Japanese poem“haiku”

自由律俳句扉絵:夏

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自由律俳句について
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句の作り方(私の場合)
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私Gingerは、とある句会に「千鳩」(センキュウ)の俳号で参加しています。
発表句を整理しつつ、広く意見を聞く為にこのページを作りました。






自由律俳句について思うこと


俳句とは

わたしが思う俳句の本質とは、

「自然の印象と人の心を最も端的に表す文学」 であり、その魅力は
「極限まで磨かれた言葉のきらめき」 にあると思います。

わたしは「有季定型」は、俳句を表現するのに適した手法の一つと考えており、
「季語」や「五七五」にはこだわりません。




自由律俳句とは

一言で言えば、季題や字数にとらわれない一行詩。
世界最短の詩形でしょう。

「うしろ姿のしぐれてゆくか」 山頭火 (さんとうか)
「咳をしても一人 放哉 (ほうさい)

まだ歴史が浅く、知名度や評価は低いのですが、
無限の広がりと可能性を持った詩形だと思っています。




伝統的有季定型俳句の限界性

「季語」は表現を深める為のものですが、
それを絶対視する事は表現の幅を狭めかねません。
歳時記も実生活の季節感と必ずしも一致しません。


「五七五」の十七音を守ることは、句のリズムを画一化します。


「や」「かな」「けり」に代表される『切れ字』や「ゐ」「ゑ」等の『旧仮名』は、
それぞれ意味のある表現上の技法ですが、
その効果は現代においては形骸化しつつあります。

以上の理由から、私は伝統的有季定型を絶対とはしていません。
基本であるとは思います。

有季定型は日本人の美意識が生み出した理想型であり、
伝統的な手法で詠まれてこそ光る句もあります。
しかし定型しか認めない風潮は、俳句の可能性を否定するものだと思います。




自由律俳句の可能性と危険性

自由律は「難易度の高い俳句」です。
制約にとらわれず言葉を磨くことにより、新しい表現を可能にします。
しかし自由な詩形だからこそ、作り手の技量・センス・感受性が問われます。

自由律は五七調に固執しません。
ただしそれは、自分の言葉を表現するのに最も相応しい律を探す為であり、
まったくリズムや調子にこだわらなくてよいものではありませんし、
「定型崩れ」の事でもありません。

このような事に常に留意しなければ、テンプレートが無い分、
一人よがりの句や、定型ではまず見られないような駄句を生みます。

こうした句が自由律俳句の地位を貶めています。




なぜ自由律俳句なのか

ではなぜあえて自由律で読むのか。
それは単純に作っていて楽しいからです。


自分の想い、
有季定型にはそれが型にピタッと収まった時の快感・達成感がありますが、
自由律には逆にそれが思いもよらなかった形になっていく驚きと発見があります。

その違いは「プラモデルと粘土細工」と言えば近いでしょうか。

どちらが優れているなんて無粋な事は言いません。
共通する魅力と、それぞれに違った面白みがそこにはあります。
自由律俳句という概念が無かった昔ならいざ知らず、
その方向性が示されている今にあっては、
両方やってみるのが現代の俳句詠みとしての自然な有り方であり、
また楽しみ方だと思っています




最後に

ここまで素人の俳句論に付き合って下さってありがとうございました。
偉そうなことを書きました。
今度は自分が批評される番です。

上述の「一人よがりの句や、定型では見られないような駄句」もあります。
自前のページですし、自句はやはりかわいいのでこの際載せます。


有季定型を旨とされている方にはふざけているように見えるかもしれません。
覚悟はしてますが気に入ってもらえるとうれしいです。





千鳩の句


句と掲載号と頂いた批評感想と、自己解説をまとめました。
「解説いらない」の方は自選句一覧へどうぞ。



職場より4キロ宇宙に近い青
2008/山頭火全国俳句大会

〜解説〜

ボリビアにティワナクという世界遺産を持つ町がある。
そこで見た空は見たことのない色をしていた。
宇宙が透けて見えるかのように青黒かった。
ここは標高が3970m。
きっとそれだけ宇宙に近いせいだろう。
日本からの距離的にも高度的にも遠くに来たもんだなぁと思った。

『宇宙』は「そら」と読んでもらえるとありがたい。



獲物は春 花びらまみれの猫帰る
2008/山頭火全国俳句大会

〜解説〜

とあるお宅のサンルームで話をしていたら、その家の猫が桜の花びらにまみれて帰ってきた。
満足気に、のっしのっしと。
まるでその口に春をくわえているようだった。




湧き水を飲みマチュピチュの民となる
2008/No,94

〜解説〜

マチュピチュに行った時のこと。
水の無い山頂にどうやって都市を築いたのだろうと思っていたらちゃんと湧いていた。
その水を飲み、水を浴びた。
古代インカ人を身近に感じた。



海だった大地の空に立つ
2008/No,94

〜解説〜

観念的な句と思われるだろうが実体験をそのまま詠んだ句。
ウユニ塩湖でのこと。
360度真っ白な世界が広がるかつて海だった塩の大地にうっすらと水がたまる雨季、
鏡となった塩湖は空を映し上下の無い不思議な世界となる。
あまりに現実離れしていて言葉では足りない。
事実表現しきれていない。



どこまでもシンメトリーの空と穹
2008/No,94

〜解説〜

(同上)
いつか表現できるだろうか。



これが俺を殺す景色か美しくもある
2008/No,94

〜解説〜

例えば雪山で、砂漠で、塩湖で、遭難し、死ぬ間際、
きっと俺はその無慈悲な光景を「美しいなぁ」と思いながら逝くと思う。
いや、呪い、足掻くかな。わからん。



(他一句は山頭火俳句大会に投稿したものと同じなので割愛)




