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うちのピアノは名器かも!? 〜世界名器探訪〜 |
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世界には数多くの名器と言われるピアノがあります。 ご存知 アメリカ(ドイツ)のスタインウェイをはじめ、ドイツのベヒシュタイン、 スタインウェイの親戚とも言えるグロトリアン、 オーストリアのベーゼンドルファー、イギリスのブロードウッド、 フランスのプレイエル
やエラールなどが有名ですね。
これらの名器をご購入の際は、知名度はもちろん、価格も国産よりも高額ですから 購入された方も「名器」であることをご存知の場合がほとんどです。 ところが、国産ピアノについてみると、そのピアノの素姓をご存知の方は 少ないように思います。たいていの方の選択理由は、「ピアノの先生や店員の方に
勧められた」とか、「一番高いモデルと選んだ」という場合がほとんどで、
逆に名器を入手されてもその価値をご存知ない方も多いのではないでしょうか?
こう書くと、国産にも「名器」がありそうな言い回しですね。 実は、何を隠そう、そうなのです!国産のピアノの中にも隠れた名器(?)が 数多く存在しています。ここでは、そういう名器達の栄光を改めて讃えていくことにしましょう。 もしかすると、あなたがお持ちのピアノも、国産有数の名器かもしれません
!
なお、海外メーカーについての記述は、すべて私が現地工場を訪れた時のものです。 掲載されていないメーカーについても、定期的な訪欧で順次追加していく予定です。
では、以下のメーカー名一覧から、お好きなブランドを選んでご覧ください。
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欧州メーカー編 |
(スタインウェイ) アメリカ・ニューヨーク
(本社・工場) ドイツ
・ハンブルク(工場) |
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言わずと知れた、あまりにも有名なメーカー
ですね
。創業者ヘンリースタインウェイ氏は、
旧名をハインリッヒ・シュタインヴェグといいます。
彼は1825年頃から、ドイツでピアノ製造を営んで
いました。ちょうど政治的激動の時代です。
1848年までに約400台のピアノを製造して
いますが、同年のドイツ革命を機に、2年後の
1850年、新天地を求めてアメリカに渡ります。
そして1853年、英語風にヘンリースタインウェイ
と改名して、ニューヨークに会社を設立します。 (左図は、ハンブルク工場の正面玄関です。)
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音の傾向は華やかで、まるでダイヤモンドの
ような輝きを持っています。ニューヨークモデルと
ハンブルクモデルとでは若干音質が異なります
が、どちらもダイヤモンド系であり、色が付いて
いるか付いていないか、という差があります。
メカニズム的な特徴としては、弦、鉄骨の振動を
ボディに伝えるため、サウンドベルというメカニ
ズムを採用していることが挙げられます。
サウンドベルは、下図の矢印(右下)辺りに、 ヒョウタン状の突起が出ています。
右図がサウンドベルの実物です。 このような不思議な形のベルを使って 鉄骨とボディを密着させることによって 弦の振動をボディに確実に伝達させているのです。 |
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ちなみに、このノウハウは他にもいろいろな
メーカーで採用されており、形もスタインウェイの
ようなヒョウタン型だけではなく、四角錐(しかく
すい)をしたものも存在します。
また、数もひとつではなく、ふたつ取り付ける
メーカーもあるなど、各社様々な工夫を凝ら
しています。
また、スタインウェイ以外のメーカー製は
、
グランドのボディ製作にあたって、何層にも
重ねた3枚の板を曲げてつなぎ合わせますが、
スタインウェイでは同じく何層にも重ねた1枚
の長い板を曲げて製作します。
これも、振動の伝達にロスをなくすための
ノウハウです。(下図)
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スタインウェイ方式は、弦の振動を鉄骨に伝える
ことをコンセプトとしているため
、弦と鉄骨を
接触させ、無発音部にはアリコート(デュープ
レックススケール)によって、発音部と共鳴する
和音を、オクターブに調整してあります。
音域によってオクターブが取れないところは、
5度もしくは5度になっています。(下図)
このメカニズムは、サウンドベルとともに、
ヤマハ製にも採用されています。
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©Copyright 2003 Steinway & Sons Japan, Ltd. All rights reserved
ピアノメーカー一覧 |
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(ベヒシュタイン ) ドイツ・ベルリン |
