●コミックトム(坂口尚) 

コミックトム坂口尚作品関連号についてのページです。
当時購入したものと、あとから古書店で見つけた物、譲っていただいたもの等手元にあるものから紹介しています。
1980年当時にはバックナンバーも購入したししていました。
コミックトム以外の情報は■雑誌・記事(坂口尚)に掲載しています。


1980年5月号(創刊号)

シリーズ「12色物語」連載開始。「雪の道」
カラー2ページがあるため、保存していた一冊。
いま、単行本と比べてみると、ベタがふえてたり、山が全然かわっていたり、木々のリライトが相当はいっています。
線の美しさは最高であるにも関わらず、どこまでも、ご自身の作品をリライトされていく。
雑誌掲載時と単行本ともに、タイトルは手書きですが、(これが味があって良いのです)単行本は、カラーページをモノクロで収録したためか、雑誌では青のベタ。単行本では白の枠線になっています。
編集部がつけたものだと思われますが、最初のカラーページに入っている文章は、

「白い色にたくして謳う若き音楽家の純白の魂12色の独白劇が白をキャストに幕を開ける」


1980年9月号

「蜃気楼」巻頭カラー

「赤」のイメージで鮮烈に贈る鬼才の異色シリーズ第2弾!!
砂漠の戦場に何をみる?
(タイトルページの文章より)

単行本と比較して驚くのはほとんどリライトされている事です。カラーページの部分にもタッチがふえています。ベタ、スクリントーンなども。
ネームも一部違います。

7P目「いつまでつづくんだこの戦は…」のあと
■初出
「やったぜスリーカードだ!!ハハハ……」「そりゃぁねぇよ」
■単行本
「俺のタバコだぞ!」「けんかはやめろ!」

その他、パースの取り方構図なども変更されていますが、基本的に作品として、大きな違いがあるわけではありません。
些末な事ですが、こうしてどんどんリライトされていく姿勢には敬服するとともに、ファン泣かせだなぁ…とふとおもうのは私だけでしょうか。


1981年10月号

この号には坂口尚氏の作品は掲載されていません。しかし、読者の声のコーナーで、「大反響『12色物語』の感想文大特集」が組まれています。17歳の時の自分の描いた「朝凪」の主人公ピヨートルの似顔絵がなぜか掲載されました。坂口尚氏の色紙の応募のとき、葉書のすみに小さくかいたもので、ほぼ原寸。
自分の描いた絵で一番たくさん世にでまわったのが、この絵ですが、ポストに投函するときに考えた事は、まぁ、こんなひどい絵だけれど、投稿じゃないし、ま、いいかと躊躇しながら投函したことを覚えています。

坂口さんのマンガを文章にするのは無理なんですという投稿もあって、それはうなずける話です。そうなんです。でも、書くしかない。そう思いながら、ホームページを作っています。
とくに、連載の時期的なものもあって、「窓辺のふたり」についての感想が多い特集でした。


1982年5月号

坂口尚さんに聞く 「根性マンガを描いてます!!」
(坂口尚BBSより 一部編集)

「12色物語」の最終話「夜の結晶」が掲載されたコミックトムには、坂口尚さんのインタビュー記事があります。

「僕の場合はだいたい短編ですので。(笑)とにかく絵を描くことが好きなので、キャラを作り出すのは苦にならない、というか楽しいですね。ストーリーを作るというのはあまり得意じゃなかったので、毎回落ち込んでます。どうして僕ってこんなに才能ないんだろうって。」

「ストーリー作りはテーマから入りません。イメージがせばまってしまうので。
街などをウロついていて偶然に出会う風景や事物……それが何か頭の中でチカチカとショートする時に話ができる事が多いですね。屑拾いみたいなものです。(笑)
だいたい、この一コマを描きたいなァと思う場面が浮かび出さないと、描き出せませんね。テーマというのは、人間やっていれば誰でも時代や環境に対して考え悩んだりすることはあるわけですから、実生活の中でその人その人の思想ができていくと思います。ですから、その辺はおのずからということで。」

「自分の本に古本屋では会いたくない(笑)という気持ちで取り組んでいます。絵が好きだから、いいかげんな絵を描きたくないんです。もっとも後になって見ると、自分の作品は全部嫌いになってしまうけれど。(笑)」

「時々、詩を読むのは好きですよ。話の凝縮と単純化の中に、密度の濃い世界を感じるからです。僕も創作のさい、そういう方向をめざしています。自分の作品は他人からはよくポエジーみたいに言われますけど、体裁はどうあれ、自分の中では熱血ものだという気がありますね。どのくらい根性を通せるかという、一生懸けた根性を描いているつもりはあるんです。坂口漫画は根性ものだ!!(聞け少年誌の編集者よ!!)と。(笑)」

