノの実験室で試聴できるよう準備中ですから、用意が整い次第お知らせします。また、オーディオショップを対象にしたデモ機の貸し出しも計画しています。

(2004. 2.25 掲載)

オーバルホーン使用例−1

2吋ドライバーを装着



フランジの取り付け
真鍮製6o厚


リアビュー JBL 2441をマウント
2吋スロートのドライバーは直付け


フロントビュー
四隅の孔はバッフルマウント用

 上の写真は、JBLの2吋スロート・ドライバー 2441をマウントした様子です。このホーンには専用のフランジが付属しているので、これをドライバーに取り付け、フランジとホーン本体のネジ穴を合わせてマウントするだけで使用できます。

(2004.4.4 掲載)

オーバルホーン測定風景


測定中

サイドビュー

1.5吋ドライバーのセット

 4月3日、メジャグランの稲田氏に依頼してオーバルホーンの測定を行いました。上の写真はカルロス氏が撮影したものです。

(2004.2.26 掲載 3.13 加筆)

マルチフレアホーン完成

スロートアダプターの交換で1吋から1.5吋,2吋ドライバーまで対応



フロントビュー


リアビュー

W360,H250,D120o ホーンは円形
質量14.5Kg

1本(フランジ付) ¥200,000

 このホーンのスロート部分はオーバルホーン同様2吋ですが、1吋や1.5吋ドライバーでも使えます。2吋ドライバーは厚板(6o)のフランジを介してマウントしますが、より小さなドライバーは、JBL製などの汎用、もしくは専用の口径変換スロートで対応(オプションパーツとして近日中に発表)することになります。
このホーンは、ホーンロードが最も効果を発揮するとされる円形ホーンです。ホーン本体のスロート付近はオーバルホーンと同じようにエクスポネンシャルカーブで、カットオフは300Hz程度。ショートカットホーンに、拡がりの大きなフレアーを組み合わせたマルチフレア・ホーンを形成しています。指向性特性は上下左右ともに対称、円形の拡がりを持つ高域用ホーンツィータと同じになります。

(2005.11.2 掲載 11.4,11.30 加筆)

特注ホーン紹介

トピックニュース−7お客様の紹介ー2に掲載した特注ホーンの映像

 下のホーンはオーナーが自ら設計されたもので、「ゴトウユニット」の中高域用ドライバーと高域用ユニットを一体化してセットするためのアイテムです。ストーンテクノは、オーナーと綿密な打ち合わせをしながらこれを製作しました。
下の映像はCADソフトで書かれた図面です。設計図と完成品の姿を見て、このホーンの凄さを理解していただけるでしょうか?。



オーナーの設計図面


フロント


リア


スロート挿入部のUP

LCh用の写真

 この製品はH240×W240×D160oのサイズですから決して大きいとはいえませんが、硬質な黒御影石は比重が3ありますから完成後の質量は20Kgを超えました。これに中高域用ドライバーとツィータをセットすると質量60Kgを超すでしょう。
ホーンを自然石の刳り抜き構造で作った場合、素材そのものが寡黙な性質を持つので、金属製のホーンが起こしやすいホーン壁や躯体の振動が殆ど発生しませんから、ドライバーのエネルギーを全て音に換えてくれます。オーナーはホーンの振動抑制に強い関心を寄せて研究されており、このたび再度、石のホーン製作を依頼されました。
不遜にも「オーディオ用の石材製品なら何でも作ります」と宣言している私ですが、今回は寸法精度が厳しかったので、新しい刃物を特注、素材を吟味するなど容易ではありませんでした。しかし、クラフトマンとしては達成感の得られる仕事ができて幸せです。

(2004.5.27 掲載 6.7 加筆)

ブラス製 スロート・アダプターができました


JBL 435beドライバーを装着


フランジとスロートのアップ


1.5吋/2吋変換スロート


真鍮くり抜き 1個¥40,000

 上右の写真は、真鍮の丸棒からくり抜いた1.5吋/2吋変換スロートアダプターです。フランジの厚さは8oで、音道部分の厚さは10o以上あります。このアダプターはアルミ製よりも遥かに質量が大きく(3倍以上)信頼性が高いものです。JBL製の1.5/2吋スロートアダプターは専用のスクリューが必要ですが、ストーンテクノは使い易いようにオーソドックスなスタイルにしました。ドライバーマウント用のスクリューは、入手が容易な六角頭のボルト(ホームセンターなどで売られている1/4インチサイズで良い)が使えます。
写真の製品は、JBL 435be用の4穴ですが、オーダーによりアルティック用の3穴タイプは下に掲載しましたので、ご覧下さい。

