●雑誌・記事(坂口尚)2007/01/01 加筆  

手元にある単行本未収録作品および、坂口尚氏についての関連記事のある雑誌・ムックなど
■コミックトムについては、別にまとめさせていただきました。


COM

おさらばしろ! COM 1969年 9月号
反転 COM 1969年10月号
しわ COM 1969年11月号
神との賭  COM 1969年12月号
…110よ COM 1970年 1月号
「ミル」って名の娘についての事 COM 1970年 2月号
雪が降る COM 1970年 3月号
フーセンばあさん COM 1971年 4月号
いちご都市 COM 1971年 8月号

「SERIES霧の中」は「「ミル」って名の娘についての事」が(最終回)で、全6回の独立した短編シリーズです。

☆巻末コメント

1969年 9月号

掲載作品「おさらばしろ!」

新人、坂口尚君が「霧の中」を掲げ登場。如何ですか?ご批評ください。若く、意欲満々の彼の今後に期待したいものです。
(編集部コメント)

1969年12月号

掲載作品「神との賭」

銀座で乗車拒否をくい、けんかになりかけましたがヤジ馬に止められておじゃん。
マンガのようにカッコイイとこ見せたかったのに…。(坂口尚)

1970年1月号

掲載作品「…110よ」

雑誌掲載時の扉ページは手書きタイトル文字のみで単行本にあるイラストはありません。


1971年 8月号

掲載作品「いちご都市」

作者近況で他の方は文章を掲載しているにもかかわらず、坂口尚さんだけは、縦長のイラスト
手持ちの他のCOMには、雑誌の表紙に坂口尚氏の名前がありませんでしたが、この号には、「坂口尚」と表紙に記載されています。


「ぼくらマガジンコミックス タイガーマスク5」掲載作品「青びょうたん」’70年4月(講談社)

短編作品「青びょうたん」掲載誌
クリック
すると大きくなります
「青びょうたん」は、初出も、ページ数もこれまで「不明」でした。坂口いずみさん発行の「…未来へ」のリストでもぼくらマガジン?号となっていたのです。
幻化してしまい、古書店などでも探すことが困難な作品だったのではないかと思われます。

初出がわかりました。タイガーマスクの雑誌サイズでのコミックス上に収録されていた作品だったのです。

全32ページです。

実は、古書店を訪問したところ、探していたタイガーマスクはいりますか?といわれ、え?となったわけです。
古書店に作品リストを手渡し探していますと話していた為、店員さんが探し出してくださったっていたのです。しっかりと紙に、坂口尚「青びょうたん」と書いてありました。
感謝しています。

編集部コメント「山にかこまれた、とある町で見つかった、へんなすて子…。だが、その子供には不思議な超能力があった!」

タイガーマスクの雑誌版コミックスに収録されていたなんて…そんな本を見つけてくれた古書店の方にも感謝です。
書影を掲載しておきます。表紙は坂口尚さんのものではありません。ただ、表紙をよく見ると「青びょうたん」という文字を観ることができると思います。

作風としては発表の場のを意識しているように感じました。内容をお見せできなくて残念です。

巻末の目次での紹介は、「異色読み切りまんが 青びょうたん」
希望の友での「銀河飛行」の紹介もそうですが、「異色の」という紹介がどの出版社でもつけられる事がおおいですね。
この作品もCOMでの発表の時のように、「坂口尚(鈴木プロ)」となっています。
鈴木プロというのは、鈴木清澄さん(COMなどの編集にたずさわっていた)のプロダクションです。


「クレオパトラ/原案手塚治虫」('70年10月5日虫プロ商事株式会社発行・同名のアニメ作品のコミカライズ)

クレオパトラ
クリック
すると大きくなります
【情報提供 タルタルローさん】

'70年10月5日虫プロ商事株式会社発行、定価230円、238p、折込口絵一丁(表:坂口尚氏のカラーイラスト、裏:「クレオパトラ」の世界、と題された地図)、表紙見返しには手塚治虫氏による「口上」が掲載されています。いわく、

「まんが化していただいた坂口尚さんは、もとアニメーターで、たしかなデッサン力とユニークで美しい絵をもった俊英のまんが家です」
 

 


「夢とロマンの星占い」表紙・カット’77年9月高1コース第3付録(学研)

夢とロマンの星占い
クリック
すると大きくなります
【情報提供 タルタルローさん】

学研での坂口尚さんの作品では、イラストファンタジー(絡操眼鏡)以外にこれまで、確認されていませんでした。
これは、付録でのカット、表紙を描いている物で、星占いの本ですので、図版のイラスト以外にも各星座の文章に添える形でカットが掲載されているもものです。

情報をご提供くださった タルタルローさんに感謝します。 

1977年は

高田君の時計(希望の友4月号)

銀河飛行(希望の友8月号)

を発表していた時期にあたり銀河飛行の初出にちかい絵柄です。


「2年3組ただ今、青春(6) 十月のプリテンド」カット’77年高2コース10月号(学研)

十月のプリテンド
クリックすると3枚のイラスト
が表示されます
【情報提供 宮内さん】

「2年3組ただ今、青春(6) 十月のプリテンド」 落合恵子・作

高2コース 1977年10月号(学研)掲載

少女のイラストが三点掲載されています。
その内の一点には77.8.23と日付けが入っています。

(坂口尚BBSより)


「石原はるひこ 傑作短編集(海猫の城 他)」エースファイブコミックス(あとがき)

【情報提供 morimoriさん】

石原はるひこ二つの世界
「悲劇と喜劇」
          坂口尚

作品というものは、その作者の人生の歩調と密接なものが、あります。世界から汲み上げたものを、意識しようとしまいと、抽出捨象し、手品師よろしく白紙の上に、花を咲かせ、血を降らせ、夜空に星を燈すごとく。時に瞬時に手捌き、時に長の醸造年月の果てに、漸く香り放つ場合もあります。

この刊に収められた十篇は、いわば、そのとりどりの石原はるひこ氏のデビューより十余年の大まかな軌跡です。

こうして、一冊にまとめられたものを新たに拝読すると、さながら、麦芽を糖化、発酵させ、ウイスキー(作品)の原料となるモルトに、種々の香料で風味の匙加減を自在に操る達者な職人を思わせます。怪奇あり、幻想あり、ユーモアあり、そして、「にわか雨」の作風の延長に既刊の「青春悶々族」が、醸造されたものだと思います。