「集中したい時は、それに合った音楽を聴くと、不思議に場面が浮かんできて乗れますね。それぞれの作品にそれぞれの曲がある。例えば「窓辺のふたり」の時はジェームス・ラストのピアノ曲ばかり聴いていたし。」

このインタビューのなかで、一番重要だと思われるのは次に引用する言葉だと思います。

「表面的には弱者に見えても、何かに耐えて耐えて、耐えた分だけ自分を作り上げていくというのが一番の強さじゃないかと思うんです。時代とか周囲に対しても、どこにいようが、NOと言うべき時にはNOと言い続けられる強さ。これが大切じゃないか。自分もそうありたいと。」

「石の花」でのブランコの台詞、「世界中でたった一人だろうと否なら否といいつづけろ」「真の戦士になれ!」

この台詞が思い起こされますね。

このインタビューのタイトルは、 坂口尚さんに聞く 「根性マンガを描いてます!!」 です。

(宮内さんの投稿記事より)


1983年2月号

「ぶぅぅめらぁん」最終回

野宿している老人がタバコをすうイラストファンタジー(セリフなし)
チクマ秀版社刊「午后の風」に収録

この号のMY TOM欄には、「新春メッセージ」として坂口尚さんの「石の花」連載開始に向けたコメントが掲載されています。

坂口尚 来年号から、戦争を題材にした長編「石の花」がスタートしますが、昨年の秋から構想を練り、どうにかこうにか、二、三本のストック体勢で発車出来そう。
しかし、僕は無戦派です。鉄砲を担いだこともなければ、戦闘機で宙返りしたこともありません。日頃、僕なりに考えている戦争の事についてこの機会に、ストーリーの登場人物達と一緒になって、さらに深く考えてみたいと思います。(坂口尚)
【関連】

■「石の花」
■作品年表


1983年3月号

「石の花」連載開始(巻頭カラー)☆鬼才・坂口尚、待望の新連載開始!!
「初の長編連載 いよいよスタート!!」となっており、ウルフガイは、原作付きということもあり、「初の」というのは、オリジナルでのはじめての長編連載だったという事なのでしょう。
この巻頭カラーページは雑誌サイズで見ると、その美しさが倍増した感じがします。


1984年1月号

「石の花」の連載−この号のみ休載。
坂口尚氏が、宮沢賢治漫画館シリーズ(他の作家と一緒に描かれたシリーズもの)
「黄色のトマト」を発表

【関連】

■単行本リスト


1984年2月号

ポストイナ鍾乳洞 写真

「石の花」の冒頭にでてくるポストイナ鍾乳洞。
ユーゴスラビアを研究されている かちゃみんさんが現地で撮影したものです。

「石の花」燃える山河(講談社漫画文庫の第2巻抵抗編に収録されています)
雑誌掲載時は、第10話。単行本では第9話となっています。

巻頭カラーページ 銃を手にしたクリロの水彩画。潮出版社、講談社のものともに単行本には収録されていません。
編集部のつけたコメント「待望の再開!!現地取材を経てますます意欲的にペンは走る!!」

「石の花」のユーゴでのカラー見開きの取材報告

ザグレブ・フィルムのアニメーターとの意見交換の時の写真や、各地の写真が掲載されていますが、坂口氏の映っている写真の数が少ないのが残念です。
この雑誌でしかみることの出来ない坂口尚氏の写真もある事でしょう。

なお、ユーゴスラビアでの取材の詳細は1988年「波」10月号(新潮社)にかかれたものが、講談社漫画文庫「石の花」第5巻に転載されています。

「燃える山河」の雑誌と単行本の比較ですが、普通白地の中に小さく人物が描かれるというのは手抜きです。
しかし、坂口尚氏は再構成するにあたり意図的に一度描き込んだ絵を消し、雑誌掲載時、炎上したトラック崖、倒れている多くの人々を描いているにも関わらず、単行本収録時周りを白で消しています。

【関連】 ■新版「石の花」


1989年1月号

VERSION 連載予告

VERSION連載開始1号前のCOMICトム予告より
シティ(仮題)となっており、カットはVERSIONの八方塞を三枚目にするかどうか、最後まで検討されていた可能性があるとの事です。
シティ(仮題)は「VERSION」として連載されました。

【関連】

■VERSION
■単行本リスト


【参考】

■コミックトム背表紙
【左から】
1980年5月号(創刊号)
12色物語(白)「雪の道」連載第一回 カラーページあり
1980年9月号
12色物語(赤)「蜃気楼」巻頭カラ−あり
1981年5月号
12色物語(緑)朝凪 巻頭カラーあり
1982年5月号
12色物語(黒)「夜の結晶」インタビューあり
1983年3月号
「石の花」連載開始 巻頭カラー
1984年1月号
宮沢賢治漫画館 「黄色のトマト」
1984年2月号
「石の花」単行本未収録のカラー扉絵。
ユーゴスラビア取材報告

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2002/04/26 加筆
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