(2008.6.6 掲載)

アルティック用1.4吋/2吋変換スロート・アダプター



2吋側から


1.4インチ側から


真鍮くり抜き 1個¥40,000

 上の写真は、真鍮の丸棒からくり抜いた1.4吋/2吋変換スロートアダプターです。ALTECの288ドライバーなど1.4吋スロートのドライバーをJBLなどの2吋スロートを持つホーンにマウントするために作っています。フランジの厚さは8oで、音道部分の厚さは10o以上あります。このアダプターはアルミ製よりも遥かに質量が大きく(3倍以上)信頼性が高いものです。

(2004.5.28 掲載 6.7加筆)

マルチフレアホーン使用例
狙いはホーンスピーカーのタイムアライメント


マルチフレアホーンと超ショートホーン
ドライバーはJBL 2440とTAD−2001
振動板位置を合わせてある


リアビュー
2吋と1吋ドライバーのスタック
2種類のサポーターで保持する

 上の写真は、マルチフレアホーンと超ショートホーンを組み振動板位置を揃えて、タイムアライメント(時間軸での波形合成・整合)を図りながら、800hz以上を再生するためのセットです。2吋ドライバーが3.2Khzまで、それ以上を1吋ドライバーが受け持ち、必要に応じてスーパーツィターを組み合わせることで、中域以上の完璧なシステムを構成することが出来ます。2吋ドライバーに高域を持たせないので、レンジの狭い古めのユニットが使えます。

(2004.6.7 掲載)

振動板位置を揃えるために有効なスタッキング

ドライバー用 特製サポーター


2吋ドライバー
2440のマウント例

自然石刳り抜き
片Ch¥60,000



2吋と1吋用の
スタック

自然石刳り抜き
片Ch¥80,000



2吋と1吋,ツィータ用の
スタック

自然石刳り抜き
片Ch¥100,000


 特製サポーターは、ホーンスピーカーのウイークポイントである「音源位置の不整合」を解決するために考えたものです。ドライバーをインラインに配置しながら振動板の位置を合わせることが出来るので、時間軸で波形を合成することができます。デッドで硬い自然石を刳り抜いていますので木製のような経年変化が無く、比重3の大きな質量と相俟って精密感のある確実なサポートが可能になります。スリップを防止する工夫も施しました。サイズはドライバーに合わせてひとつ一つ決めますので、ご相談下さい。

(2004.4.4 掲載)

マルチフレアホーン測定風景


測定中


ソニーのSUP−T11をマウント

 4月3日、メジャグランの稲田氏にオーバルホーンと共にマルチフレアホーンを測定してもらいました。上の写真はカルロス氏が撮影したものです。

(2004.6.1 掲載 6.2 加筆 12.21 再加筆)

1吋ドライバーを高域用に変える 超ショートホーンの奨め


3Khzから使えるツィータ
超ショートホーンを装着した
ドライバーはTAD−2001


ホーン外径80o
真鍮無垢材くり抜き 質量800c


左はinchネジ
右がoネジ
ピッチが違う

1ペア(サポーター付) ¥70,000
oネジが付属していますが、海外製ドライバーはinchネジが必要です。
入手が困難なinchサイズのキャップスクリューですが、手に入るようになりました。ご相談下さい。

 このホーンは、高域特性の伸びた1吋ドライバーを使用して3KHz程度から使えるように考えた物で、一般的なツィータが聞かせる弱々しさや喧しさがありません。ドライバー内部のスロートと超ショートホーンの組み合わせが広帯域再生を可能にしてくれます。2吋ドライバーに換えて1吋ドライバーが遊んでいる方は、処分する前に是非お試しあれ。TAD,JBL,ALTEC,FOSTEXなど、殆どのドライバーが使えます。
超ショートホーンは、自家用に開発した物ですが、マニアの方から次々要望があるため、マウントし易いよう自然石のサポーター付で商品化する事にしました。サポーターはくり抜きの際、ドライバーの外径に合わせて受注しています。

(2005.5.20 掲載)

