HOMEに戻る / ひとりごとのページに戻る

佐賀と自転車

今月の13日、つまり明日から、佐賀市内の公道が一部、自転車優先道路になる。とりあえずは試験的にやってみて、結果を見ながら来年度以降の対応を考えるらしい。結果はどうなるか分からないが、良い試みだと思う。いちばん良いのは自転車専用道路があることだろうが、土地の狭い日本で、すでに出来上がっている市内の道路を広げるのはとてもじゃないけれど大変だろうし。そんな中、「優先道路」案は、非常に現実的な方法に思える。まあ、佐賀市内を生活の場としていない、まったくの部外者の私が書いていることなので、当事者から見たらちょっと違うぞということもあるかもしれませんがお許しを。

佐賀市は、通勤・通学に自転車を利用する人の割合が約28%と、全国でもトップクラスの利用率だ。私も仕事や休日に時々佐賀市内へ出かけることがあるが確かに自転車の多さは目立つ。市内にある大学の構内などでは、通学時間帯の自転車の多さは半端じゃない。

車を運転する側からの意見として、「佐賀市は自転車が多いので危なくて運転しにくい」というのが言われる。実際に運転していると確かにそのとおりではある。でもこれは見方を変えれば、道路がこれまでいかに「車のための道路」であり「車のための造り」になっていたかということでもある。そしてそれは佐賀市に限らず、国内のほとんどの道路が同じような状況なのではないだろうか。また、ほとんどの人がそのことを当たり前と考え、露ほども疑問に思っていないように感じる。

私は佐賀市内では自転車に乗った経験はないが、自分が住んでいる有田町でも、ためしに自転車で町を走ってみると、安心して走れる道が意外と少ないことに気がつく。歩道もない狭い道などでは、後ろから車が来たりすると本当に怖い。車の側から見れば、「目の前にトロイ自転車がいて邪魔だ」という気にもなるだろうが、実際は、それ以外に走る場所がないのだから仕方がない場合もあるのだ。まあ、もちろん、自転車でも並列走りとか、本当に迷惑な走り方というのもあるので一様に弁護することはできないし、マナーを守るのは大事なことだ。でも、車の側からの論理だけでものごとを眺めることはできないと思う。私だって、自転車に乗ることより車を運転する立場でいる機会の方がはるかに多いので、ついつい車に乗った眼で物を考えがちになってしまうが、道路は車だけのものじゃない、と一歩下がってみると、ちょっと違う世界が見えてくる。

欧州では、都市部へのマイカーの乗り入れを制限し、公共交通機関を整備する方向で進んでいるところも多い。また、ドイツのある都市では、公衆電話ボックスの横のスペースを駐輪場とし、登録制で、どの駐輪場からでも乗ったり降りたりできるレンタル自転車の制度を導入して好評だという。自転車というのは、小回りも利くし、有害排出ガスなんて出すはずもない。もっと見直されても良いのではないだろうか。以前は、「佐賀って自転車がむちゃくちゃ多いよね」といわれると、なんだか小ばかにされているように感じたものだ。でも、最近、これは逆に胸をはっても良いことなんじゃないかな、という気がしています。

2000.11.12記


HOMEに戻る / ひとりごとのページに戻る