黒い影


最初にその影の存在を知ったのは、小学校1年生の時です。
当時、「こっくりさん」なるものが流行っていました。
「こっくりさん」とは、キツネの霊を呼び出し伺いを立てるという一種の交霊述です。
「こっくりさん」の変形バージョンで、
「星の王子様」「キューピット様」なるものもありました。

その日も親戚のお姉さんと、「星の王子様」をしていました。
なかなか、霊が下りてこず、「おかしいねぇ」といいながら、呪文を唱えつづけました。
すると、障子の方から、視線を感じます。
私は、恐いながらも障子の方を見ました。
すると、黒い影が、引っ込むのが見えました。
「あそこに、人が居る!」
私は大きな声を出しました。
お姉さんにも、親にもその事を話しましたが信じて貰えませんでした。

それから、その黒い人影は事有る毎に姿を見せました。
何度か見るうちに、男の人だという事と、すらりとした長身で、年の頃は30代だという事が解りました。
しかし、それを見ても恐いという感覚は有りませんでした。
高熱にうなされている時や、気分が滅入っている時に
ただただ、居るんだというだけで。

有る日、あるDVDを買ってきて見る事にしました。
それは、「メグライアン」と「ニコラスゲイジ」の出ている映画で「シティオブエンジェル」です。
内容は天使が人間の女性を好きになるというのが大まかなストーリーです。
私は鳥肌が立ちました。
その天使たちは、全て黒い服を着ているのです!!!
そう、まさに私が見つづけている人影と同じ出で立ちなのです!!
直感しました、それは天使だったのだと。
それを気付いてしまってから、姿を見なくなってしまいました。
気付いてはイケナかったのかもしれません。