世界三大名器であるベヒシュタインは、スタイン
ウェイと同年の1853年に、カール・ベヒシュタイン
氏によって創業されたメーカーです。
最初に作られた1856年製のグランドは、同年
ピアニストであり指揮者でもあった、ハンス・
フォン・ビューローのコンサートで使われました。
リストのソナタを弾いたこのコンサートで、「バイオ
リンのストラディバリウスやアマティーに値する」と
絶賛され、一躍名声を博すことになります。
日本でも、戦前は「世界一のピアノ」と評価され、
Y社が技術者を招いて指導を受けた時代がある
ことからも、古くから世界最高のピアノと評価
されていたのですが、ドイツの敗戦によって
大打撃を受けたため、スタインウェイにその知名度
の高さを譲る結果になります。
右図は、創業当時の工場の模型です。
下左図は、現在のベルリン工場の正面玄関付近、
下右図はドレスデン郊外にある旧ツインマーマン
の工場で、現在はベヒシュタインのアップライト
工場になっています。 |
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ベヒシュタインのその優雅な音色は、しばしば
ベヒシュタイントーン(サウンド)と言われ、
「歌うような音」、「とろけるような音」と称されます。
音の方式は、
スタインウェイとは対照的に、
鉄骨を鳴らさない構造になっています。
弦の振動は鉄骨部分でミュートし、響板を鳴らす
のです。
右図のように、チューニングピン周辺に接触する
弦の周り、および右下図のように弦の末端
(ヒッチピン側)も、フェルトでミュートを施して
あります。こうすることによって、余計な振動を
鉄骨に伝えず、あくまでも響板を鳴らすことに
重点を置いているのです。
この響板に加えて、全弦にわたってアグラフ式を
採用していることも、ベヒシュタイントーンの秘密の
ひとつでもあります。
そのため、音の傾向は大人しく、「高貴な音」とも言われる気品の高さを、 我師は琥珀のような音と表現されます。 |
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現在のベヒシュタインは、その音の方式を
スタインウェイ式に移行し始めています。
この理由は、現代のピアニストが高音域の
力強さと、音量を大きくすることを望んでいる
ためです。結果として、高貴なやさしい音に
力強さと音量が加わった新しいベヒシュタイ
ンサウンドが生まれています。
左図のように、フェルトによるミュートがなく、
駒の(画面)奥にアリコートブリッヂが見えます。
上図の旧方式を比較すると、その違いが
よくわかりますね。
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最後に余談ですが、2003年の訪独で珍しい
ピアノを見つけました。左図のピアノは、
ベルリン工場でオーバーホール中だった
初期のグランドです。
現在のモデルのように、弦を交差させる技術
が確立される以前のモデルであるため、
低音部の弦長が取れないのですが、それを
解決するため低音部を膨らませていますね。 |
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ピアノメーカー一覧 |

(ベーゼンドルファー) オーストリア・ウィーン |
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1828年、イグナッツ・ベーゼンドルファー氏
によって創業された老舗メーカーです。
左図は、ウィーンの街中にあるショールーム
正面玄関、左下図はウィーン工場の正面
玄関です。
ウィーンの楽器はどれもみな独創的ですが、
ピアノも例にもれず、
とても特徴のある音が
します。…と、日本で聴くと「特徴的」と称する
この音も、実際にウィーンに行くと、この音で
なければならない理由がわかります。
つまり、ウィーンでピアノの音を聴くと、その
街の雰囲気から、この音以外に違和感を
感じるのです。
その音を生み出す最大の特徴は、弦の振動
をボディに直接伝えるメカニズムにあり、彼岸
花の臭いのような臭さ、もしくは黒ビールの
味のようなコク、宝石に例えれば真珠のような
音です。このような音を出す秘訣は、ピアノに
弦楽器であるバイオリンの要素を取り入れた
ことによるものです。
この独特の音を生み出す特徴として、ボディ
の製作方法が挙げられます。残念ながら、
極秘事項であるため写真は掲載できませ
んが、ボディを曲げて加工する際、1センチ
ほどの間隔で、縦向きの亀裂を入れてい
きます。これがベーゼンならではの秘策で
あると言えます。
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また、ベーゼンドルファーには、オルガンの
ペダルと同じ低音域を求めた、作曲家
プゾーニの要望に応えるため、低音部に
9本の鍵盤が追加(=エクステンドキー)
されている「インペリアル」の存在しますが、
これはご存知の方も多いと思います。
なお、ベーゼンドルファーは現代の物と、
数十年前の物とでは、
その音に大きな
差があります。現代の音は、とにかく臭いの
ですが、昔のベーゼンは臭い中にも華やかさ
がある、とても素晴らしい音色です。
インペリアルの鍵盤は、右図でおわりの