超ショートホーンの特注品 スクリューマウント用


フロント


リア


ドライバーに装着


フロントビュー

 この超ショートホーンは、エール音響の中高域用ドライバー4550DE(特注品)にマウントするために製作したものです。このドライバーはスクリュー(inchサイズ)マウントなので、メーカー製のカプラーを介してホーンを装着します。写真ではツィータのように見えますが、スロート部分の口径(25mm)が異なります。
このホーンに関するユーザーの評価を「お客様の声や仲間の紹介−2」に掲載させていただきました。

(2005.8.11 掲載)

2吋スロート用超ショートホーン

 山梨の「TE−27」さんの依頼で、2吋スロートドライバー用の超ショートホーンを試作してみました。ドライバーを預かりスロート部分のフレアを観察してホーン壁のカーブを決めましたので、JBL 075ツィータのホーンより拡がりが急になりました。スロート部分の径が50.8mmなので、1ピースにするとマウントできないためフランジとホーンの2ピース構造とし、スクリューマウントにしてみました。このため、フレアカーブの異なるホーンを作って交換することも可能です。


フロント


2ピース構造


ラジアン950PB-16に装着

 この超ショートホーンは、ラジアンのドライバー950PB-16のために試作した2吋スロート用超ショートホーンです。材質は黄銅。ホーン部分の外径は100o、フランジの外径は120oです。旋盤による刳り抜き加工した後、ホーン壁は鏡面仕上げにしてあります。このホーンはラジアン以外のTAD,JBLなどのドライバーにもマウントすることができます。


2吋スロート用超ショートホーンの周波数特性

ドライバーはラジアン950PB-16

 日本オーディオのレスポンスチェッカーRC−2を用いて周波数特性を測定してみました。無響室と違って反射の多い実験室での測定ですから、かなりラフなものですが参考にはなると思います。


床上 距離50cm

 上の周波数特性は、実験室の床に上を向けて置き測定したデータです。1kHzから3kHzにかけて暴れがあるのは床の反射の影響でしょう。1kHz以下のレベル低下はホーンが小さいためと思われます。10kHz以上のレスポンス低下はドライバーの高域特性が現れたもののようです。


スタンド上 距離50cm

 上の周波数特性は、実験室内でドライバーをスタンドに載せて50cmの距離で測定したデータです。4kHz以下の特性が変化しています。


スタンド上 距離1m

 上の周波数特性は、スタンドに載せマイクまでの距離を1mにして測定したデータです。4kHz以上の高域はあまり変りませんが、低域側が変化しています。

 (2005.8.16 掲載)

 今回試作した2吋スロート用超ショートホーンの試聴記は、「TE−27」さんのホームページ「なんでも日記」の8月13日以降に掲載されています。拙宅では同軸ホーンシステムを採用しているため上手くレイアウトできず、周波数特性を測定しただけで送らせてもらいましたが、お盆中にもかかわらず早速テストしていただいた古屋さんに感謝するしだいです。
ラジアン950PB-16は他のホーンで試聴した限りではサラッとした柔らかめの音で、ネオジュウム磁気回路による軽量化、アルミのダイアフラム、樹脂製のエッジなどが音に現れたものと思っています。ホーンはドライバーによって表情を変えるので、TADなど他のユニットと組み合わせた場合どんな音を聞かせるでしょうか?

借用した写真


ヤマハのツィータとの組み合わせ


ミッドハイとの組み合わせ


(2005.8.12 掲載)

超ショートホーン ALTEC 802-8G用



ホーンのフロントビュー


ドライバーにマウント


サポーターにセット

 この超ショートホーンは、ALTECの1吋ドライバー802−8Gをマウントするために製作したものです。ホーン部分のサイズや仕上げは他のタイプと同じですが、取り付け寸法の関係で外径は100oに削りました。サポーターは上にツィータを載せるため刳り貫きにしてあります。

(2004.8.8 掲載)

マルチフレアホーンの新作

黒御影石刳り抜き 2吋スロート・ドライバー用の新作ができました
スロート・フランジの交換で1.4吋ドライバーにも対応できます



フロントビュー


リアビュー


専用スロート


スロートとフランジのセット

W380,H380,D275o ホーンは円形
黒御影石製 質量21Kg(スロート・フランジの2.5kgを含む)