一番綺麗な姿で蝶の亡骸
2007/山頭火全国俳句大会

〜解説〜

夏の終わりごろ、アスファルトの上にアゲハチョウの屍骸が落ちていた。
ブローチかと思った。
大きな羽根をピンと広げ、望みうる最高の形を選んで死んでいた。

自分がかつて美しかったことを誰かに解って欲しかったのだろうなと思った。



ふるさとは水たっぷりにゆるやかに
2007/山頭火全国俳句大会

〜解説〜

雨の後、○○川の川べりを車で走った。
河原に溢れんばかりの満面の水。
川底の起伏の影響を受けないのっぺりとした水面が緩やかに流れていた。

この川のおかげでここらは街も田も水不足知らず。
今年も心配ないだろう。
ああ、ウチは水が豊だなぁ、ありがたいなぁと思った。




弁当忘れて頂上の空の高さよ
2007/No,91

〜解説〜

頂上で弁当を食べる事だけを心の支えに険しい山道を登った。
「弁当食べれば回復するさ」と帰り用のエネルギーもリザーブタンクも使い果たして登頂。
リュックを空けたら弁当がなかった。
入れ忘れていた。

頂上で大の字に寝て、
「あ〜、山頂で見る空はいいよなぁ・・・視界をさえぎるものが無いもんなぁ」
とか現実逃避した。
そんな思い出。



猫の視線の先のアレは一体なんだろう
2007/No,91

〜解説〜

野良猫がジ〜ッと一点をみつめていた。
その視線を追ってみたらなんだか奇妙なものが見えた。



まだ善人に見えるか 道を聞かれた
2007/No,91

〜解説〜

俺が人に道を聞くときはよさそうな人を選ぶ。
見るからに悪人だったり意地が悪そうな人には声をかけない。

「とすると俺もそんなに悪くは見えないってことか。まだまだトンガリ方が足りないな」

と人に道を聞かれてそう思った。



黄砂もいいもんだ満月の夜は
2007/No,91

〜解説〜

黄砂はせっかくの山頂からの景色をぼやかしたり、車をドロドロにしたりと
大抵はうざったいものだが、満月を不気味に演出してくれたりもする。
そんな時、黄砂もたまにはいいもんだなと思う。



”千の風”に屁を乗せる
2007/No,91

〜解説〜

猫も杓子も『千の風』
浅すぎる。

俺に言わせれば墓に入っていようが風になっていようが大した違いはない。
どちらもオカルトであり迷信であり弱い心の産物だと思う。

人は死んだら【無】だ。
悲しむ必要も恐れる必要も無い。
なぜならそれすらないからこその【無】なのだから。

【無】を認めることのできない脆弱な精神構造が恐れを生み、苦しみを生み、
迷いを生み、ついには宗教という狂気を生む。
「風になる」という使い古された新発想に今多くの人間が飛びついている。
俺にはその様が集団催眠や集団ヒステリーに見える。
都合のいい心理的逃げ道を見つけ、そこで必死に心の安寧を得ようとしているが、
そんなものは現実逃避でしかない。

一篇の詩としても陳腐なこの流行歌に感化されすぎたり、
やたらと持ち上げる傾向が句会にも見られたので、
その風潮に対するアンチテーゼとして送り込んだ。




この空はエジプトに続く青
2007/No,88

〜解説〜

日本晴れを見ているとエジプトを思い出す。
向こうは毎日こんな空だった。
また行きたくなり、そしてまた行った。



アブシンベルはさすがに"圏外"
2007/No,88

〜解説〜

エジプトの最南端、ナセル湖のほとりのアブシンベル大神殿。
飛行機なら1時間かそこらだったろうが、最寄の街アスワンから陸路をバスで4時間かけて到着。
地の果てに来たという感じだった。
時計がわりに持ってきたケータイをふと見る。
当然、アンテナマークは立っておらず"圏外"の文字が表示されていた。
この感動をすぐに伝える事ができないもどかしさと、
そんなところまで一人で辿り着けたという達成感を同時に感じていた。



5000年の仕事の跡に触れてみる
2007/No,88

〜解説〜

ルクソールの遺跡群。
そのスケールの大きさと装飾の細やかさに驚く。
深く刻まれた象形文字を指でなぞる。
5000年前に生きた職人の息遣いを感じた。



ひまだから心のカサブタ剥いでみる
2007/No,88

〜解説〜

辛かった事を完全に忘れられる人っているのだろうか。
記憶喪失の様に無かった事にできる人っているのだろうか。
いたらうらやましい。
俺の場合、よせばいいのについつい忘れかけのトラウマを探しては、
その時の事を克明に思い返して記憶の補完をして悶え苦しむ。
あたかも治りかけの傷口のカサブタを剥ぐ様に。
そんなこんなで俺の心はいつも血がにじんでいる。
痛いんだがどこか気持ちよくもありなかなか止められない。



どうしようもない"男"をぶら下げて歩く
2007/No,88

〜解説〜

山頭火の名句に「どうしやうもないわたしが歩いてゐる」というものがあり、
類句・パクリとそしられかねないが、それ覚悟で発表。
邪魔だとは思いながら捨てるに捨てられぬもの、
意地とかやせがまんとかプライドとかを持って生きる様子を
チンコとのダブルミーニングで。




何年ぶりの雨を浴びたかダムの底
2007/No,87

〜解説〜

雨不足で干上がりかけたダムが、昔の畑や道や河原の跡を見せていた。
永らく水底に沈んでいたそれらが雨に打たれていた。
「あ〜!この感触久し振り〜」「気ン持ちいいー!!」って言っているように思えた。



登るに飽き下るに飽きる 富士は雄大
2007/No,87

〜解説〜

よく言われていることだが、富士は登る山ではなく眺める山。
六合目より上は目を慰める物の無い瓦礫の道。
罰を受けている罪人の気分になる。
変化に乏しく飽きる。
下りは”登頂”と言う目的がない分もっとげんなり。

