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ひまわりと先入観
私が住んでいる佐賀県有田町には国道35号線が走っている。有田町の隣り・山内町ではこの国道沿いに「道の駅」があるが、この夏・・・といっても6月後半から7月上旬にかけて、「道の駅」の横に見事なひまわり畑があるのが目に付いた。
職場でのある昼休み、このひまわりのことが話題になった。週末、家族連れで行楽に出かけたある同僚が、このひまわり畑の横を通ったそうだが、ひとつ疑問に思ったことがあるという。それは、ひまわりがまるで車から見えるのを意識したかのようにすべて国道の方を向いているが、国道というのはひまわり畑の北側を走っているので、ひまわりはすべて北を向いていることになる。ひまわりは太陽の方向を向くんじゃなかったのか? ということだった。
言われてみれば確かに・・・・。すべて南ならいざ知らず、どうしてすべて北向きなんだろう・・・・。この畑は南に山が迫って日当たりが悪いとかいうわけでもなく、いたって普通の平地にある。その後、身近なひまわりをいろいろ観察してみたところ、一本の茎に小さな花がたくさん咲いているタイプは比較的ランダムな方向を向いているが、大きな花を一つだけつけるタイプのものはだいたい同じ方向を向いているようだった。ただし、家の脇など、特定の方向からの日当たりが悪い場合には方角よりも日当たりのいい方を向く傾向があった。
そして会う人ごとに北向きのひまわりの話しをしてみたところ、皆、一様に不思議だねとは言うものの、納得できるような解答はなかなか得られなかった。INETのとある掲示板にもこのことを書いてみた。すると、「ニュースステーションでも同じような話しをやっていて、太陽に当たった側の茎が余計に伸びるから、というようなことが説明されていた」というRESを頂いた。なるほど、と思った。しかし、それでもまだモヤモヤが心に残っていた。
そんなある日、同僚の若手(最初にひまわりの話題が出たときは一緒にいなかった)にこの話しをしてみたところ、彼は言った。「夏の太陽は北にあるでしょ?」
正直、「しまった、悔しい」と思った。
もちろん北回帰線より北側にある日本では、一日中太陽が北側にあるということではなくて、例えば夏至の日、問題のひまわり畑の場所だと真昼の太陽(太陽が一番高い位置にある時)は、天頂から約10度ほど南に傾いた場所にある。だとしても、日の出から日の入りまでのトータルで考えてみると、夏の太陽は北側にある時間の方が圧倒的に長い。しかも南側への傾きはわずか10度・・・・。そして、件のひまわりが咲いていた時期というのは、6月終わりから7月初めの、夏至に近い時期である。
結局のところ、ひまわりの向きに関する本当の答えはわからない。しかし、今回のことで、自分がいかに先入観にとらわれて物事を見ているのかということを痛感させられた。それぞれの季節の太陽の運行については子供の頃、理科で学習して知っていたはずだ。にもかかわらず、太陽は南にあるもの、という先入観にとらわれていた自分がなんだか悔しくてならない。
ひまわりのことだけに限らず、さまざまな事柄について少しでも柔軟なものの見方ができるように心がけたいな・・・、と考えさせられた出来事であった。
1999.8.21記
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