1本(2吋スロート・フランジ付 ドライバーは別) ¥320,000
オプションの1.4吋スロート・フランジは、1組 ¥80,000

 このホーンは、愛用者の多い38pウーファーと2吋スロートドライバーの組み合わせによる、2ウェイもしくは3ウェイ構成のために開発したものです。開口320mm音道の長さ275mmは、よく知られたJBLの「蜂の巣」ホーンに近く、これより開口角が大きいので音響レンズを必要としていません。
例によって比重3の黒御影石を刳り抜き加工してありますので、金属製ホーンのようなボディー共振の無い、「クリアーで正確な中音再生」を可能にしました。
セッティングは、ウーファーとの波形合成が図りやすい「据え置き」が基本ですが、バッフルマウントを可能にするためフランジ部分にネジ穴を明けることが出来ます。
標準品として付属するスロート・フランジは、切削加工されたブラス製で十分な肉厚と質量があり、アルミダイカスト製のような脆弱さがなく強固にできています。ドライバーのマウントは、フランジとスロートの間に切られた大口径のスクリューで行います。2吋スロートが標準ですが、アルティックをはじめ他社のドライバーにはオプションで対応することにしますので、お問い合わせください。

(2004.8.8 掲載)

マルチフレアホーン使用例
低域と中域、高域のタイムアライメントを図る



 上の写真は、超ショートホーンと組み合わせた1吋ドライバーを高域用に使い、中音用マルチフレアホーン+2吋ドライバーとウーファーの音源位置を揃えて、タイムアライメント(時間軸での波形合成・整合)を図った使用例です。ウーファーのエンクロージャーは、バッフル面を後退させるためにショートホーンを設けてあります。
低域と中域を500Hz近辺でクロスさせる場合、波長が長いので音源位置が合わないと波形の再合成がはかれません。デジタルディバイダーを使用してタイムディレイをかければ時間軸での整合が図れますが、アナログディバイダーを用いる場合は物理的な音源位置を合わせたほうが良いと思います。

 今回発表したマルチフレアホーンは、ストーンテクノの実験室で他社のホーンと比較試聴できるよう準備中です。低域側は、ALTEC 515Cのパラレルをマルチアンプでドライブします。高域用は、ユニットが沢山ありますので、交換して試聴できるようにします。2吋ドライバーは、SONY,JBL,TADなどを用意しますが、お手持ちのユニットをお持ちいただいても結構です。

(2005.1.24 掲載)

マルチフレアホーンの2ウェイを試す


斜めから


ドライバーはRADIAN


正面

 上の写真は、中音用マルチフレアホーンにラジアンの2吋スロートドライバー(RADIAN 950PB)をマウントして、アルティックのウーファーと2ウェイを組んだものです。このドライバーは塩山市の古屋さんの持ち物で、2吋スロート用の超ショートホーンを考案するために預かっておりましたので、今回、予備実験もかねて使わせてもらいました。

 クロスオーバーやレベルのセット

 試聴する前にスピーカーをセットしなければなりませんが、今回も例によって、最初に低域側と中高域側のボイスコイル位置を合わせる作業を行いました。
低・中域のクロスオーバー周波数は500Hzに設定。これは、40pウーファーと2吋ドライバーを用いた2ウェイの場合オーソドックスな帯域分割ですが、実際に試してみると意外に難しく、低域を欲張って重い振動系のユニットを選ぶとウーファーの高域とドライバーの音色が合わず苦労することがあります。この点、今回は軽めのコーンで知られるアルティックの515Cですから余り心配していません。
ディバィダーは始めソニー(TAD−900)を使いましたが上手くいきませんでした。低域用エンクロージャーが後面解放になっているためか低域がだら下がりになるので、ディバィダーの機能を使ってブーストをかけてみましたが思うようにいかないのです。レベル設定やフェーズを反転させるなど色々試しましたが聴ける音にならず、結局、DF−35を使うことにしました。但し、ウーファーのハイカットはメインスピーカー用の40Hz/−6db/octから80Hz/−6db/octに上げました。ウーファー側のレベルは中域に合わせて調整すると−10dbに落ち着きました。この後、ウーファーのハイカットは2oct上の160Hz/−6db/octも試しましたが、聴いてみると低域側のカブリが気になり直ぐ元に戻しました。これで500Hz/−12db/octでローカットした中域とスムーズに繋がる感じですが、正確なことは測定してみなければ判りませんので、メジャグラン・稲田仙人の協力を待ちましょう。

 続く


 (2005.1.25 掲載)