 「青春―」が、青春期における外との関わりあいを、感傷の中にも、カラリとしたユーモアを持った作品であるのに対比して、本収録作品は、内面への意識が向いているスタティックなものです。「にわとり」「無機質同盟」は、組織の中の個としての身の置きどころ、生の充実感とは?そして充実するための模索。作者自身の当時の生活感からの意識投影で直栽な心情が、表れている作品だと氏自身述べています。

 「青春―」と本収録作品、いうなれば陽と陰、そのどちらも青春期の大なり小なり、思想のエレメントです。そして、「青春―」が、より最近作であることに関して、独断的私見ながら、その脱稿時においては、ほんの少し、青春を距離をもって、みつめ、ほろ苦さと共にほほ笑みのゆとりを持って描いたのではないかと思われます。

「にわか雨」の風味が、「青春―」へ。「にわとり」「無機質同盟」「赤い柿」等が、寓意風仕立ての「モコモコ山」シリーズへ発展していく中で、一読者として、欲深に望み期待するのは、後者に属する風味も、これから時々味あわせてほしいと思うのです。

その力強くも軽快なタッチ、巧みな構成力と、人間観察の細やかさ、軽妙酒税、増々磨きのかかった醸造人。

次なる作品集を、早くも心待ちしています。
(発行年月日不明)

下の項目に ぱふ’80年11月号の○寡黙な風にゆれるコスモス−あるいは坂口尚論 石原はるひことあるように、石原はるひこ氏も坂口尚さんについての文章をよせています。
また、電飾の夜23:59発のインタビューでは、坂口尚氏にとって最も親しいマンガ家として石原はるひこ氏の名前があげられています。


「アニメージュ」'78年9月号(徳間書店)

ロマンアルバム バンダーブック
クリック
すると大きくなります
アニメ「バンダーブック」放映前特集号です。
■坂口尚氏のコメント

手塚先生の作品づくりにかけるエネルギーには負けますね。
あの睡眠時間では、ぼくなどとうにつぶれていますよ。(坂口尚)

■関連記事
■新版「石の花」
■リボンの騎士放映リスト+α  

バンダーブック作画中の坂口尚氏
【バンダーブック作画中の坂口尚氏】
クリックすると大きくなります

「ロマンアルバム(12)バンダーブック」別冊テレビランド’78年9月(徳間書店)

ロマンアルバム バンダーブック
クリック
すると大きくなります
ほとんどのキャラが坂口氏のオリジナルキャラ。美術設定・キャラデザなど氏の絵の多くををみることができます。

坂口尚氏が、

アニメーションチーフデレクター、キャラクターデザイン、美術設定、作画監督、原画までをになった作品。

 「今は眠りたい…」(坂口尚)

一口でいえば「バンダーブック」は、おもちゃ箱をひっくり返したような感じの作品です…(中略)体のほうは疲れがたまっていますが、今はひとつの仕事をやりとげた解放感でいっぱいです。(略)
時間的余裕がなかったために、それぞれのセクションの人は追われて苦しい思いをしましたが、内容がよかったために結構楽しんでいたようです。
(もっとも疲労のせいか歯が一本抜けてしまいましたが…。)

仕事をしながら”もうすこし時間があれば”といつも思っていましたが、これからの作品はもっと時間をとって「バンダーブック」以上の作品にしたいと思います。いまはひたすら寝て、次の作品に備えるつもりです。


「Peke ’79年2月号」 (みのり書房)

証言−あなたとCOMと

坂口尚(漫画家・アニメーター)

そうですね、商業ベースを取り入れた上で、なおかつああいった雑誌ってのはあって欲しいと思いますね。
まぁ、僕自身とCOMの関わりについてはちょっといろいろと広がりすぎちゃって、今の時点であの頃をふり返るっていう事はできないような気がします。

ただ、ああいう「実験」ができるような大らかさみたいなものを持った媒体というのは必要なんじゃないですか?(坂口尚)

★バンダーブックで作画監督、マンガ家としてはペケ、リリカ等に作品を発表

なかなか、坂口尚さんの発言は、単行本でもみつかりません。後期の作品集にはあとがき等がありますが、坂口尚さんのコメントの多くは雑誌からひろいだすしかないようです。
この号は、「幻の雑誌COM大特集」となっており、

SERIES霧の中(COM誌上にて発表された坂口尚さんの作品)も紹介されています。

「SERIES 霧の中」 坂口尚

ビリッとした短編小説のアンソロジーのように、様々な傾向をちりばめた作品だ。ミステリー仕立てだったりSFだったりするけれども、現実を霧のベールでおおえばこうなるという感じ。


(引用図版は、COMで発表された「しわ」単行本「魚の少年」に収録された。)


「COMIC AGAIN ’79年5月号」創刊号 Pekeを改題 (みのり書房)

シリーズ午后の風(1)コラージュ 掲載誌

「コラージュ」は単行本収録時に1頁ふえており、その関係で、前のページのコマが整理されリライトされているようです。
この号もCOM特集PART2であり、COM時代の坂口尚さんについての論評も掲載されています。

坂口尚は、昔から今に至るまで本業はアニメーターであり、バンダーブックの作画監督をやったりして活躍している。

アニメーター出身のマンガ家には絵のうまい人が多く、村野守美のうまさにも定評があるが、坂口尚の場合もそのリリカルな世界をささえるテクニシャンぶりとうまさには定評のある作家で、一部には熱心なファンもいる。

近々、奇想天外社から単行本が出るという話だし、もっと評価されなければならない人だ。
(山本淳一郎氏の論評より抜粋)


「COMIC AGAIN ’79年6月号」 (みのり書房)

シリーズ午后の風(2)「はばたき」 全4ページオールカラー

セリフなし。連続したイメージで表現された作品。マンガ絵とは思えない主線なしの作品。
2000年12月22日刊の「坂口尚短編集(1)午后の風」(チクマ秀版社)に収録されるまで、雑誌を持っている方以外には幻の作品といわれていた最高傑作といえるものです。

また、この号は、ビバ!COM世代漫画家結集号(1)となっており、COMを相当意識した雑誌であった事がわかります。COM出身の坂口尚さんをはじめ村野守美さんなどが執筆しています。

「COMIC AGAIN」と雑誌名のCOMの部分を強調しているのもそのためと思われます。


「COMIC AGAIN ’79年9月号」 (みのり書房)

COMIC AGAIN '79年9月号表紙坂口尚
クリック
すると大きくなります
シリーズ午后の風(5)穏かな日 掲載誌

であるにも関わらず、「表紙が、本編と関係ない」あたりが、いかにも坂口尚さんらしいとおもいませんか?