ように、左端(低音側)が9本多く、黒く塗り
つぶされています。
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©Copyright 2003 Nihon Bosendorfer All rights
reserved
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(ブリュートナー) ドイツ・ライプチヒ |
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ベヒシュタイン、スタインウェイと同年の1853年に
ユリアス・ブリュートナー氏によって創業されたメーカーです。
東西分裂前は、スタインウェイをも凌ぐメーカーとして
君臨していましたが、大戦〜旧東ドイツ時代の影響を
受けたことが、非常に残念でなりません。
しかし、東西が統一された現在は、その素晴らしさを
徐々に取り戻しているので、再び世界最高の
ピアノの地位を取り戻そうとしています。
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ブリュートナーのピアノは、弦の共鳴要素である、
アリコートシステムが特徴です。
通常のアリ
コートは、スタインウェイ式のように、弦の末端
未発音部の音程を調整することにより、発音部と
オクターブ、もしくは4度5度音程を共鳴させます。
ところが、ブリュートナーでは、中音部以降の
通常3本の弦を、1本多い4本にすることにより、
この要素を求め、強大な低音部の音量に、
高音部が負けてしまわないようにしていることが
大きな特徴であるといえます。
その結果、優雅で華麗、まるでいぶし銀のような
音色が生まれているのです。
右図は、ライプチヒ工場入口展示してあるものです。
このモデルに採用してあるアリコートが右下図
ですが、弦が4本あるのが、おわかり頂ける
でしょうか?
下のメカニズムの図面と合わせてご覧下さい。 |
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また、ブリュートナーはアップライトにも大きな
特徴があり、右図の中低音部<駒>の形状が
挙げられます。
駒とは、弦と響板を接続する部分で、弦の振動が
ここを通って響板へ伝わります。この駒の形状が
非常に珍しく、通常は中高音部と低音部、2本の
駒で構成されているのですが、写真を見ると
中音部の駒を途中で切って2本に分離させて
あります。ちょうど斜めに走った黒い鉄骨が
邪魔で見にくいですが…。 |
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ブリュートナーアップライトのもうひとつの特徴
として弦を止めているチューニングピンの
周りの鉄骨形状があります。
現代の主流な方式は、ここを鉄骨が覆い被
さっているのですが(フル鉄骨)、ベヒシュタ
インなどではここをくり抜く方式が採用されて
います(くり抜き鉄骨)。
ブリュートナーはこの両者の利点を合わせた
もので、くり抜いた部分を真鍮の板で埋めて
あるのです。(左図)
くり抜くことによって、鉄骨の余計な振動を
カットするのですが、反面ピンが調律時に
おじぎしてしまう危険性があります。
これを解決したのがブリュートナー方式で、
なんと!某国産メーカーにも、採用したものが
存在するのです!
詳しくは国産メーカーのページをご覧下さい。
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ピアノメーカー一覧
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(グロトリアン) ドイツ・ブラウンシュバイク |
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日本で一般的にはあまり知られていないメーカー
ですが、実はスタインウェイと血縁関係に
あるメーカーです。
スタインウェイ一家がアメリカに移住した際、
長男のテオドール氏だけはドイツに残りました。
1865年、ニューヨークに大規模な工場が完成し、
ドイツとの往復に忙しくなったため、ブラウンシュ
バイヒの工場を弟子のグロトリアン氏ほか3人の
弟子に売却したのです。
当時は「テオドール・シュタインウェヒ・ナッハ
ホルゲル」と呼ばれていましたが、その後
「グロトリアン・シュタインウェヒ」というピアノ
メーカーとして独立し、現在の「グロトリアン」と
なるのです。 |

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グロトリアン社のピアノには、特徴ある
メカニズムが多く見られます。
○ホモジェナンスサウンドボード
(=均等な品質を持つ響板)
○フラット鉄骨(左上図)
○バイオリンテクニック(左下図)
理想的な響板の振動を得るため、
フレームと響板の形態をバイオリンの
胴形に似せたもの(アップライトに採用)
○響板をしっかりと支え、ひときわ輝きを
増した音の伸びを生み出すX支柱(下図)。
○低音巻線部の芯に採用した六角弦
○意外と知られていないのが、スタインウェイ
と比較して、弦の張力が高いことがあります。
これは世界でも他に類を見ないもので、
