「石の花 例えば、銃撃され疲れ切った兵士たちの上を、低空から大空へと舞い上がっていく鳥が描かれていたりする。時折現実からはなれた幻想的な場面があり第1話にしか実際には登場しないフンベルバルディング先生が姿をあらわす。 それは草原であったりする。広い草原に先生とクリロは2人だけで会話している。「広い草原だねェ…」「広すぎる…」。 これらは、短編作品でみせたファンタジーを“戦争もの”であっても描いている坂口尚を感じさせる場面のひとつなのだと私は思う。短編の名手とよばれた坂口尚短編作品を思い出す。坂口尚短編集 5巻巻末には、坂口尚さん御本人による「石の花」についての文が掲載されている。すでに他の版の「石の花」をもっている方にもこの文庫版をすすめたい。 2005.03.27 |