普通はキャラクターをマンガでは読者は追うのです。そんな世界とは一線を画したところに、坂口さんの作品とくに短編っていうのは、あったのではないかなと思うのです…。

そして、この表紙の絵にあるような、Gペン(ゼブラを愛用されていたそうです)の流れるような線の魅力は雑誌ぱふでもとりあげられましたが、自分の絵はまだかたまっていないと、常にあたらしい試みをしていった坂口尚さんでした。

このGペンの「流れるような線」の魅力にとりつかれた一人ですが、その後の、坂口さんの絵柄の変化についても、常にあたらしい試みをしたいという意欲にやはりひきつけられました。

この絵のコップはどうでしょうか?コップは「かちり」としたものだという概念など関係ないという描かれ方をしています。全体の雰囲気と相まってすばらしいカラー表紙になっています。他にもマンガ奇想天外の表紙をかかれていたり、WAHTでのゴリラの顔の表紙をかかれていますが、その他にも坂口尚さんが表紙を描いた雑誌はあるのでしょうか?アフタヌーンは未チェックです。

■この号の坂口尚さんの巻末コメント

手塚プロにカン詰め日が続いています。「奇想天外」の別冊に新作を発表。旅行!?
当分いけませんネ。(坂口尚)


「COMIC AGAIN ’79年10月号」 (みのり書房)

シリーズ午后の風(6)国境の店掲載誌

アゲイン今月の人(連載第一回)

このコーナーではアゲインに執筆している作家にQ&Aをおこなっています。
以下は坂口尚さんのアンケート結果

(1)誕生日星座

5月5日・牡牛座

(2)血液型

A型

(3)’79年上半期、あなたにとって漫画界最大の収穫は…?

さべあのまと、高野文子の出現

(4)あなたにとって芸能界、音楽界、最大の話題は…?

わかりません。

(5)アゲインへの要望 

長くつづいてください。

(6)近況

手塚アニメ「マリーン・エキスプレス」が終わって一息、今はホーけていたい。


「COMIC AGAIN ’79年11月号」 (みのり書房)

シリーズ午后の風(最終回)たつまきを売る老人掲載紙

巻頭カラー特集「コラージュ」にカラーイラストを描き下ろし

また、この号では、月刊新人賞の選評も坂口尚さんが行っています。


「ぱふ ’80年1・2月合併号」(清彗社)

「たつまきを売る老人」より…
クリック
すると大きくなります
GYAのまんが月評(9)
10月はいくつある?  村上知彦

(中略)

坂口尚「たつまきを売る老人」が「3月の風は3ノット」以来の少年まんが路線の傑作だと思う。

下校途中、坂の上でふと立ち止まり、親指をペロリと舐めて風向きを確認し、両手を拡げ、ジャンパーを翻して、バッシュで大地を蹴り「せ」と叫んで一瞬宙に浮く、少年の描写に心が踊る。

レモネードで竜巻を起こすマッド・サイエンティストという設定も素敵だし、キセル掃除の機械が蒸気を噴き出し、気流をかき回しながら、竜巻を作り上げていく過程は手に汗を握らずにいられない。

老人の作り上げた竜巻に吸い上げられ、天空から地球を眺めて、少年の知った「風の意味」は、人間は空を飛べる、という実感だ。

夏の日暮れ時、愛猫が車に轢かれるのを目撃した少年の心に宿ったメランコリーは、少年を飛びたいという欲求へと駆りたて、そして少年は、自分は飛びたいのではなく飛べるのだということを知った。

飛ぶためにはほんとうに、レモンをしぼったひとビンの"信頼"さえあればよかったのだということを、ぼくも思い出した。

画像は、COMIC AGAIN’79年11月号(みのり書房)
坂口尚氏の短編作品
「たつまきを売る老人」より引用
 


「ぱふ ’80年4月号 1979年度総決算号」(清彗社)

野の花
クリック
すると大きくなります
’79年は、坂口尚のカムバックの年と言っていい。「COM」の「いちご都市」以来絵のうまさには定評がある。「魚の少年」「たつまきを売る老人」2冊の単行本がでた!
 

Technician of '79 技能賞として紹介された記事より。
引用図版も同ぱふより短編「野の花」のヒトコマ


「ライトブルーペイジ」’80年5月さべあのま著(奇想天外社)

カバーの見返しに坂口尚さんのコメントが掲載されています。

さべあさんの作品は、ちょうどカーテンを透して、淡い陽のように差し込んできます。さらりと描いたような線に、確かにとらえられた表情。きままなスキップのようにコマが弾み、いつの間にかさべあさんの世界へひきこまれていきます。

つぶやきと、吐息と、クスッと笑う少女。
瞬く事をわすれたようにジッと何かを見ている瞳。それは、さべあさん自身のペンを握る手でもあります。
新鮮で、香りに満ちあふれた作品が、見る人の心をすがすがしく、そして率直な気持ちにしてくれます。

(坂口尚)

おなじ奇想天外社の本では、坂口尚さんの作品に手塚治虫氏が紹介文を書かかれておられますが、同じスタンスでの紹介文です。

手塚治虫氏の「たつまきを売る老人」への紹介文を一緒に掲載しておきます。

「たつまきを売る老人」坂口尚著’80年2月(奇想天外社)

あのボリュームのあるからだから、どうしてこんなに繊細で、切々たる、やさしさにあふれた作品が生み出されるのか、ふしぎなほど天才、坂口さんなのです。
世に詩的といわれる漫画家はいっぱいいます。けれど坂口さんは本物の詩人です。

