三線教室の選び方
 

ひとくちに「三線を習いたい」といっても、三線を使った沖縄音楽には様々なジャンルがあり、自分の学びたい音楽に合った先生を探す必要があります。沖縄では三線教室のことを「研究所」と呼びますが、研究所の選び方を説明します。

 ●自分にあった先生を探す
 ●沖縄音楽の分類
 ●沖縄音楽の流派
 ●沖縄音楽の団体
 ●コンクールを主体にした分類
 ●八重山民謡の団体
 ●本土の研究所紹介

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●自分にあった先生を探す

私は八重山の民謡が好きなので、八重山民謡の先生に三線を習っています。ある友達から「私もその先生に習いたい」といわれたのですが、よくよく聞くとその友達が習いたいのは沖縄本島の民謡でした。私にとって、今習っている先生は大変良い先生ですが、沖縄本島の民謡は専門ではありません。その友達には別の先生を紹介することにしました。

沖縄では三線の教室を研究所と呼びます。研究所の先生は、何らかの流派の団体に属して三線を修得し、教師・師範の免許を取得して研究所を開設しています。もしも三線を習いたいと思い立ったら、自分の習いたい曲が、沖縄音楽の中でもどのようなジャンルの音楽なのか調べてみてください。

あなたの好きなCDやテープをよく見ると、その唄い手がどのようなジャンルの唄者なのか手がかりがあるはずです。本人に直接習うことが出来れば別ですが、そうでない場合は、同じジャンルの先生を探す事になるでしょう。特に沖縄以外で教室を探すとすれば、基本的にはそうするしかありません。

後はその先生との相性ということもあるので、お稽古の様子を見学させてもらうと良いでしょう。「いきなり研究所の門を叩くのはちょっと…」という人は、カルチャースクールの民謡コースや、民謡サークルに参加してみるのも良いでしょう。

本土にお住まいの方は、沖縄の三線の団体へ連絡して、その流派の先生が自分の住んでいる近くにいないか聞いてみると良いでしょう。意外と近くに研究所があるかもしれません。

先生本人はほとんど顔を出さず弟子任せの教室や、安い三線を高額で売りつけたりする教室もあるようです。まずは「見学」ということで様子を確認するようオススメします。

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沖縄音楽の分類

三線が使用される沖縄音楽は、大きく以下のように分類されます。

      ┌─琉球古典
 沖縄音楽─┤
      └─琉球民謡─┬本島民謡───┬戦前からの民謡
             ├宮古民謡   └戦中・戦後の民謡
             └八重山古典民謡

琉球古典
琉球クラシック。琉球王朝時代、中国からの使節を歓待する外交の重要な手段として発達し、継承されてきた宮廷音楽です。唄と三線は、それ単独よりも、箏、太鼓、笛、胡弓とのアンサンブルで、踊りのバックを勤める役割を担います。ゆったりとして格調高い曲が多く、唄や三線の細かな部分まで厳密に決まり事があります。正確にマスターするのはかなり難しいです。

琉球民謡
沖縄の民謡全般を指しますが、宮古・八重山民謡に対して沖縄本島の民謡という意味で使われることもあります。しみじみとした曲、風刺の効いた曲、楽しい遊び唄まで多岐に渡り、比較的演奏の自由度も高いと思います。本土では古来伝承されてきた民謡と、歌謡曲や流行歌のような音楽は分けて考えますが、沖縄ではまとめて「民謡」ととらえたりします。ですから「すべての人の心に花を」「島唄」も琉球民謡の教室で教えられていたりします。

宮古民謡
宮古島地方に伝わる民謡。
※すみません、宮古民謡については詳しくありません。情報求む!

八重山古典民謡
八重山クラシック。八重山地方の島々に伝わる民謡を指します。ほとんどの曲が、八重山の情景を描いた唄、ゆんた・じらばと呼ばれる労働歌、子守歌など、生活に根ざしています。祭の場では神々への感謝として奉納されたり、民衆の楽しみとして演奏されます。元々三線の伴奏は無く、三線が伝来して伴奏が附き節唄となったとされています。ほとんどが作者不詳なので「古典民謡」と呼ばれています。研究所に所属すると唄と三線の細かな指導を受けることになり、難易度は高いです。それとは別に各島の唄には各島の唄い方が存在します。

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沖縄音楽の流派

琉球音楽の各ジャンルの中に流派があります。ただし琉球古典を除けば、流派というより個人のブランド的なものであったり、地域の唄い方といった意味合いに近いものもあります。

※各流派の詳しい説明は参考文献リンクをお読みください。

琉球古典

 野村流  野村安趙(1805〜1871年)を祖とする流派
 安冨祖流 安富祖政元(1785〜1865年)を祖とする流派
 淡水流  湛水親方(1623〜1683年)を祖とする流派

琉球民謡

 登川流  登川誠仁(1930年〜)を家元とする流派
 前川流  前川朝昭(1912〜1989年)が祖となる流派

 ※流派と言うより唄の作者の名前が冠されたものです。

宮古民謡

 申し訳有りませんがわかりません。情報求む!

