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組織のなかの個人
組織というのは、例えそれが創られたときにはどんなに良い目的のものであっても、時間が経ち、組織が大きくなればなるほど、組織そのものを維持しようとすること自体が存在の目的になってしまう可能性を秘めている。そして世間一般の常識と組織内での常識がだんだんかけ離れていくのだ。
「やってはいけないと知ってはいるけど会社を守るためだから」
食肉に絡んだ大手食品会社の不正事件をはじめとして、最近は「常識」では考えられないような事件がマスコミを賑わせている。ホントに、なんでそんなことをするんだろう・・・という、信じられない事実が出てくる出てくる・・・。そしてこれが原因でY社がついに解散に追い込まれてしまった。何も知らずに働いていた一般の社員が気の毒でならない。もちろんこれは許せないことだし、責任の所在を明確にする必要はあると思う。しかし、一歩引いて眺めてみると、これは決して他人事ではなく、自分自身への反面教師として考えることも大事だな・・・とも思えた。
民間会社にせよ、公的な機関にせよ、組織の体質というのは色々あると思う。中には上下の区別なく、間違ったことは間違っていると自由に意見を言える雰囲気の職場もあるだろう。でもどちらかといえばそういったところは少数派で、「業務命令」にはなかなか逆らいにくいというところが大多数ではないだろうか。例えば自分がそういう会社で働いていたとして・・・、やがて中間管理職になったとして・・・、次第に会社の裏側が見え始め、「えっ、ウチの会社ってこういうことを平気でやるの?」 と疑問に思う場面が出てきたとして・・・、果たして大勢に異議を唱える勇気があるかどうか・・・。ニュースの中で他人事としてみれば、そういう勇気のある人が一人くらい居なかったのかなと簡単に思ってしまうが、もし自分がそういう立場に置かれたらと考えれば・・・・。やはり自分にも生活がかかっているし、会社に反旗を翻すよりも、ずるずると流される方を選んでしまう人の方が多いんじゃないかな、と感じる。そして次第に非常識の常識が体に染み付いてしまうのではないだろうか。「きっとどの会社もやっていること」と、本当は納得してはいけないのに無理やり自分を納得させながら・・・。
でも、全ての企業が同じようなものだとは思いたくない。会社内で様々な事を判断する場面で何を最優先にするのかはそれぞれの企業によって伝統的に違うだろうし、もしくはトップの考え方にも左右されるだろう。利益を追及することは企業にとってはもちろん重要なことではあるだろうが、だからと言って目先の利益だけを最優先事項にする体質が当たり前になってしてしまうと、今回のY社のような事件を起こすまでになるのではないか。そういう企業ばかりではない、と、私は思いたい。
私自身、今回の食肉関連の不正事件については、消費者をなんて馬鹿にした行為だろう・・・と、あきれ返ってしまった。が、私たちは一人一人が、ある時は消費者でもあり別の時は組織人でもある。組織の中で時間を過ごす時でも、外からの目線を常に忘れないようにすること・・・そして言いにくい提言でも恐れず口にする勇気・・・といったことが大切だとつくづく感じた。ニュースを見て「許せない!」と思うだけではなく、自分を戒めるための教訓として捉えたいと思います。
2002.2.23記
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