彼の作品の詩は、メッセージは、心情は超一流です。そして彼は自分の仕事を大事にします。この短編第二集でも、坂口尚さんの詩うメロディは、万人をたっぷり酔わせてくれるでしょう。

(手塚治虫)


「ロマンアルバム(25)マリンエクスプレス」アニメージュスペシャル’79年10月(徳間書店)

ロマンアルバム マリンエクスプレス
クリック
すると大きくなります
「マリンエクスプレスキャラクター設定集」
発行年月日不明、 発行所、手塚プロダクション

ここに載っている、マリンエクスプレスと題のある絵(A,B,C)
のうち、A,Bにはあの独特の”尚”のサインがあり、Cも坂口氏の絵のように感じます。
あと、デューノ、モアイ、気密服、石車、ホオジロザメと題のある作品にも尚サインがあります。

「ロマンアルバム25 マリンエクスプレス」’79年10月30日 徳間書店

この中でも、キャラクター設定コーナーで、「尚」サインの入った絵がいくつか載っています。上記の設定集と同じ絵も多いですが、スペースの関係上、「尚」サインの見えなくなってしまっているものもあります。

製作スタッフ紹介では、もちろん坂口さんも載っています。
顔写真つきなのですが、坂口さんのところには「尚」サインが載っていました(顔写真はありません)

■坂口尚先生のコメントを引用します。

「マリン・エクスプレス」は、ファンタジーではなく、スケールの大きなミステリアスな作品だと思います。手塚先生のオールキャラクター総出演の魅力が楽しく生かされ、ヒゲオヤジの魅力でストーリーを引っぱっています。その中に雄大なロマンと、ムー大陸などの古代史をひもといていく楽しみがあり、アクションもテンポよく見せてくれ、さすがに手塚先生という感じではないでしょうか。

最初の打ち合わせ段階では、見切り発車の状態で、キャラクターは手塚先生が、全体的なものはぼくが見るようにしました。
この作品では、列車そのものが重要な役割を持っていますので、型式には気を使いました。
未来っぽくないように、それでいてシャープすぎないように流線型はさけ、大陸横断列車のイメージで、重量感を持たせるようにしています。 (坂口尚)


【情報提供者 りんたろうさん】


「ぱふ ’80年11月号 特集坂口尚」(清彗社)

ぱふ’80年11月号特集坂口尚
クリック
すると大きくなります
光の匂い、風の色 −坂口尚論 村上知彦

COM時代から奇天まで、これまでの、短編作品のイラスト多数

「おるごおおる」−坂口尚氏の短編読み切り24ページ (カラーページあり)

いつもあたらしい試みをしていきたい−インタビュー坂口尚

寡黙な風にゆれるコスモス−あるいは坂口尚論 石原はるひこ

坂口尚 輪郭(アウトライン)の思い出−北野英明

特別企画アニメ座談会 HUMOONを中心に 手塚治虫/松谷考征/坂口尚

 HUMOONの坂口尚氏の絵コンテ

坂口尚作品リスト+年譜

 ’69〜’80

年譜には、坂口尚氏が’71年ごろ、パン屋のお兄さんや、デパートの配達などのアルバイトをしてきたことも

 ’73年頃

連載が少なくなったぶん、アニメの仕事を

「ラ・セーヌの星」「魔女っ子メグちゃん」「ヤッターマン」「ダメおやじ」「一休さん」「偉人物語」「タイムボカン」などなど。

「魔女っ子メグちゃん」は一度だけ、坂口氏のかかわった回を確認しクレジットをみて驚いた記憶があります。
演出・作画監督までされていたようです。

資料性の実に高い一冊であり、坂口尚氏を知る上でも貴重な一冊です。

柱部分にいくつかのコメントがあり…
そのなかから、いくつか、これはというコメントを掲載させて頂きます。
氏の、視点が見えてくるようで興味深いコメントです。

「適当に描く画なんて、紙の上の汚れみたいなもんですよ。」
「今までの作品で好きなもの?全部嫌いですね。強いていえば一番最近描いたもの、という事になるかな。」
「評論家って、ものをつくる側の気持ちは決定的にわからないんじゃないか、と思いますね。」

(坂口尚)


「100てんランドコミックス/アニメコミックス」(双葉社)

【情報提供 morimoriさん】

100てんランドコミックス「フウムーン」について

私が所有しているのは2巻だけですが「フウムーン」は白黒のフィルムコミックです。

表紙

原作者 手塚治虫
演出  坂口尚
となっています。

 ページをめくると----------

原作 手塚治虫「来るべき世界より」

制作 手塚治虫
日本テレビ/手塚プロダクション

フウムーン   ・・・・・・・(他より8倍ぐらい大きい字)

坂口尚演出作品 ・・・・・・・(他より3倍ぐらい大きい字、手塚先生の名前より
                      かなり大きく載ってます!!)

 「フウムーンの中の月見草の場面のカット」  ・・・・(もちろん白黒!)

作画監督 西村緋禄司

美術監督 宮本清司

アニメコミック(双葉社)

同じく双葉社からアニメコミックがでているようです。
こちらは、カラーで、100てんランドコミックスはモノクロ

フウムーン 全2巻 
バンダーブック 全2巻 
マリン・エクスプレス 全2巻 
ブレーメン4 全3巻 

ブレーメン4 とフウムーン は表紙に坂口尚と表記されています。

■補足 フウムーンの作画監督 西村緋禄司さんは、虫プロ時代からの坂口尚さんの親友で、「坂ちゃん」「コウちゃん」とよびあっていた仲の方です。

「来るべき新百科フウムーン FUMOON超百科」’81年3月(立風書房)
 
フウームーン超百科
クリック
すると大きくなります
フウムーンは、手塚治虫氏の「来るべき世界」のアニメ化作品です。

そして、演出・構成 美術設定 メカニカルデザインを坂口尚さんが担当。

この本では、残念な事に坂口尚さんのお名前のクレジットは、メカデザインというエンディングのものしかありません。

本をよくよくみると
坂口尚さんのサインのはいった美術設定、メカ設定、または、馬蹄島での虫たちの設定デザインが坂口尚さんであった事がわかります。

これらの設定画は多数あり、坂口尚さんのサインを確認出来る点。

それから、坂口尚さんの「絵コンテ」の一部も紹介されています。
また、この本では「フウムーン」のオープニングはフルアニメでありすばらしいと絶賛し、カラーで収録しています。