まぁ、それだけでかいと言う事。
皮肉と畏敬をこめてこの句を贈る。



雌だけが刺すらしいモテモテの夏
2007/No,87

〜解説〜

「蚊の内、刺すのは雌だけ」と聞く。
そう聞くとまるで多くの異性にモテている様で悪い気はしない、わけが無い。



(他二句は国民文化祭投稿句と同じなので割愛)




ネットの中に自分を探す 誰もいない時空
第21回国民文化祭・やまぐち2006文芸祭:防府市議会議長賞

〜批評・感想〜

私の知らないネットの世界ですけど、詩的な感受性に惹かれた。
自分探しの良句。人生の孤独感が私を離しませんでした。

〜解説〜

寂しい時、自分を気にかけてくれている人はいないかと、自前のサイト名やURLで検索をかける。
有名なサイトではないしジャンルも特殊なのでそうそう新たにリンクを張ってくれる人はいない。
それがわかっていてもしょっちゅう検索をかける。
一日に何度も。
時には一時間に何度も。
ぐるぐるぐるぐる同じ作業の繰り返し。
検索結果画面は当然のごとくさっきと同じ。
ネットの中には誰もいない。
自分さえいない。
そう思いながらも繰り返す。



戦争の数だけ途絶えた子守唄
第21回国民文化祭・やまぐち2006文芸祭

〜批評・感想〜

哀しいことだが現実に愚かな戦争は性懲りもなく繰り返されている。
この句にはなお未来への不安と、強烈な風刺も含まれている。

〜解説〜

村ごと、民族ごと滅ぼされ、今はもう歌い継ぐもののいなくなった子守唄ってどのくらいあるのだろう。
二度と歌われる事の無い唄。

実はこの句、5・8・5の18音であるが、これは自由律の大会に出品する為に
無理に形を崩したものであり、リズム的にも内容的にも本意ではない。
「途絶えた」では再開の余地・予測・希望を残し弱い。
ここは完全な消滅を意味する「絶えた」が妥当と思っている。

〜直し〜

戦争の数だけ絶えた子守唄




クモの巣にひれ伏しひれ伏し登る
2006/No,84

〜解説〜

登山の時クモの巣に出くわしたら、できるだけ破らぬよう、姿勢を低くして潜り抜ける。
それがそのクモが最後の力を振り絞って張った巣かもしれないから。

このころ山歩きをまた始めた。



道に迷ってギンリョウソウ
2006/No,84

〜解説〜

わざと登山道を外れて沢などを歩くと珍しいものに出くわす事がある。
登山の醍醐味は道を外れたところにあったりする。



たぬき化けたかハクビシン
2006/No,84

〜解説〜

山の中でハクビシンに出くわした。
最初、たぬきかと思った。
帰化しているとは聞いていたが見るのは初めてだった。



みんないてスキップ喪服の女の子
2006/No,84

〜解説〜

葬儀場の前を通ったとき、黒い服を着た4〜5歳の女の子がスキップしているのが見えた。
たくさんの叔父・叔母・いとこに囲まれて嬉しくて仕方ない様子だった。



俺目指しゴビを発ったか砂の粒
2006/No,84

〜解説〜

黄砂がひどかった。
疎ましいものではあるが、遥か彼方の砂漠からやってきたかと思えば少し愛しくもある。
まったくどのくらいの確率だろう。




寒の星 ケンタッキーのいい匂い
2006/No,83

〜解説〜

夜、寒空の下、仕事で外を歩いていたらケンタッキーからいい匂いがしてきてお腹が減った。



おいしそうな草で牛しあわせそう
2006/No,83

〜解説〜

エジプトの田園風景。
雨の降らない土地にもかかわらずナイル川の伏流水で緑が広がっている。
そこの青々とした草を食む牛たちが幸せそうに見えた。



快方に向かう喉の痛みの心地よさ
2006/No,83

〜解説〜

風邪をひいてやられた喉が少しずつよくなっていくときの痛みは気持ちいい。
喉に限定しない方が普遍的だったか?

〜直し〜

快方に向かう痛みの心地よさ



永遠の真ん中に生きてるんだと思ってた
2006/No,83

〜解説〜

ずっとこのままではいられないんだろうなぁということ。



一つ星 気づけた俺はまだきれい
2006/No,83

〜解説〜

一番星に気づける間はまだ大丈夫だと思いたい。




夜のカスピを空から宇宙
2006/No,82

〜解説〜

エジプト航空機で関空からルクソールに向かう途中、カスピ海上空を飛んだ。
夜の闇の中、沢山の船の灯りが星座のように浮かんでいた。
空の星座との境目が無く、まるで宇宙空間を飛んでいるようだった。



肉屋で売られる仔ラクダぷるぷる
2006/No,82

〜解説〜

アレキサンドリアで地元民の市場に迷い込んだ。
皮を剥がれたヤギなどがぶら下がる肉屋の軒先で仔ラクダが売られていた。
つぶらな瞳は涙目で、細く長い四肢をぷるぷると震わせていた。
連続で「ぷるぷる」と同じ擬態語を詠み込むのはどうかとも思ったがこれしか思いつかなかった。