 マルチフレアホーンの2ウェイを聴く

 アルティックのウーファーは良く知られていますが、ラジアンのドライバーは馴染みが薄いかもしれませんので、インポーターのCOZY STUDIOさんが発表しているデータを紹介しておきましょう。

RADIAN 950PB
周波数特性 500Hz - 20kHz
許容入力  100W RMS
インピーダンス 8Ω、16Ω
能率     111dB/W/m
サイズ 149(直径)×82.5(厚さ)mm
重量     4.73kg
ネオジウム・マグネット 4インチ・ボイスコイル

 上の写真は、ホームページに掲載された特性で、2KHzあたりから超高域にかけて10dbほど低下していますが、2吋ドライバーとしては暴れのない素直な特性といえます。この特性を見ると、2ウェイで使うなら高域をイコライジングしたくなりますが、とりあえず聴感でレベル調整しただけで聴いてみました。このドライバーをホーンにマウントして単独で聴いてみると、アルミダイアフラムを採用しているためか、ベリリュムやチタン振動板の鋭角的な音と一味違う柔らかさと爽やかさが感じられます。
950PBドライバーは、ネオジュウムマグネットを用いた磁気回路と短めのフェーズプラグ・スロートのせいで、サイズ、重量ともにコンパクト(フェライトタイプの3分の1程度)ですから取り回しが楽なのも魅力です。

 ふっくらと柔らかい響き

 ラジアンのドライバーとマルチフレアホーンを組み合わせて、アルティックのウーファーで低域側を支えて鳴らすと、ふっくらと柔らかく暖かい響きが聴こえてきました。この音は、メインスピーカーの実験で3ウェイにして聴いた時に似ています。アルティックのA5システムを更に柔らかくしたような音と言えばお解りいただけるでしょうか。この音は、JBLの375ドライバーとHL−88ホーンを組み合わせたシステムの、円やかな響きに近いといえます。
黒御影石を刳り貫いたホーン自体はとても硬いのですが、ホーン鳴きがないせいか金属ホーンのようなカンカン、コンコンした共振性の癖は全くありません。前述したように、高域にかけて「だら下がり」の特性になっているはずですが、ブーストをかけなくても不自然さはなく、まさにグッド・リプロダクションという感じです。もっと鮮烈な表現やエッジの立った音を望んで、これに高域用を加えると、どうなるか?オーディオマニアの常で直ぐに欲が出てきますが、暫くこのまま聴いてみたほうがよさそうです。

 続く


 (2005.1.26 掲載)

 マルチフレアホーンの2ウェイを聴く−2


TOCT−6574


CD−80042


SRCR 2733

試聴用ディスク

 ラジアンとアルティックの2ウェイで聴くディスクは、6ウェイ構成のメインスピーカーとの比較で、
1.左のグラシェラ・スサーナのボーカル「アドロ・サバの女王」の場合、音像が、やや大きめになり、ほの暗くゆったりした感じに聴こえ、子音の強調は全く気になりません。
2.中央のマゼールが指揮した「展覧会の絵」オーケストラ版の場合、ワンポイントマイク録音らしい距離感のある再現が強調され、雰囲気はメインスピーカーに似ているといえますが、鮮明さが後退してかなり曖昧になります。
3.右のカルミニョーラの「ヴィヴァルディー後期バロック協奏曲集」の場合は、録音会場の隅々まで見通せるような明晰さが薄れます。きびきびとリズムを刻むというよりもメロディアスな感じになり、ディスクが新しい録音でなく少し古くなったように聴こえます。

 ほかにも、何時も使う試聴用ディスクを聴いてみましたが、総じて、倍音域のレベルが低下しているためか角が丸く甘い感じで、全く嫌な音を出さず刺激的なところがありません。これが、大口径ウーファーと2吋スロートドライバーを組み合わせた2ウェイの音かもしれません。いずれにしても6ウェイシステムとの比較ですから、今回の結果はラジアンのドライバーやマルチフレアホーンが原因ではなく、使い方の問題でしょう。

 続く


(2005.1.27 掲載)

マルチフレアホーンの3ウェイを試す

 ラジアンのドライバーとマルチフレアホーン、アルティックのウーファーによる2ウェイに高域用を加えたらどうなるか。ラジアンの高域はダラ下がりに聞こえるので、ハイカットせずメインスピーカーの高域を載せてみました。今回は3ウェイの実験です。とりあえず仕事を簡単にするためにメインスピーカーの高域を使いますが、4kHzより上の帯域は2405(改)ツィータとパラレルで動作することになります。