おそらく、坂口尚さんが描いたであろう樹木もカラーで紹介されています。
設定画の多くが坂口尚さんの手によるものですので、手にする意味のある一冊だと思います。
 


「マンガ奇想天外 NO.6」’81年6月(奇想天外社)

最近出たSFマンガ 気になる本・こんな本

「星の動く音」−奇想天外社刊

坂口尚の絵はいつも乾いており、グロテスクさと美しさを同居させている。それにロマンチシズムだ。(中略)水分をクリスタルでおおった感覚がひろがっている。つまりガラスやプラスチックで覆われた液体だ。それは作品自身にもいえ、みずみずしい感性とおもはがゆいぐらいの愛のロマンチシズムを内に秘めながら、表面は乾いた運命的シニカルな様相を呈する。その内に見える輝きをとらえきれる人こそが、坂口尚ファンなのかもしれない。
(阿部聡氏の書評より抜粋)

この本の表紙には、この号の掲載作品である「夏休み」のカラーのカットもあります。


FUSION PRODUCT(ひゅーじょん ぷろだくと)’81年7月創刊号(ラポート)

インタビュー
「描き上げて サインをいれた瞬間、苦しみが喜びに変わる」

(Q)去年から今年にかけて、ずいぶんお忙しそうですね。

そうですね。僕自身にとってはかなり忙しかったですね。忙しい状態っていうのはある部分ではいいんだけれど…おいこまれるとどうしても必死になるでしょ、必死になってプラスの部分とマイナスの部分があって。

(Q)マイナスの部分というと、具体的にどんな…?

結局、アイディア練るのにギリギリ使ちゃうでしょ。描く部分っていうのは多少計算出来るんだけれど、それでも時間がなくなっちゃってやり残したみたいな感じで提出してしまう、というのがありますね。

(Q)これで充分、というところはやっぱり無いんでしょうね。

それがあるから、よく言われるように又描く気がおこってくるんでしょうね。
描いて渡してしばらくは、まぁちょっとしたミスとか忘れみたいなものがあるにせよ、大体渡した時点から一ヶ月くらいはなんとか感じよかったかな、と思いつつ過ぎてね。

一ヶ月以上たってくると段々気持ち悪くなってきて…(笑)
一ヶ月以上もたって本になると、多少離れて冷静に見えるでしょ、しまったぁ、とか(笑)

(Q)今、月に何頁くらいですか?

大体、基本的に30頁くらいというのが一番いいんですよ。

なまじ、一度、一日10頁やったりすると、もうそれで描く時間計算しちゃうでしょ。
30頁だから3日で大丈夫だなんて考えて、ギリギリまで、ネームとかプロットに時間かけてたりして。

やっぱり一日10頁だと、絵が白っぽくなりますね。そういう時って線が走りすぎちゃって、画を止めたいという時に困りますね、アクションものならいいんだろうけれど。
(中略)

(Q)あまり、まんがを描く事には固執していないんですか?

そうですね。とにかく絵を描く事が非常に好きなんだけれど、最初はまんが家になるなんておよそ考えてなかったんです。
話を作るのがとてもじゃないけど大変だと思うし、同じ顔をいくつも描く事がどうしても信じられなくてね、飽きちゃうんじゃないかと思って…(笑)そういう気持ちが未だに尾を引いていますね。  

坂口尚氏による油彩画

坂口尚氏の描いた油彩画
クリック
すると大きくなります

(Q)まんが以外にも絵を描いていらっしゃるんですか?

油絵をね、ちょっとやってます。やっぱりまんがの一コマ毎に描くのはなんかわずらわしくてね、ムチャクチャというか、のびのび描きたくなるんですよ。
まんがの絵と比重のかけ方が違いますね。

まんがだとパターンで描いてしまうところがあってね。
顔でも表情でも。

それにブレーキをかける意味でもいいですね、僕の場合は。
 

(Q)ファンとしてはずっとまんが描きつづけて欲しいですね。

発表されるかどうかに関わらず、まんがも描いていきますよ、きっと。
それが、編集の目にとまるか、読者の目にとまるかはわかりませんけれど。
もちろん苦しいんだけれど、できあがった作品がわりと自分の気にいったりするとね。

苦しみが喜びに変わる、その味が忘れられなくてやってるんじゃないかと思いますね。
描き上げて日付とサインをいれた瞬間の気持ちが何ともいえない。
今日は死ぬまで飲んでやろう、なんてね(笑)

(坂口尚)


「マンガ奇想天外SFマンガ大全集NO.10」’82年5月(奇想天外社)

COMIC AGAIN '79年9月号
クリック
すると大きくなります
収録されている作品は、 「電飾の夜23:59発」のハードカバー版に収録された

 「6月の雨」 です。

サイレントな作品で坂口尚さんらしさを実に感じる作品ですが、ソフトカバー版の「電飾の夜23:59発」にはなぜか収録されず「こんなに名作なのに…」と何度も読み返している作品です。

■坂口尚短編集(4)「きずな」
2002/02刊に収録

この号の表紙は坂口尚さんの手によるカラーイラストです。 


「少年少女SFマンガ競作大全集PART15」’82年7月 (東京三世社/スタジオIWAO)

(対談坂口尚・難波弘之)

音楽とマンガなどの対談が興味深い一冊です。また、坂口さんの理解されたい、でも理解されると追いつかれるように思える等のコメントもあります。
以下、興味深いと思った坂口尚氏の発言より引用させていただきました

「音楽について」

音楽というのは必ずしもそうでなく、理屈抜きに生の意欲のようなものを伝えられる。そういうところで僕は音楽に対して非常に憧れあるんですよ
僕の作品に音楽の形式を取り入れたものがあるんですが、せいぜいそれぐらいしかできない。本当に僕のジェラシーをかきたてる存在(略)

「美術の授業について」

太陽を描くなと。それが全然わかんなくてねぇ。
あれはダメこれはダメっていうんじゃなく自由にさせて、そこから方向性を引きずりだすって形でないと何にしてもまずいじゃないかと。