エジプト人もくしゃみはハクション
2006/No,82

〜解説〜

カイロと言えども一月ともなれば夜は冷える。
電車の中でくしゃみを連発する人がいたが、ちゃんと「ハクション」と言っていた。
言葉は全然違うのに面白いなぁと思った。



ふりむけば空き家の沈丁花
2006/No,82

〜解説〜

よい匂いがしたので振り返ると沈丁花が咲いていた。
そこは空き家の庭だった。
主が無いまま誰に愛でられることも無く咲き続けるであろう花を少し不憫に思った。



【五句目は山頭火全国俳句大会に出したものと同じなので割愛】




朝の空気の菊一文字
2006/No,81

〜解説〜

11月、菊の季節になると空気が変わる気がする。
ピリっとした緊張感があり、日本刀に似た鋭さを感じる。



ブルマンだけかよ旨いけど
2006/No,81

〜解説〜

カレー屋で食後に注文したコーヒーが思いがけず旨かった。
専門店以上。
あらためてメニューを見たら、コーヒーはブルーマウンテンの一種類だけだった。
店主のこだわりを感じた。
もちろんカレーも旨かった。



素数に孤独を癒されている
2006/No,81

〜解説〜

自分自身でしか割り切れない数、
自らに妥協や迎合を許さない孤高さを持つ数、素数。

ある理数系の人は、寂しくて寝付けないとき素数を延々数えるのだそうだ。
そうすると不思議と癒されるのだと言う。



ハンドベル部の二のうでぷるぷる
2006/No,81

〜解説〜

ハンドベルの演奏を見ていた。
ベルを振るたびにぷるぷると揺れる二の腕の贅肉がかわいいなぁと思った。



【五句目は山頭火全国俳句大会に出したものと同じなので割愛】




きれいな花撮るあなたがきれい
2005/山頭火全国俳句大会

〜解説〜

夜桜見物していたら桜の枝の下にサーッと自転車に乗った女子高生が現れ、
自転車にまたがったままケータイのカメラでパシャリと桜を撮って去っていった。
それがとても絵になっていて、あぁきれいだなぁと思った。



あの嘘がウソだと言うウソみんな嘘
2005/山頭火全国俳句大会

〜解説〜

結局本当なのか嘘なのかわからない。
思考の迷路にはまり込む面白さを狙ってみた。




詠めやと月に責められている
2005/No,80

〜解説〜

折角の名月に句が浮かばない。
「え!?浮かばない?こんなに美しい私を前にして?あなたそれでも詩人なの!」
と月に責められているような、そんな申し訳ない気分。



それでもけれどもだがしかし
2005/No,80

〜解説〜

反抗の歌。



パソコンの冷骸を抱く
2005/No,77

〜解説〜

自作のパソコンが壊れた。
すっかり冷めたその筐体を抱えたとき、遺骸みたいだなと思った。

冷骸は造語。レイガイと読んで欲しい。



あえて言や地球がおいらのストラップ
2005/No,80

〜解説〜

私はストラップを付けない派なので。




乗り越して見知らぬ街灯り
2005/No,77

〜批評・感想〜

○この心もとなさ、夜ならばことに。

〜解説〜

新幹線でうっかり寝過ごして、気が付いたら小倉駅に着いていた。
途方にくれつつもネオンの美しさに見入ったり、せっかくだから句にしてしまえとか思ったりしていた。
転んでもただでは起きない。



みおろせば犯したくなるよな雪ま白
2005/No,77

〜批評・感想〜

○純白な雪に感情の昂ぶりをぶっつける新鮮さを感じる。
○誰も踏み入れていない朝の雪原風景。
「犯したくなる」とはこの作品を成功させた言葉。お見事。
若者の直感。感性の良さはこれからも期待したい。
上語の「みおろせば」はいらなかったと思う。

〜解説〜

スキー場のリフトから見た光景。
まっさらのものを見ると印をつけたくなる衝動はオス特有のものなのだろうか。
人類共通のものなのだろうか。



「おまえの眉の描き方ヘン」と言い遺し
2005/No,77

〜批評・感想〜

○亡夫の遺した言葉が妙に気になることがある。
作者は眉を描く度思い出す。
ぶっきらぼうのようで案外細かなところに気を配っているものだ。

〜解説〜

眉を描いてる女が嫌い。
不自然に細いやつとか、元の眉とぜんぜん違う位置に描いてるやつとか、
そのうえ元の眉の処理があまくて眉が計四本になってしまっているやつとか。

妻のメイクに異論を持ちながらも指摘することができずにいる恐妻家って結構いるのでは?
そんな夫が死ぬ間際に、今生での心残りを清算する為にやっと言い遺した一言。

そんな想像句。



玉葱をよもや買う日が来ようとは
2005/No,77

〜解説〜

農業を引退したばかりと思しき老婦人がそのようなことをつぶやいていた。
沢山採れて保存も利く玉葱は農家の人にとっては「買うようなもの」ではなかったはず。
それを買わざるを得なくなったことに自らの境遇の変化を実感したのだろう。

そんな想像句。



夫が死んでにぎやか
2005/No,77

〜解説〜

数ヶ月前に夫を亡くされた老人の家を再訪問したら。
息子夫婦が孫を伴って引っ越してきたようで、
二人暮しだったときよりもにぎやかになった老未亡人の心境を慮ってみた。

そんな想像句。




あんなにたくさん実をつけて檸檬はすっぱくないのかな
2005/No,76

〜解説〜

あんなすっぱい実をつけてどうしようというのか?
栄養あるのか?
種が育つのか?
もっと甘い実をつければいいのに、檸檬の木って馬鹿だなぁ。

と思った。



僕だけが響く 早朝の巨人
2005/No,76

〜解説〜

早朝、人気の無い街を歩くと自分の足音だけが大きく響き、巨人にでもなったような気がする。




蟻の這う音 眠れない
2004/山頭火全国俳句大会

〜解説〜

本当は不眠というものを経験したことがない。瞬間的に眠る。
「蟻の這う音」という言葉を使ってみたかっただけ。

出品時、誤って「蟻の這う音 寝れない」として提出。
「ねれない」では語呂が悪い。
賞を逃したのはこのせいかも、っていうのは負け惜しみ。
今回はどの句もかすりもしなかった。