グロトリアン独特の低音を生み出すものです。
張力が高い証拠は、通常よりもチューニング
ピン付近の弦の角度がきつくなっていること
からわかります。(左中図) グロトリアンを使った現代の録音はほとんど
見かけませんが、師匠のメンテナンス×
イェルクデームス氏の演奏による、
このピアノを使った録音がCD化されています。
そのサウンドは、コーンと伸びる高音と、
芯の厚い独特の低音が、まさにグロトリアン
サウンドです。 |
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(商品の詳細は、お問い合わせ下さい。)
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シンメル (ドイツ・ブラウンシュバイク) |
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1885年創業、旧西ドイツ最大のピアノメーカーです。
右図は、本社工場の正面玄関です。
ドイツ国内での生産量もピアノ全体の1/3を占め、
一般に多く知られています。そのため工場も
かなり機械化が進んでいるのが特徴です。
いわば、ドイツで唯一、Y社のような取り組みを
しているメーカーであると言えます。
(Y社が輸入代理店であった時期もあります。)
また、1971年からフランスのガボーエラール
協会との提携で、名器エラール、ガボー、
プレイエルの生産をしていることも大きな特徴です。 |
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その品質は、最も近代的で品質の優れた楽器
として定評があります。その製造方法から、
機械的にきちんと揃ったタッチが、Y社にとても
よく似ています。
加えてドイツ製全般の特徴である、しっかりと
した造りも兼ね備えていることから、ドイツで
一番実用的なピアノであると言えるでしょう。 |
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構造的にはスタインウェイのように、鉄骨を
鳴らす系統の楽器です。左図のように、弦の
振動を直接鉄骨に伝えているのがわかります。
共鳴弦の部分はアリコートバー方式になって
いますが、発音部と無発音部の音程を、独立
したバーを前後に動かすことで調律可能な
仕様になっています。
現在のモデルには、このほかの構造的に大
きな特徴は見られませんが、過去にはアップ
ライトにサウンドベルを取り付けたり、音色に
関するこだわりでも独創的な発想を持っている
メーカーです。 |
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そのほかのシンメルの特徴として、外観や
内部を含めて各所のデザイン製に優れている
ことも特徴です。
上図はシンメル製グランドの鉄骨部分ですが、
通常黒いダンパーが並んでいるはずのところ
に鉄骨と同色のカバーを付けていますね。
正面からは窓が付いていて中が見えるように
なっています。
外観上のデザインとしては、左上のクリスタル
ピアノが目を引きます。これは国内K社製でも
有名ですね。
左下図のような、デザイナーによる企画モデル
もあり、アイデアさえ持ち込めば、どなたのどん
なデザインのモデルも制作可能とのことです。
世界に1台しかないデザインのピアノをお望み
の方は本社工場へ直接ご提案致しますので、
当方宛にご連絡下さい。
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(ザウター) ドイツ・シュトゥットゥガルト
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世界三大名器であるスタインウェイ、ベーゼンドル
ファー、ベヒシュタインよりも、更に歴史のある
老舗メーカーです。
(右図は本社正面玄関です。)
家具職人であった創業者ヨハン・グリムが、
ウィーンでシュトライヒャーの元に弟子入りした
ことに始まり、1819年にシュパイヒンゲンに戻って
工房を設立しました。
グリムのピアノはその品質の高さから一躍有名に
なり、やがて弟子であるカールザウターが、
様々なピアノ技術の改良を実現していきます。
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ザウター製アップライトピアノ |

ザウター製フルコンサートグランド |
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ザウターピアノは、主にアップライトピアノに
大きな特徴があります。弦を押さえる方式
には、一般的に中音〜高音部にプレッシャー
バー、低音部にアグラフという方式が
採用されます。
ベヒシュタインやヤマハU7では、総アグラフと
呼ばれる、全音域に渡ってアグラフとなった
方式が採用され、1音毎に均等な力をかける
工夫がされています。
ザウターには、この2大方式とはまた異なる、
全音域に渡ってプレッシャーバー式となった
珍しい機種が存在します。
上図は低音部のプレッシャーバーをアップに
した写真です。 ベヒシュタイン、ヤマハの項
と比較して、その違いをご覧下さい。 |
また、ザウター製アップライトの最大の特徴に、
