自選句



2008/山頭火全国俳句大会
職場より4キロ宇宙に近い青
獲物は春 花びらまみれの猫帰る
2007/No,94
湧き水を飲みマチュピチュの民となる
海だった大地の空に立つ
どこまでもシンメトリーの空と穹
これが俺を殺す景色か美しくもある
2007/山頭火全国俳句大会
一番綺麗な姿で蝶の亡骸
ふるさとは水たっぷりにゆるやかに
2007/No,91
弁当忘れて頂上の空の高さよ
猫の視線の先のアレは一体なんだろう
まだ善人に見えるか 道を聞かれた
黄砂もいいもんだ満月の夜は
2007/No,88
この空はエジプトに続く青
どうしようもない”男”をぶら下げて歩く
2007/No,87
何年ぶりの雨を浴びたかダムの底
登るに飽き下るに飽きる 富士は雄大
第21回 国民文化祭・2006やまぐち文芸祭
ネットの中に自分を探す 誰もいない時空
戦争の数だけ途絶えた子守唄
2006/No,84
クモの巣にひれ伏しひれ伏し登る
道に迷ってギンリョウソウ
みんないてスキップ喪服の女の子
俺目指しゴビを発ったか砂の粒
2006/No,83
寒の星 ケンタッキーのいい匂い
快方に向かう痛みの心地よさ
永遠の真ん中に生きてるんだと思ってた
2006/No,82
肉屋で売られる仔ラクダぷるぷる
ふりむけば空き家の沈丁花
2006/No,81
朝の空気の菊一文字
ブルマンだけかよ旨いけど
素数に孤独を癒されている
ハンドベル部の二のうでぷるぷる
2005/山頭火全国俳句大会
きれいな花撮るあなたがきれい
あの嘘がウソだと言うウソみんな嘘
2005/No,80
詠めやと月に責められている
それでもけれどもだがしかし
パソコンの冷骸を抱く
2005/No,77
乗り越して見知らぬ街灯り
みおろせば犯したくなるよな雪ま白
玉葱をよもや買う日が来ようとは
夫が死んでにぎやか
2005/No,76
あんなにたくさん実をつけて檸檬はすっぱくないのかな
僕だけが響く 早朝の巨人
2004/全国山頭火俳句大会
蟻の這う音 眠れない
ゼリーも踊る食卓はにぎやか
2004/No,70
しらない道ばかりでたのしい
手のひらの猫傷のいとしく
猫の毛ついてくるいつまでもいつまでも
2003/全国山頭火俳句大会
知らない道ばかりで楽しい
虎よお前になら喰われてもいい
明日死ぬ人も今日は知らずに生きている
2001/春〜夏
仰ぎ見る空に桜の他は無し
満月で湖面はにぎやか
かつて父と居た この句碑の前に
炎天を仰げば白い満月
ゆっくり走ろうカマキリくっついている
はじめて鏡を見るカマキリがいる
2001/No,51
迸る痛み放つや寒月光
くりゅりゅりゅりゅころろろろろろと猫枕
秋刀魚来ず一人大根恥をかく
満月 きっとあそこが出口
十月十時のオリオンは寝ている
2000/No,49
うまそうな雲は大もり
ケータイにニジガデテルとPメール
2000/No,48
ひらひらとミニスカートのやさしさ
千の嘘 青空になる深呼吸
ツチクテムシクテシブイかツバメ
しゃぼん玉まくらにしたらいいきもち
2000/No,47
きっと見ている今日の三日月
ここよここ街のそこここ沈丁花
春の夜メールのチェック二万回
2000/No,46
口いっぱいシュークリームのしあわせ
いつかえるるる いつまでいるる
千年前にもあったかな 千年後にもあるのかな
ここよここよ ふりむけば梅
もういいかい まだ死ねない
2000/No,45
やっとやっと立っていたのか街の木よ
クモの巣ほめたら払われた
まっすぐとオリオンへ続く坂道
1999/No,44
かすかな指先たしかに触れた
今度逢えたらおめでとうと言おう
ポケットに入れたいものができました
1999/No,43
月音さらさら屋根に降り積む
青い落ち葉よお前もか
Eメールはリターンばかりで
何してるんだ俺は 空が高すぎる
1999/No,42
届かない柿水面にたわわ
空の深さに立ちすくむ
ひとりファミレス さみしくはない
飼い猫に手を咬ませる
笑われて隠して失くして探してる
1999/No,41
星を頬張る
月を噛む
生まれる場所を待ち合わす
1999/No,40
耳をふさいでも聞こえる なんだ俺の声かよ
さくらさらさらくらくらさくら
1999/No,39
テールランプにもにらまれている
彼女はシャボン僕はサボテン
可愛くて猫をいじめる
無人駅に一人カンパネルラを待つ
去年のたんぽぽ今年はないぽぽ
1998/No,38
めぐりくる春ひめくりめくる
空耳に耳をすます 空のつぶやき
星よ グラスの中の恒星よ
倉庫にひらら夏の貴婦人
手と手つないでとてててて


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