ゼリーも踊る食卓はにぎやか
2004/山頭火全国俳句大会

〜解説〜

賑やかな会食の席、テーブルの上でゼリーがふるふると揺れていた。
なんか幸せな光景だなぁと思った。

出品時は「ゼリーも踊る食卓は賑やか」として提出。
「賑やか」では少しかたい。
賞を逃したのはこのせいかも、っていうのは負け惜しみ。



二人で夜に呪いをかける太陽が二度と昇らないように
2004/山頭火全国俳句大会

〜解説〜

恋愛感情の暗部を表現しようとして失敗。
長すぎ。
いつかもう少し短くまとめることができるだろうか。

今回は三句とも意味に走りすぎていたし、また推敲不足だった。
でも嫌いではなかったりする。

〜なおし〜

二人で夜に呪いをかける




しらない道ばかりでたのしい
2004/No,70

〜解説〜

山頭火全国俳句大会に出したモノの手直し版。
個人的にはこちらの方が好き。



手のひらの猫傷のいとしく
2004/No,70

〜解説〜

飼い猫をからかった挙句、引っ掻かれてできた傷。
遠く離れた場所にあってもそこでつながっているようで傷さえ愛しい。
「猫傷」という単語がどこまで通用するか心配。
「手のひらの猫」「傷のいとしく」と切って読まれそう。



猫 毛になってついてくる
2004/No,70

〜解説〜

服によく猫の毛がついている。
死後何年たっても毛だけは残り、服についた毛を見ては楽しかった日々を思い出すのだろうなぁ
と思うと切なくなった。
「まだ死んでないのに勝手に殺すな」と家族に言われた。
未来を詠んでもいいじゃないか。
実は推敲不足でまだしっくりきていない。

〜試し〜

猫の毛ついてくるいつまでもいつまでも

※今号には五つ投句したが残り二句は山頭火全国俳句大会のものと同じなので割愛。




知らない道ばかりで楽しい
2003/山頭火全国俳句大会(大会賞)

〜解説〜

山頭火の「まっすぐな道でさみしい」の類句として刎ねられるかと思いきや、意外にウケのよかった句。
本人は返句のつもり。

旅先で知らない道を走っていると、その先がどうなっているのかワクワクする。
そんなこんなで私の旅は寄り道が多い。

人生にもかけてみた。

山頭火の句にならって「道」だけを漢字にし、あとはひらがなにしてみた。
こっちの方がよかったかなぁ・・・

〜試し〜

しらない道ばかりでたのしい



夜の動物園で虎よお前になら喰われてもいい
2003/山頭火全国俳句大会

〜解説〜

盆の時期、夜間開園をしている動物園があったので行ってみた。
日中は見ることのできない夜行性動物の活発な姿を見ることができた。
中でも虎は格別。
ライオン相手なら必死の抵抗をすればどうにか助かるかもしれないが、
夜のジャングルで虎と鉢合わせたなら黙って体を差し出すしかない。
そう思わせる迫力と美しさがあった。


〜直し〜

虎よお前になら喰われてもいい



明日死ぬ人も今日は知らずに生きている
2003/山頭火全国俳句大会

〜解説〜

今日死んだ人の多くは、昨日、翌日に死ぬとは思っていなかっただろう。
「いってきます」と元気に玄関を出た人がそのまま帰らぬ人となる。
誰にでも起こりうる不慮の事故。
一日一日を大切にしなくちゃなぁ、と思う。

ちなみに私は毎日死の可能性を意識しつつ、その確率を少しでも減らすように注意しながら生きている。




仰ぎ見る空に桜の他は無し
2000/春〜夏

〜解説〜

満開の桜の下で寝転がる。
視界いっぱいに桜の花が広がっていた。



満月で湖面はにぎやか
2000/春〜夏

〜解説〜

風のある満月の夜の湖面は、波の数ほどの月明かりがきらめいてとても綺麗だ。



人がいて犬が歩いて鳥がいる
2000/春〜夏

〜解説〜

温かくなってきたのでこのころ友人たちと毎週日曜日に野外昼食会を行っていた。
この日は○○川の河原。
散歩をする人や犬、鳥の鳴き声。
春の河原はなかなか楽しい。



かつて父といた この句碑の前に
2000/春〜夏

〜解説〜

所用で四国に行ったおり、松山の山頭火の庵を訪ねた。
記憶に残ってはいないが、この句碑の前にかつて父と立っていたはずなのだ。
同じ場所にいるのにお互いを認識できないなんて、時間とは不思議なものだ。



炎天を仰げば白い満月
2000/春〜夏

〜解説〜

あまりの暑さに空をにらみ上げた目に満月が飛び込んできた。
予期せぬ出来事に意識が真っ白になった。
一瞬の清涼感。



ゆっくり走ろうカマキリくっついている
2000/春〜夏

〜解説〜

ふと気がつくと車のサイドミラーに若いカマキリがとまっていた。
街中で振り落とされないように緑のあるところまでゆっくり走った。
感謝しろよ。



はじめて鏡を見るカマキリがいる
2000/春〜夏

〜解説〜

まだ若いカマキリが鏡に写る自分に向かってファイティングポーズをとっていた。
愚かではあるが元気があって大変よろしい。




迸る痛み放つや寒月光
2000/No,51

〜解説〜

「タイムレンジャー」の影響大
冬の月の冴えを感覚的に表現したかった。



くりゅりゅりゅりゅころろろろろろと猫枕
2000/No,51

〜解説〜

猫の腹に耳を当てるとこんな音がする。
それはシアワセの音。
言葉遊びがすぎるか?