<R2アクション>と呼ばれる機能があります。
打弦時にハンマーの戻りを促すスプリングが
付加されているもので、アップライトでグランド
並のトリルを実現しています。
もっとも、グランドのダブルレペティション機能と
比較すると劣ってしまいますが、通常のアップ
ライトよりは、かなりトリルがやりやすくなって
います。
また、大きなサウンドボードや、グロトリアン社
のX支柱と同様の効果を狙った、高音側に
1本追加された支柱も、ザウター社の特徴です。
(上図)
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左図は、グランドにおけるアリコートシステム
です。スタインウェイやヤマハのように、
細長い棒状のものではなく、駒からヒッチピン
(弦をUターンさせるために引っ掛けるピン)の
手前にかけてを1枚の真鍮板で覆い、その上
に独立した小さな棒を配置することで、無発音
部のチューニングも可能になっています。
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右図は、ザウター社工場内でのアップライト整調
(タッチ調整)風景です。
鍵盤を押し下げていくと、ハンマーが弦に近づき、
ある距離まで近づくと、スッと手前に戻る運動を
します。これをレットオフといい、通常我々は
目視でその距離を判断しますが、この女性は
正確さを増すために、木製の治具(じぐ)を
使用していますね。
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(ファツィオリ) イタリア・サチーレ
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ピアノ発祥の地であるイタリアには、あまり一般に
知られているメーカーはありませんでしたが、
ファツィオリは近年になって創業したとても
新しいピアノメーカーです。
元々芸術の発祥地であり、バイオリンや家具、
車などで優れた技術とデザイン力を持っている
国ですから、後発メーカーとはいえその品質は
大変優れています。
その試作第1号モデルは、1980年に完成して
います。ちなみに、ファツィオリ社ではグランドピアノのみの生産をしています。
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ファツィオリ製のピアノを見て驚くのは、その
大胆な発想とデザインです。さすがイタリア!
と脱帽することしかできません。
通常フルコンサートグランドは、長さ275センチ
前後ですが、ファツィオリではこの長さのモデル
に加えて、なんと308センチものグランドまで
存在します。
左図は、そのモデルF308の<マルコポーロ
仕様>です。う〜む、なるほど。『東方見聞録』
の出発地であるベニスの街を大屋根の裏に
描き、中国をイメージした赤いワニスでボディを
塗るとは!ちなみに、工場のあるサチーレとい
う町はベニスに近いイタリア北部にあります。
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ファッツイオリ製ピアノは、その大胆なデザイン
だけでなく音も非常に優れています。
この先もっと世界で認められていくと、王者
スタインウェイをも脅かす存在になるかも
しれません。
構造的には、上図のようにスタインウェイと
同じく鉄骨を鳴らす楽器がベースです。
アリコートバーのチューニングも容易に行える
構造であることなど、細かな配慮を欠かして
いませんね。 |
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スタインウェイの欄でも触れましたが、鉄骨を
鳴らす系統のピアノは、左図のようにその
振動をボディに伝えるサウンドベルが付いて
いるものがあります。
ファツイオリ製にもベルが付いていますが、
ファッツイオリ氏によると、その独特の形状
から、これはベルとは呼ばないそうです。
(効果はサウンドベルと同じです。)
また、ファツィオリピアノの響板は、一般に多く
使われるアラスカ産のスプルースではなく、
アルプス山中のヴァルディ峡谷で生産される
レッドスプルースが使われています。
一般に響板に求められる、軽さ、堅さ、柔軟
性が優れていることはもちろん、イタリア的
明るさと優雅さを生み出している秘訣である
と言えます。
音の傾向は、とにかく明るくイタリア的で、
スタインウェイをダイヤモンドに例えるなら、
こちらは純金であると言えるでしょう。
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また、最上級モデルであるF308には、
ペダルが何と!4本もあります。
右側3本は通常のグランドと同じく、右から
ダンパー、ソステヌート、ウナコルダですが
一番左はアップライトの左側にある弱音ペダ
ルと同じ働きをしています。
これによって、3本ある弦から1本外して音色
を変えるウナコルダと、打弦距離を縮めて音色
を変える弱音ペダルを併用することができます
ので、音楽の表現に幅が広がるというわけで
すね。この辺りの発想も、さすがイタリアです。
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