SI単位系では1秒間に1ジュールの仕事をする割合が1ワットと定義されています。電力や動力の単位としても用いられますので、どのくらいの電力を供給すれば一定時間にどの程度の仕事が可能か、といったことの計算には非常に便利ですね。「重量キログラムメートル毎秒」も、ワットと同様、仕事量を時間で割った値として表現されます。
一方、表に示している「馬力」は、読んで字のごとく、馬の力をあらわす単位です。「力」といっても、「力・圧力・応力」のページで述べた「力」すなわちForceではなく、「単位時間当たりにどれだけの仕事をする能力があるか」という量すなわち「Power」のことです。日本語ではForceもPowerも日ごろ「力」という一つの言葉で何となく済ませてしまっているので紛らわしいのですが、本来は全く異なった意味合いの単位なのですよね。さて、「馬力」については現在でも自動車のエンジンの仕事率を表す単位として比較的馴染みがあるのではないでしょうか。馬力にはヤード/ポンド法に由来する「英馬力(HP)」と、工学単位である「仏馬力(PS)」の2種類があります。定義はそれぞれ表に示すとおりで、HPもPSもだいたい似通った大きさになっています。個体差はもちろんあるでしょうが、馬のPowerというのはおおよそこのくらいなのでしょうね。
単位の名称 記号 換算・大きさの関係 備考 ワット W 1W=1J/s=1kg・m2/s3 SI組立単位
1秒間に1ジュールの仕事をする割合重量キログラムメートル毎秒 kgfm/s 1kgfm/s=9.807W
1W=0.1021kgfm/s1秒間に11kgfmの仕事をする割合 仏馬力 PS 1PS=735.5W=0.9863HP 1秒間に75kgの重量をを1m引き上げるときの仕事率 英馬力 HP 1HP=745.7W=1.014PS 1秒間に550lbの重量を1ft引き上げるときの仕事率