「理解されたいつっぱなしたい」

僕も表現する以上理解されたい訳ですよ。そう思いつつ理解されたらおしまいだ。追いつかれたというかね。どんどんまっしぐらに突走りたいという気持ちはあると思うんですよ。商売になるならないといった部分と関係のない部分で(略)

「作品と音楽について」

僕がアニメーションに魅力感じてるっていうのは、絵が動くこともそうだけど、音楽がつけられるんですね。雑誌マンガじゃいつも悔しいのでソノシートつけたいと…(笑)

いつもね。その作品作品にテーマソングがあるんですよ。自分を集中させる時は音楽なんです。自分の選んだレコードじゃなくて、しばらく聴かなかった曲にであうとびりびりと創作意欲がわいて来る事がよくある。

そう言う時、そのレコードが無ければ買ってきて、プロット、ペン入れてずっと締め切りまで、しつこいくらい聴くんですよ。そうしていると、その情感というかその中にとけこめる体にしみこんでくるんです。

(坂口尚)


「COMIC BOX ’83年1月号」(ふゅーじょんぷろだくと)

 ’82 SFマンガ分析
SFもどきはもう許さない!カゲキに迫る(扉イラスト坂口尚
地球を手で握り、そして、地球がガラス片のようにくだける…そんなイラストです。
他に、マンガ奇想天外掲載作品である、「夏休み」が掲載されています。また、’82飯能まつり 色紙オークションにだされた坂口尚氏の色紙もカラーで紹介されています。

坂口尚サイン会の告知があります(イラストは「おるごおおる」が使われています。)

サイン会が’82年12月25日(土)1:30からだった事がわかります。同時に坂口尚原画展が告知されており、同じ会場で12月27日までおこなわれていた筈なのですが、ご本人に直接おあいできた記憶が強すぎるのでしょうか。原画をみた記憶が抜け落ちています。

サイン会終了後軽くティーチ・インと告知されています。

また、この号では、「12色物語」についての書評があります。

坂口尚は詩人である。
この作品集に繰り返して登場する孤高の魂をもった人たちの生と死は、彼らを理解できない俗物たちによって、必ずヤユされるようになっている。

しかし、孤高の魂のものたちは、彼らの姿勢を崩さない。
これは、坂口尚自身でもあるのだろう。(高取英)


「COMIC BOX ’83年2月3月合併号」(ふゅーじょんぷろだくと)

フォトインタビュー(4)坂口尚 
ふりーすぺーすでおこなわれたサイン会・座談会では、真面目な少年達の熱い眼差しに囲まれた。

写真は私も参加した、1982年12月25日のサイン会の時のもの。この写真はCOMIC BOXのホームページにある追悼コーナーの写真と同じものです。
坂口尚氏自身ののコメントはすくないものの、アニメについて語っている部分 等をインタビュアーがまとめています。

(記事抜粋)

年若くしてデビューし、まわりから喝采をあびつつも、まんがを描くのを一時中断し、人生修行のために職を転々とした。アニメーションのCMの仕事から「フームーン」(手塚プロ)ではキャラクターから演出までこなした。
−が、今のアニメの製作システムでは「作品」が成立しえないとの理由でとりあえずアニメ界への復帰は考えていないそうだ。
 

その坂口尚氏の長いまんが家生活の中での初の長編がスタートする。
「石の花」(コミック・トム3月号)である。

舞台は第二次世界大戦下のユーゴスラビア。ファンタジックな作品ですと本人の弁だが、いままで短編ではみられなかった彼の新しい局面が、どのように展開するのか、確固とした信念に裏づけられた作家だけに期待は大きい。


「COMIC BOX ’83年4月号」(ふゅーじょんぷろだくと)

 「石の花」に期待。坂口尚はもっと評価されるべきだ(竹内オサム)

坂口尚の「石の花」。アニメタッチの叙情味あふれる絵柄にまずひきつけられた。(中略)

坂口尚の作品は、なぜあまり評価されないんだろうか。絵がうまいといってかたずけられないものが、坂口さんの作品にはずっと流れている筈なのに。リリカルな叙情性と、現実へのさめたまなざしとが、奇妙にとけこんでいる。

それが彼の特質だと思うのだが、どうもそのあたり正当に評価されていないように思える。


「月刊スーパーアクション終刊号」’87年9月号vol.52(双葉社)

終刊に寄せて常連作家たちからのコメントを載せたページがあります。

以下は坂口尚さんのコメント全文です。

「休刊のため『紀元ギルシア』は展開途中のままとなりますが、いずれ完結篇を描き上げられる機会もあると思います。その前に、ここまでのストーリー単行本にて是非もう一度通読して下さることを願っております。”言葉”がモチーフですのでぜひ読み落としなきよう。さて、参加して間もない小生としましてはとにもかくにも52巻もの血と汗の結晶が世にはばたいていったことに想いを馳せたいと思っています。お疲れ様でした。」

【情報提供 タルタルローさん】

※追記
「WHAT’87年2月号 月光シャワー一挙掲載誌」(東京三世社/スタジオIWAO)

(インタビューより抜粋)

俳句の季語辞典をパラパラみてて、新鮮にひかれる言葉があったり。
それから漢字は、表意文字だから意味があるでしょう。その字一個の中に世界がある。
それ自体イマジネーションというか、ファンタジーというかSFというかね。
非常に広いというか、漢字一つをながめるだけでも発想のエキスになりますね。

(坂口尚)


「COMIC BOX ’89年5月号」(ふゅーじょんぷろだくと)

仕事場の手塚先生(イラスト坂口尚氏)
クリック
すると大きくなります
1989年…
それは、マンガの神様手塚治虫先生が逝去された年…
いろいろな論評…マンガでの追悼作品がありました。

坂口尚氏の手によるものは−

星の界(コミックトム1989年4月号)が手塚先生への追悼作品です。
(手塚治虫がいなくなった日 潮出版社 に収録された)