没→ シアワセは猫の腹の音 猫枕



秋刀魚来ず一人大根恥をかく
2000/No,51

〜解説〜

来るはずの秋刀魚が届かなかった。
期待して買った大根をもてあましてしまった。
なぜか三句連続定型。
こんなこともある。



満月 きっとあそこが出口
2000/No,51

〜解説〜

ときどき自分を地球と言う重力の牢獄に閉じ込められた囚人のように感じる。
そんなとき満月はもっと自由な世界への入り口のように見える。



十月十時のオリオンは寝ている
2000/No,51

〜解説〜

10月の10時ごろのオリオン座は稜線や水平線の上に横たわっているように見えておもしろい。




うまそうな雲は大もり
2000/No,49

〜批評・感想〜

○句もうまい。こんな句を大盛り頂きたい

〜解説〜

今年一番の入道雲が出ていた。
食えたらいいのになぁ、と思った。



ケータイにニジガデテルとPメール
2000/No,49

〜解説〜

雨上がり、東の空に大きな虹がかかった。
隣の町で働いている友人にPメールを送った。
見れただろうか。
掲載時、誤植で「ケータイにニジガデルとPメール」となっていた。
げんなり・・・

最早Pメールと言っても通じなくなってきたので手直し↓

〜なおし〜

ケータイに「虹が出てる」とEメール

ほほ染めて「氷たべてもいいですか」
2000/No,49

〜解説〜

ジュースを飲み終えた後の氷。そんなに食べたかったのか。
かわいいとこあるじゃん。わかるよその気持ち。
推敲不足は否めない。




ひらひらとミニスカートのやさしさ
2000/No,48

〜解説〜

きれいな足をしたおねえさんがミニスカートで街を闊歩していた。
今年最初のミニスカートに春を感じた。
「縁もゆかりも無い俺にまで美しい生足を惜しみなく見せてくれるとは、
なんてやさしい人なんだろう。彼女の恋人は幸せだな」と思った。



千の嘘 青空になる深呼吸
2000/No,48

〜解説〜

「仮面ライダー クウガ」の影響大。



(欠番)
2000/No,48

〜解説〜

後日、SMAPの歌にそっくりなフレーズがあったことに気付く。
どこかで耳にしたものを意識せずに使用してしまったようだ。
盗作といわれかねないので削除。



ツチクテムシクテシブイか燕
2000/No,48

〜解説〜

鳥の鳴き声には「聞きなし」というものがある。
私には燕の鳴き声が「土食って虫食って渋い」と聞こえる。
大声で不満をわめいているようで聞いていて楽しい。

〜直し〜

ツチクテムシクテシブイかツバメ



しゃぼん玉まくらにしたらいいきもち
2000/No,48

〜批評・感想〜

○作者には珍しく五七調。だが、自由な感じがしてよい
○いい夢が見れますように
○すてきすてき、この句が欲しい

〜解説〜

ありえない感触。
でも、あって欲しい感触。
きっと気持ちいい。




きっと見ている今日の三日月
2000/No,47

〜解説〜

「こんないい月、あいつが見ていないはずが無い。今この時、絶対見てる」
そんな気持ちと、そう思わせるようないい月。
後日聞いたら案の定見ていた。



ここよここ街のそこここ沈丁花
2000/No,47

〜解説〜

街を歩いていたら、あちらこちらで沈丁花の匂いがした。
どこから匂うのかときょろきょろする俺。
花にからかわれているような気がした。



春の夜メールのチェック二万回
2000/No,47

〜解説〜

人恋しい時もあるということ。




口いっぱいシュークリームのしあわせ
2000/No,46

〜解説〜

仕事中、もらい物のシュークリームを人目を避けて一気に頬張った。
一瞬、とても幸せだった。



いつかえるるる いつまでいるる
2000/No,46

〜批評・感想〜

○ コトバ遊びの効果で親しみ感が出ている
○ 招かざる客に子供が陰で箒に頬かぶりさせて逆さに立ててるる。るるるがリズミカルで楽しい
○ 表現が実に面白い。直感的なところは新鮮でよいと思う。これからの作品に期待したい

〜解説〜

正月・連休・盆と、遠方で暮らす友人の帰郷が待ち遠しい。
その日が近付くと心浮かれずにはおれない。
ずっといてくれればいいのにとも思う。



千年前にもあったかな 千年後にもあるのかな
2000/No,46

〜解説〜

今、俺の中にある様々な想い。きっと千年前にもあっただろうし、千年後にもあるだろう。
そう考えると見知らぬ過去と未来の世界の住人にも親近感が沸いてくる。
2000年を迎えての句。



ここよここよ ふりむけば梅
2000/No,46

〜解説〜

街中で久しぶりに嗅ぐいい匂いがした。
香りの方へ振り返ると、今年最初の梅が微笑みかけていた。
上等な女に「一年ぶりね」と呼び止められた気分がした。



もういいかい まだ死ねない
2000/No,46

〜解説〜

自分の老後をシミュレートしてみた。

誰からも必要とされず、話す相手もいない。
しかしおむかえはまだ来ない。
自殺する勇気はない。
後何年このまま生きればいいのだろう。

そんな老人が公園で、一人アンパンをかじっていた。




やっとやっと立っていたのか街の木よ
2000/No,45

〜解説〜

台風一過、街路樹が軒並み倒れていた。
劣悪な環境の中、ギリギリの生を日々営んでいた事に気付かされる。
申し訳ない気分。



今年も負けたよ 早いな稲は
2000/No,45

〜解説〜

稲の成長スピードのなんと速いことか。
もたもたしている俺を毎年追い抜いていく。

〜直し〜

今年も負けたよ早いな稲は



クモの巣ほめたら払われた
2000/No,45

〜批評・感想〜

○ いいんです。また明日はってみせますからって。この句の四・四・五リズムも軽快です

〜解説〜

とある庭に大きくてきれいなクモの巣があった。
「立派な巣が張られていますね」
と言うと、その家の人は無言で巣を取り払ってしまった。
侮辱と取られたのだろうか、巣が有っては客に対して失礼だと思ったのだろうか。
誉めたのにね。
心無い事をするものだ。
あの巣がクモにとって命を懸けた最後の巣だったかもしれないのに。
クモには悪い事をした。