3ウェイ全景


中高域のアップ

 上の状態で聴いてみると、2ウェイのときに比べて、
1.グラシェラ・スサーナのボーカルは、より音像が小さくなって子音がハッキリします。
2.「展覧会の絵」オーケストラ版は、鮮明さが増して遠くにあるシンバルや太鼓の音がハッキリしてきます。
3.「ヴィヴァルディー後期バロック協奏曲集」は、一つ一つの楽器の音が際立つようになり、録音の新しさが判るようになります。
2ウェイのふっくらした感じや優しさも捨てがたいものがありますが、オーディオ的に良く聞き取ろうとすると不満が出ます。高域用ユニットを加えた場合、霞んでいた音場の見通しがよくなって、2ウェイのときに時々気になった「もどかしさ」が減るようです。

 続く


(2005.1.28 掲載)

マルチフレアホーンの3ウェイ−番外編

 今回も3ウェイの実験ですが、高域用ユニットを日立のH-70HDに換えてみました。このユニットは発表時期が古い製品で、20cmウーファーとの2ウェイシステム「名器」HS−500のツィータとして使われています。このユニットはホーンロードが低いところからかけてあるようで、音道が長く開口部の径も70oくらいあります。たしか振動板は耐久性に優れた樹脂製の筈です。スピーカーシステムとしての使用帯域が3kHzですから、ラジアンのドライバーと4kHzでクロスさせてみました。


3ウェイ全景


中、中高域のアップ


H-70HD

 この組み合わせが聴かせる音は、前回の3ウェイと共通の傾向があるものの刺激感のない丸みを帯びたもので、大人しく聴こえます。金属振動板を持つユニットが時に聴かせる「シリシリした」感じが一切しないので、キャラクターが少なく渋めに聴こえるのかもしれません。
カルミニョーラのバイオリンやチェンバロの演奏がキラキラし過ぎないで、しっとりと聴こえるのが好ましく、クラシック、特に弦楽器の再生が得意な組み合わせと言うべきでしょう。前回、2405(改)を8kHzクロスで載せた時とは別の良さがありますが、リスナーによっては地味な音と評価するかもしれません。

 続く


(2005.1.31 掲載)

マルチフレアホーンの4ウェイを試す

 3ウェイの実験結果に勢いを得て今回は4ウェイを試してみました。システム構成は、メインスピーカーの中低域部分をラジアンのドライバーとマルチフレアホーンに入れ替えたものですが、低域と中域のクロスオーバーが250Hzから500Hzに変わったので、これに応じて各帯域のクロスを1オクターブ(2K,8Kに)上げ、プラス1ツィータをOFFにしてみました。中域用のラジアンに合わせて各帯域のレベルバランスを取り直したのは勿論です。
下の写真、中音用ホーンの左側に写っているのは、1吋ドライバーに超ショートホーンをマウントした中高域用ユニットです。これは後の実験のためにセットしてみたもので、今回は使用していません。


4ウェイ全景


中高域のアップ


ユニットの位置関係


 いっそう鮮明な音

 上の4ウェイが聴かせる音は、メインスピーカーより中低域が幾分ふくらみ気味に聴こえますが、鮮明で力強く十分楽しめるものです。この組み合わせを聴いて、2ウェイの柔らかさが情報量の少ないことによるものであることを知ったリスナーは、もはや元に戻せなくなると思います。柔らかく豊かでありながらカチッとした感じの高域で明確な表現になりますから、ジャズやポピュラーはこれで決まりといえそうですし、大編成のクラシックも大きく変貌して聞こえるようになりました。
1.グラシェラ・スサーナのボーカルは、音像がいっそうハッキリして定位が良くなります。この歌手の男性的ともいえる力強い歌声が、伴奏者の前方で聴き取れるようになります。
2.「展覧会の絵」は空間の再現性が良くなり、演奏者や楽器の数が増えたように聞こえ、音楽の足取り、リズムが明確になります。
3.「ヴィヴァルディー後期バロック協奏曲集」は、カルミニョーラのバイオリンが艶やかに再現され、残響の拡がりが聞き取れるようになります。今回の試聴で、初めてこのディスクの録音のよさを確かめる感じになります。更に、この演奏ではチェンバロの音が意外に力強いものであることを知らされます。

 続く


(2005.2.2 掲載)