情緒があふる名作です。

坂口尚さんは、手塚先生への追悼の「言葉」はあまり多くを語っていませんが、この横のイラストからも感じられるように、坂口尚さんは、絵で追悼の想いを描いてます。

坂口尚とは絵であると村上知彦氏は論評しましたが、まさにそう感じさせるイラストです。

坂口尚さんの追悼原画展の際、デッサン教室のようなところにこの原画があったそうです。

みなさんからの情報で、やっと、わたしも該当号のCOMIC BOXを手にする事ができ、この坂口尚さんの描いた手塚先生の絵をみることができました。 横に掲載しているのは、絵の一部分です。ぜひ、この号を探してみることをおすすめします。

そのほか、坂口さんが、手塚先生の似顔絵を描いた話としては「火の鳥2772」の原画で一瞬火の鳥が手塚先生の顔になるというシーンがあったそうですが、上映時にはカットされていたようです。
 


 引用画像は
 「仕事場の手塚治虫先生」(坂口尚氏によるイラスト)
 COMIC BOX 1989年5月号−「特集ぼくらの手塚治虫先生」より
 見開き2ページ原稿にペンを振るう手塚治虫氏のイラストの一部です。
 画像をクリックすると大きくなります。

■COMIC BOX (ふゅーじょんぷろだくと)HP 


「マンガ応用テクニック講座」’90年9月(美術出版社)

インタビュー(カラー2ページ)

 坂口尚 場景至上派

坂口尚氏の仕事部屋の写真あり。

「コッケル氏の財産覚書」をカラーで紹介。

インタビュアーのキャラとストーリのせめぎ合いがマンガだと思っていたが、坂口さんはシーンがキャラクター

ストーリが場面展開という内容ののコメントが印象的。

■作品の作り方について坂口氏のコメント概略

まず場面がうかんでそのあとで、そのシーンにつながるように話を作る… 人物は描きたく無いけれど、出てこないとドラマにならない。

時流に流されず楽しく描きつづける事を忘れないで欲しい。

「一休」の構想がこのとき、すでにふれられていて…机の上の写真には描きかけの一休の原稿が写っている。

同じ顔を何度も描くのはあきてしまうともふれられている。 


「高一生の進路ガイド」高一コース’91年8月号第29巻5号 付録(学研)
 
高一コース学研付録イラスト(坂口尚)
クリック
すると大きくなります

高一コース付録のイラストです。
公認会計士・弁護士・アナウンサーそれぞれの職業の紹介にイラストがあります。

約50カットです。

絵柄からみて’80年代に描かれたイラストを数年間使ってきた可能性があります。


「手塚治虫物語」1960―1989伴俊男/手塚プロダクション著 ’92年10月(朝日新聞社)

「手塚治虫物語―漫画の夢、アニメの夢〈1960〜1989〉」’94年11月(朝日文庫)文庫版

この本は文章でうめつくされたものではなく、マンガ形式で手塚治虫先生の歩んだ道を描いている本です。

上記の 1960年〜1989年までの中に、坂口尚さんが手塚プロ初のアニメ「バンダーブック」に関わる場面でマンガの中のキャラクターとして登場します。
そして、メカデザインを有機的に描こうとマンガの作品中に坂口尚氏の手によるメカデザインの絵がそのまま登場してきます。

また下駄履きにジーンズ姿でも登場しています。

そして、取材協力者として坂口尚氏の名前が掲載されています。


「デザインの現場」NO,58 ’92年12月号(美術出版社)

【情報提供 今井 麻実さん】

{特集} コミックスの芸術家たち

巻頭は、「メビウス」 「エンキ・ビラル」 「エマニュエル・ギベール」
・・・等、BD(ベーデー)作家の大御所達のインタビュー。

[日本BDの胎動]という記事の中で坂口氏のことが紹介されています。
小さいですが『VERSION』3巻(P,82・83)の画像も載せられています。

「BDにインスパイアされ、そこから独自のスタイルを生み出した少数ながら野心的な作家たち<本文より>」
のひとりとして紹介されています。


「月刊ガンガンファンタジー ’93年4月号」(エニックス)

 「ゼファ(ZEPHYR)」短編全42ページ

   全ての崩壊。それは失われたものを求める、科学と自然の戦いの序曲となった。(最初の1ページより)
   ストーリー的には、紀元ギルシアと近いものがあります。


「コミック’94 真夏号」文芸春秋8月臨時増刊号 (文芸春秋)

 「カデンツ Kadenz」短編全21ページうち、3ページがカラー(含む表紙)
  いかにもCGというカラーページと絵画調の油彩タッチの扉絵が印象的。

(編集者のコメント)

坂口尚さんとの打ち合わせや、原稿の受け取りは、下町のとある喫茶店で。(中略)坂口さんはいつも自転車であらわれる。この自転車がまさに正しく使い込まれていて、ちかごろ珍しいほどのボロ自転車なのだ。

某日、坂口さんが数分遅刻された。聞けば途中その愛車がついに壊れてしまったとか。最寄りの自転車屋に持ち込んだところ、「いやぁもう直りません。それにしてもよく乗りつぶしましたね」。坂口さんのお人柄が見えてくるような気がする。

かつて、手塚プロでアニメを手がけたことのある坂口さんの夢は、パソコンを使ってプライベートのアニメを作ること。「ソフトが不十分でなかなか完成しません」。そのぶん、カデンツのカラーをCGで描いてくれました。


「COMIC BOX ’96年5月号 特集「『ガロ』編集長 長井勝一氏のある日」(ふゅーじょんぷろだくと)

『ガロ』編集長だった長井勝一さんの追悼号です。注目するのは漫画家の夏目けいじさんの「阿佐ヶ谷 木菟 或る日 或る夜」と題された二ページ見開きのカラーイラスト。
木菟(みみずく)と言う阿佐ヶ谷の飲み屋の店内を描いたイラストですが、長井勝一さんを中心に様々な人たちがいる中に、坂口尚さんとコミックボックス編集長の才谷遼さんがいます。
二人は会話をしています。

坂口 「ぼくはね手塚治虫をのりこえちまっているんだ…」
才谷 「そんな事言ってる前にエンターテイメントきっちり書きなさいよ!」

この号は丸ごと一冊長井氏の追悼のために漫画家、評論家、総勢百人近くの方々が追悼文や追悼漫画を寄稿しています。

木菟と言う阿佐ヶ谷の飲み屋は長井氏のお気に入りだったらしく、他の人の漫画の中にも店が出てきます。おそらく坂口さんと才谷さんもよく通っていた店だったので、長井氏の追悼漫画に登場となったのではないでしょうか?