まっすぐとオリオンへ続く坂道
2000/No,45

〜解説〜

夜、山道を東に向かって車を走らせていると、ちょうど峠にオリオン座が登ってきた。
そのまま走ればオリオンへ届くような錯覚を感じた。



鼻の穴いい子いい子と銀木犀
2000/No,45

〜解説〜

沈んで歩いていた時、思いがけず鼻に飛び込んできた優しい香り。
銀木犀がなでて慰めてくれた気がした。




ばあちゃんは院内一のおしゃれだね
1999/No,44

〜解説〜

母方の祖母は「ばあちゃん」と呼ばれるのが嫌いで、本当は「あーちゃん」と呼ばせていた。
立派な最後だった。

〜直し〜

あーちゃんは院内一のおしゃれだね



かすかな指先たしかに触れた
1999/No,44

〜解説〜

艶っぽいシーンを思い起こすもよし。聖書の一節を思い起こすもよし。



今度逢えたらおめでとうと言おう
1999/No,44

〜解説〜

当時はまだガキだったってこと。
今もあまり変わらず・・・



(欠番)
1999/No,44

〜解説〜

盗作くさいので削除。「いいきもち」って言葉をよみこみたかったのだが・・・
スネークマンショー。



ポケットに入れたいものができました
1999/No,44

〜批評・感想〜

○ それは何、それはどんぐり、それは愛

〜解説〜

すっげぇかわいい子がいてテイクアウトしたくなった。
若い娘に性欲より先に保護欲をかきたてられたのは俺がオッサンになったからなのだろうか?




月音さらさら屋根に降り積む
1999/No,43

〜批評・感想〜

○ 屋根に降り積む月の音。聞こえないもの、見えないものが、幻想として

〜解説〜

光を音に、音をモノに。
山頭火俳句大会入選作。



青い落ち葉よお前もか
1999/No,43

〜解説〜

「夢のクレヨン王国」の影響大。



約束通り生まれてきたよ
1999/No,43

〜解説〜

「ZabadaK」の影響大。



Eメールはリターンばかりで
1999/No,43

〜解説〜

なんとなくさみしいもんだ。



何してるんだ俺は 空が高すぎる
1999/No,43

〜批評・感想〜

○ 高い空の下で「何でもあり」で楽しくやろう

〜解説〜

世の中、晴れが好きな人間ばかりではない。
あんまり空が高いと嫌な気分になる。
自分が宇宙の底に縛りつけられているような気がしてくる。




届かない柿 水面にたわわ
1999/No,42

〜解説〜

人間にもぎ取られることをよしとせず、湖面に幹を伸ばした誇り高き柿。
取られることはないが、子を作ることもない。
孤高の姿にうたれた。

〜直し〜

届かない柿水面にたわわ



空の深さに立ちすくむ
1999/No,42

〜批評・感想〜

○ 宇宙、自然にかかわる心。若さの旋律がぞっとするような佳句となっている

〜解説〜

雨上がりの水溜まりは空の高さ分の深さを持つ穴。
うっかり近付けば永遠に落ちてしまいそうだった。

没→ 足もとの空の深さに立ちすくむ



ひとりファミレス さみしくはない
1999/No,42

〜解説〜

さみしくはない。しかし周囲からさみしそうに見られているような気がして居心地が悪い。
だからもう一人では行かない。



飼い猫に手を咬ませる
1999/No,42

〜解説〜

「犬」を「猫」に「れ」を「せ」に変えるだけで180度情景が変わる。
それはシアワセのイメージ。
俳句として発表していいのかどうかは我ながら疑問。



笑われて 隠して失くして探してる
1999/No,42

〜解説〜

隠しすぎて出てこなくなったものがある。
宝物だったり、趣味だったり、想いだったり。
もう隠さない。
仲間はきっといる。
いつか巡り合うその日の為に。

直し→笑われて隠して失くして探してる




星を頬張る
1999/No,41

〜解説〜

下二句との連作。



月を噛む
1999/No,41

〜解説〜

上下二句との連作。山頭火の句に「陽を吸ふ」がある。



夜空があまりにうまそうで
1999/No,41

〜解説〜

上二句との連作。



生まれる場所を待ち合わす
1999/No,41

〜批評・感想〜

○ 輪廻転生の不思議を考えてしまう。ふっとこころをすぎる景をかきとめることのおののき
○ 期待感あふれること。それは夢か希望か。暖かいものを感じる
○ 遺伝子いじり、生死もコントロールする二十一世紀?果てなく広がる未来ロマン

〜解説〜

下の句との連作。



心に赤い目印つけて
1999/No,41

〜解説〜

上の句との連作。
「て」終わりはマズイか?




亡き祖母は「ライトアップ」が詠めなくて
1999/No,40

〜解説〜

初めて見たライトアップに感動を覚えた祖母。
句にする事ができずに苦心していた。
孫が仇をとってあげましょう(^^ )


