■「抵抗の詩」と「石の花」  

「KRVAVA BAJKA 抵抗の詩」は、トーリ・ヤンコビッチ 監督作品(ユーゴ映画)であり、実話の映像化作品であり、万国博覧会で絶賛された。
殺されたドイツ兵一人に対して報復として住民100人を射殺という、ユーゴスラビア セルビア クラリエヴォの惨劇の史実を描いた作品です。

この作品は、’70年「まんが王」8月号9月号にて坂口尚さんがコミカライズしています。
詳細な情報を、高橋さんより情報提供頂きましたので、 「石の花」と「抵抗の詩」の共通点が何か見えないだろうか?
と思い、私的考察をしてみることにしました。

「石の花」と同じ年代の、ユーゴスラビアを描いた作品なのですから、共通している部分をさぐってみたいと思ってしまうのは当然なのかもしれません。

「抵抗の詩」は「石の花」の原点ないしはすくなからず作品に影響をあたえているようです。
映画「抵抗の詩」と坂口尚版「抵抗の詩」そして「石の花」との接点を参考資料とあわせ考察してみたいと思います。


■坂口尚版「抵抗の詩」 まんが王’70年8月号9月号二回連載

人が生きる事そして死…
だからこそ今の一瞬を大切にしたいという坂口尚氏の共通したテーマがここにもあるのだという事。
その事をしばらく読後に考えていました。

また、子供達を主人公にすえた作品のコミカライズである点。そこに、坂口尚さんらしさを感じました。

抵抗の詩 まんが王8月号143ページより引用抵抗の詩 まんが王 より
まんが王’70年8月号 143ページ「抵抗の詩」  まんが王’70年9月号262ページ「抵抗の詩」より引用
(C)坂口尚 トーリ・ヤンコビッチ


■映画「KRVAVA BAJKA 抵抗の詩」資料

 
 
 

■抵抗の詩 劇場公開用チラシより


講談社漫画文庫「石の花」2抵抗編より
講談社漫画文庫「石の花」5解放編より
「石の花」(講談社漫画文庫)より
(C)坂口尚
「石の花」の挿画の「花」(左)と「抵抗の詩」の「花」… 
「抵抗の詩」の「ケシの花」のイメージが、ユーゴスラビアという舞台を接点に坂口尚氏の内面にあったのではないでしょうか…。
抵抗の詩第二部扉絵(まんが王’70年9月号)
まんが王’70年9月号
「抵抗の詩」扉絵(C)坂口尚
抵抗の詩映画パンフレットより
「抵抗の詩」映画パンプレットより


「ケシの花」あるいは、作品中になんども 
「フンバルベルディング先生のみつけた あのひなげし 無事かしら?」(フィー) 

などの記述もあるように、講談社漫画文庫「石の花」タイトル挿画の花の絵も、おそらく「ケシ系の花」なのだろうと思います。


(C)坂口尚 「石の花」(講談社漫画文庫)
(C)坂口尚 「石の花」(講談社漫画文庫)

この「花」もケシ(ひなげし)であり、「花」とそしてその「蕾(つぼみ)」はいつか「花」をさかせる。

どのような「花」なのだろう?

フンベルバルディング先生と一緒に空想してみたい。

紹介画像は、「石の花」の一部でしかありませんが、「花」に注目しながら読みすすめてみました。「ひなげし」の描写が多く、 「花」は重要な位置をしめているのかもしれません。

「抵抗の詩」のコミカライズ作品を読んで以来「ポストイナ鍾乳洞」の「鍾乳石が花にみえた」
という重要なテーマに+αとして「抵抗の詩」の「ケシの花」があり、そして「花」には「未知の蕾(つぼみ)」「可能性」「運命」等が込められてるのかもしれない。そんな事をつい空想してしまいました。

「抵抗の詩」というユーゴスラビアを描いた’70年の作品を振り返りつつ、おなじ時代背景の「ユーゴスラビア」を描いた坂口尚さんは「花」にひそかに私たちに対するメッセージをしのばせているのかもしれない。

「抵抗の詩」という作品は、「石の花」への関心をよりかきたてさる内容でした。

P.S

「未知の蕾(つぼみ)」というのは、「紀元ギルシア」の「未蕾(ミライ)」に通じているのかもしれない。 各作品の共通したモチーフ、テーマを考えるきっかけにもなったようにも思え、もの想いにふけってしまった考察となりました。


▲このページのTOPへ

「抵抗の詩」に相当する史実部分は「石の花」第3巻内乱編(講談社漫画文庫)37ページ38ページ
「石の花」愛蔵版第2巻(講談社)213ページ214ページに描かれています。

引用画像は坂口尚公認ファンサイトとして許される範囲 著作権法上の研究の為の引用の範囲と解釈し掲載させて頂いています。
2001/07/14 2003/03/24加筆

▲もどる カウンター