(坂口尚BBS 宮内さんの投稿より転載)


「日本一のマンガを探せ!」’97年6月別冊宝島316(宝島社)

奇才から異端までマンガ家1000人!
傑作2000作品を厳選紹介!

と表紙に「あおり」の文字があります。

坂口尚さんの紹介は、「ジャンル NO.9 時代を問う視線」にあります。

231Pには、「石の花」「VERSION」「あっかんべェ一休」の書評があり、この本がきっかけで、坂口尚さんのファンになったという方も…

死を目前にして人間は何を思うのか。作者は95年に49歳の若さで逝去したが、最後に一休の物語を描いた。
虫プロで動画、原画、演出に携わり、時代とともに戦った男は何を思ったのか。

(同書の作者紹介より)


「20年目のザンボット3」’97年8月 氷川竜介(著)(太田出版)

「無敵超人ザンボット3」

21話「決戦!神ファミリー」でクレジットされている、「砂川尚志」は「坂口尚」さんであることが「石の花」の書影とともに紹介されています。

(同書92頁より抜粋)

「アニメーター坂口尚」

坂口は北野英明や村野守美、真崎守と同様、虫プロのアニメーターとして活躍。
手塚治虫原作の「バンダーブック」のキャラクターデザイン、作画監督を担当している。「ザンボット3」も旧虫プロの人脈を受け継いだ作品の一つなので、おそらくその関係で坂口の起用となったのだろう。(氷川竜介)


「まんが解体新書−手塚治虫のいない日々のために」’98年8月 村上知彦(著)(青弓社)

まんが解体新書 手塚治虫のいない日々のために 村上知彦 青弓社刊 
クリック
すると大きくなります

手塚治虫の死後、まんがの状況はどのように変化したのか?石ノ森章太郎らの死、「少年ジャンプ」の凋落、「有害」コミック問題−まんが界を揺るがした出来事や作品を通して、まんがの現状を診断する

と表紙にはこの本の概略が記載されています。

第3章「戦後まんが」への挽歌には

1.君さりしのち-追悼・手塚治虫さん
2.入魂の遺作『あっかんべェ一休』-追悼・坂口尚さん
3.長井さんと、話さなかった事-追悼・長井勝一さん
4.そして誰もいなくなった-追悼・藤子・F・不二雄さん
5.「神様」との闘い-追悼・石ノ森章太郎さん

と、戦後まんが界をふりかえり、手塚治虫、石ノ森章太郎、藤子・F・不二雄、長井勝一各氏とならんで坂口尚さんへの追悼として

初出「朝日新聞」1996年2月3日付夕刊掲載の「入魂の遺作『あっかんべェ一休』」が収録されています。
■Amazon
■チャンネルゼロ ■青弓社 


「日本経済新聞’99年4月27日(火)夕刊−石の花(村上知彦)」

 
石の花書評 村上知彦氏
クリック
すると大きくなります
日本経済新聞に「石の花」のコラムが掲載されました。

書いているのは、坂口尚さんの作品について書評を多くかかれている村上知彦氏。

これまでに、「3月の風は3ノット」(潮出版社’81年8月刊)の単行本巻末でのコメント「坂口尚の普遍性について」やぱふ’80年11月号の坂口尚特集で、「光の匂い風の色」などを書いている方です。

「どこに描こうが少年まんがなのだ」と坂口作品を少年まんがとしてとらえ、「3月の風は3ノット」でも同様に、「いま、ファンタジーと呼べる少年まんががどれだけあるかを考えたとき、坂口尚の存在の貴重さを、感じない訳にはいかない」「少年とは走るものである」と。

これらの書評から、約20年後、坂口尚作品について再び村上知彦氏がコメントしている点に興味をもちました。

このコラムは政治的問題も絡んでおり、その主張のすべてが正しいかどうかは、判断に困るところもあります。まさに、コラムを書いている村上知彦氏自身が、

「コソボの情勢について家族になにか質問されたら、ぼくにもうまく説明する自信はない。そんな時は、黙って坂口尚の「石の花」を差し出す事にしている」
(村上知彦氏のコラムより抜粋)

と語っているように、ユーゴをとりまく歴史的背景は複雑であり、一言では語りつくせないという事なのだといえるのでしょう。

99/05/02


「サンデー毎日2001 1.7-17日合併号」(毎日新聞社)

坂口尚短編集(影ふみ)チクマ秀版社 「村上知彦の大人のまんが」
忘れかけたまんがの可能性
坂口尚短編集1・午后の風

『石の花』や『あっかんべェ一休』などの長編で海外でも評価の高い坂口尚は、短編の名手でもある。全5巻の予定で刊行が始まった今回の短編集が、これまでに何度か出た短編集と違っているのは、これが五年前に急逝した作者の、死後に編まれたものである事だ。その為だろうか、様々な側面を持ち、既成のジャンルに分類されにくかった坂口尚の短編作品が、とてもすっきりと整理され収まっているように見える。

第1巻『午后の風』は、70年代末から80年代初めの、大友克洋や高野文子らが登場しニューウェーブと呼ばれた新しい波の渦中で描かれた、日常の中のファンタジーに目を留めた作品群でまとめられている。

初出一覧には『ペケ』『コミックアゲイン』『奇想天外』『ぱふ』『漫金超』など、ブームを担った懐かしい誌名が並ぶ。そしてその源流ともいうべき70年代初頭の『COM』『ガロ』に発表された作品が一作ずつ混じっている。

いま、あのころ坂口尚が、台頭する新しい表現に拮抗して、次々繰り広げてみせたまんがの可能性を振り返るのはまぶしい。

なにげない線の一本、セリフの一言が放つ重みを受け止めるとき、まんがとその読者は、なんと多くのものを置き忘れてきたかと、思わずにはおれないのである。

(村上知彦)
■チャンネルゼロ ■チクマ秀版社

引用画像は、坂口尚短編集(1)「午后の風」チクマ秀版社収録 影ふみより
(C)HISASHI SAKAGUCHI


▲このページのTOPへ

▲もどる
カウンター