八重山民謡

 安室流
 大浜用能流
 大濱安伴門下

 ※各島風、石垣風、登野城風、白保風といった呼び方もあります。

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●沖縄音楽の団体

さらに流派が細分化された団体が存在します。

琉球古典の団体

 琉球古典音楽野村流音楽協会   (1924年結成)
 琉球古典音楽野村流古典音楽保存会(1955年結成)
 琉球古典音楽野村流松村統絃会  (1960年結成)
 琉球古典音楽野村流伝統音楽協会 (1982年結成)

 琉球古典音楽安冨祖流絃声会   (1931年結成)
 琉球古典音楽安冨祖流絃声協会  (1960年結成)

 琉球古典音楽淡水流保存会    (1960年結成)
 琉球古典音楽淡水流伝統保存会  (1983年結成)

琉球民謡の団体

 琉球民謡協会          (1957年設立)
 琉球民謡音楽協会        (2002年設立)
 琉球民謡保存会         (1989年結成)

 ※本島・宮古・八重山の先生が混在します。

宮古民謡の団体

 宮古民謡協会
 宮古民謡保存会

八重山民謡の団体

 八重山音楽安室流協和会     (1949年結成)
 八重山音楽安室流保存会     (1958年結成)
 八重山音楽大浜用能流保存会   (1970年設立)
 八重山古典民謡保存会      (1976年結成)

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●コンクールを主体にした分類

コンクールの主催団体によっても分類できます。コンクールを目指す場合、決まった団体に所属していないと受験できない場合があります。

 ※コンクールについては[三線コンクール]の項をご覧ください。

沖縄タイムス芸術選賞(沖縄タイムス主催)

 沖縄芸能協会・沖縄新進芸能家協会
  琉球古典音楽野村流古典音楽保存会
  琉球古典音楽野村流松村統絃会
  琉球古典音楽安冨祖流絃声協会
  琉球古典音楽淡水流伝統保存会

琉球古典芸能コンクール(琉球新報系主催)

 沖縄芸能連盟
  琉球古典音楽野村流音楽協会
  琉球古典音楽野村流伝統音楽協会
  琉球古典音楽安冨祖流絃声会
  琉球古典音楽淡水流保存会

八重山古典民謡コンクール(八重山毎日新聞社主催)

 八重山古典民謡保存会
 ※会員以外も受験できます。

八重山古典音楽コンクール(八重山日報後援)

 八重山古典音楽協会
  八重山音楽安室流協和会
  八重山音楽安室流保存会
  八重山音楽大浜用能流保存会

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●八重山民謡の団体について

八重山民謡の団体には、安室流保存会、安室流協和会、大浜用能流保存会と、八重山古典民謡保存会があります。

八重山古典民謡保存会は、大濱安伴先生門下の団体です。大濱安伴先生が編纂した『声楽譜附八重山古典民謡工工四』を基本として学んでいます。八重山毎日新聞社主催の「八重山古典民謡コンクール」では審査を勤めます。

安室流保存会、安室流協和会、大浜用能流保存会は、『声楽譜附八重山古典民謡工工四』とは別の工工四で学んでいます。八重山日報社後援の「八重山古典音楽コンクール」を合同で主催し、その際は「八重山古典音楽協会」として運営にあたります。

参考文献
『声楽譜附八重山古典民謡工工四』まえがき
『大濱安伴先生追悼公演プログラム』
『情報やいま2002年新春特別号』工工四の変遷と八重山節歌の人びと

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●本土の研究所紹介

私が所属する「八重山古典民謡保存会」の教師、師範の研究所から、本土の研究所を紹介いたします。カルチャースクールなどでも教えていらっしゃいますので、下記住所以外の場所でも学べると思います。詳しくはご確認ください。

 慶田盛 宏 研究所
 神奈川県海老名市下今泉2-2-2117
 TEL:046-231-9864

 東玉盛 靖修 研究所
 さいたま市緑区東浦和2-13-8-101
 TEL:090-3141-7125

 那良伊 正昭 研究所
 川崎市川崎市渡田1-9-11
 TEL:090-3402-4024

 大山 泰則 研究所
 2005年11月10日にお亡くなりになられました。

 東筋 秀盛 研究所
 愛知県西春日井郡師勝町大字熊乃庄字射矢103
 TEL: 0568-24-2533

八重山民謡以外の教室に関しては、[唄三線の風景(LINK)]コーナーの「三線関連WEB」を参考にしてください。

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