マルチフレアホーンの4ウェイ
超ショートホーンとの組み合わせ


 今回は、マルチフレアホーンを生かした4ウェイ構成バージョンとして中高域に1吋ドライバーを使ってみました。ドライバーはFOSTEXのFD100で、超ショートホーンと組み合わせて低域側を4kHzでクロスさせます。高域用は、メインスピーカーの2405(改)を8kHzからそのまま使いますので、密集配置でなく中高域と離れすぎていますが、音の傾向はこれでもわかる筈です。


前左 FOSTEXのFD100


中、中高域部分のアップ


超ショートホーン

 上の状態で聴いてみると、これがなかなか宜しい。中高域を、メインスピーカーの2451ドライバーと2332ホーンの組み合わせで聴くよりも少し大人しい感じになりますが、弦楽器の艶やかさは十分で一味違った魅力があります。これは、1.5吋と1吋スロートの差なのか、それともダイアフラムの材質の違いなのか俄かには判断できませんが、楽しめる音であることは確かです。
オーディオマニアの皆さんは、ドライバーというと先ずJBLを始めとする海外ブランド製品を挙げますが、FOSTEXも音色の素直な良い製品を作っており、もっと評価を上げるべきだと思います。私も今回の試聴で認識を改めました。

 続く


(2005.2.8 掲載)

マルチフレアホーンの4ウェイ
インライン配置に変える


 今回は、中高域に1吋ドライバーを使った4ウェイをインライン配置にしてみました。今回、1吋ドライバーを支えるサポーターは専用のものではありませんから少し間が開いていますが、これでも密集度は上がっています。ユニットは下の写真のように中高域までボイスコイル位置を合わせてありますが、高域がメインスピーカーを流用している関係でやや奥にあるため、デジタルディレイで調整しました。
アナログ方式のディバィダーの場合は、専用のサポーターでユニット位置を調整すればスマートに収まります。


インライン配置の正面


斜めから見る


中、中高域部分のアップ

 インライン配置に変えた4ウェイは、前回のように中高域を中域用のサイドに置くより緻密な感じに聞こえます。
マニアの中には、マルチスピーカーを愛用しながらユニットのレイアウトに無頓着な方があるようですが、超高域などと違って中域や中高域は音像のでき方に影響を与えますから、色々試してみる必要があります。今回は前回に比べて明らかに改善効果が体感されました。インライン配置でユニットが縦一直線に並んだためか横方向がスリムになり、歌手の位置がより明確に聞き取れます。
FOSTEXのFD100は、リングラジエーター・タイプのツィータと違ってコンプレッション・ドライバーですから、振動系の直径が2吋あり高域側では不利な筈です。しかし、逆にダイアフラムの形状その他が幸いするのかアナウンスを聴く際の「ヒリつき感」がないので、私には好ましく聴こえます。

 続く


 (2005.2.10 掲載)

 マルチフレアホーンを生かす組み合わせ

 今回の一連の実験で使った組み合わせは少しばかり(?)大掛かりなので、一般的にはもう少しスマートな組み合わせを考えた方が良さそうです。そこで、これまでのテストで好結果を得た4ウェイを考えてみました。3ウェイでなく4ウェイに拘ったのは、両者の間に明確な音の差があり、どうしても譲れなかったからです。3ウェイ・スピーカーシステムは、オーディオマニアのシステムとしてスタンダードの位置を占めていると思いますが、今回の実験で2種類の構成が聞かせた4ウェイの音は3ウェイと画然とした違いがありました。これを聴くと到底3ウェイでは満足できません。ですから、
1.低域部分は38pクラス以上のシングルウーファー
2.中域に2吋スロート・ドライバーとマルチフレアホーン
3.中高域に1吋スロート・ドライバーと超ショートホーン
4.高域にホーン型ツィータ
こんな構成のスピーカーシステムを考えました。クロスオーバーを500Hz,4kHz,12〜16kHz付近の3ヵ所に設定して、低域は聴感補正を加え、高域はプラス1ツィータ方式を採用するという提案をしたいと思います。

 上の提案を実行、テストに相応しい環境をお持ちの方は実験していただけないでしょうか。マルチフレアホーンや超ショートホーンは貸し出し用を製作中ですから、ご希望の方はお知らせください。

目次へ  石材の性質と加工 製品開発へ  リジッドホーン テスト・リポートへ  製品の価格と注文の方法へ