〜直し〜

亡き祖母はライトアップが詠めなくて



夜 雨 コンビニ 彼女の電話
1999/No,40

〜解説〜

「連想ゲーム的な句はやめた方がいいよ」という批評を他人の句で見た事がある。
僕もそう思う。
ま、たまにはね。



耳をふさいでも聞こえる なんだ俺の声かよ
1999/No,40

〜解説〜

没→ 耳をふさいでも聞こえる 俺の声だった



さくらさらさらくらくらさくら
1999/No,40

〜解説〜

言葉遊びの極み。
できるだけ少ない文字(この場合3文字)で意味を成す句を作ろうとしたもの。
山頭火の句に「さくらさくらさくさくらちるさくら」がある。



わよんだわんがばいんばいん
1999/No,40

〜解説〜

セクシーダイナマイトであること。
その賛美。
このころ言葉遊びに走っていた。
悪ノリ。




テールランプにもにらまれている
1999/No,39

〜解説〜

後ろから見て、目付きの悪い車ってあるよね。前を走られるとイヤになる。
「なんだよ。何かしたかよ。睨むんじゃねぇよ」
車の持ち主は、好んで目付きの悪い車を選んでるのだろうか?
そんなにまわりを威圧したいかねぇ。
それともおれの気が弱いだけ?
ポイントは「も」。
やっぱり被害者意識が強いのかな。



彼女はシャボン僕はサボテン
1999/No,39

〜解説〜

「そりゃどうしようもないね、あきらめたら」ってな感じ。



可愛くて猫をいじめる
1999/No,39

〜解説〜

あまりに可愛くて、かまわずにはいられない。たとえ嫌われても。
怒った顔がまた可愛いから。



無人駅に一人カンパネルラを待つ
1999/No,39

〜批評・感想〜

○ 理屈としては「一人」は要らないが、「一人」の効果はある

〜解説〜

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」がモチーフ。
カンパネルラは主人公の親友。
学生時代は夜通し遊んだ友人が、結婚してから付き合いが悪いのは少しさみしい。

没→ 無人駅に一人銀河鉄道を待つ



去年のたんぽぽ今年はないぽぽ
1999/No,39

〜批評・感想〜

○ 稔典たんぽぽは一年草だったかも

〜解説〜

一年前、アスファルトの割れ目から花を咲かせていたタンポポはもう無かった。
「ぽぽ」って可愛いな。
もったいないから二回使ってみた。

没→ 去年の場所に今年はないたんぽぽ




めぐりくる春ひめくりめくる
1998/No,38

〜批評・感想〜

○ 一年が過ぎて行く早さをひめくりで感じる

〜解説〜

とある本に触発され、その表紙をイメージ。
やがてやってくる春に対する、胸踊る期待感を表現したかった。

試し→ ひめくりめくりめぐりくる春



空耳に耳をすます 空のつぶやき
1998/No,38

〜解説〜

空耳ってなんだろう?
耳をすましてよく聞くと、それは空のつぶやきだった。

没→ 空耳に耳をすませば空のつぶやき



星よ グラスの中の恒星よ
1998/No,38

〜解説〜

地球よりでっかい太陽のような星でも、グラスの中に入ってしまう不思議。
酒に浮かんだ星と、それに話し掛ける人間。
大きさの逆転。



倉庫にひらら夏の貴婦人
1998/No,38

〜解説〜

夏。
むさ苦しく暑い倉庫に迷い込んできた黒アゲハにドキリ。
場違いな所に突如現れた、黒いドレスの貴婦人を見た思いがした。



手と手つないでとてててて
1998/No,38

〜批評・感想〜

○ ランランと人生スキップ
○ 擬音に頼るのはかなり危険だと思います。
俳句として言葉による表現を放棄している、と取られることもあります。
○ 「とてててて」はわるくないと思います。「手と手」と「付きすぎ」の感はありますが。
上五を工夫すれば、いい句になる可能性があると思ったんですけどねぇ。
例→「運動会手と手つないでとてててて」

〜解説〜

二歳くらいの子供が二人、手をつないで公園をかけているイメージ。
て・と、のくり返しによる言葉遊び。





句の作り方(千鳩の場合)


俳句を作ることは彫刻に、 詩を作ることは建築に似ていると思います。
一つの言葉を、削り、磨いていくのがいくのが俳句。
無数の言葉を、加工し、組み合わせていくのが詩。
そんなとらえ方をしています。

※ 以下の事は 「これが正しい」「こうあるべきだ」 と言っているわけではありません。
私の姿勢を知ってもらう為のものです。




手順としては

1、 まず、誰かに伝えずにはいられない事柄や言葉が思い浮かぶまで待ちます。
無理には作りません。
2、 思い浮かんだら、それを表現するのに最も相応しい言葉を探します。
なければ新しい言葉を作る事もあります。
3、 見つかったら、その言葉が最も美しく聞こえるリズムを探します。
4、 最後に句全体のリズムと韻を整えつつ、無駄な言葉を削ぎ落としていきます。

3と4を繰り返します。




文字について

漢字か、ひらがなか、カタカナか、よく迷います。
なるべく表意文字である漢字は使わずにひらがなを多用し、
見た目のやわらかさを出すようにしています。

漢字はここぞという時にワンポイントで使ったほうが活きてくると思います。
漢字含有率20%以下が目安。
「」、−、!、?、等の記号はできるだけ使わないようにしています。




全体的に気を付けている事は

見聞きした時、ビジュアルが脳裏に浮かぶような表現にする事。
口に出して読んだ時、耳に気持ちいい響きにする事。
句碑にした時(笑)、見目の良い字を使う事。




最近気に入っている手法

実体験に基づかずに詠む。
他人の経験で詠む。
その人の立場になって詠む。




現在の課題

五感にうったえる。




最近の練習法

山頭火の句の添削。




作りたい句は

明るい句。 のんきな句。シアワセな句。




作りたくない句は

暗い句。嘆く句。
生・病・老・死を詠んだ句。




当面の目標

夭折しない。
漂泊しない。





好きな俳人・詩人

種田山頭火、小林一茶
金子みすゞ
谷山浩子、さねよしいさ子

桑原永江
いがらしみきお
榎本俊二

(敬称略)





受賞履歴


第21回 国民文化祭・文芸祭 :防府市議会議長賞
第24回 山頭火全国俳句大会 :ふるさと会大会賞
第20回 山頭火全国俳句大会 :佳作







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